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ギフティングとは?インフルエンサーへの依頼手順とステマ規制の注意点

インフルエンサーに商品を提供し、SNSで発信してもらう施策をギフティングと呼びます。金銭報酬を前提としないため、広告出稿と比べて低コストで始められる手法です。

ただし、送れば必ず投稿してもらえるわけではありません。選定を誤れば反応は得られず、表示のルールを守らなければ景品表示法に抵触します。実務では、進め方と法令対応の両方を押さえておく必要があります。

本記事では、ギフティングの基本と期待できる効果、依頼までの手順、インフルエンサーの選び方、そしてステマ規制への対応までを整理します。

確認したいポイント結論詳細
ギフティングとは?商品提供で発信してもらう施策金銭報酬ではなく現物提供を対価とし、SNSでの投稿を依頼します。
必ず投稿される?投稿されない場合もある投稿を義務づけない形式では、一定割合が投稿に至らない前提が必要です。
誰に依頼すべき?フォロワー数より親和性数の多さよりも、フォロワー層が自社ターゲットと重なるかが重要です。
何に注意する?PR表記の明示が必須商品提供を受けた投稿は、広告と分かる表示をしないと法令違反です。
責任は誰にある?規制対象は依頼した事業者インフルエンサー任せにせず、依頼側が表示を確認する必要があります。

この記事でわかること

  • ギフティングの定義と、広告出稿やPR依頼との違い
  • 期待できる効果と、過度な期待を避けるべき点
  • 依頼から投稿確認までの6ステップ
  • インフルエンサーを選ぶときに見るべき指標
  • ステマ規制への対応と、依頼時に決めておくべき条件
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ギフティングとは?

ギフティングとは、企業がインフルエンサーや一般ユーザーに自社商品を提供し、SNSでの発信を依頼する施策です。現物の提供が対価となり、金銭報酬は発生しないか、発生しても少額にとどまります。

コスメ、食品、日用品といった、実際に使ってもらえば良さが伝わる商材と相性が良い手法です。使用シーンの写真や動画が生活者の視点で発信されるため、企業がつくる広告とは異なる伝わり方をします。

逆に、高額な商材や購入までの検討が長いもの、法人向けのサービスは向きません。日常の中で自然に紹介してもらう形式が成立しにくいためです。

PR依頼や広告出稿との違い

項目ギフティングPR依頼(有償)
対価商品の提供が中心金銭報酬と商品提供
投稿の確実性投稿されない場合がある契約により投稿が担保される
内容の指定基本的に本人に委ねる訴求内容や構成を指定できる
費用商品原価と送料が中心フォロワー規模に応じた報酬が必要
向くケース数を出して反応を見たい確実に狙った表現で届けたい

どちらが優れているという関係ではありません。まず低コストで反応を試すならギフティング、確実性を求めるなら有償のPR依頼という使い分けになります。

両者を組み合わせる進め方もあります。ギフティングで反応の良かった相手に、あらためて有償で依頼するという流れです。実績を確認したうえで投資できるため、無駄が出にくくなります。

注目される背景

インフルエンサーへの報酬単価は上昇傾向にあり、有償施策のハードルは上がっています。一方で、生活者は企業広告より実際に使った人の声を信頼する傾向が強く、UGCの重要性は増しています。

この2つの事情から、コストを抑えながら生活者視点のコンテンツを増やせる手法として、ギフティングが再評価されている状況です。

ただし、安く済ませるための手段と捉えると失敗します。選定と依頼、確認にはそれなりの工数がかかるため、人的なコストを見込んだうえで計画する必要があります。

どんな効果が期待できる?

得られるものと、期待しすぎてはいけない点を分けて理解しておきましょう。

生活者視点のコンテンツが生まれる

企業が用意した写真では伝わりにくい、実際の使用感や生活の中での見え方が可視化されます。これが購入前の不安を解消する材料になります。

特にECでは、商品を手に取れないことが購入のハードルになります。第三者が撮影した写真は、サイズ感や色味を判断する手がかりとして機能します。

コンテンツを二次利用できる場合がある

事前に許諾を得ておけば、投稿された写真や動画を商品ページや広告に転用できます。制作費をかけずに素材を増やせるため、コスト面での効果は小さくありません。

ただし、二次利用の範囲、期間、媒体は依頼時に明確にしておく必要があります。後から使いたいと申し出ても、断られるケースがあります。

無断で転載すると、著作権や肖像権の問題になります。良い写真だからという理由で勝手に使うことは避け、必ず事前または個別に許諾を取りましょう。

検索や指名の入口が増える

SNSで商品名を目にした人が、後日モールや検索エンジンで探すという流れが生まれます。直接の購入だけでなく、指名検索の入口が増える効果も見込めます。

この流れを取りこぼさないためには、検索したときに公式のページが上位に出る状態を整えておくことも欠かせません。発信と受け皿はセットで考えます。

期待しすぎてはいけない点

投稿を義務づけない形式では、提供した全員が投稿するとは限りません。一定割合は投稿に至らない前提で、送付数を計画する必要があります。

また、内容を指定しないため、狙った訴求と違う切り口で紹介されることもあります。ネガティブな感想が書かれる可能性もゼロではありません。この不確実性を受け入れられるかが、実施可否の判断材料になります。

もっとも、想定と違う切り口が新しい訴求のヒントになることもあります。実際の使われ方を知る機会と捉えれば、必ずしも失敗ではありません。

ギフティングはどう進める?

準備から効果測定までを6つの段階に分けて整理します。

STEP1:目的と評価指標を決める

投稿数を増やしたいのか、コンテンツ素材を集めたいのか、指名検索を増やしたいのか。目的によって、選ぶ相手も依頼内容も変わります。

あわせて、何をもって成功とするかを決めます。投稿率、リーチ数、保存数、サイトへの流入、購入数など、追える指標を事前に定めておきましょう。

初回から購入数を追うと、成果が出ていないように見えることがあります。まずは投稿率とコンテンツの質を評価し、慣れてきた段階で売上への貢献を見るという段階設計が現実的です。

目的が曖昧なまま数を送ると、商品原価と送料だけがかかって何も残りません。1回の施策で何を確かめたいのかを、着手前に言語化しておきましょう。

STEP2:候補をリストアップする

ハッシュタグ検索、競合商品を紹介している投稿、自社商品に既に言及している人などから候補を集めます。すでに自社を好意的に取り上げている人は、最も反応が期待できる相手です。

リストは多めに用意します。依頼しても返信がない、条件が合わないといったケースは一定数発生するため、実際に成立する数は候補の一部にとどまります。

候補を集める段階で、フォロワー数や投稿ジャンル、直近の投稿頻度を一覧にまとめておくと、比較と管理がしやすくなります。

STEP3:依頼と条件の提示

DMやメールで依頼します。商品の説明だけでなく、なぜその人に依頼したいのかを具体的に書くと、返信率が変わります。

定型文をそのまま送ると、受け取る側にはすぐ分かります。過去の投稿のどこに共感したのか、どのフォロワー層に届けたいのかを一言添えるだけで、印象は変わります。

この段階で、PR表記の依頼、二次利用の可否、投稿時期の目安を明示します。後から伝えると、認識の食い違いによるトラブルにつながります。

STEP4:商品の発送

商品と一緒に、使い方の案内や依頼内容をまとめた資料を同梱します。伝えてほしいポイント、避けてほしい表現、表記のルールを1枚にまとめておくと、確認の手間が減ります。

梱包そのものも見られています。開封の様子が投稿されることもあるため、同梱物や箱の状態には気を配っておきましょう。

手書きのメッセージを添えるなど、丁寧な対応が投稿率を高めるという実務上の知見もあります。相手にとっては、無数に届く提供品の1つにすぎないためです。

STEP5:投稿内容を確認する

投稿されたら、PR表記が適切に行われているかを必ず確認します。表記がない、位置が分かりにくいといった場合は、修正を依頼する必要があります。

あわせて、事実と異なる説明や、法令に触れる表現がないかもチェックします。特に化粧品や健康食品では、効果を断定する表現に注意が必要です。

修正を依頼する際は、なぜ必要なのかを丁寧に伝えます。ルール上の問題であることが伝われば、多くの場合は協力を得られます。

STEP6:効果を測定して次に活かす

投稿ごとのリーチや反応を記録し、どのような属性の相手が成果につながったかを整理します。反応の良かった相手とは、継続的な関係を築くほうが効率的です。

投稿からサイトへの流入を測りたい場合は、専用のリンクやクーポンコードを用意しておくと、成果を切り分けられます。

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インフルエンサーはどう選ぶ?

選定の質が、施策の成果をほぼ決めます。見るべき観点を挙げます。

フォロワー数より親和性を優先する

フォロワーが多くても、その層が自社のターゲットと重ならなければ意味がありません。普段どんな投稿をしていて、どんな人が反応しているかを確認するほうが重要です。

フォロワー数の少ない層のほうが、フォロワーとの距離が近く、反応率が高い傾向もあります。数十万人に1回届けるより、数千人に確実に届けるほうが成果につながる場面は少なくありません。

人数が少ないぶん、一人あたりの手間は相対的に増えます。何人に依頼するかは、社内で対応できる工数から逆算して決めましょう。

エンゲージメント率を確認する

いいねやコメント、保存といった反応数をフォロワー数で割った比率が目安になります。極端に低い場合は、フォロワーが実質的に稼働していない可能性があります。

数値の水準はプラットフォームや投稿形式によって異なるため、絶対値だけで判断せず、同じジャンルの他のアカウントと比較して見るのが現実的です。

コメントの中身も確認します。定型的な短いコメントばかりが並んでいる場合、フォロワーとの関係が形式的である可能性があります。

過去のPR投稿を見る

PR案件ばかりを投稿しているアカウントは、フォロワーからの信頼が薄れている可能性があります。通常の投稿とPR投稿のバランスを確認しましょう。

あわせて、過去のPR投稿で表記が適切に行われているかも見ます。表記のルールを理解していない相手に依頼すると、こちらが法令違反のリスクを負うことになります。

炎上リスクを確認する

過去に問題のある投稿をしていないか、他社とのトラブルがないかも確認します。依頼した相手の言動は、ブランドの印象に影響します。

特に、社会的にセンシティブな話題に関する発信は、投稿の内容と無関係にブランドへの評価に波及することがあります。判断に迷う場合は候補から外すほうが安全です。

ステマ規制で気をつけることは?

2023年10月から、広告であることを隠した表示は景品表示法違反となりました。ギフティングは商品提供という利益供与を伴うため、この規制の対象になります。

規制の対象は依頼した事業者

重要なのは、規制の対象がインフルエンサーではなく、依頼した事業者であるという点です。投稿者に任せていたという説明は通用しません(参考:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」)。

つまり、表記のルールを伝え、実際に守られているかを確認する責任は依頼側にあります。代行会社を使う場合も、最終的な責任が自社にあることは変わりません。

依頼した内容と、実際の投稿の記録は保管しておきましょう。後から確認を求められた際に、どのような依頼をしたかを説明できる状態にしておくことが望ましいためです。

社内でも、担当者が変わったときに同じ運用を再現できるよう、依頼文と確認手順をひな形として残しておくと安心です。

分かりやすい位置に明示する

「PR」「広告」「提供」といった表記を、消費者が容易に認識できる場所に置きます。文末のハッシュタグに紛れ込ませたり、他のタグに埋もれさせたりすると、明瞭でないと判断されるおそれがあります。

動画の場合は、音声だけで伝えるのではなく、画面上でも分かる形にしておくほうが安全です。音を出さずに視聴する人にも伝わる必要があります。

また、プラットフォームが提供するタイアップ表示の機能も併用するのが実務上の標準になりつつあります。機能によるラベル表示とテキストでの明示は、どちらか一方ではなく両方を行うほうが安全です。

商材ごとの表現規制も確認する

化粧品、健康食品、医薬部外品などは、効果を断定する表現が別の法令で制限されています。投稿者が善意で書いた感想が、結果として不適切な表現になることもあります。

依頼時に、使ってよい表現と避けるべき表現をまとめた資料を渡しておくと、修正のやり取りを減らせます。

この資料は一度作れば繰り返し使えます。商材ごとに整備しておくと、施策の再現性が高まります。

関係を隠さないほうが結果的に有利

表記をすると反応が落ちるのではという懸念を持たれることがありますが、隠していたことが後から分かるほうが、失うものは大きくなります。正しく表示したうえで、内容の質で勝負する姿勢が求められます。

実際、提供を受けたことを明かしたうえで率直な感想を書く投稿のほうが、読み手からは信頼されます。良い点だけを並べた投稿は、表記の有無にかかわらず見透かされます。

投稿後はどう活かす?

投稿されて終わりにせず、資産として使い切る設計にしましょう。

コンテンツを二次利用する

許諾を得た投稿は、商品ページ、広告、モールのページなどに転用できます。生活者が撮影した写真は、企業が用意した画像より現実味があり、反応が良い場合もあります。

転用する際も、提供を受けた投稿であることが分かる形にするのが原則です。素材だけを切り出して自社の表現として使うと、実態と異なる印象を与えかねません。

レビュー獲得とセットで考える

SNSでの発信と、モールや自社サイトのレビューは役割が異なります。SNSは新規の接点をつくり、レビューは購入直前の後押しになります。

どちらか一方だけでは、認知はされても購入されない、あるいは検討はされても知られないという状態になります。両方を並行して設計することが重要です。

レビューを計画的に増やす方法については、FORCE-Rのレビュー獲得支援でご確認いただけます。

相性の良い相手と継続する

単発で終わらせず、反応が良かった相手には継続して依頼するほうが効率的です。商品理解が深まるほど紹介の質が上がり、フォロワー側の信頼も積み上がります。

関係が続くと、新商品の発売時にも早い段階で発信してもらえるようになります。毎回ゼロから相手を探す手間も減ります。

影響力のある発信者の活用については、FORCE-Rのインフルエンサー活用支援もあわせてご覧ください。

動画が売れるチャネルとつなげる

動画コンテンツから直接購入につながるチャネルでは、クリエイターとの連携がそのまま売上に反映されます。SNS発信と販売を接続する設計は、FORCE-RのTikTok Shop運用支援で解説しています。

まとめ

ギフティングは、商品提供を対価にSNSでの発信を依頼する施策です。金銭報酬を伴う有償のPR依頼と比べて低コストで始められる一方、投稿の確実性や内容のコントロールでは劣ります。

進め方は、目的と指標の設定、候補のリストアップ、依頼と条件提示、発送、投稿確認、効果測定という流れです。選定ではフォロワー数より親和性を重視し、エンゲージメントや過去のPR投稿の質も確認しましょう。

最も注意すべきはステマ規制です。規制の対象はインフルエンサーではなく依頼した事業者であり、表記の徹底と確認は自社の責任になります。正しく表示したうえで内容の質を高めることが、中長期の信頼につながります。

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