- リスティング広告のキーワードってどう決めればいいの?
- キーワード選定に役立つツールってある?
- 除外キーワードってどうやって選べばいい?
上記のようにお悩みではないでしょうか。
リスティング広告を効果的に運用するためには、適切なキーワード選定が欠かせません。どれだけ広告文やLP(ランディングページ)のクオリティが高くても、キーワード選びを間違えていればリスティング広告は成功しないでしょう。
本記事では、リスティング広告のキーワード選定方法をWeb広告初心者でも真似できるように解説します。「リスティング広告で売上をアップさせたい」と考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
リスティング広告におけるキーワードの役割
リスティング広告のキーワードとは、「特定の語句で検索するユーザー」と「自社の広告」をマッチさせるための合言葉のようなものです。
たとえばポロシャツを扱うEC事業者がリスティング広告を出稿する場合、まず[ポロシャツ LACOSTE]というキーワードを登録します。すると新しいポロシャツを探しているユーザーが「ポロシャツ LACOSTE」と検索した際に、自社の広告が表示されるようになるのです。
登録するキーワードによって、広告を届ける相手が変わります。適切にキーワードを選び購買意欲の高いユーザーだけに広告を表示することで、費用対効果よくリスティング広告を運用できるでしょう。
リスティング広告のキーワード選定方法【6ステップ】
下記では、リスティング広告のキーワード選定方法を詳しく解説します。「LACOSTEのポロシャツを販売するECサイト」のリスティング広告を運用すると想定して各ステップで具体例を出すので、参考にしてください。
1. メインとなるキーワードを決める
リスティング広告運用のメインとなるキーワードを決めましょう。
リスティング広告では、1つもしくは少数の語句から派生してキーワードを設定していくのが主流です。まずは多くのユーザーが実際に検索しそうな語句を想像し、列挙していきます。たとえば「ポロシャツ」「ポロシャツ LACOSTE」などです。下記のように、ジャンル名とブランド名(商品名)それぞれのメインキーワードを用意するのがおすすめです。
ジャンル名の例 | ポロシャツ、カジュアルシャツ |
ブランド名の例 | LACOSTE |
ステップ2の掛け合わせによってユーザーを絞り込みます。したがってメインキーワードの段階では、多くのユーザーが検索するようなキーワードを選ぶことがポイントです。
キーワードが思いつかないときの対処法
「メインキーワードが思いつかない」「どのキーワードを軸にすればいいのかわからない」といった場合は、リサーチが足りていない可能性が高いです。下記のような方法でリサーチをやり直しましょう。
- 商品に詳しいスタッフにインタビューする
- 口コミやユーザーの意見を読む
- Q&Aサイトでユーザーの悩みを確認する
ステップ2以降を考えると、詳細なペルソナを作ってくことも有用です。
2. キーワードの掛け合わせを決める
次に、メインキーワードに掛け合わせるサブキーワードを決めます。
キーワードを掛け合わせるのは、ユーザーを絞り込んでリスティング広告のCVRを高めるためです。ユーザーのニーズや検索しているときの状況から想像すると掛け合わせキーワードを見つけやすくなります。
探し方 | 「ポロシャツ」に掛け合わるキーワードの例 |
ニーズ | 安い、おしゃれ、おすすめ、メンズ/レディース |
状況 | ゴルフ、デート、クールビズ |
キーワードの掛け合わせはかなり多いため、想像力だけで全パターンをカバーするのは現実的でありません。下記で紹介するツールも利用しながら、網羅的にキーワードを列挙していきましょう。
掛け合わせキーワードの洗い出しに役立つツール1
引用:ラッコキーワード
「ラッコキーワード」は、Googleサジェストキーワードの一括取得に便利なキーワードツールです。画像赤枠部分に表示される10個が検索頻度の多いキーワードですので、ニーズを確認しつつできるだけ盛り込むようにしましょう。
ツールを利用すると1000個以上のキーワードが表示されることもありますが、そのすべてにリスティング広告を出稿するわけではありません。キーワードが多い分には後で選別すればよいので、幅広く・網羅的に洗い出していきましょう。
掛け合わせキーワードの洗い出しに役立つツール2
「キーワードプランナー」はGoogle広告に搭載されているキーワード検索ツールです。関連性の高いキーワードを表示してくれるため、掛け合わせだけでなく新たな軸のキーワードを探す際にも活用できます。
検索ボリュームや入札単価もわかるので、クリック率3%と仮定して大まかに広告費を予想しながら利用するとよいでしょう。たとえばリスティング広告予算30万円/月で、キーワードプランナーを利用すると次のようなキーワードAが表示されたとします。
- 検索ボリューム:10万件/月
- 入札単価:100円
- 推定広告費:30万円/月(10万件×3%×100円)
この場合「キーワードAだけでリスティング広告予算をすべて使い切ってしまうため、出稿しないほうがよい」と判断できます。
3. 指名検索・顕在層・潜在層にキーワードを分類する
ステップ3では、洗い出した掛け合わせキーワードを指名検索・顕在層・潜在層に分類します。
指名検索・顕在層・潜在層の3パターンに分類するのは、CVRの高いキーワードから優先して配信して着実に成果を出していくためです。指名検索ユーザー>顕在ユーザー>潜在ユーザーの順にCVRが高いので、指名検索ユーザーには必ずリスティング広告を配信しましょう。
リスティング広告予算と各キーワードの推定広告費を比較しつつ、出稿するかどうかを決めます。「予算が少ないから初めは指名検索だけ」「余裕があるので初動から顕在層も狙える」といった判断です。キーワードごとの広告費の見積もりには、先述のキーワードプランナーを使うとよいでしょう。
4. キーワードのマッチタイプを決める
分類が終わり出稿するキーワードが決まったら、それぞれのマッチタイプを選びましょう。
リスティング広告は、設定したキーワードと関連する語句で検索したユーザーにも配信されます。リスティング広告でキーワードと検索語句の拡張度合いをどれだけ許容するか、を設定するのが「マッチタイプ」です。リスティング広告のキーワードのマッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3つがあります。
引用:Google広告 ヘルプ
キーワードのマッチタイプ1. 完全一致
完全一致は、キーワードと同じ意味の語句で検索したユーザーに対してリスティング広告を配信するマッチタイプです。
完全一致という名称ですが、意味が同じであれば字面が違っていても配信されるため注意しましょう。たとえば[ポロシャツ レディース]という完全一致キーワードを設定した場合、「ポロシャツ 女性用」といった語句で検索するユーザーにも広告配信される可能性が高いです。
キーワードのマッチタイプ2. フレーズ一致
フレーズ一致は、キーワードと同じ意味を含む語句で検索したユーザーに対してリスティング広告を配信するマッチタイプです。
たいていは語順の前後も許容され、キーワードに設定しない語句を含む検索にも表示されます。たとえば”ポロシャツ レディース”というフレーズ一致キーワードを設定した場合、「ポロシャツ レディース おしゃれ」「ポロシャツ 女性 仕事用」といった語句で検索するユーザーにも広告が配信されるでしょう。
キーワードのマッチタイプ3. 部分一致
部分一致は、キーワードに関連する意味の語句で検索したユーザーに対してリスティング広告を配信するマッチタイプです。
マッチタイプのなかでもっとも拡張性が高く、「とりあえず」で設定すると予想以上に広告費を使ってしまいかねません。たとえば ポロシャツ レディース という部分一致キーワードを設定した場合、「ポロシャツ SHEIN」「オフィスカジュアル 女性」といった語句で検索するユーザーにも広告が配信される可能性があります。
5. キーワードごとの入札単価を決める
マッチタイプが決まったら、キーワードごとに入札単価を設定します。ただし完全に自動入札で運用する場合、入札単価の設定は必要ありません。
入札単価は実際のクリック単価の算出に利用されるものです。リスティング広告で競合他社とキーワードが被った場合、入札単価が競合と比較して高いほど上位に掲載されやすくなります。「CVRが高くユーザーを漏れなく取り切りたい指名検索では、入札単価を高く設定する」「CVRが低くなりやすい部分一致では、入札単価を低くする」といった調整をしましょう。
入札単価の算出方法
入札単価は、CVRと許容CPAから許容CPCを算出し設定します。CVR1%・許容CPA1万円であれば、下記の計算から許容CPCは100円です。
1万円 × 1% = 100円
許容CPCを算出したあとは、キーワードプランナーも参考にしましょう。キーワードプランナーで「ポロシャツ レディース」の入札単価を調べた結果が下記です。
「ページ上部に掲載された広告の入札単価(高額帯)」が83円と表示されているため、入札単価を100円に設定すると競合と比較して高すぎる可能性があります。許容CPCは100円だが入札単価は80円に設定する、といった調整をするとよいでしょう。
6. 除外キーワードを決める
最後に、除外キーワードを決めます。
除外キーワードとはリスティング広告を配信しないキーワードのことです。たとえば出稿キーワードに”ポロシャツ”を設定していても、除外キーワードに”メンズ”を設定すれば「ポロシャツ メンズ」と検索したユーザーには広告が配信されません。リスティング広告を効果的に運用するためには、除外キーワードを厳密に設定することが重要です。
除外キーワードは、ツールで表示されたキーワードのうちコンバージョンから遠いものを選定しましょう。具体的には下記のようなキーワードです。
ネガティブなキーワード | 炎上、ダサい |
購入後のユーザーが検索するキーワード | 返品、キャンセル |
商品に関係のないキーワード | 英語、とは |
商品やジャンルと関係しているが、コンバージョンから遠いキーワード | ドンキホーテ、100均一 |
「いらない」「デメリット」のように、ネガティブだがコンバージョンしうるキーワードも存在します。ただしそういったキーワードで検索しているユーザーをコンバージョンへ導くには、広告文やLPでの正確な橋渡しが必要です。費用対効果よく運用するために、初めは除外設定しておいたほうが無難でしょう。
リスティング広告のキーワード選定に関するよくある質問
最後に、リスティング広告のキーワード選定に関するよくある質問にお答えします。
リスティング広告の適切なキーワード数は?
リスティング広告のキーワード数に、絶対的な基準は存在しません。
リスティング広告予算と、検索ボリューム・入札単価から試算できる推定広告費を比較して判断しましょう。推定広告費がリスティング広告予算を超える場合、指名検索や顕在層キーワードを優先します。
GoogleでもYahoo!でも、リスティング広告で設定できるキーワードに上限がある点には注意しましょう。ただしGoogleは広告アカウントごとに500万個まで、Yahoo!は広告グループごとに2,000個までに設定されており、基本的に超える心配はありません。
他社の商標キーワードはどう扱えばいい?
リスティング広告において、他社の商標キーワードは必ずしも除外しなくて大丈夫です。
広告文では商標登録されている語句を使用できませんが、キーワードに設定するだけであれば商標権の侵害には当たりません。出稿停止依頼が来ても、他社の当該製品を極端に侮辱しているといった場合を除いて対応する義務はないのです。
ただし他社の商標キーワードに出稿しても、効果が合わない場合もあります。たとえば「ラルフローレンのポロシャツが欲しい」と思っているユーザーにラコステのポロシャツをアピールしても、購入する可能性は低いでしょう。
好みではなく機能で選ぶ商材で、比較対象となる場合は他社商標キーワードへの出稿を検討する価値があります。
まとめ|リスティング広告の成果はキーワード選定で決まる
本記事ではリスティング広告のキーワード選定について解説しました。6つのステップをあらためてまとめます。
- メインとなるキーワードを決める
- キーワードの掛け合わせを決める
- 指名検索・顕在層・潜在層にキーワードを分類する
- キーワードのマッチタイプを決める
- キーワードごとの入札単価を決める
- 除外キーワードを決める
キーワード選定は、リスティング広告の成果を大きく左右する要素です。初めのうちは、時間がかかってもよいので丁寧に・意図を持って進めることを意識しましょう。
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