- Amazonグローバルセリングとは?
- 海外マーケットプレイスに出品するにはどうすればいい?
- Amazonで越境ECを始めるときの注意点は?
上記のようにお悩みではないでしょうか。
Amazonグローバルセリングを利用することで、比較的簡単に海外への出品を開始して売上拡大を図れます。しかし当然ながら日本と海外では出品者に求められる対応が異なるため、事前にしっかりと把握しておかなくてはなりません。
本記事ではAmazonグローバルセリングの概要や利用するメリット、登録方法、注意点などを解説します。「Amazonで越境ECを始めて海外市場に参入したい」と考えている出品者の方はぜひ参考にしてください。
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Contents
Amazonのグローバルセリングとは
Amazonグローバルセリングとは、日本から海外のマーケットプレイスに出品して簡単に越境ECを始められるサービスです。2018年から提供が開始され、2023年5月時点ではアメリカ(Amazon.com)やイギリス(Amazon.co.uk)、シンガポール(Amazon.sg)など全世界で18のマーケットプレイスに対応しています。
本格的に越境ECに参入しようとすると、通常であれば販売サイトだけではなく現地法人や物流網などさまざまなことを準備しなくてはなりません。しかしAmazonグローバルセリングであれば、Amazon.co.jpの出品アカウントさえあれば始められるのです。
Amazonグローバルセリングを利用する3つのメリット
Amazonグローバルセリングを利用するメリットは次の3つです。
- 簡単に市場を拡大できる
- 国ごとの出品用アカウントをまとめて管理できる
- アカウント料金(大口出品手数料)が割引される
まずはメリットを確認し、自社でAmazonグローバルセリングを導入すべきかどうか判断しましょう。
1. 簡単に市場を拡大できる
Amazonグローバルセリングを利用する最大のメリットは、小さな手間で海外市場へ参入できることです。グローバルセリングによって海外マーケットプレイスに出品することで、最大で全世界3億人のAmazonユーザーにアプローチできます(参考:Amazon.co.jp)。
海外法人設立のような複雑な手続きは必要ありません。セラーセントラル管理画面も慣れ親しんだものですし、アメリカ(Amazon.com)のように日本語で操作できる場合もあります。
また物流や決済の整備も不要です。配送は各国のFBAを利用できるため、日本で販売する際と同様にFBA倉庫まで届けるだけ。売上金の受け取りは、Amazon海外口座送金サービスを活用することで現地口座がなくても対応できます。
2. 国ごとの出品用アカウントをまとめて管理できる
Amazonグローバルセリングでは、出品している各国の出品用アカウントをまとめて管理できます。
世界のマーケットプレイスでそれぞれに出品用アカウントを作成した場合、いちいちログイン/ログアウトが必要になるだけではなく、情報が分散し管理が煩雑になります。一方でAmazonグローバルセリングで「アカウントの統合」を行えば、アカウントの切り替えなしで情報の一元管理が可能です。
出品するマーケットプレイスが増えるほど、商品や配送、売上などの管理すべき情報も多くなります。一元化によって管理を簡略化する機能は、越境ECでは必須でしょう。
3. アカウント料金(大口出品手数料)が割引される
Amazonグローバルセリングの3つ目のメリットは、大口出品手数料が割引されることです。
各マーケットプレイスに別個で出品用アカウントを登録した場合、アカウントの数だけ規定の大口手数料を支払わなくてはなりません。しかしグローバルセリングを利用して出品用アカウントを統合すると、大口出品の月額登録料が合計39.99米ドル(約5,440円※)までしか請求されないようになります。
たとえば日本・アメリカ・カナダ・イギリスの4つのマーケットプレイスに出品する際、別個でアカウントを登録すると合計で約17,710円※の大口出品手数料が発生します。
国 | 大口出品の月額登録料 |
---|---|
日本 | 4,900円 |
アメリカ | 39.99米ドル(約5,440円※) |
カナダ | 29.99カナダドル(約3,076円※) |
イギリス | 25英ポンド(約4,294円※) |
Amazonグローバルセリングによってアカウントを統合することで、1ヶ月あたり約12,000円も手数料を抑えられる計算です。出品するマーケットプレイスが増えるほど、割引額は大きくなります。
※2023年5月19日の為替レートで計算
Amazonグローバルセリングのやり方・登録方法
Amazonグローバルセリングの登録方法は「新規で海外アカウントを作成する場合」と「すでに海外アカウントを保有している場合」で異なります。
新規で海外マーケットプレイスの出品用アカウントを作成する場合
新規で海外マーケットプレイスの出品用アカウントを作成する場合、Amazonグローバルセリングの登録方法は次のとおりです。
- セラーセントラルで「在庫」>「グローバルセリング」と進む
- 出品したいマーケットプレイスを選択する
- 「今すぐ登録」をクリックしてアカウントを作成する
Amazon.co.jpの出品用アカウントと同じ情報で登録できます。書類を用意しておきましょう。
すでに海外マーケットプレイスの出品用アカウントを持っている場合
すでに海外マーケットプレイスの出品用アカウントを持っている場合、Amazonグローバルセリングの登録方法は次のとおりです。
- セラーセントラルで「在庫」>「グローバルセリング」と進む
- 出品したいマーケットプレイスを選択する
- 「アカウントを関連付ける」をクリックしてアカウントを統合する
すでに海外アカウントを保有している場合、作成は必要ないため統合の処理を行いましょう。
Amazonグローバルセリングでの越境ECを成功させる2つのコツ
Amazonグローバルセリングで越境ECを成功させるために、意識したいポイントは次の2つです。
- 自社の商品と販売する国の相性を見極める
- 国ごとの売れやすい訴求やデザインを確認する
日本製品はクールジャパンとして海外でも人気です。しかし「日本製」という強みだけで、現地ニーズに最適化された競合商品と勝負することは現実的ではありません。
越境ECの特性を踏まえて戦略を立てましょう。
1. 自社の商品と販売する国の相性を見極める
Amazonグローバルセリングを成功させるコツの1つ目は、自社商品と販売する国の相性を見極めることです。
国や文化によってECサイトで売れやすい商品が異なります。自社で扱っている商品にあわせて出品するマーケットプレイスを見極めましょう。
アジア圏で売れやすい商品 | 家電、食品、化粧品など |
---|---|
アメリカやヨーロッパで売れやすい商品 | 雑貨、趣味グッズ、和風アイテムなど |
下記の理由から、一般的にAmazonグローバルセリングで参入しやすい国はアメリカです。
- ユーザー数が最も多い(参考:関東経済産業局)
- 日本製品がブランドになっている
- 英語圏なのでコミュニケーションが取りやすい
- セラーセントラルを日本語で操作できる
自社商品とマーケットプレイスとの相性の見極めが難しい場合は、アメリカのAmazon.comへの出品を検討してみましょう。
2. 国ごとの売れやすい訴求やデザインを確認する
Amazonでの越境ECを成功させるコツの2つ目は、国ごとの売れやすい訴求やデザインを確認することです。
たとえば日本とアメリカで売れているゲーミングチェアの商品ページを比較してみると、商品画像のテイストや情報の盛り込み方が大きく異なることがわかります。
日本ではふんだんに文字を入れて機能性を訴求している一方で、アメリカでは文字を最低限にして洗練されたデザイン性をアピールしています。日本で好調な商品ページや商品画像をそのまま横展開するのではなく、現地にフィットさせられるよう調整することが重要です。
また機械翻訳だけで終わらせずに、ネイティブから見て違和感のない文章に校正しましょう。日本でしばしば見かける中華セラーのように、機械翻訳された文章をそのまま掲載するとユーザーは不信感を持つため売れ行きが悪くなります。
Amazonグローバルセリングを始める際の注意点5つ
Amazonグローバルセリングを始める際の注意点は次の5つです。
- 販売する国の言語に精通していることが必要
- 送料・配送コストが高くなる
- 法規制や製品規格を調べなくてはならない
- アカウント停止リスクが高くなる
- ヨーロッパでFBAを利用する場合は現地人の協力が必要
予想以上のコストがかかって赤字になったり、アカウントが停止したりなどの可能性もあります。必ず海外用アカウントの作成・統合前に確認しておいてください。
1. 販売する国の言語に精通していることが必要
Amazonグローバルセリングを始める際は、販売する国の言語に精通していることが求められます。
商品登録やユーザーとのやり取りなどは現地の言語で行わなくてはなりません。特にFBAを利用しない場合、発送までが出品者の対応範囲です。また海外のマーケットプレイスで不明点やトラブルがあれば、現地のカスタマーサポートに問い合わせる必要があります。
グローバルセリングで越境ECを始める際は、ネイティブレベルのスタッフを用意しましょう。
2. 送料・配送コストが高くなる
Amazonグローバルセリングを利用すると送料や配送コストが高くなる点も注意が必要です。
たとえばヤマト運輸で60cm2kg以内までの宅急便を送る場合、日本とアメリカでは送料に3,000円近い差が出ます。
発送元→配送先 | 輸送コスト |
---|---|
関東→関東 | 940円 |
日本→アメリカ | 3,700円+関税 |
グローバルセリングでFBAを利用するのであれば倉庫への一括発送となるためコストを抑えられますが、国内倉庫へ送るよりも高くなることは間違いありません。
3. 法規制や製品規格を調べなくてはならない
Amazonグローバルセリングの3つ目の注意点は、法規制や製品規格を調べなくてはならない点です。
たとえばアメリカの場合、下記に代表される商品の輸出(アメリカへの輸入)には許可が必要とされています(参考:JETRO)。
- 食品
- アルコール飲料
- タバコ製品
- 生物学的薬剤
またコンセントのように国や地域によって規格が異なる商品の場合、販売国で流通させられるかどうか確認が必要です。Amazonグローバルセリングに限らず、越境ECを始める際は輸出先の国での法律や規格を事前にチェックしましょう。
4. アカウント停止リスクが高くなる
Amazonグローバルセリングを始めると出品用アカウントの停止リスクが高まります。
統合されたアカウント同士は、独立した複数のアカウントではなく、まとめられてひとつの出品用アカウントとして認識される仕組みです。どれかひとつのアカウントに問題があると、グローバルセリングによって統合されているすべてのアカウントが停止される可能性があります。
拡大を急ぐあまり雑なアカウント運用を行うと、メインの柱である日本の出品用アカウントまで停止して大きな機会損失となるかもしれません。越境ECに割り振るリソースが足りていない場合は、無理な拡大を避けることも重要です。
5. ヨーロッパでFBAを利用する場合は現地人の協力が必要
ヨーロッパでFBAを利用する場合、IOR(Importer of Record/登録輸入者)が必要となります。
IORは現地に拠点を有していることが求められますが、AmazonはIORになれません。Amazonグローバルセリングでヨーロッパ市場に参入しFBAを利用する場合、事前にIORとして協力してくれる現地事業者を探しましょう。
Amazonグローバルセリングを解除する方法
Amazonグローバルセリングは下記の手順で解除できます。
- グローバル出品連携ツールにアクセスする
- 連携を解除するマーケットプレイスを選択する
- 「連携を解除」をクリックする
- 出品を継続するか削除するか選択する
FBAを利用していて現地倉庫に在庫がある場合、ステータスが出品中のままになる可能性があることを覚えておきましょう。
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Amazonグローバルセリングを活用することで市場を拡大できますが、越境ECならではの注意点も少なくありません。まずは国内市場での売上を最大化することが重要です。
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まとめ|Amazonグローバルセリングで越境ECを始めよう
今回はAmazonグローバルセリングについて解説しました。
Amazoonグローバルセリングを活用することで、簡単に越境ECを始められます。自社サイトを海外対応させるよりも低コストかつ効率的なため、越境EC参入を検討している方は積極的に活用したいサービスです。
ただし国内マーケットプレイスと比較すると手間がかかることは避けられません。売上拡大を目指すのであれば、まずは国内での店舗運営最適化を優先したいところです。
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