ECサイトの返品率の相場を解説!計算方法や返品対応の流れ、注意すべきポイントも紹介

「自社の返品率が相場より高いのか気になる」
「ECサイトで返品率を下げる方法が知りたい」
「返品対応でトラブルを起こさないためのポイントは?」

このような疑問をお持ちではありませんか。返品率が高いと機会損失だけでなく、対応にかかるコストや手間も増えてしまいます。さらに適切な返品対応ができなかった場合には、クレームにつながるリスクもあります。

そこで本記事では、返品率の相場や発生原因に加え、対応する際のポイントにもついて詳しく解説します。返品率を下げる施策も紹介するため、担当者の方はぜひ参考にしてください。

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返品率の計算方法や相場を解説

返品率を下げるためには、まずは自社の現状を正しく知る必要があります。自社の返品率を計算して相場との差分を知ることで、改善すべき指標や目指すべきゴールが明確になります。

計算方法と商品カテゴリ別の相場を紹介するので、自社の立ち位置を知る際の参考にしてください。

1. 返品率の計算方法

返品率は以下の式で計算できます。

返品率=返品数÷出荷数×100

なお、出荷数は納品完了している数量と定義します。ここでは、出荷する前にキャンセルとなった数は除いてください。

例えば、100個の商品のうち返品が3個だった場合には、3÷100×100=3%が返品率です。100個の注文のうち5個が発送前にキャンセルとなり、発送後に5つの返品が発生した場合には、5÷(100-5)×100=5.2%が返品率となります。

まずは自社の返品率を正しく計算してみましょう。

2. 返品率の相場

実物が見られてお試しもできる実店舗より、ECサイトの方が返品率が高い傾向にあります。また、業界や商品のカテゴリによっても返品率は異なります。カテゴリ別の返品率相場は、以下のとおりです。

  • アパレル:4.9%
  • 家具や雑貨:7.7%
  • 靴やスニーカー:11.1%
  • アンダーウェアや下着:15.1%

自社が扱う商品の返品率相場を知ることで、対策すべきかを判断してください。またECサイトで購入した商品を、お試し期間を設けて無料で返品できるサービスが増えています。

これは購入までのハードルを下げて、手に取ってもらいやすくする施策です。気軽に返品できる施策と返品率を下げる施策は、それぞれ検討していくことが大切になっていきます。

参照:Recustomer|ECサイトの返品・交換データ調査レポート

ECサイトで返品が発生する理由

ECサイトで返品が発生する理由は、消費者都合と販売者都合の2つが多いです。また、それ以外にも配送中の破損や事故など、配送業者が理由となる返品も存在します。

返品が起こる理由を知ることで、効果的な対策を考えることができます。自社の返品理由の中でどのような理由が多いか調べてみましょう。

1. 消費者都合

消費者都合で返品が発生するケースには、以下のような理由があります。

  • 色や種類の間違い
  • デザインや仕様が想定していた商品と異なっていた
  • サイズ違い

消費者都合の返品を減らすために、顧客の間違いを減らすための工夫が必要です。ECサイトの商品ページを見やすくし、色やサイズ表記の最終確認を行うことで、間違いやすいポイントを整理・改善していきましょう。

また「消費者都合の返品をどの程度まで受け付けるか」はしっかりと決めておきましょう。定義がないと「前回は返品できたが今回はできなかった」ような場合に、クレームや顧客満足度の低下につながってしまうためです。

2. 販売者都合

販売者都合で発生する返品には、以下のような理由が存在します。

  • 欠陥品・不良品を送ってしまった
  • 注文と異なる商品を送ってしまった
  • 発送先を間違えてしまい顧客が受け取れずキャンセルとなる
  • 発送日が遅れることで希望日に間に合わない

販売者都合による返品は、顧客の信頼を損ねる可能性があります。発生した場合には、原因の追究と改善案の検討をセットで行うようにしましょう。

ただ、どんなに注意していてもミスが発生してしまうことはあります。そのような場合には、迅速かつ丁寧に顧客対応を行ってください。

ECサイトで返品対応を行う流れ

ECサイトで返品対応を行う際には、顧客対応は丁寧に行いながらも手続きは迅速である必要があります。そのため無駄なフローを減らし、素早く対応できる体制作りを心がけましょう。

抑えるべき3つの業務を流れに沿って解説しますので、返品対応の参考にしてください。

1. 返品を受け付ける

顧客が何らかの理由で返品をしたいと希望した場合は、お問い合わせページやカスタマーセンターへの連絡によって手続きを行います。

申し出を受けた販売者は、返品ポリシーに定めた期間や条件を満たしているかを確認し、返品対象になるかを判断します。返品対象外の場合は、その旨を理由とともに顧客へ連絡しましょう。返品対象となる場合は、次のステップに移ります。

2. 商品を受け取る

次に、購入者が商品を送り返す手続きを行います。販売者側から購入者に、返送方法や返送先の情報を伝えましょう。またトラブルを避けるため、追跡番号を教えてもらうことも重要です。

返品された商品が届き次第、状態を確認しましょう。その際に改めて、返品ポリシーを満たしているか確認してください。例えば「未使用のみ返品可能」と記載しているのに明らかに使われた形跡がある場合などは、返品ができない旨を顧客に伝える必要があります。

返品条件を満たしている場合には、返金・交換の手続きに移りましょう。

3. 交換・返金手続きを行う

返品を行う場合は「返金」「新しい商品やサイズや色の異なる商品へ交換」のいずれかの対応となります。返金の場合は、支払い方法に応じて対応が異なります。

代金引換や振込の場合は、顧客から口座番号の情報をもらい振込を行ってください。クレジットカードの場合は、決済の取り消し作業を行いましょう。なお、手数料や送料は差し引いた金額を返金することが多いです。トラブルを避けるため、手数料や送料の負担先も返品ポリシー内に記載しておきましょう。

ECサイトで返品対応を行う際の3つのポイント

返品が発生する場合は、顧客側と販売者側それぞれに起因する原因が考えられます。販売者起因で起きている返品対応の場合は、クレームや顧客満足度の低下につながるリスクもあるため、迅速に手続きを行いましょう。

返品対応時の3つのポイントを解説しますので、積極的に取り入れるようにしてください。

1. 対応は迅速に行う

返品対応はスピードが最も重要です。そのため、全ての工程がスムーズに進むような仕組みにしておきましょう。時間がかかるとクレームにつながったり、顧客満足度を下げてしまったりするリスクがあるためです。

特に販売者都合での返品・交換の場合、スムーズな対応でないと「せっかく買った商品が使いたいタイミングで利用できない」「対応が遅いのでストレスがたまる」と、顧客が不満を感じてしまう可能性が高いです。

また購入者都合の場合には、迅速な対応を行うことで顧客満足度の向上に繋がります。日頃から返品対応がスムーズに行える体制や、仕組みを作っておきましょう。

2. 返品理由を確認して対策に活かす

返品が発生した場合、その理由を確認するようにしましょう。「なぜ返品が発生しているか」を正しく把握しなければ、取るべき対策が明確にならないためです。

例えば、購入者がサイズを間違えるという理由が多ければ、一目で顧客に伝わるデザインや購入前に再度確認するフローに変更する必要があります。

また「イメージと違っていた」という理由であれば「写真の枚数を増やす」「実際に使用・着用している写真を掲載する」といった商品の特徴を正確に伝える工夫が必要です。

販売者都合の場合も同様で「どのタイミングでミスが発生しているか」を把握することで、具体的な改善案を検討できます。正しく現状を把握することで課題が浮き彫りになり「何をすべきか」が明確になります。返品率を下げるための第一歩目として、返品理由を把握するようにしましょう。

3. 返品対応のレビューを依頼する

返品対応を行った後は、顧客へ対応に関するレビュー記入の依頼を行いましょう。返品対応も丁寧に行っていると書いてもらえれば、他の顧客が購入する際の安心材料になるためです。

もし口コミ依頼が難しい場合には、対応に関するアンケートだけでも取得するようにしましょう。アンケートに書かれた意見から返品対応の不満点が把握でき、さらに良い対応を行うための改善に繋げていけるためです。

顧客に口コミを書いてもらうための施策やポイントは、関連記事「口コミを書いてもらう方法を6つ紹介!得られる効果や注意点も解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

ECサイトでの返品率を下げる3つの施策

返品率が下がることで売上の向上が見込めるだけでなく、返品対応にかかっていた時間や費用などのコストも減らせます。返品率を下げたいと感じている担当者の方は、この章で紹介する3つの施策を試してください。

1. ECサイトの商品画面の改修を行う

返品率が高い企業は、ECサイトのデザインを見直しましょう。写真が充実していなかったり画質が荒かったりすると、正しく情報が伝わらないため「イメージと違う」という理由から返品が発生してしまいます。

また、サイズ表記や色がわかりにくいことで、誤った商品を購入してしまう可能性もあります。実寸値だけでなく実際に着ている写真もアップすることで、視覚的なイメージでも伝えることが可能です。

顧客にとって見やすく、サイズや色の間違いが起きにくいような使いやすいサイトへ日々改修を行うことで、返品率の低下を目指していきましょう。

なおECサイトのデザインを考える際には、関連記事の「売上が伸びる商品ページのデザインにおける7つの共通点!参考になるサイトも紹介」もぜひ参考にしてください。

2. 返品ポリシーの見直し

返品ポリシーは、返品・交換時の条件や期間を定めたルールです。消費者の92.2%は、購入前に返品ポリシーを確認しています。そのため返品の条件を明確に記載することで、返品ポリシーを満たしていない商品の対応工数を減らすことが可能です。

返品ポリシーはよくある返品理由を確認しながら、必要な条件の追加や緩和を行えるよう、定期的に見直していきましょう。

参照:Recustomer|返品・交換に対する消費者の意識調査レポート

3. 梱包方法の手順や資材を見直す

破損や傷など、商品の不具合で返品が多い場合には梱包方法を見直しましょう。梱包は、適切なサイズと資材を用いることが大切です。特に壊れやすい商品は、適切な素材の梱包材を選ぶようにしましょう。

ただし梱包を丁寧に行いすぎると、工数や資材の金額が上がってしまい利益を圧迫してしまう可能性もあります。バランスを考慮しながら「どこまで行うべきか」を検討していきましょう。

ECサイト運営で返品率の高さにお悩みならFORCE-Rへ相談

ECサイトは実店舗と違って商品を直接手に取れない分、返品率が高くなりやすい傾向があります。返品率が高止まりしてしまうと売上の増加は見込めないため、できるだけ早く対策することが重要です。返品率が高くなっている要因分析を行い、課題特定と解決策を検討していきましょう。

ただし返品率が高い要因はさまざまなので、課題となっている工程や原因を素早く見つけて適切な施策を行うためには、専門のコンサルタントに依頼することがおすすめです。

FORCE-Rでは専門スタッフが、返品率が高い要因を丁寧に分析して課題を特定します。また、返品率を下げる施策を提案することまでご支援可能です。返品率の高さに悩んでいる企業担当の方は、お気軽にご相談ください。

まとめ|返品率を下げて顧客満足度と売上アップを目指そう

返品率の高さは売上機会の損失だけでなく、対応にかかる手間やコストが発生します。さらに適切な返品対応が行えないと、顧客の信頼を失ってしまうリスクも発生します。そのため返品対応のプロセスの見直しや、返品率を下げるための施策検討は早急に行っていきましょう。

FORCE-Rであれば、返品率を下げるための施策提案はもちろん、返品対応をスムーズに行うための体制作りもサポート可能です。返品率を下げることで、売上増加やコスト削減を実現したい担当者様は、ぜひご相談ください。


記事を書いた人

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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