- 動画広告にはどんな効果がある?
- 動画広告を配信する手順は?
- 動画広告を成功させるにはどうすればいい?
上記のようにお悩みではないでしょうか。
YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツが人気を集めている現在、動画広告はWeb広告の成果拡大に欠かせない手法です。しかし広告の形態や費用の仕組みがさまざまでバナー広告やテキスト広告よりも制作コストが大きいことから、始め方がわからないと感じる方もいます。
そこで本記事では、動画広告のメリット・デメリットや費用の仕組みといった基礎知識から、作り方や成功させるコツといった実践ノウハウまで紹介します。「動画広告を導入して売上を伸ばしたい」「Web広告を拡大したい」と考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
動画広告とは
動画広告とは動画クリエイティブを用いた広告のことです。
広義の動画広告では、テレビCMやタクシー広告、街頭ビジョンなども含めて、媒体を問わず動画を利用している広告全般を指します。一方で狭義の動画広告が意味するのは、YouTubeやTikTokといったWeb媒体で配信される広告です。単に「動画広告」と言った場合は後者の場合が多いため、本記事でもWeb媒体での動画広告について扱います。
動画広告は認知拡大・ブランディング・販売促進など幅広い目的で活用可能です。ある広告調査では、動画広告は静止画広告と比べて利用意欲が7倍も高まるという結果でした。
引用:Supership
動画広告のメリット・デメリット
動画広告(Web動画広告)には、静止画広告やテレビCMのようなオフライン動画広告と比較して、次のようなメリット・デメリットがあります。
動画広告のメリット | ・伝えられる情報量が多い ・ユーザーの感情を動かしやすい ・詳細なデータを蓄積・分析できる |
動画広告のデメリット | ・広告制作にかかる時間と費用が大きい ・ユーザーに悪印象を抱かれやすい |
メリット1. 伝えられる情報量が多い
音や動きを活用できる動画広告は伝えられる情報量が多いです。
15秒の動画で、静止画450枚分もの情報を伝えられるとも言われます。質感や使用感を表現するにも、画像とテキストを組み合わせるよりも動画を見せたほうがわかりやすいでしょう。
メリット2. ユーザーの感情を動かしやすい
ユーザーの感情を動かしやすい点も動画広告のメリットです。
静止画広告やLPで漫画が活用されていることからもわかるように、効果的な広告を作るためにはストーリーで感情を動かすことが重要です。動画であれば短いものでもストーリー性を持たせやすく、ユーザーの感情を動かしやすいと言えます。
メリット3. 詳細なデータを蓄積・分析できる
Web動画広告では詳細なデータを蓄積・分析できます。
テレビCMのような従来の動画広告も効果測定のための環境が整いつつありますが、現状では正確性・網羅性ともにWeb動画広告のほうが上でしょう。PV数や視聴時間、リンククリック数などさまざまなデータを分析することで、効率的に広告効果を改善できます。
デメリット1. 広告制作にかかる時間と費用が大きい
下記のように、静止画広告と比べて動画広告の制作には大きなコストがかかります。
最低費用の目安 | 最短納期の目安 | |
静止画広告 | 3,000円 | 2日 |
動画広告 | 3万円 | 2週間 |
「自社でWeb広告を運用したいが、経験者がいない」といった状況であれば、手軽に始められるリスティング広告やディスプレイ広告がおすすめです。
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デメリット2. ユーザーに悪印象を抱かれやすい
動画広告はユーザーに悪印象を抱かれやすいというデメリットがあります。
特にYouTubeやTikTokなどの動画コンテンツプラットフォームで配信される動画広告は、悪く言えば「強制的に視聴させる仕組み」です。仕組み自体はテレビCMと同じですが、ユーザー体験が重視されるWebにおいてはより反感を買いやすくなってしまいます。
動画広告ではユーザー体験を阻害しないクリエイティブを制作することも重要です。
動画広告の費用の仕組み・課金仕様
動画広告の費用形式は主に次の3パターンです。
略称 | 仕組み | |
視聴課金 | CPV(Cost Per View) | 3秒、5秒、最後までなどのタイミングで計測される動画の視聴回数に応じて課金される。動画広告に特有。 |
表示課金 | CP(Cost Per Mille) | 視聴の有無にかかわらず、動画の表示回数に応じて課金される。1,000回表示あたりの費用に表示回数を掛け合わせて広告費を算出。 |
クリック課金 | CP(Cost Per Click) | 動画の視聴や表示ではなく、広告URLのクリック数に応じて課金される。販売促進目的の広告におすすめ。 |
媒体や配信方法によって異なりますが、課金仕様のみで成果が大きくわけではありません。課金仕様によって媒体を選ぶのではなく、媒体や配信方法ごとの仕組みを理解することが重要です。
動画広告の主な種類3パターン
動画広告は主に「インストリーム広告」「インバナー広告」「インリード広告」の3種類です。インバナー広告とインリード広告は、まとめて「アウトストリーム広告」と呼ばれます。
1. インストリーム広告
インストリーム広告とは動画視聴の前・途中・後に、視聴しようとしている動画と同じサイズで表示される動画広告です。
形式としてはテレビCMと同様であり、Web動画広告ではYouTubeのTrueViewインストリーム広告に代表されます。動画のスキップ可否によって区別されるのが一般的です。
インストリーム広告はブランドや商品に対して興味を持っていないユーザーにも視聴させるため、悪印象を抱かれやすいです。一方で「初めの◯秒は必ず視聴される」点はメリットでもあり、現在は動画広告の主流と言えるでしょう。
2. インバナー広告
インバナー広告とはアウトストリーム広告の一種であり、静止画バナー広告と同じようにWebサイトのバナー広告枠に表示される動画広告です。
代表的な掲載箇所として、Yahoo! JAPANトップページの右上にある広告枠が挙げられます。
インストリーム広告とは違ってユーザーの視聴しようとしているコンテンツを中断させずに表示でき、ユーザーが広告をクリックするまでは音声も流れません。動画広告のなかではヘイトが溜まりにくい形式ですが、映像だけでユーザー興味を引ける工夫が必要となります。
3. インリード広告
インリード広告もアウトストリーム広告の一種で、Webメディアの記事やSNS投稿を閲覧している際に、コンテンツの間に表示される動画広告です。
TwitterやFacebookのようなSNSに表示される動画広告がわかりやすいでしょう。
インバナー広告よりも視認性が高いためユーザーに見てもらいやすく、インストリーム広告ほどコンテンツを阻害しないため反感を買いづらくなっています。ただしどっちつかずとも言えるため、インストリーム広告やインバナー広告との比較検討が重要です。
動画広告の主な配信媒体一覧
動画広告の主な配信媒体は次の7つです。
- YouTube
- TikTok
- LINE
- アドネットワーク
ターゲティング次第で、どの媒体でも認知拡大・ブランディング・販売促進ができます。
ユーザー層や自社のWeb広告配信状況によって動画広告媒体を決めましょう。「リスティング広告を運用していてGoogleのリマーケティングリストが溜まっているからYouTubeから始める」「10代・20代がボリューム層だからTikTokで配信する」といった選び方です。
1. YouTube
YouTubeは2020年9月時点で国内の月間利用者数6500万人を超えた巨大プラットフォームで(参考:Think with Goolge)、動画広告の主流となっている媒体です。YouTube広告には次の5つの動画広告フォーマットがあり、一般にYouTube広告と言うと「TrueViewインストリーム広告」が連想されます。
フォーマット | 特徴 |
TrueViewインストリーム広告 | 動画の前・途中・後に動画と同じサイズで表示され、自動で再生される広告 |
TrueViewディスカバリー広告 | 関連動画や検索結果画面にサムネイル+タイトルで表示され、クリックすると再生される広告 |
バンパー広告 | 動画の前・途中・後に動画と同じサイズで表示され、自動で再生されるスキップ不可の6秒間の広告 |
アウトストリーム広告 | YouTubeの提携Webサイト・アプリで表示され、ミュート状態で自動で再生される広告 |
マストヘッド広告 | YouTubeのホーム画面に表示される広告 |
YouTubeには「オーバーレイ広告」という動画コンテンツの再生中に表示される広告もありますが、静止画フォーマットに限定されているため注意しましょう。
2. TikTok
TikTokは若年層に人気な動画SNSで、10代・20代の男女でユーザーの半数近くを占めています(参考:DIGIDAY)。
TikTokで利用できる広告フォーマットは次の3種類です。
フォーマット | 特徴 |
起動画面広告 | TikTokを起動したときに表示される、1日1社限定の動画広告 |
インフィード広告 | 通常のユーザー投稿の間に表示される動画広告 |
ハッシュタグチャレンジ | ユーザーのハッシュタグ投稿を促す動画広告 |
1日1社しか枠がない起動画面広告や2ヶ月単位で契約するハッシュタグチャレンジは、数百万円〜1000万円以上の広告費がかかります。初めてTikTok動画広告を実施する場合はインフィード広告から始めるといいでしょう。
3. Facebook
実名・実年齢で登録するユーザーが多いFacebookは、ターゲティング精度の高さが特徴的な広告媒体で、30代〜50代のビジネス世代をターゲットにした動画広告を配信したい場合には特におすすめです。
Facebookでは下記のような形式で動画広告を配信できます。
フォーマット | 特徴 |
フィード広告 | 通常のユーザー投稿の間に表示される動画広告 |
ストーリーズ広告 | ストーリーズ投稿の間に表示される動画広告 |
インストリーム広告 | Facebook上の動画コンテンツ内で表示される動画広告 |
MessengerやAudience NetworkといったFacebook以外のアプリやWebサイトにも配信できます。
4. Instagram
ビジュアルを重視したSNSであるInstagramも、Facebookと同様にターゲティング精度の高さが特徴です。
Instagramで利用では下記のような動画広告フォーマットを利用できます。
フォーマット | 特徴 |
フィード広告 | 通常のユーザー投稿の間に表示される動画広告 |
ストーリーズ広告 | ストーリーズ投稿の間に表示される動画広告 |
リール広告 | リール(ショート動画)投稿の間に表示される動画広告 |
幅広い年齢・性別のユーザーがInstagramを利用していますが、10代〜30代をターゲットとした動画広告を配信する場合には特におすすめでしょう。
5. Twitter
Twitterも動画広告を配信できる主要媒体の1つです。
フォーマット | 特徴 |
プロモビデオ広告 | 通常のユーザー投稿の間に表示される動画広告 |
プレロール広告 | Twitter内の動画コンテンツの再生前に表示される動画広告 |
ビデオカンパセーショナル広告 | 「#〇〇をツイート」というボタンによってユーザー投稿を促せる動画広告 |
FacebookやInstagramほどターゲティング精度は高くないと言われますが、いいねやリツイートによる2次拡散に費用がかからないというメリットもあります。ユーザーの興味を引きやすい・内容が面白い動画クリエイティブを作れれば費用対効果を高められるでしょう。
6. LINE
引用:LINE広告
コミュニケーションアプリLINEでは、国内で8600万人を超える月間利用者に対して動画広告を配信できます(参考:LINE BUSINESS GUIDE)。
LINE NEWSやタイムラインだけでなく、Smart ChannelやLINEマンガ、LINEウォレットといった多くの配信面を持っている点も特徴です。商材やターゲットに合わせて配信先を選ぶことで、費用対効果よく広告を運用できます。
アカウントが電話番号に紐づいていて複数アカウント所持が少ないといった背景から、類似拡張のようなターゲティングの精度が高いこともLINEで動画広告を配信するメリットです。
7. アドネットワーク
GDNやYDAに代表されるアドネットワークでも、動画広告を配信できます。
アドネットワークで配信できるのは主にインバナー広告やインリード広告で、Webサイトだけでなくアプリ面への出稿も可能です。ターゲティングが豊富で運用を調整しやすい一方で、インプレッション数がかなり大きいため予想以上に広告費用を使ってしまう可能性もあります。
静止画バナー広告でディスプレイ広告を運用した経験がある方におすすめの動画広告媒体です。
動画広告の作り方・運用の流れ
動画広告は下記のような流れで制作・運用します。
- 動画広告を配信する目的を決める
- 動画広告のターゲットやペルソナを決める
- 動画広告を配信する媒体を決める
- 動画クリエイティブのコンセプトを決める
- 動画クリエイティブの構成を作成する
- 素材を用意し、構成にもとづいて動画を制作する
- 媒体での広告配信設定を行う
- 動画広告を配信する
- 配信データを分析し改善する
ステップが多く複雑ですが、1つでも怠ってしまうと効果的な動画広告を作れません。動画制作を外注するといった方法で効率化も図りつつ、丁寧に動画広告を完成させましょう。
初心者でも動画広告を成功させる4つのコツ
初心者でも動画広告を成功させるためのコツは次の4つです。
- 動画広告の目的を明確にする
- 初めの5秒でユーザーの興味を引く
- 分析・改善を続ける
- 代理店に制作・運用を依頼する
1. 動画広告の目的を明確にする
動画広告は目的を明確することが重要です。
動画のコンセプトや配信媒体、ターゲティングといった動画広告の各要素は、すべて目的ありきで定めます。極端な例を挙げれば、目的がブレると「主婦層を狙って広告を配信する予定だったのに、女子大生向けの動画を制作してしまった」といった事態にもなりかねません。
まずは動画広告を配信する目的を明確にし、それをブレさせないようにしましょう。
2. 初めの5秒でユーザーの興味を引く
動画制作では初めの5秒でユーザーの興味を引くことを意識します。
Yahoo! JAPANの調査では、3秒〜5秒以内に興味を引けるかどうかで動画広告の成果がおよそ1.4倍〜1.7倍も変わるという結果が出ているのです。
引用:Yahoo! JAPAN
またYouTubeのTrueViewインストリーム広告のようなスキップ可能な配信媒体では、ユーザーが飛ばさずに最後まで視聴してくれるかどうかも重要な指標です。スキップされずに観てもらうためには、やはり初めの5秒のうちにユーザーに「気になる」と思わせられるかがポイントになります。
動画広告では初めの5秒でユーザーの興味を引けるクリエイティブ制作を意識しましょう。冒頭の5秒だけを複数パターン用意してABテストすることで成果が変わることもあります。
3. 分析・改善を続ける
動画広告の運用を始めたら、データの分析やその結果に基づいた改善を継続することが成功につながります。
動画広告に限らず、Web広告はやりっぱなしでは成果を出せません。「どんな冒頭が興味を引けるのか」「どんな構成がCVに繋がりやすいのか」「どの媒体が認知拡大に効果的なのか」などをデータから分析し、次の動画制作・広告配信に活かしましょう。
動画広告配信の目的別に、KPIとすべきデータを紹介します。
目的 | 適しているKPI |
認知拡大 | 視聴回数、表示回数、指名検索数など |
ブランディング | 視聴回数、平均再生時間、指名検索数など |
販売促進 | クリック数、コンバージョン数、売上など |
4. 代理店に制作・運用を依頼する
初心者であれば、無理に内製せず代理店に制作・運用を依頼するのも効果的な選択肢の1つです。
動画広告はクリエイティブ制作に時間がかかってしまうため、どうしてもPDCAサイクルを回すスピードが遅くなってしまいます。社内に動画広告チームを作るといった目的がなければ、制作・運用のノウハウを持っている代理店に依頼したほうが手数料を加味しても費用対効果がいいケースもあるでしょう。
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まとめ|まずは動画広告の基礎を理解しよう
本記事では動画広告の基礎知識について解説しました。
動画広告は伝えられる情報が多い・ユーザーの感情を動かしやすいといったメリットがあり、動画コンテンツが主流となるこれからの時代に欠かせないWeb広告手法です。一方、制作には大きなコストがかかるうえに媒体やフォーマットもさまざまで、初心者がいきなり運用を始めても成果を出すには時間がかかるでしょう。
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