リピート率とは?業界別ECサイトの平均値と向上させる施策を解説

「売上アップのためにリピーターを増やしたい」
「自社のリピート率が高いのか低いのか、計算方法や基準がわからない」
「自社ECサイトのリピート率をあげる施策が知りたい」

上記のようなお悩みはありませんか。リピート率はECサイトを運営する上でとても重要な数値です。リピート率が高ければ少ない予算で利益を生み出せるほか、競合他社への流出を防ぐ効果もあります。本記事では、リピート率をあげる施策や業界別の平均値について解説していきます。

自社ECサイトの運営で必須な7つのチェックリスト

無料で資料を受け取る

リピート率とは?算出方法とリピーター率との違いも解説

ECサイトを運営する上で「リピート率」はとても重要な数値です。サイトの売上が左右されるだけでなく、リピート率は顧客満足度の指数となります。そのため、リピート率の詳細と算出方法をきちんと把握して、ECサイトの運営に生かしましょう。

リピート率とは

リピート率とは商品やサービスを初回購入したユーザーのうち、再び購入してくれた人の割合です。リピート率を伸ばせれば、売上がアップするだけでなく自社商品を積極的に購入してくれる優良顧客になり得ます。

リピート率を高めて複数回自社サイトを利用してもらうことで、ユーザーと継続的な関係を築けます。自社への愛着度を高めることは、競合他社への流出を防ぐことにつながるので、リピート率が高いことにデメリットはありません。

リピート率の算出方法

リピート率は「累計顧客の内どの程度のユーザーが継続して購入してくれているか」を表す数値で、以下の公式で求められます。

リピート率=特定期間のリピート客数÷累計の新規顧客数×100

例えば、累計の新規顧客数が10,000人のショップで今月のリピート客数が1,000人での場合は「1,000÷10,000×100」となり、リピート率は10%です。

リピート率が算出できれば、今後の施策や運営の方向性を決める指標となります。簡単な式で算出できるため、まずは自社におけるリピート率を調べてみましょう。

リピート率の向上に役立つRFM分析については関連記事の「RFM分析とは顧客をグループ分けする手法!実施手順やECでの施策例を解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

リピート率とリピーター率の違い

「リピート率」とは別に「リピーター率」というマーケティング用語が存在します。似た用語ではあるものの意味がまったく異なるため、きちんと違いを理解しておきましょう。

リピート率は「総顧客の内どの程度が再購入してくれたか」ですが、リピーター率は「一定期間の内どの程度が再購入してくれたか」を示すため、求め方が異なります。リピーター率を算出する公式は以下のとおりです。

リピーター率=特定期間のリピート客数÷一定期間の総顧客×100

求め方がリピート率と違うだけでなくリピーター率は、高い状態が必ずしも良いとは限りません。新規顧客が少ないにもかかわらずリピーター率が高い状態は「常連客にしか選ばれていない」ことを意味します。経営上好ましくない状態でもリピーター率は上がってしまうため、数字を表面だけで見ないようにしましょう。

リピート率が重要といわれる3つの理由

ECの運営においてリピート率はとても重要です。重要とされる背景を知ることで、行うべき施策の優先順位や方向性を定められます。ここでは、リピート率の重要性を3つの視点から解説していきます。

1. 新規顧客の獲得より広告費を削減できる

リピート率を高めることで広告費用の削減が可能です。アメリカのコンサルタント「ライクベルト氏」が提唱している「1:5の法則」では、新規顧客を獲得するよりも既存顧客を維持するほうがコストを5分の1に抑えられるとされています。

実際に新規顧客を取り込むには、コストをかけて広告やSNSの運用を行い認知を広げなければなりません。しかし既存顧客であれば、すでに自社の存在や商品の認知が取れているため、認知獲得に対するコストがかからなくなります。

継続的な購入を促進するメルマガやクーポンなどの低コストで配信できる施策から売上につなげることができます。また一度商品やサービスを体験してくれた顧客は、不満がない限り再度購入へとつなげやすい点がメリットです。

2. 売上の見通しが立てやすい

リピート率を高めることで今後の売上を想定しやすくなり、事業拡大や方向性を決める判断の精度が高まります。顧客が自社の商品やサービスをリピートしてくれた場合は、多くのケースで3回目以降の購入へつなげられます。

初回から3回目までの購入ではリピート率が下がりやすいが、4回目以降は離脱が減るというデータがあります。リピート率を高められれば、継続して購入してくれる優良顧客を増やせるので今後の売上予想が可能です。

安定した売上を確保することで、事業規模拡大や設備投資など今後の予定を立てられます。反対にリピート率が伸び悩むと利益を安定させることが難しくなるため、施策を見直しましょう。

3. 顧客満足度の指標になる

リピート率は、顧客満足度を表す1つの指数として捉えられます。顧客が自社を継続的に利用してくれるのは、商品やサービスに魅力を感じ、購入に対して満足感を得られているからです。

例えば、特定の流入経路から訪問した顧客のリピート率が平均よりも下回っている場合は「不満要素の存在」や「顧客のニーズを満たせていない」という情報を得ることができます。

顧客満足度を計測するには「アンケートを実施する」や「リサーチ会社へ依頼する」方法がありますが、どの手法を取ってもコストがかかります。

一方、リピート率は社内で算出できるほか「顧客管理ツール」を使用すれば、かんたんに購入回数を把握可能です。リピート率だけで正確な顧客満足度を測ることは難しいですが、1つの指標としては有効なためしっかりと管理しましょう。

【業界別】ECサイトにおけるリピート率の平均値

業界別のリピート率は、以下のとおりです。

業界 平均リピート率
化粧品系EC 50%
健康食品系EC 50%
アパレル系EC 35%
旅行サービス系EC 45%
家電系EC 25%

ECサイト全体の平均リピート率は、30〜40%ほどとなります。化粧品や健康食品などは消耗品であるため、少し高めの数値となっています。アパレル系ECは、ブランドのイメージと顧客のニーズが一致すれば、継続して利用してもらいやすい業界です。

旅行サービス系ECでは、サイト側への安心感が重要視されるため、利用経験のあるサービスが選ばれる傾向にあります。旅行サービス系ECを運営する際は、利用者のレビューや口コミを必ず表示しましょう。

家電系ECでは、商品ごとの価格が高いことや買い替えるペースが遅いため、25%と低めのリピート率となります。消耗ペースの早い商品を展示してアピールするなど、対策を講じましょう。

リピート率を上げる3つの方法

自社のリピート率を向上させることは、売上アップだけでなく優良顧客の獲得へとつなげられます。リピート率を効率的に伸ばしていき、安定して利益を生み出していきましょう。

1. アフターサービスや接客品質の向上

初回購入してくれた顧客にリピートしてもらうためには、商品やサービスの品質はもちろん、アフターサービスや接客の質が求められます。ECにおける接客とは、アフターサービスのほかに顧客にとって利用しやすいサイトの構築や、ニーズにあった商品を提示することです。

サイト設計を見直し、初回購入後には「テクニカルサポート」や「メルマガ」をとおして、問い合わせ対応や情報発信を行っていきましょう。顧客が快適にECサイトや商品を利用できれば、再び購入してくれる可能性を高められます。

接客品質を向上させる具体的な方法については、関連記事の「CX向上による3つのメリットとECにおける施策を解説【成功事例も紹介】」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2. 再購入を促す施策の実施

リピート率を高めるには、2回目の購入を決断しやすい状況を作るのがおすすめです。初回購入時に「次回以降に利用可能なクーポン」の発券や、リピート購入がお得になるキャンペーンを展開しましょう。

また、利用すればするほどお得になる「ポイント制」の導入も有効です。初回購入者が再購入しやすい環境を作り、リピート率を高めましょう。

3. 顧客へ情報を発信する仕組みづくり

リピート率を高めるには、自社商品の情報をより多く顧客へ届ける必要があります。商品への興味や自社ECへの関心を高めることで、再び利用してくれる可能性が高まります。

初回購入時に得た顧客のメールアドレスへメルマガを配信すれば、自社情報に触れる機会をより多く作れるので、リピート率の向上が期待できます。SNSや自社サイトを活用して、顧客との継続的な接点を作りましょう。初回購入の顧客に対して、SNSのフォローや自社サイトへ誘導すると効果的です。

メルマガの配信頻度に関しては関連記事の「メルマガの配信頻度を決める3つの方法!ジャンル別の目安や開封率についても解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

リピート率が下がる2つのケース

実店舗やECを運営していると、リピート率が下がってしまうことがあります。速やかに原因の追究や対策を実施しなければ、利益が伸び悩んでしまいます。

リピート率が低くても、新規顧客を獲得できていれば売上自体は問題ないかもしれません。しかし、広告コストの観点から新規顧客を獲得するよりも既存ユーザーを維持したほうが効率的に利益を伸ばせます。

1. 顧客が競合他社へ流れている

リピート率が下がる原因の1つは、顧客が競合他社へ流れてしまうことです。ユーザーニーズの再調査や競合他社との違いを洗い出し、顧客が流れてしまう原因を追究しましょう。

たとえば自社と似た商品を取り扱っている他社が、魅力的なキャンペーンや割引を行っていれば顧客は流れてしまいます。顧客の流出を止めるには、商品の性能アップやコストパフォーマンスの向上はもちろん、サイトデザインを見直しましょう。

2. 自社サイトが顧客から忘れられている

リピート率が上がらない原因として、顧客から自社サイトの存在を忘れられている可能性があります。スマホが普及している現代では、さまざまな情報に触れられるため、一度購入してくれた顧客であっても企業側から積極的にアプローチをかける必要があります。

継続して利用してもらうには、自社を改めて意識してもらうような情報をメルマガやSNSなどを通じて発信しなければなりません。顧客情報をもとに「おすすめ商品の提示」や「割引情報を配信」して、再購入するきっかけを作っていきましょう。

ECサイトのリピート率を上げるならFORCE-R

ECサイトのリピート率にお悩みの企業は、FORCE-Rまでお気軽にご相談ください。弊社では、経験豊富なコンサルタントをクライアントの事業分野に応じてアサインいたします。

リピート率向上のために必要な「サイト設計」から「再購入を促す施策」を専属でサポートするとともに、業界初(※弊社調べ)の「定量×定性」の分析を実施して、消費者目線による問題の発掘が可能です。サイト状況を的確に分析することで、高度な戦略提案が可能となります。リピート率の向上を各方面からサポートして、ECサイトの売上アップに貢献します。

まとめ|リピート率を上げて安定した運営をしよう

リピート率を高められれば、少ない予算でも利益が生み出せます。顧客満足度の指標になり今後の運営にも活かせるため、リピート率を向上させるメリットは多いです。

ただし、リピート率を向上させるには「商品やサービスの質」だけでなく「サイト設計」や「情報発信の環境作り」など、さまざまな視点から施策を行わなければなりません。リピート率を改善して売上をアップさせたい企業は、豊富なノウハウとコンサルティング実績を持つFORCE-Rへご相談ください。


記事を書いた人

アバター画像

執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

記事カテゴリー

Amazon
EC
SEO
Web広告
Yahoo!ショッピング
セミナー
楽天市場

人気記事ランキング

TOP