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EC開発とは?5つの構築方法・費用相場・失敗しない進め方を解説

「ECサイトを立ち上げたいが、どの構築方法を選べばいいのか分からない」「開発にどのくらいの費用と期間がかかるのか把握したい」。こうした悩みを持つ企業担当者は多いのではないでしょうか。EC開発とは、ECサイトの企画・設計からシステム構築、テスト、公開までの一連のプロセスを指し、構築方法の選択によって費用・期間・カスタマイズ性が大きく変わります。

経済産業省の調査によると、2024年の物販系BtoC-EC市場規模は15兆2,194億円(前年比3.70%増)に達しています(出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」)。EC市場が拡大を続けるなか、実店舗からEC事業へのシフトや、新規EC事業の立ち上げを検討する企業は増加の一途をたどっています。成功するEC事業を構築するには、構築方法の選定段階から戦略的に進めることが重要です。構築方法を誤ると後からの変更が難しく、余計なコストと時間がかかるため、最初の判断が事業全体の成否を左右するといっても過言ではありません。この記事で各構築方法の違いを理解し、自社に合った最適解を見つけましょう。

この記事では、EC開発の5つの構築方法とそれぞれの費用相場、開発手順、外注のポイント、開発後の運用で押さえるべきことまでを順番に解説します。

確認したいポイント結論詳細
EC開発とは?ECサイトを構築するプロセス全体ECサイトの企画・設計・デザイン・システム構築・テスト・公開までの一連の開発工程を指す
構築方法は何種類ある?ASP・オープンソース・パッケージ・クラウドEC・フルスクラッチの5種類事業規模や予算、カスタマイズ性の要件に応じて最適な構築方法を選択する
費用相場はどのくらい?無料〜数千万円まで幅広いASP型は無料〜月額数万円、パッケージは数百万円〜、フルスクラッチは1,000万円以上が目安
開発の手順は?要件定義→設計→構築→テスト→公開目的と要件の明確化、構築方法の選定、設計・開発、テスト、商品登録・公開の流れで進める
自社開発と外注どちらがいい?社内リソースと予算で判断するITスキルがあれば自社開発でコスト削減可能。ノウハウがなければ外注が品質と工期の面で有利
外注で失敗しないポイントは?要件定義と業者選定が最重要詳細な要件定義の作成、EC開発実績の確認、コミュニケーション体制の構築が成功の前提条件
開発後に必要なことは?運用・集客・改善のPDCAが不可欠サイト公開後の集客施策、CVR改善、システム保守、セキュリティ対策を継続的に行う必要がある
どの構築方法が自社に合う?事業規模と成長戦略で選ぶ小規模はASP、中規模はクラウドEC、大規模はパッケージまたはフルスクラッチが適している

この記事でわかることは、次の5点です。

  • ASP・オープンソース・パッケージ・クラウドEC・フルスクラッチの5つの構築方法と特徴
  • 無料〜数千万円まで幅広いEC開発の費用相場と、コストを左右する要因
  • 要件定義から設計・構築・テスト・公開までの具体的な開発手順
  • 自社開発と外注の判断基準、外注先選定で失敗しないポイント
  • EC開発後の運用・集客・改善で売上を伸ばすために押さえるべきこと
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EC開発とは?基本の意味と全体像

EC開発とは、ECサイト(ネットショップ)を企画・設計・構築し、インターネット上で商品やサービスを販売できる状態にするまでのプロセス全体を指します。具体的には、ビジネスモデルの策定、ターゲットの明確化、構築方法の選定、サイトのデザイン・UI設計、システムの開発・実装、決済・配送の設定、テスト、商品登録、そして公開という一連の工程で構成されます。構築方法によって必要なスキルや費用、期間、将来の拡張性は大きく異なるため、事業の規模や成長戦略に合った方法を選ぶことが成功の出発点です。

EC開発は「作って終わり」ではなく、公開後の運用・集客・改善こそが売上を左右する本番です。開発段階では運用後の業務効率や拡張性も見据えた設計を行い、将来的な事業成長に対応できる基盤をつくることが大切です。開発と運用を切り離して考えるのではなく、一体的に計画する視点が求められます。EC開発の段階で「どうやって集客するか」「リピーターをどう育てるか」まで設計しておくことで、公開後の立ち上がりが格段にスムーズになります。構築段階でSEOに強いサイト構造やスマートフォン最適化を意識して設計しておくだけでも、公開後の集客効率が大きく変わります。

EC開発の5つの構築方法と特徴

ECサイトの構築方法は大きく5つに分類され、事業規模・予算・カスタマイズの必要性・社内のITスキルによって最適な選択肢が変わります。それぞれの特徴を理解したうえで、自社に合った方法を選びましょう。

ASP型(BASE・STORES・Shopifyなど)

ASP(Application Service Provider)型は、ECサイトに必要な機能がクラウド上に用意されており、専門知識がなくても手軽にECサイトを開設できるサービスです。BASEやSTORES、Shopifyなどが代表例で、初期費用が無料〜低額で始められるため、個人事業主やスモールビジネスに人気があります。テンプレートを使ったデザインで短期間に開設できる反面、カスタマイズ性には制限があり、売上が伸びると販売手数料の負担が大きくなる点には注意が必要です。月商数百万円を超えてきたら、手数料体系の異なるクラウドECやパッケージへの移行を検討する事業者も多くいます。まずはASP型で小さく始めて市場の反応を確認し、事業の成長に合わせてステップアップしていくアプローチが堅実です。

オープンソース型(EC-CUBEなど)

オープンソースとは、プログラムのソースコードが無償公開されているソフトウェアを利用して構築する方法です。EC-CUBEやMagentoが代表例で、自社にプログラミングスキルがあれば低コストで独自のECサイトを開発できます。カスタマイズの自由度が高い一方、セキュリティ対策やサーバー管理、バージョンアップなどの保守運用を自社で行う必要があり、技術的な負担が大きい点がデメリットです。セキュリティパッチの適用が遅れると脆弱性を突かれるリスクもあるため、継続的な保守体制の確保が前提条件です。外注する場合は100万〜500万円程度の開発費がかかるケースもあります。

ECパッケージ型

ECパッケージとは、ECサイトの構築・運用に必要な機能をあらかじめパッケージ化したシステムです。商品管理、受注管理、顧客管理、決済、配送連携などが標準機能として組み込まれており、自社の業務フローに合わせたカスタマイズが可能です。中〜大規模のEC事業者に適しており、導入費用は数百万円〜数千万円が相場です。ベンダーのサポート体制が充実しているケースが多く、開発後の運用支援を受けられる点もメリットです。ただし、パッケージのバージョンアップに伴うカスタマイズ部分の再開発コストが発生する場合もあるため、長期的な運用コストまで見据えた比較が重要です。

クラウドEC型

クラウドEC型は、クラウド環境上でECサイトを構築・運営するサービスです。ASPよりもカスタマイズ性が高く、パッケージよりも導入が容易な中間的な位置づけで、システムが自動でアップデートされるためバージョン管理コストがかからない点が実務上の大きな利点です。中規模のEC事業者を中心に近年導入が増えており、月額数万円〜数十万円のランニングコストで運用できます。セキュリティ対策やサーバー管理がサービス提供者側で行われるため、EC事業者はサイト運営に集中できるのも大きなメリットです。近年は機能が充実してきたクラウドECサービスが増えており、以前はパッケージが必要だった規模の事業者でもクラウドECで対応できるケースが増えています。

フルスクラッチ型

フルスクラッチとは、ゼロからシステムを設計・開発する方法です。自社の業務フローや要件に完全に合わせた独自のECサイトを構築できるのが最大の強みですが、費用は1,000万円以上、開発期間も半年〜1年以上かかるのが一般的です。開発側と依頼側の双方にEC開発の専門知識が必要で、年商50億円を超えるような大規模事業者向けの選択肢といえます。独自の会員基盤やポイント制度、複雑な受注処理フローなど、既存パッケージでは対応しきれない要件がある場合に検討する方法です。保守・運用コストも高額になるため、長期的な費用対効果を慎重に検討しましょう。

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EC開発の費用相場を構築方法別に比較

EC開発の費用は構築方法によって大きく異なります。

構築方法初期費用の目安月額・ランニング費用特徴
ASP型無料~数万円数千円~数万円+販売手数料初期費用を抑えて始めやすいが、売上が増えるほど手数料負担も増える。
オープンソース型無料~数十万円(自社開発)100万~500万円(外注)サーバー・保守費用が必要カスタマイズ性が高いが、運用・保守の負担がある。
ECパッケージ型500万~数千万円保守・ライセンス費用大規模EC向け。機能が豊富で拡張性が高い。
クラウドEC型50万~300万円数万円~数十万円初期費用を抑えつつ、高い拡張性と安定した運用が可能。
フルスクラッチ型1,000万円以上保守・開発費用完全オリジナルのECサイトを構築できるが、費用は最も高い。

比較する際は、初期費用だけでなく、月額費用や保守・運用費を含めた総コストで判断することが重要です。ASP型は売上増加に伴って手数料も増えますが、パッケージ型やクラウドEC型は長期的にコストを抑えられる場合があります。特に月商500万円以上を見込む場合は、3年程度の総費用で比較しましょう。

EC開発の具体的な手順と進め方

EC開発は、計画段階からサイト公開まで複数のステップを順番に進めていきます。ここでは基本的な開発手順を整理します。

ステップ①:目的・要件の定義

まずは「誰に」「何を」「どう売るか」というECサイトの目的とビジネスモデルを明確にします。売上目標、ターゲット顧客、取扱商品、必要な機能(決済方法、配送設定、ポイント機能など)、デザインのイメージを文書化して要件定義書にまとめましょう。この工程が曖昧だと、構築後に「思っていたものと違う」というミスマッチが発生するリスクが高まります。競合他社のECサイトをベンチマークとして分析し、自社サイトに必要な機能や差別化ポイントを洗い出すことも有効な準備です。

ステップ②:構築方法の選定

要件定義をもとに、前述の5つの構築方法から自社に最適な方法を選択します。小規模でスピード重視ならASP型、中規模でカスタマイズ性を求めるならクラウドECやパッケージ型、大規模なら独自開発が候補になります。複数のベンダーに声をかけてコンペを行い、提案内容・費用・サポート体制を比較検討するのが効果的です。コンペの際には、各社の過去の制作実績(同業種の事例があるか)と、公開後の運用サポートの範囲も重要な判断基準です。

ステップ③:設計・開発・テスト

構築方法が決まったら、サイトのデザイン設計、機能実装、決済・配送の設定、商品登録を進めます。開発が完了したら、注文〜配送〜返品までの一連のフローを想定したテストを行い、不具合がないかを確認しましょう。決済手段は幅広く対応するほどユーザーの取りこぼしを防げますが、手数料とのバランスも考慮する必要があります。テスト段階では、PCだけでなくスマートフォンでの表示や操作性も必ず確認してください。現在のEC購入はスマートフォン経由が大半を占めるため、モバイルファーストの設計は必須条件です。

ステップ④:商品登録・公開

テストが完了したら、商品データを登録してサイトを公開します。商品写真のクオリティ、商品説明文の充実度、カテゴリーの整理は購入率(CVR)に直結するため、公開前に丁寧に仕上げましょう。公開直後はアクセスが少ないのが通常なので、SNSやプレスリリース、広告を活用した初期集客施策もセットで計画しておくことが大切です。公開直後に売上がゼロでも焦る必要はなく、最初の3か月〜半年は基盤づくりの期間と割り切って、コンテンツの充実とSEO対策に注力するのが結果的に最短ルートになります。

EC開発を外注する際の判断基準と失敗しないポイント

EC開発を自社で行うか外注するかは、社内のITスキルと予算のバランスで判断します。プログラミングスキルやEC運営のノウハウがあれば自社開発でコストを抑えられますが、ノウハウが不足している場合は外注のほうが品質と開発スピードの面で有利です。最初は外注で構築し、運用しながらEC運営のノウハウを社内に蓄積していくアプローチも現実的です。外注先と共に作業する機会を設けて知識を吸収し、将来的に内製化できる領域を段階的に広げていく方法を取る企業も増えています。

外注先を選ぶ際のチェックポイント

外注先を選ぶ際は、EC開発の実績(同業種・同規模の制作事例があるか)、提案内容の具体性、コミュニケーション体制、保守・運用のサポート範囲を総合的に評価しましょう。価格だけで選ぶと、公開後のサポートが不十分で追加費用が膨らむリスクがあります。3社程度から見積もりを取ってコンペを行い、技術力・費用・サポートのバランスが最も良い会社を選ぶのが堅実な進め方です。とくに、EC業界に精通した開発会社は、売上向上の視点を持った提案ができるため、単なるシステム構築にとどまらない付加価値を期待できます。開発後のマーケティング支援まで一貫して対応できる会社であれば、公開後の運用もスムーズに移行できます。

要件定義を明確にして認識のズレを防ぐ

外注で最も多い失敗原因は、要件定義の不備によるイメージのミスマッチです。「こんな機能がほしかった」「デザインが想像と違った」という事態を防ぐためには、要件定義書をできるだけ具体的に作成し、参考サイトやワイヤーフレームを使ってイメージを共有することが重要です。開発途中で仕様変更が多発すると費用と工期がふくらむため、計画段階で十分な時間をかけましょう。とくに、決済方法・配送設定・会員機能・ポイント制度・レビュー機能など、運用に直結する機能の仕様はできるだけ具体的に詰めておくことが、追加開発コストの抑制と開発スピードの維持につながります。外注先とのキックオフミーティングで認識を合わせ、定期的な進捗確認の場を設けておくことも、プロジェクトの成功に不可欠です。

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EC開発後の運用で押さえるべきポイント

ECサイトは開発して公開すれば売上が立つわけではありません。公開後の運用・集客・改善のPDCAをいかに回すかが、EC事業の成否を決めます。

集客施策の実行

SEO対策、リスティング広告、SNS運用、メールマーケティングなど、複数の集客チャネルを組み合わせてECサイトへの流入を増やすことが必要です。とくに自社ECサイトはモールのような既存のユーザー基盤がないため、集客施策なくしてアクセスは生まれません。SEOは効果が出るまでに時間がかかるため、公開直後はリスティング広告やSNS広告で短期的な流入を確保し、並行してコンテンツSEOで中長期の集客基盤を構築する「二刀流」の戦略が効果的です。集客は継続が何より重要です。広告運用を専門家に任せたい場合は、広告運用の実行支援の活用も選択肢のひとつです。モール出店と併用して販路を広げるなら、Amazonの運用支援楽天市場の運用支援も参考になるでしょう。

CVR改善とサイト運用

アクセスが増えても購入に至らなければ売上は伸びません。商品ページの写真改善、説明文の充実、レビューの蓄積、カート離脱率の分析と改善といったCVR向上施策を継続的に行いましょう。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使ってデータに基づいた改善を積み重ねることが、売上アップへの近道です。商品写真を1枚追加するだけでCVRが改善するケースもあり、小さな改善の積み重ねが大きな売上の差を生みます。改善のPDCAを回すためには、定量データに基づいた判断の習慣をつけることが何より重要です。顧客の声を活かした改善には、モニター調査やレビュー収集も有効です。

セキュリティ対策と保守運用

ECサイトは個人情報やクレジットカード情報を扱うため、セキュリティ対策は最優先事項です。SSL証明書の導入、定期的なシステムアップデート、不正アクセスの監視・防御など、サイトの安全性を継続的に維持する体制が必要です。オープンソースやフルスクラッチで開発した場合は、脆弱性が発見された際に迅速に対応できる保守体制も不可欠です。個人情報漏洩などのセキュリティ事故が発生すると、売上損失だけでなくブランドの信頼を根本から失うリスクがあるため、開発段階からセキュリティ設計を組み込んでおくことが重要です。EC運営全体を強化したい方は、ECの実行支援サービスの活用も検討してみてください。自社ECの運用改善については自社ECサイトの運用支援も参考になります。最新の運営ノウハウはECお役立ちコラムでも発信しています。

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まとめ

EC開発は、ASP・オープンソース・パッケージ・クラウドEC・フルスクラッチの5つの構築方法があり、事業規模・予算・カスタマイズの要件によって最適な選択肢が異なります。費用は無料〜数千万円と幅広く、開発費用だけでなくランニングコストや保守費用も含めた総保有コストで比較することが重要です。

EC開発は「作って終わり」ではなく、公開後の集客・CVR改善・セキュリティ対策こそが売上を左右する本番です。本記事を参考に、まずは自社のEC事業の目的と要件を整理し、最適な構築方法を選ぶところから始めてみてください。開発と運用を一体的に計画する視点が、EC事業の成功を引き寄せます。構築方法の選定に迷ったら、まずは小さく始めて市場の反応を見ながら段階的にスケールアップしていく進め方がリスクを抑えた堅実なアプローチです。ASP型で売上の見通しが立ってからパッケージやクラウドECへ移行すれば、初期投資のリスクを最小限に抑えながら本格的なEC事業を構築できます。

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