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韓国向け越境ECの始め方|通関の仕組みと注意点をわかりやすく解説

距離が近く、物流も速い。韓国は、日本の事業者にとって取り組みやすい市場に見えます。実際、日本製品への関心も高い状況が続いています。

一方で、通関の仕組みには韓国特有の要件があり、これを知らないまま始めると、商品が届かない、追加の費用が発生するといった事態を招きます。

本記事では、韓国市場の特徴と通関の仕組みを整理したうえで、商材ごとの規制、販路の選び方、集客の考え方、そして注意点までを解説します。

なお、制度や条件は変更されることがあります。実際に検討する際は、公的機関の最新情報や専門家に確認したうえで進めてください。

確認したいポイント結論詳細
市場の特徴は?配送への期待水準が高い国内の物流が速く、日数に敏感です。
最重要の実務は?個人通関固有符号購入者側に取得が求められる仕組みがあります。
商材の規制は?表示や認証の要件がある食品や化粧品では表示、電気製品では認証が必要です。
どこで売る?主要な販路は限られる検索から入る行動が中心になります。
注意点は?返品への対応一定期間内の返品が広く認められています。

この記事でわかること

  • 韓国市場の特徴と、購買行動の傾向
  • 通関の仕組みと、個人通関固有符号
  • 商材ごとに必要な表示と認証
  • 販路の選び方と集客の考え方
  • 返品や価格に関する注意点
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韓国市場の特徴は?

韓国は、物理的な距離が近く、配送にかかる日数も短く抑えられる市場です。輸送の費用も、遠方の国と比べれば有利になります。

この条件から、越境ECの入口として検討する事業者は少なくありません。ただし、取り組みやすさと成果が出やすさは別の話です。

参入しやすい市場は、競合も多くなります。この点を踏まえた設計が必要です。

日本の他の事業者も同じ理由で参入しています。日本製というだけでは差別化になりません。

配送への期待水準が高い

国内の物流網が発達しており、注文した翌日に届くことが当たり前という感覚があります。この基準で比較されるため、日数がかかると評価に影響します。

通関の状況によって日数が変動することもあります。表示する日数には余裕を持たせておきましょう。

遅れが生じた場合の連絡も、対応の質として評価されます。

海外からの発送であることは理解されていても、目安として示した日数を守れるかが信頼を左右します。余裕を持った表示にしておきましょう。

検索とレビューで判断される

偶然見つけて買うというより、検索して調べ、レビューを確認し、比較してから購入するという行動が中心になります。

この構造では、レビューが少ない状態は不利に働きます。最初のレビューをどう集めるかは、公開前に考えておくべき事項です。

レビューの内容も読まれます。件数だけでなく、何が書かれているかが判断に影響します。

写真つきの投稿は、特に参考にされる傾向があります。

日本製品への関心

化粧品、食品、生活雑貨などで、日本製品への一定の関心があります。一方で、これらの分野は現地の商品も充実しており、競争は激しくなります。

特に化粧品は、現地の商品が世界的にも評価されている分野です。同じ土俵で戦う難しさを理解しておく必要があります。

日本製であることだけでは選ばれません。何がどう違うのかを説明できる状態にしておく必要があります。

現地の商品と比較して、どの点が優れているのかを具体的に示せるかが問われます。

価格で勝てない場合、品質や機能で選ばれる理由を明確にする必要があります。

通関の仕組みはどうなっている?

韓国向けで最も重要な実務が、この部分です。日本の感覚のまま進めると、必ずつまずきます(参考:ジェトロ「韓国越境EC」)。

個人通関固有符号が必要になる

韓国では、個人が海外から商品を受け取る際に、関税当局が発給する個人ごとの識別符号を使う仕組みがあります。国際宅配便で一定の通関手続きを行う場合、この符号の記載が必要とされています。

個人情報の保護と、なりすましの防止を目的とした仕組みです。取得自体は購入者が行いますが、販売する側もこの前提を理解しておく必要があります。

日本国内での販売にはない項目であるため、見落とされやすい部分でもあります。

この仕組みを知らずに始めた事業者が、最初につまずく箇所でもあります。

購入者がこの符号を取得していない、あるいは入力を誤ると、商品が通関で止まります。結果として、届かない、返送されるといった事態になります。

この段階で発生する問い合わせは、事業者側の負担にもなります。あらかじめ案内しておくことで、防げる問題です。

注文の画面や、確認のメールで案内しておくと、入力漏れを減らせます。

取得の方法も併せて案内できると、購入者の負担が減ります。

この配慮が、購入の途中で離脱されることを防ぎます。

販売する側としては、注文時に符号を入力してもらう仕組みと、その案内を用意しておく必要があります。日本国内の感覚では想定しない項目です。

モールを使う場合は、その仕組みに含まれていることが多くなります。自社サイトで販売する場合は、個別に対応が必要です。

この対応が用意されているかどうかは、販路を選ぶ際の重要な確認項目になります。

自社サイトで販売する場合は、入力欄の設置だけでなく、書き方の案内も用意しておきましょう。

手続きの区分によって条件が変わる

一定の条件を満たす少額の貨物は簡易な手続きで通関できますが、それを超えると通常の輸入申告が必要になります。手続きも費用も変わります。

基準となる金額や条件は見直されることがあります。直近の情報を確認したうえで設計しましょう。

価格の設定にも影響するため、判断の前に把握しておくべき項目です。

販売する価格帯によって、顧客が負担する費用が変わるということです。価格を設計する際は、この点も考慮しておきましょう。

購入時に想定していなかった費用が発生すると、不満につながります。事前に説明しておくことが望まれます。

複数の注文がまとめて扱われることがある

同じ人が近い時期に複数の商品を購入した場合、それらが合算して扱われる制度があります。個別には基準内でも、合計すると超えることがあります。

まとめ買いを促す施策を設計する際は、この点が影響する可能性を踏まえておく必要があります。

日本国内で有効な客単価向上の施策が、そのまま使えるとは限りません。

制度は見直される

通関に関する条件や運用は、随時見直されています。過去に確認した情報のまま運用を続けると、実態と合わなくなります。

公的機関が公開している情報を、定期的に確認する担当を決めておきましょう。

支援する事業者と組んでいる場合も、最終的な確認は自社の責任です。任せきりにしないようにしましょう。

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商材ごとの規制は?

扱う商品によって、必要な対応が大きく変わります。

商材主な要件確認すべき点
食品現地の言語での表示成分や添加物の基準も確認
化粧品表示と成分の規制種類によって条件が異なる
電気製品認証の取得対象となるかを事前に確認
子ども向け製品安全に関する認証対象範囲が広い場合がある
医薬品に近いもの個人輸入の制限数量や種類の制限がある

表示に関する要件

食品や化粧品では、現地の言語での表示が求められる場合があります。日本語のラベルのままでは、要件を満たさないことになります。

必要な内容や表示の方法は、商品の区分によって細かく定められています。

自社で判断せず、詳しい事業者や窓口に確認したうえで対応しましょう。

この対応には期間も費用もかかります。商材を決める段階で確認しておかなければ、準備を進めた後で手戻りが発生します。

パッケージそのものの変更が必要になる場合もあります。生産の計画にも関わる論点です。

認証が必要な場合がある

電気を使う製品や、子どもが使う製品では、安全に関する認証が求められることがあります。取得には時間がかかるため、早い段階での確認が必要です。

個人が使用する目的での輸入では、条件が異なる場合もあります。どの立場での取引になるかも含めて確認しましょう。

対象になるかどうかは、製品の仕様によって変わります。似た商品でも、条件が異なることがあります。

自己判断せず、該当するかどうかを確認できる窓口に相談しましょう。

個人が受け取る前提での制限

越境ECでの購入は、本人が使用することを前提とした制度のもとで行われます。転売を目的とした大量の購入は想定されていません。

この前提を踏まえずに大量購入を促すと、通関で問題が生じる可能性があります。

この前提から、1回あたりの数量に制限がかかる商材もあります。

主力商品が扱えるか

確認の結果、主力の商品が扱えないという結論になることもあります。その場合、参入そのものを見直す判断が必要です。

扱える商品に絞って展開するという選択肢もありますが、それで採算が合うかは別途の検討が必要です。

複数の商品を扱っている場合、それぞれ条件が異なります。品目ごとに整理しておきましょう。

扱える商品だけで販路を成立させられるかも、あわせて検討する必要があります。

どこで売ればいい?

販路の選択肢はいくつかありますが、体制によって適したものが変わります。

現地の主要なモールに出店する

利用者の多いサイトに出品する形です。集客力がある一方、出店の審査、現地の言語での運用、手数料の負担が発生します。

審査には現地の法人や事業者の登録を求められる場合もあります。事前に条件を確認しておきましょう。

決済や配送の仕組みが用意されている点は利点です。個別に整える負担が減ります。

一方で、現地の事業者と同じ土俵で比較されます。価格だけで判断されないための工夫が必要です。

越境に対応した販路を使う

海外の事業者が出品できる仕組みを持つ販路もあります。現地に法人を持たなくても始められる場合があり、最初の一歩としては負担が軽くなります。

まずこの形で反応を確認し、需要が見えてから本格的な展開を判断するという順序も現実的です。

自社サイトで販売する

自由度は高いものの、集客をすべて自社で行う必要があります。通関に関する仕組みも自社で用意しなければならず、負担は大きくなります。

立ち上げの段階から自社サイトを選ぶのは、負担が大きくなりがちです。

まずモールで実績を積んでから検討するという順序が現実的です。

モールで認知を得たうえで自社サイトへ誘導するという組み合わせが、現実的な進め方です。

ただし、モールの規約で外部への誘導が制限されている場合もあります。

代行サービスを使う

注文の受付から配送までを代行する仕組みもあります。手数料は加わりますが、体制が整っていない段階では有力な選択肢になります。

通関に関する対応も含まれる場合があります。何が含まれるかを確認したうえで判断しましょう。

選定の判断軸

どの販路を選ぶかは、次の観点で判断します。

  • 自社の商材が扱えるか
  • 出店の条件を満たせるか
  • 通関に関する仕組みが用意されているか
  • 現地の言語で運用できる体制があるか
  • 手数料と物流を含めた総額で採算が合うか

集客はどうする?

日本と同じ手法は通用しません。使われている媒体も、行動の順序も異なります。

検索が起点になる

現地で広く使われている検索の仕組みがあり、そこから情報を集めるという行動が一般的です。日本で主流の検索エンジンとは異なる点に注意が必要です。

どこで検索されているかを把握しないまま対策をしても、成果にはつながりません。

現地の利用者がどのように情報を集めているかを、まず調べましょう。

商品名や説明に使う言葉も、現地で実際に検索されている表現に合わせる必要があります。翻訳しただけでは、探してもらえません。

直訳では使われていない言葉になることがあります。現地の表現を確認できる人に見てもらいましょう。

レビューと第三者の発信

企業の説明より、実際に使った人の評価が重視されます。レビューの件数と内容が、そのまま購入の判断材料になります。

良い評価だけが並んでいると、かえって不自然に見られることもあります。

気になる点にも触れている内容が混ざるほうが、全体としての説得力は上がります。

発信を依頼する場合は、広告であることが分かる形にする必要があります。この点は日本と同様です。ページ設計の考え方は売上が伸びる商品ページのデザインにおける7つの共通点!参考になるサイトも紹介でも整理しています。

SNSの活用

使われている媒体は日本と重なる部分もありますが、利用のされ方は異なります。継続的な発信の設計についてはSNS運用の方法とポイントで扱っている考え方も参考になります。

日本向けの投稿をそのまま翻訳して流用しても、反応は得られません。現地に向けて作り直す前提で考えましょう。

画像に含まれる文字も対象です。日本語のまま掲載されていると、内容が伝わりません。

現地の担当を確保する

言語だけでなく、文化や商習慣を理解している人が必要です。翻訳できるだけでは、細かな判断ができません。

社内で確保できない場合は、支援する事業者と組むという選択肢もあります。

ただし、任せきりにすると、現地の反応が自社に蓄積されません。判断できる状態を保ちましょう。

注意すべき点は?

進めるうえで見落とされやすい点を挙げます。

返品への対応

韓国では、消費者が一定期間内に契約を撤回できる仕組みが広く認められています。返品が発生する前提で、物流と費用を設計しておく必要があります。

返品率が想定を超えると、採算が崩れます。事前に見込みを立てておきましょう。

サイズや色の説明を丁寧にすることで、返品そのものを減らせる場合もあります。

返送してもらうのか、現地で処分するのかを、金額に応じて判断できる基準を決めておきましょう。

返品の条件は、購入前に明示しておく必要があります。後から説明しても納得されません。

物流の設計

注文のたびに国内から発送する方法と、現地に在庫を置く方法があります。後者は日数を短縮できますが、在庫の負担と返品の受け入れ体制が必要になります。

距離が近いため、国内からの発送でも比較的短い日数で届けられる点は、この市場の利点です。

継続的な出荷を前提とした体制については、D2Cにおける物流の重要性でも触れています。

価格の設定

関税や手数料、物流の費用を含めると、日本国内より高くなるのが通常です。現地の競合と比べて選ばれる理由があるかを確認しましょう。

また、購入者が負担する費用が価格帯によって変わる点も、設計に影響します。

価格帯をまたぐ設定にすると、顧客の負担が急に増えることがあります。

セット販売を設計する際も、この点を踏まえた金額にする必要があります。

商標と権利の確認

現地で、自社とは無関係の第三者に商標が登録されていることがあります。この状態では、販売が困難になる場合があります。

本格的な展開の前に、権利の状況を確認しておきましょう。出願から登録までには期間がかかります。

展開を決めてから動くのでは間に合わないこともあります。早めの確認が有効です。

小さく始めて確かめる

最初から大きな投資をするのではなく、限られた商品と数量で反応を確認する進め方が安全です。想定と違う結果になることは珍しくありません。

日本で人気の商品が現地でも売れるとは限りません。実際のデータを見てから、規模を判断しましょう。

逆に、想定していなかった商品が動くこともあります。この発見を得るためにも、複数の商品で試す価値があります。

まとめ

韓国向けの越境ECでは、通関の仕組みを理解することが出発点になります。特に、購入者側に個人ごとの識別符号が求められる仕組みは、日本国内では想定しない要件です。この対応がなければ、商品が届きません。

あわせて、食品や化粧品での表示、電気製品や子ども向け製品での認証など、商材ごとの要件を確認してください。主力の商品が扱えないという結論になることもあり、参入の判断そのものに関わります。

市場としては、配送の速さへの期待が高く、検索とレビューで判断される傾向があります。レビューをどう集めるかを公開前に考え、現地で検索されている言葉に合わせた説明を用意しましょう。返品が発生する前提での設計も欠かせません。まずは限られた商品で反応を確認し、そこから規模を判断してください。

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