Amazonと楽天市場は日本の2大ECモールですが、それぞれのプラットフォームの特徴やユーザー層、強みは異なります。
FORCE-Rでは、Amazonや楽天市場を利用しているユーザーにアンケートを実施し、どのようにECモールを使い分けているのかを調査しました。
この記事では、AmazonとECモールの使い分けの観点を比較表でわかりやすく整理したうえで、ユーザーがECモールを選定する際の理由や、ユーザーが抱く各ECモールへのニーズ、モールの特性に合わせた店舗運営について解説します。AmazonとECモールをどう使い分けるか考えたい方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
Amazonと楽天の使い分け早見表
はじめに、Amazonと楽天市場の使い分けを考えるうえでの基本的な違いを、早見表で確認しましょう。両モールは似ているようで、ユーザー層や強み、向いている商材などが異なります。下表で全体像をつかんでおきましょう。
| 比較の観点 | Amazon | 楽天市場 |
|---|---|---|
| プラットフォームの型 | マーケットプレイス型(商品単位) | テナント型(ショップ単位) |
| 主なユーザー層 | 男性比率がやや高い傾向 | 女性比率がやや高い傾向 |
| 強み | プライム会員・配送スピード | 楽天ポイント・ポイント還元 |
| 向いている商材の例 | 家電・PC・ガジェット・海外製品 | ファッション・コスメ・ギフト |
| セールの傾向 | 年に数回の大規模セール | 年間を通じて頻繁にセール開催 |
| 運用の軸 | 商品の回転率とスピード感 | ショップのファンづくり |
このように、Amazonは「商品単位で、便利さ・スピードを求めるユーザー」に、楽天市場は「ショップ単位で、情報量やポイントを重視するユーザー」に強みを持ちます。出店企業としては、自社の商材やターゲットがどちらのモールのユーザー層にマッチするかを見極め、片方に集中するのか、両モールに出店して使い分けるのかを判断することが重要です。
次の章から、両モールの特徴とユーザーの選定理由を詳しく見ていきましょう。
| Amazonと楽天の使い分けのポイント Amazonは商品単位、楽天はショップ単位のプラットフォーム Amazonは家電・PC、楽天はファッション・ギフトに強い 自社の商材・ターゲットに合うモールを見極める 両モールに出店し、特性に応じて使い分けるのも有効 |
Amazon・楽天市場それぞれの特徴について

Amazonと楽天市場では、ユーザー層や強み、セールの頻度や規模が異なります。
競争の激しいECモールで顧客満足度を高め、売り上げを伸ばしていくために、どのような違いがあるのかをチェックしておきましょう。
Amazonと楽天市場のユーザー層の違い
Amazonは、テレビやパソコン、ゲーム機といった娯楽や趣味に関連する家電に強く、男性ユーザーが多いECモールです。
楽天市場は、ポイ活が好きなユーザーに人気があり、コスメやファッションも充実しているため、女性ユーザーの比率が高くなる傾向があります。
Amazonと楽天市場ではメインユーザー層が異なるため、より多くのユーザーに商品を購入してもらうには、自社の商品にマッチするECモールを選び、それぞれのECモールに適した売り出し方をすることが重要です。
また、Amazonと楽天市場のうち、どちらかしか使ったことがない層も一定数いるため、両方に出店すると、もれなくアプローチでき、網羅的に売り上げを獲得できるでしょう。
Amazonの強みは「プライム会員」
アンケートでは、多くのユーザーがAmazonを選ぶ理由として「プライム会員」をあげていました。
プライム会員になると、購入金額にかかわらず送料無料になる、地域によっては当日配送が可能になるといった特典があり、Amazonが力を入れている配送サービスがユーザーに支持されていることがわかります。
また、プライム会員の特典には「Prime Video」などのサブスクリプションサービスもあり、このサービス目当てにAmazonプライムに登録しているユーザーも多いです。
楽天の強みは「楽天ポイント」
アンケートで楽天市場を選ぶ理由として最も多くあがったのは「楽天ポイント」でした。
楽天ポイントは、楽天市場以外にも楽天グループのサービスや飲食店、コンビニといった実店舗で利用できるポイントシステムです。ポイント還元率がアップするキャンペーンや仕掛けが豊富で、効率良くポイントを貯められる点がユーザーに好評です。
ポイントが貯まりやすいことから、日常生活のなかでポイントを効率的に貯めて活用する「ポイ活」にも人気があります。
セールの頻度や規模の違い
Amazonと楽天市場は、それぞれ独自のセールやイベントを開催しており、頻度や内容、規模が異なります。
Amazonは「プライムデー」や「ブラックフライデー」など、年に数回のビッグセールを実施しており、頻度が少ないぶん、規模が大きい点が特徴です。
楽天市場では「楽天スーパーSALE」や「お買い物マラソン」など、定期的に大規模なセールイベントを開催しています。Amazonと比べて、楽天市場のほうが年間を通じて多くのセールやイベントを開催していますが、そのぶん1回の規模はAmazonのビッグセールよりも小さい傾向です。
関連記事:楽天市場とAmazonはどっちがいいの?出店・利用の比較ポイント
ユーザーがAmazonを選ぶ理由

アンケートでは、普段からAmazonと楽天市場の両方を利用している方に、ECモールを使い分ける際の選定理由を伺いました。
アンケートの回答で多かったAmazonの選定理由を5つ紹介します。
家電やパソコン、ガジェットが豊富
Amazonは電化製品を調べたり、メーカー別に比較したりする際に利用しています。パソコンパーツを購入するときは、Amazonを使うことが多いです。パソコンやテレビといった比較的高価なものを買い替えたいときに利用します。
Amazonはパソコン関連の機器や家電の種類が豊富なプラットフォームです。Amazonのセールでも必ずパソコンや家電のジャンルが特集されていることから、多くのユーザーに「Amazon=家電やパソコン機器」というイメージが定着しています。
また、楽天と比べて出店ハードルが低く、小規模な販売者や個人でも出品しやすいため、ニッチな商品を取り扱う店舗が多く参入している点もAmazonの特徴です。
プライム会員だと送料が無料・配送が早い
プライム会員だと購入後の配達が早く、少額でも送料が無料になるため、Amazonを利用しています。商品の種類が豊富で安価なものがあることと、プライム会員で配送料が無料になるためAmazonを選んでいます。沖縄在住で、楽天だと送料無料ラインが違いすぎるためAmazonばかり利用しています。
Amazonをメインで使っているユーザーからは、プライム会員の「Amazon.co.jpが発送する商品なら、日本全国いつでも配送料無料」の特典を活用しているという声があがりました。
プライム会員で送料無料になるため、他のECモールと比較することなく、Amazonだけで商品を探す方も多いようです。
また、Amazonは翌日配送可能な商品にプライムバッジをつけるなど、配送スピードを重視した施策を打ち出しており、当日配送・翌日配送の印象が強い点もユーザーに支持されています。
検索結果が見やすく、比較しやすい
探している商品と同様の商品がページに掲載されて比較しやすく、価格や性能についても一目でわかるため、主にAmazonを使っています。どちらかというとAmazonのほうが検索結果が見やすい印象があるため。サイトが洗練されているため商品検索がしやすいほか、レビューの件数も多くて商品を比較検討しながら購入できる。
Amazonは「マーケットプレイス型」と呼ばれるプラットフォームです。商品検索で同一商品が一度しか表示されない仕組みのため、検索結果画面がすっきりとしていて見やすい点が特徴です。
楽天は「テナント型」のプラットフォームで、出品している商品が店舗の数だけ検索結果に表示されてしまいます。
そのため、検索結果に同一商品が重複表示されないAmazonのほうが、比較検討しやすいという声があがりました。
海外製品の取り扱いが豊富
海外製品の商品をAmazonから購入することがあります。Amazonは、海外メーカーと国内メーカーそれぞれの良さを比較しながら購入できるため、パソコンやテレビといった比較的高価なものを買い替えたいときに利用します。Amazonのほうが商品を検索しやすく、海外商品も多く取り扱っているから。
Amazonは、アメリカで設立された企業で、幅広いマーケットプレイスをグローバルに展開しています。海外のAmazonセラーが日本のAmazonに商品を出品できるなど、グローバルに展開している点が、日本国内で展開する楽天市場との大きな違いといえるでしょう。
海外ブランド製品もAmazonの定番商品であり、Amazonは海外製品を取り扱うECモールの筆頭というイメージが定着しています。
関連記事:Amazon出店にかかる初期費用を徹底解説!費用内訳から料金を抑える方法まで
ユーザーが楽天市場を選ぶ理由

普段からAmazonと楽天市場のどちらも利用している方は、楽天市場をどのようなときに選定しているのでしょうか。
アンケートの回答から、楽天市場を選択する際にあげられた理由を紹介します。
ファッションやコスメ、ギフト商品が豊富
楽天市場は写真が豊富なので、バック、ジャケット、ハンカチなど身につけるファッション小物を買うことが多いです。楽天市場のほうがファッション用品が多いため気に入っています。カバンやサンダルなど、ファッション系は楽天市場で買うことが多いです。楽天で購入するものはファッション小物や雑貨が多いです。
楽天市場を選ぶ理由として、ファッション系のアイテムを推す声が目立ちました。
楽天市場は画像や商品情報が豊富なうえ、レビューの表示方法や配置のカスタマイズ、レビュー促進、レビューへの返信といった幅広い施策を取り入れることができます。
質感やディテール、使い勝手などがわかりやすく、多くの情報を提供できるため、ファッション系のニーズによりマッチしたプラットフォームだといえるでしょう。
また、ショップごとにギフト包装のオプションを細かく設定でき、イベントに合わせた特集も頻繁に行われているため、ギフト商品とも相性が良いモールです。
楽天ポイントが貯まりやすい
ポイントを貯めやすいため、楽天市場をよく利用しています。楽天市場はポイントが多く付与されるキャンペーンを行っていたり、楽天経済圏でポイントを獲得できたりする点が気に入っています。貯まった楽天ポイントを消費するときにも使っています。楽天グループのサービスを多く利用しており、ポイントが貯まりやすいため。
楽天市場を選択する理由として、最も多くあがったのは「楽天ポイント」でした。
楽天市場では、楽天ポイントを重視するユーザーが多いことから、店舗独自にポイント還元率をアップする訴求が響きやすいでしょう。
また、ポイント還元率がアップするイベントも豊富で、イベント中に加算されたポイントの一部は「期間限定ポイント」として付与されることがあります。
「期間限定ポイントを使い切りたい」という購買意欲が高いユーザーを楽天市場へ呼び込む手段にもなります。
画像や商品情報が豊富・セールやクーポンが多い
Amazonと比べて楽天は写真が多く、商品の質感がわかりやすいため、楽天ではファッション小物や雑貨をよく購入します。商品の質までしっかりと見て買いたいときに、楽天市場を利用します。
画像の枚数やページデザインの自由度は楽天市場のほうが秀でており、商品の詳細や品質、ユーザーの反応を吟味したいニーズに適しています。
また、楽天市場はAmazonに比べてセールやイベントの頻度が高く、ポイント還元キャンペーンも多く実施しています。自店で使用できるクーポンを出店者が自由に作成し、メルマガやSNSを通じてユーザーへ配布することも可能です。
頻繁なセールやクーポン配布といったAmazonではできない施策が、楽天市場を選ぶ理由に寄与しています。
ユーザーがAmazonと楽天市場を使い分けるケース

ここまで、Amazonもしくは楽天を選ぶ理由について紹介してきましたが、ここからは一部のユーザーからあがった「どちらを利用するかは、状況や条件によって使い分けている」という意見もあがっています。
ユーザーがAmazonと楽天市場を両方チェックする際、どのような要素を重要視しているのかを見ていきましょう。
どちらが安いか比較する
基本的には価格を比較して買うようにしています。Amazonと楽天市場を比較して安いほうで購入します。商品がAmazon・楽天どちらにもある場合は、値段が安いほうを優先しています。配送が多少遅くても、価格の安さや送料無料を優先します。楽天市場をよく使いますが、高額な買い物はAmazonのほうが安い場合があるため使い分けています。
Amazonと楽天市場のどちらで買うかを決める際、価格が安いほうを選んでいるという意見が多く見られました。
自身のほしい商品の価格を比較し、その金額によってどちらのECモールで購入するかを決めています。
商品の価格だけではなく、送料も含めたトータル金額で比較しているユーザーが多く、価格はユーザーがECモールを選択する際に重要視する要素であることがわかります。
どちらかでしか購入できない商品がある
定期的に購入している商品がAmazonにはないため、楽天で購入しています。楽天市場での取り扱いがない場合や、いろいろな商品を複数買う場合は、Amazonで買っています。ほしいものが楽天にあることが多いため、どちらかといえば楽天のほうを多く利用します。商品の品ぞろえはAmazonのほうが良いため、Amazonの利用機会が多いです。
ほしい商品が決まっている場合、目当ての商品を販売しているECモールを探すという声もありました。購入するECモールを先に決めず、商品を決めたあとでECモールを選定しているようです。
品ぞろえの豊富なECモールを選定していることから、ユーザーに「豊富な候補のなかから選びたい」というニーズがあることがわかります。
カテゴリや状況によって使い分ける
Amazonで購入するものは食品やインテリア雑貨、日用品で、楽天で購入するものはファッション小物、雑貨です。Amazonでは電化製品を、楽天市場では食品を購入するよう使い分けています。本に関しては、Amazonだと配送料金がかかるため、届くのが遅くても送料無料になる楽天を利用しています。Amazonは商品が決まっているときや安く手に入れたいときに、楽天市場はじっくりと検討して購入したいときに利用します。Amazonは自宅で使用するものを購入するときに、楽天市場は誰かにプレゼントをしたり、お祝いのお返しを購入したりするときに多く利用します。
商品のカテゴリによってECモールを使い分けているという意見も多くあがりました。日用品や食品を購入する「メインで使うECモール」を持ちつつ、特定のカテゴリに特化したECモールを選ぶ傾向があるようです。
また「商品をじっくり検討する場合とそうでない場合」「自宅用かギフト用か」のように、状況に応じてECモールを使い分けているユーザーも多い印象でした。
Amazonと楽天市場の特性に合わせた店舗運営とは

アンケート結果から、ユーザーは自身のニーズにマッチしたECモールを、意図的に選別していることがわかりました。また、一部のユーザーは、メインとするECモールを特定せず、価格や購入したい商品の有無、カテゴリ、状況によってAmazonと楽天市場を使い分けています。
自社の商品やターゲット層に応じたモールを選択し、ニーズに合わせて店舗運営を行っていきましょう。
Amazonでは商品の回転率とスピード感にフォーカスする
Amazonは、商品の豊富さや配送スピードを重視するユーザーに選ばれているECモールです。
プラットフォームの仕組み上、楽天市場のようなショップからユーザーへのコミュニケーションは難しく、Amazonでは商品単位での勝負となります。そのため、商品数が少なくても戦略次第で勝算があるでしょう。
また、Amazonへのニーズは「探している商品があり、注文したらすぐに届く」という便利さにあるため、注文から発送までの迅速さが成功のカギです。
配送品質を上げる手段としてFBAを活用するのも有効です。
楽天ではショップのファンを増やすことを意識する
便利さを追求したビジネスライクな対応を求められるAmazonとは対照的で、楽天市場では丁寧な説明や豊富な情報を求められる傾向があります。
プラットフォームは、ショップの独自性や演出手段が幅広く、クーポンの配布やメルマガ、SNSを活用した「ショップのファンを増やす施策」も得意な仕様です。
楽天ユーザーには「気に入ったショップから購入したい」楽天ユーザーには「気に入ったショップから購入したい」というニーズがあるため、ユーザーとのコミュニケーションや信頼関係の構築が有効な手段「商品単位」ではなく「ショップ単位」でのアプローチがおすすめです。
関連記事:楽天商品ページの作り方を解説!初心者向けツールや売上を伸ばすポイントも紹介
まとめ:AmazonとECモールを上手に使い分けて成果を伸ばそう

Amazonと楽天市場は、プラットフォーム上の性質やユーザー層、戦略など、それぞれ異なる強みと弱みを持っています。
AmazonとECモールの使い分けでは、本記事の早見表で整理したとおり、Amazonは商品単位・スピード重視、楽天市場はショップ単位・情報量とポイント重視という違いを踏まえることが重要です。
自社の商品やターゲット層に合わせてECモールを選定し、それぞれのニーズを満たす戦略を立てることで、最大限の成果を出せるでしょう。
FORCE-Rでは、ECサイトの運用を、ECモールの選定や戦略の提案から実施まで包括的にサポートしています。ECモールごとの細やかな対策を行い、最短距離売上を伸ばしていきたい方は、ぜひFORCE-Rへご相談ください。
