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【広告主向け】アフィリエイト広告を出稿する4ステップ|費用やメリット・デメリットも解説

  • アフィリエイト広告のメリットやデメリットって何?
  • アフィリエイト広告にはどれくらい費用がかかる?
  • アフィリエイト広告を出稿する方法は?

上記のようにお悩みではないでしょうか。

成果報酬型であるアフィリエイト広告を活用できれば、費用対効果よく売上を伸ばしていくことができます。しかし「アフィリエイト広告」という言葉は聞いたことがあるものの、実際にどうやって始めればいいかわからない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、仕組みやメリット・デメリットといったアフィリエイト広告の基礎知識から、実際に出稿する手順までを解説します。「アフィリエイト広告を利用して購入や問い合わせの件数を増やしたい」と考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

アフィリエイト広告とは成果報酬型の広告のこと

アフィリエイト広告とは、購入・問い合わせ・インストール・会員登録といった成果獲得に対して報酬を支払う形式のWeb広告手法です

成果地点や報酬形態は商品やサービスに応じて柔軟に設定できます。たとえば複数の商品を扱うECサイトの場合、「成果地点:購入」「報酬形態:購入金額の◯%」と設定するのが一般的です。

ディスプレイ広告SNS広告でみられるCPI(Cost Per Install)という費用形態も成果報酬型ですが、アフィリエイト広告には含みません。

アフィリエイト広告の仕組み

  1. 広告主がASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)へ広告を出稿
  2. メディア(アフィリエイター)がASPに登録・商品選定
  3. ASPがメディアへアフィリエイト広告リンクを発行
  4. メディアがアフィリエイト広告リンクを利用して商品を紹介
  5. 消費者がメディアが紹介したアフィリエイト広告リンク経由で商品を購入
  6. ASPから広告主へアフィリエイト広告リンク経由の成果データを送信
  7. 広告主が成果の承認・広告費の支払い
  8. ASPからメディアへ成果報酬の支払い

アフィリエイト広告は上記のような仕組みです。

基本的に、広告主とメディアが直接契約することはありません。ASPと呼ばれる仲介業者が広告主・メディアそれぞれと契約し、広告リンクや報酬の管理を行います

費用で分かれる3種類のアフィリエイト広告

アフィリエイト広告には、費用(報酬)が発生するタイミングによって次の3種類があります。

アフィリエイト広告の種類概要
成果報酬アフィリエイト広告リンク経由の購入や問い合わせといった成果数に応じて広告費が発生
クリック報酬アフィリエイト広告リンクのクリック数に応じて広告費が発生
インプレッション報酬アフィリエイト広告リンクのインプレッション数に応じて広告費が発生

厳密には、クリック報酬やインプレッション報酬も成果報酬の一部です(クリックやインプレッションを成果地点に設定)。しかしメディアにとっての成果獲得ハードルが異なるため、便宜上、区別されています。

アフィリエイト広告のなかでもっとも一般的なのは成果報酬で、次にクリック報酬、最後にインプレッション報酬と続きます

【広告主向け】アフィリエイト広告のメリット・デメリット

アフィリエイト広告には次のようなメリット・デメリットがあります。

メリット・費用対効果がいい
・広告予算を管理しやすい
・幅広い訴求・掲載面でプロモーションできる
デメリット・必ず掲載されるわけではない
・ブランドイメージを毀損する可能性がある

アフィリエイト広告を最大限活用できるように、また想定外の失敗をしないように、あらかじめ確認しておきましょう。

メリット1. 費用対効果がいい

アフィリエイト広告のメリット1つめは、費用対効果がいいことです。

アフィリエイト広告では成果報酬制が基本となっているため、売上につながらないアクセスに対して費用を支払う必要がありません。広告枠を一定期間買い取る「純広告」や、クリックもしくはインプレッションに対して費用を支払うことが多い「運用型広告」と比較した場合の、アフィリエイト広告の大きなメリットです。

無駄なコストを省くことで、費用対効果よく売上をアップさせられます。

メリット2. 広告予算を管理しやすい

広告予算を管理しやすいこともアフィリエイト広告のメリットです。

成果に応じて報酬を支払うアフィリエイト広告では、常に広告費と売上が連動します。売上が伸びずに広告費だけかさんでしまう、といった状態を避けられるのです

キャッシュフローが厳しいからまずは少しずつ獲得を増やしていきたいといった場合には、「月に◯件まで」という獲得件数キャップを設定できます。ただし売る力が強いメディアほど、キャップがある案件を避ける傾向にあるため注意しましょう。

メリット3. 幅広い訴求・掲載面でプロモーションできる

アフィリエイト広告のメリット3つめは、訴求・掲載面の幅広さです。

純広告や運用型広告と違って、1人もしくは少数の担当者が広告配信までを管理する仕組みではありません。人気の案件は多くのメディアが紹介するため、訴求や掲載面のバリエーションが増えます

訴求や掲載面が多ければ必ず成果につながるわけではありませんが、打ち手が増えること自体はプラスでしょう。メディアの訴求を参考にして、ランディングページや広告素材を改善できるケースもあります。

デメリット1. 必ず掲載されるわけではない

アフィリエイト広告のデメリット1つめは、必ず掲載されるわけではないことです。

さまざまな広告主がASPに登録した案件のなかから、メディアが自分のサイトやSNSアカウントで紹介する案件を選びます。買い手市場と呼ぶほどではありませんが、メディアに掲載の決定権があることは間違いありません

ASPにアフィリエイト広告を出稿したからといって、メディアにとって魅力的でなければ掲載されない点に注意しましょう。

デメリット2. ブランドイメージを毀損する可能性がある

アフィリエイト広告のデメリット2つめは、ブランドイメージを既存する可能性があることです。

実際にアフィリエイト広告リンクを掲載するのがメディアである以上、訴求や掲載面の管理には限界があります。「アダルトサイトへの掲載NG」といったわかりやすい基準であれば、基本的に問題ないでしょう。しかし「過度な煽りはNG」といった人によって判断が異なるレギュレーションでは、想定以上の煽りをされ、消費者に悪印象を抱かせてしまう可能性があります。

誇大広告は減少傾向にありますが、場合によってはレギュレーションを強める・記事確認を必須にする・成果認否の判断を厳しくするといった対処が必要でしょう。

アフィリエイト広告にかかる費用

アフィリエイト広告にかかる費用の目安は下記のとおりです。

費用項目費用の目安
ASPに支払う初期費用目安0円〜5万円
ASPに支払う月額費用目安0円〜3万円
メディアに支払う成果報酬ジャンル・案件次第
※ASPへの手数料+30%前後

初期費用や月額費用は定額が多く、獲得件数が伸びるほどメディアに支払う成果報酬の割合が大きくなります。単価の高い商材ほど成果報酬は高いため、報酬単価に一律的な目安は存在しません。アパレルや雑貨、食品といった複数の商品を扱うECサイトでは「購入金額の◯%」という形式が一般的です。

【具体例】アフィリエイト広告の成果報酬単価

大手ASP「A8.net」で実際に出稿されている案件の単価例を紹介します。

ジャンル成果地点報酬単価
スキンケア新規購入(トライアルセット1,200円)18,000円
パーソナルジム新規無料カウンセリング(0円)10,000円
かに通販購入(目安9,000円〜)購入金額の5%

成果報酬を設定する際は、他社の単価を参考にしましょう

アフィリエイト広告費用を試算する方法

アフィリエイト広告費用は、初期費用・月額費用・成果報酬を合計すれば試算できます

たとえば、成果報酬1,500円の商材を用意して「バリューコマース」のベーシックプランに加入し、月間50件獲得したとしましょう。初めの1年間での獲得件数は600件、支払う費用は下記の計算から189万8,500円(1件あたり約3,100円)です。

55,000円(初期費用) + 55,000円×12カ月(月額費用) + 1,500円×50件×12カ月(メディアへの成果報酬) + 1,500円×50件×31.5%×12カ月(ASPへの手数料) = 1,898,500円

引用:バリューコマース

バリューコマースではフォームに入力することで見積もりシミュレーションを利用できるので、気になる方は試してみてください。

アフィリエイト広告を出稿・運用する4ステップ

アフィリエイト広告の出稿・運用は、次の4ステップです。

  1. ASPを選ぶ
  2. 広告素材を用意する
  3. メディアと提携する
  4. 広告成果を承認する

1. アフィリエイト広告を出稿するASPを選ぶ

まずはアフィリエイト広告を出稿するASPを選びましょう。

多くのASPに出稿するほどメディアの目に触れる機会が増えますが、初期費用や月額費用もかさみます。得意ジャンルやメディアの登録数、料金などから比較して選ぶのがおすすめです

ASP費用(税抜)特徴
A8.net・トライアルコース:初期費用5万円、月額4万円(6カ月契約)、成果報酬手数料30%
・スタンダードコース:初期費用5万円、月額3.7万円(12カ月契約)、成果報酬手数料30%
・トライアルコース:初期費用5万円、月額3.3万円(18カ月契約)、成果報酬手数料30%
320万サイト以上が登録する国内最大級ASP
バリューコマース・ベーシックプラン:初期費用5万円、月額費用5万円、成果報酬手数料31.5%
・ライトプラン:初期費用0円、月額費用3.85万円、成果報酬手数料35%
※どちらも最低利用期間6カ月
A8.netと並ぶ大手で、EC系に強みを持つASP
JANet初期費用5万円、月額費用4万円
※成果報酬手数料は要お問い合わせ
金融系の無形商材に強いASP
Link-A初期費用0円、月額費用0円
※成果報酬手数料は要お問い合わせ
漫画・VOD・不動産などの無形商材に強いASP
Zucks Affiliate初期費用0円、月額費用0円
※成果報酬手数料は要お問い合わせ
アプリインストール案件に強いASP

2. テキストや画像の広告素材を用意する

登録するASPが決まったら、テキストや画像といった広告素材を用意します。

広告素材はメディアが商品・サービスを紹介するときに利用するものです。CTRやCVRへの影響が大きく、アフィリエイト広告の成否を左右します。

SNS広告やディスプレイ広告で効果的な静止画バナーがあれば、転用してもいいでしょう。自社にノウハウや広告データがなければ、他社の素材やASP担当者のアドバイスを参考にするのがおすすめです。

3. メディア(アフィリエイター)と提携する

ASPにLPや広告素材を入稿し成果報酬の設定が終わったら、次はメディアとの提携です。

提携申請をしているメディアのサイトやSNSのジャンル・コンテンツの内容・訴求の強さ(コンプライアンス意識)を確認し、問題なければ申請を承認します

メディアとの提携が完了すれば、すでにアフィリエイト広告を出稿できている状態です。あとはメディアが掲載してくれるのを待ちましょう。

4. 広告成果を承認する

最後の手順は広告成果の承認です。

ユーザーがアフィリエイト広告リンク経由で購入や問い合わせといった行動をすると、ASP管理画面で成果を確認できるようになります。自演購入や重複、レギュレーション違反があれば必要に応じて否認し、問題ない成果は承認しましょう

アフィリエイト広告が向いている業界・商材

アフィリエイト広告が向いているのは次のような業界・商材です。

  • EC全般(美容、サプリ、家電、食品、アパレルなど)
  • ジム/エステ(パーソナルジム、脱毛サロン、美容サロンなど)
  • 金融(クレジットカード、キャッシング、証券、FXなど)
  • ホビー(漫画、VOD、ゲームアプリなど)
  • 買取(ゲーム、着物、骨董品、不動産、バイクなど)
  • アパレル
  • 学習/教育(塾、通信資格、英会話など)

toCを中心に、幅広いジャンルの業界・商材でアフィリエイト広告を活用できます。自社の類似商材でアフィリエイト広告事例があるかどうか不安であれば、ASPに問い合わせてみましょう。

アフィリエイト広告を成功させる3つのコツ

アフィリエイト広告を成功させるコツは次の3つです。

  • 他社を参考に単価を設定する
  • LPや広告素材をABテストする
  • 特別単価を実施する

どれも、アフィリエイト広告での獲得件数を伸ばすために欠かせません。出稿前に把握しておいてください。

1. 他社を参考に単価を設定する

成果報酬単価は、同業他社や競合を参考に設定しましょう。

高く設定しすぎると徐々に損益分岐点へと近づいてしまいますし、安すぎてもメディアに魅力的な案件と認識されず掲載されません。「掲載してもらいたいから成果報酬単価を高くする」ことは一見筋が通っていますが、広告主同士での価格競争に陥ってしまいます

競合他社を参考に、高すぎず安すぎずバランスの取れた成果報酬単価を設定することが重要です。

2. LPや広告素材をABテストする

アフィリエイト広告を成功させるコツの2つめは、LPや広告素材をABテストすることです。

どれだけメディアに掲載されても、LPや広告素材が魅力的でなければクリックやコンバージョンが発生しません。またCTRやCVRが低い案件はメディアにとって「成果が発生しない=稼げない」案件であり、掲載が次第に減ってしまいます。

LPや広告素材のテストを繰り返して、売上に直結するCTRやCVRといった数値を高めていきましょう。

3. 特別単価を実施する

特別単価の実施も、アフィリエイト広告を成功させるうえで欠かせないポイントです。

メディアや時期を限定して適用する、通常よりも高い報酬単価を「特別単価」と言います。メディアの目的は稼ぐことです。報酬単価が上がって稼ぎやすくなれば、それだけ掲載するメディアが増えるでしょう。繁忙期に合わせて期間を限定したり獲得数に応じて段階的な報酬単価を設定したりといった方法が一般的です。

ただし特別単価は、あくまでメディアに案件を広めるための仕組みにすぎません。消費者にとって魅力のない商材であれば、どれだけ掲載されても成果にはつながらないでしょう。CTRやCVRといった売るための土台を整えたうえで、起爆剤として特別単価を実施するのがおすすめです。

アフィリエイト広告の規制事情について

アフィリエイト広告に参入する前に、規制事情を把握しておきましょう。

2021年ごろ誇大広告や虚偽広告が取り沙汰され、アフィリエイト広告の問題性が盛んに報道されました。消費者庁では2021年6月から2022年1月までに全6回の「アフィリエイト広告等に関する検討会」が開かれ、現状や将来的な規制についての検討がなされています。

とはいえ2022年12月時点では、前述の検討会の結果によってアフィリエイト広告に新たな法規制がなされるといった発表はありません。景品表示法や薬事法、健康増進法、特定商取引法といった自社プロモーションと同じ法規制を遵守していれば大丈夫でしょう。

景品表示法違反には注意が必要

景品表示法は「自己の供給する商品又は役務の取引について」定めている法律です。

メディア(アフィリエイター)はあくまで他者の商品を紹介する立場であるため、現行法令において、景品表示法違反による罰則の対象となりません。景品表示法に違反する誇大広告を行なったのがメディアであっても、広告主へ責任追求がなされる可能性があるのです

参考:国民生活センター

アフィリエイト広告の実施にあたっては、メディアのコンプライアンス意識チェックや記事・コンテンツ確認を念入りに行いましょう。

まとめ|アフィリエイト広告を活用して売上アップを図ろう

本記事では、広告主の立場から見るアフィリエイト広告の活用について解説しました。

成果報酬制で運用できるアフィリエイト広告は、費用対効果を合わせながら獲得を伸ばしていける効率的な手法です。一方で単に出稿するだけでは不十分で、広告主には掲載されるための努力が求められます。

本記事で紹介したコツを参考にしながら、アフィリエイト広告を活用して売上アップを図ってください。

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取締役COO:高尾 徹

EC事業会社2社でマーケティング責任者として従事した後、フリーランスでのWebコンサルティング経験を経てFORCE-Rへ入社。現在はCOOとしてWebコンサルティング事業を統括。

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