ECにおけるLTVの計算方法と数値改善のための3つの施策を解説

ECにおけるLTVの計算方法と数値改善のための3つの施策を解説

「EC事業の売上をアップさせるためにはLTVの改善が必要だと感じている」
「自社のLTVを計算する方法が知りたい」
「ECのLTVを改善するにあたって何から手を付けたら良いかわからない」

EC事業に携わっていて、上記のような疑問や悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。LTVはEC事業のKPIとして設定するケースが多く、自社の売上を向上させるために重要な指標です。新規ユーザーの獲得が年々難しくなっているWeb領域において、LTVの重要性はより高まっています。

そこで本記事では、LTVの仕組みや計算方法だけでなく、数値改善につながる施策を解説します。自社のLTVを正しく理解し、売上を向上させたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

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LTVとは?わかりやすく解説

LTVとは「Life Time Value」の略称であり、日本語では顧客生涯価値と呼ばれている指標です。具体的にはユーザーの初回購入から終了までに「自社の商品やサービスに対してどれほど利益をもたらしてくれるか」という概念です。

LTVが高いということは、自社サービスを継続利用しているか複数回商品を購入していると考えられるため、ユーザーの満足度が高いと判断できます。EC事業を安定させるには新規ユーザーだけでなく、サービスの継続利用やリピート購入を増やさなければなりません。LTVが高いユーザーを増やすことが自社の売上アップにつながるため、EC事業のマーケティング領域におけるKPIとして設定されるケースが多いです。

ECにおけるLTVの計算方法

EC事業におけるLTVの計算方法には、いくつかの種類があります。なぜならサービス内容や業界によって、LTVを構成する要素が変わるからです。ここではLTVの計算方法を、大きく2つに分けて紹介します。

1. 基本的な計算式

EC事業を展開している企業の場合、基本的なLTVの計算式は以下のとおりです。

「平均購入単価 × 購入頻度 × 継続購入期間」

例えば平均購入単価が5,000円、年間での購入頻度が4回、継続購入期間が2年であればLTVは40,000円です。

5,000円(平均購入単価) × 4(購入頻度) × 2(継続購入期間) = 40,000円

もし広告で集客している場合、上記の金額からユーザー獲得にかかった広告費用を引くことで、より自社の利益に近い数値を算出できます。

2. サブスクリプションサービスの場合

サブスクリプションサービスを展開している企業の場合、基本的なLTVの計算式は以下のとおりです。

「平均購入単価 ÷ 解約率」

例えば平均購入単価が5,000円で、解約率が10%であればLTVは50,000円です。

5,000円(平均購入単価) ÷ 0.1(解約率) = 50,000円

サブスクリプションサービスの場合は、定額制で一定期間の利益を計算できるものの、解約される可能性を考慮する必要があります。LTVは事業内容によって計算方法が変わるため、自社のサービスに合わせて算出しましょう。

ECのLTVを向上させるためのポイント

EC事業のLTVを向上させるには、以下の数値を改善しましょう。

  • 平均購入単価
  • 購入頻度
  • 継続購入期間

初回だけでなくリピート購入における単価が上がれば、LTVの向上につながります。ユーザーの購入頻度が増えれば、自社サービスに対して支払う金額が増加します。また商品やサービスを長い期間利用してもらえれば、使用頻度が増えることにより購入回数が多くなるため、LTVを向上させることが可能です。

LTVの改善は購入単価を上げる施策と、購入回数を増やす施策にそれぞれ分解して考えることで、改善の余地や課題がある項目が明確になります。

ECでLTVが重視される3つの背景

近年もEC業界では、LTVが重視されるようになっています。その背景を知ることが自社のLTVが低い原因の特定にもつながるため、1つずつ見ていきましょう。

1. 顧客獲得競争の激化

LTVが重要視されるようになった理由の1つに、顧客獲得競争の激化があります。競合サービスが増えることで、成熟している市場を中心に新規顧客の獲得競争が加熱している状況です。

新たに参入する企業が増加することで、ユーザーの選択肢が増えます。以前であれば自社の商品を購入してくれていたユーザーが、競合のサービスに流れる可能性があります。

自社のリピート率が低い場合は、新規ユーザーを獲得し続けなければ売上が伸ばせません。新規ユーザーの獲得以外で売上を増やすには、既存顧客のリピート購入や自社サービスの継続利用が重要であるため、LTVが着目されるようになっています。

2. 新規顧客獲得にかかる費用の高騰

競合が増えたことにより広告のCPAが高騰しているため、LTVの重要性が高まっています。広告経由で獲得した新規ユーザーの中には、顧客獲得単価だけでは判断できない以下のようなケースがあります。

  • 初回購入時の顧客獲得単価は安いがリピートしない
  • 初回購入時の顧客獲得単価は高いがリピートする

広告の成果をCPAだけで見ると、費用対効果が悪化していると判断してしまいがちです。結果的に広告を抑制する動きが生まれやすく、新規顧客の獲得数が減ってしまう悪循環に陥ります。目先の数値だけで判断しないように、CPAだけでなくLTVの観点からも分析を行うようにしましょう。

3. サブスクリプションサービスの普及

サブスクリプションのような新しい仕組みのビジネスモデルが生まれたことにより、LTVが重要視されるようになっています。通常の商品購入とは違ってサブスクリプションは、サービスを利用するために毎月定額で料金の支払いが発生する仕組みです。そのためCPAだけでは、売上に与える影響を分析しにくい側面があります。

サブスクリプションでは広告の成果を検証する際は、新規顧客獲得時のCPAだけでなく継続率を考慮したLTVでの分析が必要です。

ECのLTVを引き上げる3つの施策

EC事業におけるLTVを引き上げるためには個人だけでなく、部署を横断しなければ取り組めない施策があります。ここでは大きく分けて3つの施策を紹介しますので、自社のLTVを改善したい方はぜひ参考にしてください。

1. アップセル・クロスセルにより購入単価を引き上げる

アップセルやクロスセルにより購入単価を引き上げることが、LTVの向上につながります。アップセルは顧客が検討している商品よりも、上位のプランや高単価の商品を提案する手法です。

一方でクロスセルは、顧客が検討している商品に加えて関連商品を提案することで、追加購入を促す手法です。顧客ニーズを満たすようなアップセル・クロスセルの提案ができれば、自社サービスへの満足度が高まります。ユーザーの購入単価が上がることで、LTVの引き上げにつながります。

アップセルやクロスセルについては関連記事の「アップセルとクロスセルの違いとは?売上向上につながる3つのポイントや成功事例も紹介」にて詳しく解説しています。用語の意味や具体例を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

2. 情報発信を積極的に行い顧客と接点をつくる

LTVを向上させるには、情報発信を積極的に行い顧客との接点をつくるのも効果的です。具体的にはSNSを活用し、新商品やセール情報を発信してユーザーの購入意欲を高めましょう。

また購入履歴をリスト化できれば、より効果的な施策が行えます。なぜなら多くの顧客に同じ情報を届けるのではなく、購入履歴を分析して適切な情報を送ることで、よりユーザーの行動を促せるからです。LINEやメルマガなどであれば配信ユーザーを選定できるため、購入履歴をもとに抱えている悩みに沿った商品の提案が可能です。

3. 休眠顧客へアプローチする

LTVを改善させるには、アクティブユーザーだけでなく休眠顧客にもアプローチを行いましょう。休眠顧客とは過去に自社商品を利用していたものの、その後一定期間リピート購入やサービス利用がないユーザーのことです。

休眠顧客へのアプローチであれば、Web広告が効果的です。リターゲティング広告により購入履歴があるユーザーをリスト化して配信することで、リピート購入を促しましょう。顧客情報を抽出してリスト化し、広告配信時に休眠顧客限定のクーポン訴求で出稿すれば、再度自社の商品を購入する動機づけが可能です。

ECのLTV改善について相談するなら施策立案から依頼できるFORCE-R

EC事業を展開しており、LTVの改善について相談したいとお考えであれば、施策立案から依頼できるFORCE-Rにお問い合わせください。LTVの改善を図るには見るべき指標が多く、部署間を横断した施策が求められます。しかしご自身の担当タスクだけで精一杯で、LTVの改善施策に手が回らないケースもあるのではないでしょうか。

自社のリソースが足りない場合は、ECコンサルタントに相談するのが有効です。例えばFORCE-Rなら、EC事業のLTVを改善させるために数値分析から施策立案まで、幅広く相談が可能です。EC事業における売上改善の実績が豊富にあり、再現性の高い施策を提案いたします。

ECコンサルタントの選び方については関連記事の「ECコンサルの主な5つのサービス内容!依頼前の準備と選定時の確認ポイントも紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>

まとめ|EC事業はLTVの数値を見ながら施策に取り組もう

LTVとは1人の顧客が生涯で自社のサービスに、どれだけ利益をもたらすかという概念です。LTVを向上させるには平均購入単価や購入頻度、継続購入期間を改善する必要があります。それぞれ項目を分けて考えた上で、数値の改善につながる施策を行いましょう。

LTVを改善させるにあたって、リソースに課題がある場合はFORCE-Rへご相談ください。FORCE-RならLTVの計算や分析はもちろんこと、現状の数値を踏まえた施策立案まで幅広く対応可能です。EC事業に詳しい専任のコンサルタントが、貴社のLTVを向上させるために全力でサポートいたします。

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記事を書いた人

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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