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ABC分析とは商品を重要度ごとに分類する手法!必要性と在庫管理に活用する手順をわかりやすく解説

「利益の出ない商品の在庫を過剰に抱えていないか不安」
「人気商品を明確にして在庫不足を防ぎたい」
「在庫管理の手間を省きつつ売上を安定させたい」

自社サイトで扱う商品の在庫管理をするにあたって、上記のような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。商品を重要度ごとに分類する「ABC分析」を活用すれば、在庫管理の最適化が可能です。

本記事では、ABC分析を用いた在庫管理の具体的な手順や注意点を解説します。過剰在庫や商品不足が発生するリスクを抑えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

ABC分析の概要をわかりやすく解説

ABC分析とは、複数のデータを重要度ごとに分類して管理する手法です。重要度の高い順にABCの3つのグループに分け、それぞれに合った方針で管理することにより業務を効率化できます。

ABC分析の目的は、現在の状況から優先事項を可視化し、売上や利益を効率よく生み出すことです。ABC分析を活用する際は、目的に応じて以下のような評価基準が定められます。

  • 売上金額
  • 販売数
  • 利益率

ABC分析は「全体の成果の8割は、2割の要素によって生み出されている」という「パレートの法則」にもとづいている理論です。つまり、売上の大部分はごく一部の商品の販売状況に左右されていると考えられています。

自社サイトで複数の商品を扱っている場合、ABC分析を用いてそれぞれを重要度で分類すれば、無駄な在庫を省いて効率的な売上アップが可能です。

ABC分析を行う3つの必要性

ABC分析を用いて自社サイトの売上を伸ばすにあたって、手法の必要性や活用方法を理解しておくことが重要です。ここでは、ABC分析の必要性や活用方法を具体的に解説します。ABC分析のメリットを存分に生かし、業務の効率化につなげましょう。

1. 在庫管理を最適化できる

ABC分析を用いて商品ごとの販売状況を可視化することにより、在庫管理の最適化が可能です。評価基準を売上金額や販売数に設定してABC分析を行えば、売れ筋商品を把握しやすくなり、在庫管理に活用できます。

ABC分析を用いて在庫管理をする際は、重要度で分類したグループごとに以下のような在庫調整を行いましょう。

  • Aグループ:在庫を十分に確保し、欠品をしないように注意する
  • Bグループ:在庫を現状維持できるように販売予測を行い、リソースを考慮しつつ生産・発注する
  • Cグループ:最低限の在庫を維持しつつ、商品の入れ替えや販売停止を検討する

適切な在庫数を維持するには、売れ筋であるAグループの商品は定期的に発注を行い、Bグループはストックが一定以下になった際に決められた数量を入荷する運用が一般的です。販売数の少ないCグループの在庫管理方法については、注意すべき例外があるため詳しくは後述します。

売上が伸び悩む商品の改善方法については、関連記事の「売れない商品と売れる商品の4つの違い!ECならではの販売戦略についても解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2. マーケティング施策の立案や効果検証ができる

ABC分析によって全体の売上に対する各商品の貢献度を明確化すれば、それぞれに応じたマーケティング施策の立案が可能です。例えばAグループの商品は、広告宣伝を強化することにより更なる売上アップが期待できます。

ページ上の商品の配置をABC分析の結果にもとづいて並べ替えれば、ユーザーのサイト回遊促進に効果的です。またABC分析を用いて継続的に売上を測定することにより、時系列ごとの販売状況が把握できます。

時系列ごとの販売状況と各マーケティング施策の実施時期を照らし合わせれば、取り組みの効果検証が可能です。一時的な流行商品や季節性のあるアイテムを把握できるため、年間を通したマーケティング施策を検討する際に役立つでしょう。

3. ターゲット層の把握に役立つ

ABC分析を活用すれば、売上に貢献しているターゲット層を明確化でき、実際のユーザーに合わせた販売戦略を行えます。Aグループの商品を主に購入するユーザーは、売上への貢献度が高い顧客です。Aグループの年齢や嗜好などを分析すれば、実際のターゲット層を具体的に把握できます。

実際のターゲット層にもとづき、広告宣伝を強化するメディアやアフターフォローの方法などを検討しましょう。新規ユーザーの獲得や既存顧客のファン化につながり、効率的に売上アップを目指せます。

ABC分析を用いて在庫管理を行う5つの手順

ここでは、ABC分析を用いて在庫管理を行う具体的な手順を解説します。自社サイトで扱う商品のストックを適切な数量に保ちたい方や、在庫管理の手間を省きたい担当者様はぜひ参考にしてください。

1. 分析する目的を明確にする

ABC分析の趣旨によって集めるデータやグループの区分が異なるため、目的を明確にしましょう。在庫管理でABC分析を用いる際の目的は、主に以下の2つです。

  • 在庫を過剰に抱えるリスクを軽減する
  • 在庫不足による販売の機会損失を防ぐ

一般的にABC分析を用いて在庫管理をする際は、売上金額を評価基準に設定します。売上金額への貢献度が高い商品の在庫を優先的に管理することで、効率的に利益を確保するためです。

もし現時点で過剰なストックを抱えている場合は、在庫数を評価基準に設定します。在庫不足が懸念される場合は、売上金額と販売数のどちらの機会損失を防ぎたいかを検討したうえで、評価基準として設定する項目を決めましょう。ここでは、売上金額を評価基準とした一般的な分析方法を解説します。

2. 各商品の売上データを収集

自社サイトで扱う各商品の売上金額データを収集し、合計額を算出します。データを収集する際は事前に分析する期間を定めておき、対応する時期における各商品と全体の売上金額を集計してください。

データは在庫管理システムの情報を用意するか、エクセルで商品ごとの売上金額を記入した表を作成します。エクセルで商品ごとの売上金額を集計する際は「VLOOKUP関数」を活用するのがおすすめです。売上金額の多い順に商品を並べ替えた表を作成し、個々と全体の合計値を算出しましょう。

3. 各商品の売上構成比・累積構成比を算出

データの表に「売上構成比」と「累積構成比」の2項目を追加し、それぞれを算出しましょう。各商品の売上構成比は、以下の計算式で算出します。

  • 売上構成比=商品の売上金額÷全体の売上金額

累積構成比は、売上構成比を上から足し合わせた数値です。累積構成比は全体の売上金額への影響度を表しており、後のグループ分けに活用します。

4. 累積構成比をもとに分類

算出した累積構成比をもとに、ABCの3つのグループに分類しましょう。累積構成比による一般的な区分けの例は、以下のとおりです。

  • A:B:C=〜70%:70〜90%:90%〜100%
  • A:B:C=〜60%:60〜90%:90%〜100%

区分けする累積構成比の値は、商品の特性や倉庫の広さなどに応じて設定してください。例えば、倉庫が狭い場合はAグループの区分けを〜50%へ下げる場合があります。

そのほかに「Aグループの上にSグループを作る」「D・Eグループを増やす」などの方法でより細かい在庫管理が可能です。エクセルで表を作成する場合は、グループごとに色分けをするとわかりやすくなります。

5. パレート図を作成

累積構成比をもとにグループ分けをした後は「パレート図」を作成しましょう。パレート図とは、項目ごとの値を表す棒グラフと累積構成比の折れ線グラフを組み合わせた複合グラフです。パレート図を作成することにより、ABC分析の結果を可視化できます。

各商品の売上への貢献度をグラフで表せば販売状況を一目で確認でき、在庫を調整する方針設定に便利です。在庫管理におけるパレート図では横軸に各商品名を設定し、以下の2軸を用いた複合グラフで表します。

  • 縦軸の第1軸:売上金額(棒グラフ)
  • 縦軸の第2軸:売上金額の累積構成比(折れ線グラフ)

グループごとで棒グラフの色分けをするか、枠で囲めば視覚的に判断しやすくなるためおすすめです。

在庫管理におけるABC分析の注意点

ABC分析を用いて在庫管理を行うにあたって、注意すべきポイントと対応方法を解説します。ポイントを押さえていないと在庫の過不足が発生するだけでなく、売上に悪影響を及ぼす可能性があるため事前に確認しておきしましょう。

1. 一時的な売れ筋商品に注意する

ABC分析の際は、一時的に売上が増える商品に注意しましょう。ある時期にはAグループに分類されている商品であっても、流行を過ぎると売上が落ち大量に在庫を抱えるリスクがあります。一時的な売れ筋商品の例は、以下のとおりです。

  • 季節性のある商品
  • メディアに取り上げられた商品
  • キャンペーン商品
  • 新商品

一時的な売れ筋商品かどうかを判断するには、収集するデータの対象期間を複数設定しましょう。長期と短期や季節ごとなどパターン分けをしてABC分析を行った際に、累積構成比が大きく変動するアイテムの場合は、一時的な売れ筋商品の可能性があります。

一時的な売れ筋商品は、個別の在庫管理が必要です。特定の季節や条件下でのみAグループとして扱い、機会の損失をしないよう在庫管理に注力しましょう。

2. Cグループの役割を考慮する

Cグループに分類される商品であっても、全体的な売上や今後の業績に影響している場合があるため注意しましょう。Cグループであっても全体的な売上への影響力が高いのは、以下のような商品です。

  • 集客用のトライアル商品
  • Aグループの商品とのセットアイテム
  • 新商品

また「ロングテール現象」やニッチな商品の役割を考慮したうえで、Cグループの在庫管理の方針を設定しましょう。ロングテール現象とは、売れ筋商品よりそのほかのアイテムの総売上金額が上回っている状態です。個々の売上金額は少なくても、多くの商品がCグループに属していれば、全体的な売上への影響は大きくなります。

ニッチな商品は特定の顧客層から一定のニーズがあるため、流行に左右されにくいことが特徴です。さらにECにおいては多様な商品を扱うサイトの方が検索にヒットしやすく、結果的に幅広い客層をカバーできます。

Cグループの商品は在庫管理の手間が少なく済むため、安易に販売停止せずそのまま維持するという選択肢も検討してください。

3. 売上金額だけでなく利益も見直す

売上金額によるABC分析をする際は、同時に利益の見直しが必要です。Aグループの商品の利益率が低い場合は、売上を伸ばしても経営は苦しい状態が続きます。

利益率を上げるには、商品の価格設定を見直しましょう。付加価値が高く競合他社との差別化ができている商品であれば、価格を上げても顧客離れは起きづらく、利益率の改善が期待できます。

商品の価格設定については、関連記事の「中途半端な価格を「買いやすい値段」と感じる心理とは?安く感じる値段を設定する10の方法を紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ABC分析を用いた在庫管理の最適化ならFORCE-R

ABC分析は、年間を通じて売上が大きく変動しない商品の在庫管理には適していますが、季節アイテムや流行への対応は難しいことに注意しましょう。一時的な売れ筋商品の過剰な在庫や、ストック不足による機会損失を防ぐためには、市場の動向を把握して顧客ニーズへ柔軟に対応する必要があります。

FORCE-Rでは専門のコンサルが市場動向を把握しており、顧客ニーズの変化に合わせた在庫管理へのアドバイスが可能です。自社の在庫管理でお悩みの方は、お気軽にFORCE-Rへご相談ください。

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ABC分析を活用して在庫管理の悩みを解消しよう

各商品の販売状況を把握しやすくさせるABC分析は、在庫管理の最適化に有効です。ABCの各グループごとに在庫数や生産・発注のタイミングを調整すれば、効率的に商品を管理できます。

またCグループに属する商品の役割を把握し、場合によっては入れ替えや販売停止の検討が必要です。売上金額だけでなく利益率も考慮し、状況に応じて商品の価格改定を行いましょう。

売上が伸び悩む商品への対応や利益率を見直す際は、実績が豊富なコンサルに相談すると安心です。FORCE-Rでは、商品の価格設定や売上改善の手法を熟知している専門コンサルタントが、クライアント様に併走してサポートいたします。

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ:本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。 その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。 楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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