楽天トップページのデザインは、一般的なWebサイトのように自由に作り込めるものではありません。現在の楽天市場では、公式で用意されたパーツを組み合わせて構成する仕組みが採用されており、見た目のデザイン以上に「設計」と「運用」の考え方が成果を左右します。
本記事では、楽天トップページをHTMLデザインとして捉えるのではなく、パーツ設計という視点から整理し、通常期・セール期それぞれで成果が出やすいレイアウトの考え方を解説します。これからトップページを見直したい企業担当者の方に向けて、実務で使える判断軸をまとめています。
Contents
楽天トップページは「HTMLデザイン」ではなく「パーツ設計」

楽天市場のトップページは、一般的なWebサイトのようにHTMLやCSSを用いて自由にデザインできるものではありません。現在の楽天トップページは、楽天が公式に用意している各種パーツを選択し、配置することで構成する仕組みになっています。
そのため、独自のレイアウトを細かく作り込んだり、高度なデザイン表現を行ったりすることはできません。一方で、どの店舗も同じ制約条件で運用しているからこそ、成果の差は「どのパーツを使うか」「どの順番で並べるか」「更新や切り替えをどう設計するか」といったパーツ設計と運用の考え方に表れます。
楽天トップページは、デザイン力よりも設計力が問われる領域だと言えます。
トップページの役割を最初に整理する

楽天トップページの設計で成果を出すためには、最初に「トップページの役割」を正しく整理することが欠かせません。役割を曖昧にしたままパーツを配置すると、情報過多になったり、訴求が分散したりして、結果として売上や回遊につながらないページになりがちです。
まずは、楽天というモールの特性を踏まえた上で、トップページが担うべき機能を明確にする必要があります。
楽天のトップページは「世界観を見せる場所」ではない
楽天トップページは、ブランドの世界観やストーリーをじっくり伝えるための場所ではありません。楽天市場では、ユーザーは商品検索やランキング、広告などをきっかけに店舗へ流入しており、短時間で「この店で買うかどうか」を判断しています。
そのため、トップページで重要なのは演出や雰囲気づくりではなく、必要な情報を分かりやすく提示することです。世界観を優先しすぎると、何を売っている店舗なのかが伝わらず、ユーザーを迷わせてしまいます。
楽天トップページでは、あくまで購買行動をスムーズに進めるための案内役として機能させることが求められます。
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主な役割はこの3つ
楽天トップページの主な役割は、大きく分けて三つあります。
一つ目は「何の店かを伝える」ことです。取り扱いジャンルや主力商品が一目で分かる構成にすることで、ユーザーは自分に関係のある店舗かどうかを即座に判断できます。二つ目は「迷わせず商品に導く」ことです。人気商品やおすすめ商品への導線を明確にすることで、ユーザーが次に取るべき行動を自然に示せます。
三つ目は「回遊しやすくする」ことです。カテゴリや特集への導線を整理することで、複数の商品を見てもらいやすくなり、結果として購買機会の最大化につながります。
楽天トップページで使える主なパーツ一覧と特徴

楽天トップページは、あらかじめ用意された公式パーツを組み合わせて構成します。そのため、どのようなパーツが使えるのか、また各パーツがどの役割を担うのかを理解しておくことが重要です。
パーツごとの特性を把握した上で配置を考えることで、トップページ全体の分かりやすさや成果に大きな差が生まれます。
画像系パーツ
画像系パーツは、トップページの中でも視認性が高く、最初にユーザーの目に入りやすい要素です。小画像や大画像、ターゲティング画像、動画などがあり、主にファーストビューや特集ゾーン・コンテンツへの導線で使われます。
また、小バナー・大バナーは共通テンプレートとして多くの店舗で活用されており、セールやキャンペーン、特集ページへの誘導に適しています。画像系パーツは訴求力が高い反面、使いすぎると情報過多になりやすいため、「何を一番伝えたいか」を明確にした上で配置することが重要です。
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商品系パーツ
商品系パーツは、実際の商品を直接表示できる点が大きな特徴です。通常の商品表示に加え、条件指定やおすすめ設定によって、戦略的に商品を並べることができます。
また、目玉商品パーツは共通テンプレートとして用意されており、セール期や注力商品の訴求に向いています。商品系パーツは、ユーザーを商品ページへ最短距離で導く役割を持つため、トップページの中核となる存在です。
主力商品や売りたい商品を明確にし、優先順位を意識して活用することが成果につながります。
信頼・補助パーツ
信頼・補助パーツは、購入判断を後押しするための情報を補完する役割を担います。商品レビューや店舗内ランキングは、他の購入者の評価や実績を示すことで安心感を与えます。
また、お知らせやタイトル、テキストパーツは、配送情報やキャンペーン告知などを簡潔に伝えるのに有効です。さらに、店舗内の注目キーワードやリンク、クーポンパーツは回遊性や再訪を促進します。
これらのパーツは主役ではありませんが、適切に配置することでトップページ全体の完成度を高めます。
それぞれパーツは使える回数が決まっている
楽天トップページでは、各パーツごとに使用できる回数があらかじめ決められています。そのため、すべての情報を詰め込むことはできず、必然的に取捨選択が求められます。
この制限があるからこそ、「どのパーツを優先して使うか」「どこに配置するか」という設計力が重要になります。使える回数を把握せずに設計すると、途中で構成が崩れたり、伝えたい情報が載せられなくなったりします。
事前に全体像を整理し、戦略的にパーツを割り当てることが成果につながります。
成果が出やすいトップページの基本構造(考え方)

楽天トップページで成果を出すためには、パーツをただ並べるのではなく、ページ全体の流れを意識した構造設計が重要です。上から下へスクロールする中で、ユーザーの理解と行動が自然につながるように役割を分担させることで、回遊や購入につながりやすくなります。
ここでは、ファーストビュー・中盤・下部の三つのゾーンに分けて考え方を整理します。
ファーストビューで決めること
ファーストビューは、楽天トップページの中でも最も重要なエリアです。
ここで「何の店か」「今、何を一番訴求しているのか」が瞬時に伝わらなければ、ユーザーはその先を見ずに離脱してしまいます。取り扱いジャンルや主力商品の方向性を明確に示しつつ、セールやキャンペーンなど、現在の最優先訴求を一つに絞って伝えることが重要です。
情報を詰め込みすぎず、判断材料をシンプルに提示することで、ユーザーは迷わず次のアクションに進みやすくなります。
中盤でやること
トップページ中盤は、ファーストビューで興味を持ったユーザーに対して、購入の納得感を高める役割を担います。具体的には、レビューやランキングなどを用いて信頼性や実績を補強しつつ、複数の商品選択肢を提示します。
ここで重要なのは、単に商品数を増やすのではなく、用途や人気、価格帯など、選びやすい切り口で商品を並べることです。ユーザーが比較・検討しやすい状態を作ることで、購買意欲を自然に高めることができます。
下部でやること
トップページ下部は、すぐに購入しないユーザーに対して回遊を促すエリアです。カテゴリリンクや特集への導線を配置することで、他の商品やコンテンツへと自然に誘導します。また、店舗情報や選ばれる理由、注文から配送までの流れを簡潔に伝えることで、不安要素を取り除く役割も果たします。
下部は直接的な訴求力は弱いものの、滞在時間の向上や再訪につながる重要なゾーンとして設計することが成果につながります。
【通常期】おすすめレイアウト

通常期の楽天トップページでは、セールのような強い訴求がない分、安定して成果を出せる構成を意識することが重要です。
更新負荷を抑えつつ、店舗の強みや主力商品が分かりやすく伝わるレイアウトにすることで、日常的な流入からの購入や回遊を着実に積み上げることができます。
ファーストビュー
通常期のファーストビューでは、大画像や大バナーを使って「何の店か」と「現在の基本訴求」を端的に伝えます。セール期のように強い煽りを入れる必要はなく、主力ジャンルや代表商品を中心に、店舗の方向性が一目で分かる構成が理想です。
あわせて、タイトルやテキストパーツで補足情報を加えることで、画像だけでは伝わりにくい特徴や強みを補完できます。情報量を抑え、判断しやすさを優先することが通常期のファーストビューでは重要です。
主力商品ゾーン
ファーストビューの次には、主力商品ゾーンを配置します。ここでは「商品(おすすめ)」や通常の商品パーツを使い、売りたい商品や人気商品を分かりやすく並べます。
あわせて、店舗内ランキングや商品レビューを組み合わせることで、実績や評価を視覚的に伝えることができます。このゾーンは、ユーザーが具体的に商品を比較・検討する段階に入る重要な位置づけです。
点数を絞り、選びやすい構成にすることで、クリック率や購入率の向上が期待できます。
回遊ゾーン
回遊ゾーンでは、店舗内の注目キーワードやリンクパーツを活用し、ユーザーを他の商品カテゴリや特集ページへ誘導します。すぐに購入しないユーザーでも、興味のある切り口を提示することで、店舗内を回遊してもらいやすくなります。
季節や用途別など、ユーザー視点で分かりやすいキーワードを設定することがポイントです。回遊ゾーンは定期的に差し替えることで、ページ全体に動きを出し、リピーターにも新鮮さを感じてもらえます。
信頼補強ゾーン
信頼補強ゾーンでは、お知らせや小画像、小バナー、テキストパーツを使い、購入前の不安を解消する情報を補足します。配送や返品に関する案内、店舗からの重要なお知らせなどを簡潔にまとめることで、ユーザーは安心して購入を検討できます。
このゾーンは目立たせすぎる必要はありませんが、情報が整理されていることで店舗全体の信頼感が高まります。通常期だからこそ、こうした基礎情報の整備が安定した成果につながります。
【セール期】おすすめレイアウト例(一点集中型)

セール期の楽天トップページでは、通常期と同じ構成を使い回すのではなく、「一点集中型」のレイアウトに切り替えることが重要です。セール時のユーザーは、情報をじっくり読むよりも、割引や特典を素早く確認し、目的の商品へ進みたいと考えています。
そのため、トップページ全体を使ってセール訴求を最優先に設計する必要があります。
ファーストビュー(最重要)
セール期のファーストビューは、トップページの中で最も重要なエリアです。ここではクーポンと大バナーを中心に配置し、セールが開催されていることと、どこをクリックすればよいのかを明確に示します。特にクーポンは、ユーザーの行動を強く後押しする要素のため、視認性の高い位置に配置することが欠かせません。
大バナーはセール会場へのリンクとして機能させ、迷わず遷移できる構成にします。情報は絞り込み、「今はセール中である」という一点を強く伝えることが成果につながります。
セール商品ゾーン
ファーストビューの直下には、セール商品ゾーンを配置します。目玉商品パーツや商品(条件指定)パーツを活用し、割引率や人気度などの条件で商品を絞り込むことで、ユーザーが選びやすい状態を作ります。
このゾーンでは、商品数を増やしすぎず、売りたい商品や在庫を動かしたい商品を優先的に並べることがポイントです。セール中は比較スピードが重視されるため、訴求軸を統一し、判断しやすい商品構成にすることで購入率の向上が期待できます。
クーポン再露出ゾーン
セール期では、クーポンを一度見せて終わりにしない設計が重要です。スクロール途中にクーポンやテキストパーツを使って再度露出させることで、ファーストビューを見逃したユーザーや、途中まで見ているユーザーにも特典を再認識させることができます。
特に商品一覧を見た後にクーポンが再表示されることで、「今使わないと損」という意識を高める効果があります。再露出ゾーンはシンプルに構成し、行動を後押しする役割に徹することがポイントです。
実績・安心ゾーン(簡略)
セール期であっても、安心材料を完全に省くことは避けるべきです。実績・安心ゾーンでは、店舗内ランキングや商品レビューを簡潔に配置し、信頼性を補完します。あわせて、セール会場への再リンクを設置することで、再度商品選択へ戻りやすくします。
お知らせや小画像、小バナー、テキストは最小限に抑え、情報過多にならないよう注意が必要です。セール期はスピード重視のため、安心要素も「短く・分かりやすく」伝えることが成果につながります。
トップページは「作りこむ」より「マメな更新」の方が強い

楽天トップページは、時間をかけて作り込むことよりも、継続的に更新し続けることの方が成果につながりやすい傾向があります。デザインや構成にこだわりすぎると、修正のハードルが上がり、結果として更新が止まってしまいがちです。
通常期とセール期でテンプレートを切り替える程度でも十分効果はあり、重要なのは「動いているトップページ」を維持することです。週次や月次で変更する場所をあらかじめ決め、商品や特集を季節ごとに差し替えるだけでも、ユーザーへの訴求力や回遊性は着実に向上します。運用し続けられる設計こそが、楽天トップページでは最大の強みになります。
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TOPページの運用のお手伝いはFORCE-Rに
楽天トップページは、使用できるパーツ自体はどの店舗も共通であり、機能面で大きな差があるわけではありません。その中で成果の差が生まれるのは、「どのパーツを、どの順番で使うか」「通常期とセール期をどう切り替えるか」といった設計と運用の考え方です。
FORCE-Rでは、商品構成や売上規模、社内の運用体制を踏まえた上で、無理なく続けられるトップページ設計を支援しています。作って終わりではなく、運用しながら改善していく前提で整理したい場合は、状況を伺いながら一緒に設計することも可能です。




