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EC決済代行の選び方|手数料の比較軸と導入時の確認事項を解説

希望する支払い方法がないという理由だけで、購入をやめる人がいます。決済手段の数と種類は、それだけで売上に影響する要素です。

とはいえ、カード会社や決済事業者と個別に契約するのは現実的ではありません。これをまとめて扱えるようにするのが決済代行です。

本記事では、決済代行の仕組みと費用の内訳を整理したうえで、手数料をどう比較すべきか、選定時に確認すべき項目、セキュリティ上の要件、そして導入の流れまでを解説します。

確認したいポイント結論詳細
決済代行とは?複数の決済手段をまとめる仕組み個別契約の手間と管理の負担をひとつにまとめられます。
費用の内訳は?初期・月額・決済手数料の3層ほかに件数ごとの費用や入金手数料が発生します。
手数料の比較軸は?率だけで比べない決済手段ごとの率、件数課金、入金回数を含めて計算します。
見落としやすい点は?入金サイクル売上が入金されるまでの期間は、資金繰りに直結します。
他に何を見る?セキュリティ対応と連携不正対策の機能と、使っているカートとの接続を確認します。

この記事でわかること

  • 決済代行の仕組みと、個別契約との違い
  • 費用の内訳と、手数料を比較する際の考え方
  • 選定時に確認すべき項目
  • EC事業者に求められるセキュリティ上の対応
  • 導入の流れと、切り替え時の注意点
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決済代行とは?

決済代行とは、複数の決済手段をまとめて導入・管理できるようにするサービスです。クレジットカード、コンビニ払い、後払い、各種のスマートフォン決済などを、1つの契約で扱えるようになります。

決済代行を使わない場合、カード会社ごと、決済事業者ごとに個別の契約と審査が必要になります。導入までの手間も、その後の入金管理も、事業者数の分だけ増えていきます。

入金日と金額が事業者ごとに異なると、経理の照合作業も煩雑になります。件数が増えるほど、この負担は無視できなくなります。

決済代行を使えば、入金がまとまり、明細も一元的に確認できます。管理の簡素化そのものが導入の目的になることも少なくありません。

個別契約との違い

項目決済代行を使う場合個別に契約する場合
契約1社との契約で複数手段を利用事業者ごとに契約と審査が必要
導入の手間接続作業をまとめて行える手段ごとに個別の作業が発生
入金管理まとめて入金される事業者ごとに入金日と金額が異なる
手数料代行の手数料が上乗せされる直接契約のぶん低くなる場合がある
向くケース手段が多い、管理を簡素化したい取引量が大きく交渉力がある

取引量が大きい事業者では、主要な手段だけ直接契約し、それ以外を代行でまとめるという組み合わせの運用も選択肢になります。

ただし、契約先が増えれば管理も分散します。削減できる手数料と、増える手間を比較したうえで判断しましょう。

決済手段の数は売上に影響する

カートまで進んだのに、希望する支払い方法がないという理由で離脱されることがあります。購入意思のある顧客を失うため、影響は小さくありません。

決済手段を増やせば、そのぶん手数料の負担も増えます。ただし、離脱によって失う売上と比べれば、追加する価値がある場合がほとんどです。

購入直前の離脱要因については、カゴ落ち対策の決定版|原因10選+改善策15選+独自アンケートでわかる購入者の本音でも整理しています。

費用の内訳と手数料の比較軸は?

比較を難しくしているのは、費用が複数の項目に分かれている点です。

費用の種類内容比較時の注意
初期費用導入時の一時金無料の場合もあるが総額で判断する
月額固定費毎月かかる基本料金取引が少ない時期にも発生する
決済手数料売上に対する料率決済手段ごとに率が異なる
処理ごとの費用決済1件ごとの固定額単価が低い商材では影響が大きい
入金手数料入金1回ごとの費用入金回数を増やすと総額も増える
解約時の費用契約解除にかかる負担最低利用期間の有無も確認する

料率だけで比較しない

決済手数料の率は分かりやすい指標ですが、これだけで判断すると誤ります。件数ごとの固定費が加わると、実質的な負担率は変わるためです。

特に商品単価が低い事業では、1件あたり数十円の固定費が大きく効きます。平均注文金額をもとに、1件あたりの総額で比較しましょう。

逆に単価の高い商材では、料率の差が総額に大きく響きます。自社の単価帯によって、重視すべき項目は変わります。

決済手段ごとに率が違う

クレジットカード、コンビニ払い、後払い、各種のスマートフォン決済で、それぞれ料率は異なります。自社でどの手段がどれだけ使われるかによって、総額は変わります。

現在の決済手段の利用比率が分かるなら、その構成で実際に計算してみるのが最も確実です。提示された最低料率だけを見ても、実態は分かりません。

広告で示される料率は、条件を満たした場合の最低水準であることがほとんどです。自社が該当するかを必ず確認しましょう。

業種や取引量によって適用される率が変わるため、見積もりを取らなければ実際の条件は分かりません。

入金サイクルを確認する

売上が実際に振り込まれるまでの期間は、資金繰りに直結します。月1回の入金と、月2回や週1回の入金では、手元資金の状況が変わります。

入金の回数を増やせる場合でも、回数分の手数料がかかることがあります。資金繰りの必要性と費用のバランスで判断しましょう。

売上が伸びている時期ほど、入金までの期間が資金を圧迫します。成長を見込んでいる場合は、この点を優先して考える価値があります。

総額で比較する

月間の想定取引件数と平均単価を置き、各社の条件で1年分の総額を計算します。この手間をかけないと、条件の違いが見えません。

表計算ソフトで一覧にまとめると、比較しやすくなります。数字が並べば、営業担当の説明に左右されずに判断できます。

同じ条件を各社に伝えて見積もりを依頼すれば、比較の前提も揃います。

取引が増えたときにどうなるかもあわせて試算しておきましょう。現在の規模では有利でも、成長後に不利になる料金体系があります。

取引量が一定を超えると料率が下がる仕組みもあります。将来的な交渉の余地があるかも、確認しておく価値があります。

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どう選べばいい?

費用以外にも、確認すべき項目があります。

必要な決済手段が揃っているか

自社の顧客層が使う手段が含まれているかを確認します。年齢層や商材によって、使われる決済手段は大きく異なります。

カード決済が中心の商材もあれば、コンビニ払いや代金引換の比率が高い商材もあります。競合サイトがどの手段に対応しているかも参考になります。

現在の注文データから、どの手段がどれだけ使われているかを確認しましょう。今後追加したい手段がある場合も、対応の可否を確かめておきます。

新しい決済手段が登場したときに、追加で対応してもらえるかも確認しておきましょう。対応の早さは事業者によって差があります。

使っているカートと連携できるか

カートシステムやモールとの接続に対応していなければ、導入そのものが難しくなります。接続の方式によって、開発の手間も変わります。

既製のカートを使っている場合は、標準で対応しているかを確認します。対応していれば、設定だけで導入できることもあります。

独自に構築したサイトの場合は、開発の工数と費用も見積もりに含める必要があります。決済代行の費用だけでは総額が見えません。

審査の条件を確認する

決済手段ごとに審査があり、商材によっては利用できないことがあります。健康食品、化粧品、定期購入を伴う商材などは、条件が厳しくなる場合があります。

過去に返金やトラブルの多かった業種では、審査が慎重になる傾向があります。該当する場合は、実績を示す資料を用意しておくとよいでしょう。

審査に落ちてから別の候補を探すと、導入の時期が大きくずれます。事前に商材を伝えて、対応可能かを確認しておきましょう。

新規の事業者や、実績の少ない段階では審査が通りにくくなることもあります。複数の候補を並行して進めておくと安全です。

不正利用への対策

カードの不正利用が発生すると、売上が取り消され、商品も戻らないという損失が生じることがあります。この対策機能が用意されているかは重要な確認事項です。

本人認証の仕組み、不審な注文を検知する機能、対象を絞って認証を求める設定など、どこまで対応できるかを確認しましょう。

対策を強めるほど、正規の顧客にも手間が生じます。すべての注文に認証を求めるのか、条件を絞るのかは、離脱とのバランスで判断します。

サポートの体制

決済が止まれば、売上も止まります。障害時にどれだけ早く連絡が取れるか、対応時間はどうなっているかを確認しておきましょう。

セール期間中に決済が止まれば、損失は一気に膨らみます。繁忙期の対応体制についても確認しておく価値があります。

導入時の支援があるかも判断材料になります。技術的な作業を自社で行えない場合は、この点が実質的な導入可否を左右します。

問い合わせの手段も確認しましょう。電話でつながるのか、メールのみなのかで、緊急時の対応速度は変わります。

画面と入力の使いやすさ

決済画面の見え方や入力項目は、そのまま離脱率に影響します。自社サイトのデザインに合わせられるか、別サイトへ遷移する形式かも確認しておきましょう。

別のサイトに遷移する形式では、それだけで不安を感じる顧客もいます。デザインが大きく変わる場合は、案内の文言で補う工夫が必要です。

入力の負担を減らす考え方はEFO対策とは?進め方・7つの具体的な手法・ツール・成功事例を徹底解説で解説しています。決済画面にも同じ原則が当てはまります。

セキュリティ面で求められることは?

EC事業者には、法令にもとづくセキュリティ上の対応が求められています。

カード情報を保持しない

EC加盟店には、クレジットカード情報を自社で保持しない対応が求められています。決済代行が用意する画面やトークン化の仕組みを使えば、自社のサーバーにカード情報が残らない構成にできます。

自社で入力欄を持つ形にすると、カード情報が自社を経由することになります。どの構成を選ぶかで、負うべき責任の範囲が変わります。

この考え方は、割賦販売法にもとづくセキュリティ対策義務の実務上の指針として示されています(参考:経済産業省「クレジットカード・セキュリティガイドライン」)。

サイト自体の対策も必要

カード情報を保持していなくても、サイトの脆弱性を突かれて情報が抜き取られる事案が発生しています。システムの更新、管理画面へのアクセス制限といった基本的な対策は、事業者側の責任です。

決済代行に任せているから安全、という理解は誤りです。自社サイト側で行うべき対策が別途存在します。

本人認証と不正ログイン対策

決済時の本人認証や、会員のログイン時における対策も求められる方向にあります。導入を検討する決済代行が、これらに対応しているかを確認しましょう。

認証を導入すると、購入までの手順が1つ増えます。離脱への影響を抑える設計と、対策の必要性を両立させる必要があります。

指針は定期的に改訂されており、求められる水準も変わります。契約後も、必要な対応が生じていないかを確認する体制が必要です。

決済代行から案内が届くこともありますが、最終的な対応の責任は事業者側にあります。通知を確認する担当を決めておきましょう。

対応しない場合のリスク

セキュリティ対策が不十分な場合、カード会社との加盟店契約が解除される可能性があります。契約が解除されれば、カード決済そのものが使えなくなります。

情報漏えいが発生した場合の影響は、金銭的な負担にとどまりません。事業の継続そのものに関わる問題として捉えるべき領域です。

顧客への通知、調査の費用、信用の低下など、影響は多方面に及びます。予防にかける費用は、これらと比較して判断すべきものです。

導入はどう進める?

申し込みから稼働までの流れを整理します。

STEP1:現状と必要な手段を整理する

現在の決済手段ごとの利用比率、月間の取引件数、平均単価を把握します。この数値がなければ、比較の計算ができません。

あわせて、繁忙期の件数も確認しておきます。年間で最も件数が多い月の費用も、試算に含めておきましょう。

STEP2:候補を絞って見積もりを取る

カートとの連携、必要な決済手段、商材の対応可否を条件に候補を絞ります。そのうえで、自社の取引条件を伝えて見積もりを依頼しましょう。

STEP3:審査を受ける

決済手段ごとに審査があり、期間がかかります。商材や事業内容によっては追加の資料を求められることもあるため、余裕を持って進めましょう。

サイトの表記が審査の対象になることもあります。特定商取引法に基づく表記や返品条件が整っているかを、事前に確認しておきましょう。

STEP4:接続と動作確認

カートとの接続作業を行い、テスト環境で動作を確認します。決済の完了、キャンセル、返金までの一連の流れを必ず確認してください。

エラーが発生したときの画面表示も確認しておきましょう。何が起きたか分からない表示では、顧客が離脱します。

カードが使えなかった場合に、別の手段を案内する導線もあわせて用意しておくと、取りこぼしを減らせます。

STEP5:切り替えと運用開始

既存の決済から切り替える場合は、注文の少ない時間帯に実施します。定期購入がある場合は、継続中の顧客の決済情報をどう移行するかが課題になります。

移行できない場合、顧客に登録し直してもらうことになります。この作業で離脱が発生するため、案内の方法まで含めて設計が必要です。

サイト全体の設計とあわせて検討する場合は、ECサイト制作のポイントもご覧ください。

導入時の注意点は?

契約前に確認しておくべき点を挙げます。

最低利用期間と解約条件

一定期間の利用が条件になっている場合、合わなかったときに乗り換えられません。解約時の費用と手続きも、契約前に確認しておきましょう。

乗り換えには接続作業もやり直しになります。安易に決めず、最初の選定に時間をかけるほうが結果的に安く済みます。

返金やキャンセルの処理

返金の手続きがどれだけ手間か、手数料が戻るかどうかは、運用の負担に直結します。返品が発生しやすい商材では特に重要な確認事項です。

一部返金に対応しているかも確認しましょう。複数商品の注文で一部だけ返品するケースは頻繁に発生します。

定期購入への対応

継続課金に対応しているか、カード情報の更新をどう扱うかを確認します。カードの有効期限切れによる決済失敗をどう処理するかも、あらかじめ設計しておきましょう。

決済に失敗したまま気づかず、顧客が離脱するケースもあります。失敗時の再試行や通知の仕組みがあるかを確認しましょう。

管理画面の使いやすさ

入金の明細、取引の検索、返金の処理といった日常業務は管理画面で行います。実際に操作させてもらい、担当者が扱えるかを確認しておきましょう。

会計ソフトに取り込める形式でデータを出力できるかも、確認しておくと経理の負担が減ります。

複数を併用する選択肢

1社にすべてを任せる必要はありません。主要な手段は条件の良い先で、それ以外を別の先でという運用も可能です。ただし管理は複雑になるため、費用の差と手間を比較して判断しましょう。

障害が起きたときの備えとして、複数を用意しておくという考え方もあります。規模が大きい事業者ほど、この観点は重要になります。

まとめ

決済代行は、複数の決済手段をまとめて導入・管理できるサービスです。個別契約と比べて手間が減る一方、代行の手数料が加わります。

手数料の比較では、料率だけを見ないことが重要です。決済手段ごとに率が異なり、件数ごとの固定費や入金手数料も加わります。自社の取引件数と平均単価、決済手段の構成で1年分の総額を計算して比較しましょう。

あわせて、入金サイクル、カートとの連携、商材の審査、不正利用への対策、サポート体制を確認します。EC加盟店にはカード情報を保持しない対応やサイトの脆弱性対策も求められており、対応が不十分な場合は加盟店契約に影響します。費用だけでなく、この観点も含めて選定してください。

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