「ECサイトへのアクセスは増えてきたがなかなか売上が良くならない」
「EFO対策を実践してユーザーの途中離脱を防ぎたい」
「成功事例を確認してEFO施策のイメージを掴みたい」
ECサイトを運営していて「EFO」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。EFOとは購入フォームや会員登録フォームを改良して、顧客の入力完了率を高める施策です。EFOにはさまざまな対策方法があるため、具体的な方法を把握してECサイト運営に取り入れられるようにしておくことが大切です。
本記事ではEFOの概要や具体的な対策方法、成功事例を解説します。ユーザーの途中離脱を防ぐためにEFO対策に注力したい方は、ぜひ参考にしてください。
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Contents
EFOとは?ECサイトでの効果も解説
EFOはEntry Form Optimizationの頭文字を取ったもので、日本語では「入力フォーム最適化」と訳される用語です。会員登録時や購入時に情報を入力する機会が多いECサイトでは、EFO対策が売上に大きな影響を与えています。
ここでは、EFOの概要やECサイト運営に活用することで得られる効果を見ていきましょう。
1. EFOとは
EFOとは、入力フォームを改善して離脱を防ぐ施策を指します。商品購入やサービス契約の際に、ユーザーが入力する手間を省いて完了率を高めることが狙いです。
- 項目が多くて面倒くさい
- 完了ボタンをタップしたら何度もエラー表示が出てうんざりしている
- 具体例がないので何を記載すべきかわからない
上記のように感じ、入力を途中で止めてしまうユーザーは多いです。そのため入力フォームを最適化して、ユーザーがストレスを感じないように工夫する必要があります。
2. ECサイト運営における効果
ECサイトでは商品購入時や会員登録時に個人情報を入力するため、売上アップに向けてEFO対策は非常に重要です。項目が多かったり質問内容が難しかったりする場合、ユーザーが途中で入力を止めてしまう可能性が高いからです。
Baymard Institute社の調査では、ショッピングカートに商品を入れてからECサイトを離脱するユーザーの割合を表す「カゴ落ち率は約70%」だと公表されています。ECサイトから離れたユーザーの18%は、長いもしくは複雑な購入プロセスを離脱理由として挙げています。
カゴ落ちについては関連記事の「カゴ落ちとはカートに入れた商品を購入せず離脱されること!サイトを離れる理由と対策を紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
カゴ落ちを防ぐことにより、商品購入や会員登録などの行動をした人の割合を示す数値であるCVR(コンバージョン率)を高められます。また購入プロセスが簡潔なことでユーザビリティが向上し、リピートする可能性が高くなります。
リピート率については関連記事の「リピート率とは?業界別ECサイトの平均値と向上させる施策を解説」にて詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
ECサイトで実践できる7つのEFO対策
ユーザーが入力中にストレスを感じるポイントはいくつもあるため、ECサイトで実践できるEFO対策は多いです。ここでは全部で7つの対策方法を紹介しているので、取り組めるものから順番に実践してください。
1. 入力項目を必要最小限にする
項目が多いとユーザーは面倒に感じて離脱する可能性が高いため、入力フォームの内容は必要最小限にしましょう。入力フォームの内容は、名前や住所のような購入に必要な情報だけに絞ることがおすすめです。
最初に収集したい情報をリスト化してその中で優先順位を付けていくと、本当に必要な項目が明確になります。データを集めるために項目を増やしたくなる気持ちもわかりますが、入力完了率が下がってしまっては元も子もありません。ユーザーにストレスがかからないように、入力項目はなるべく絞っておきましょう。
2. 必須項目を目立たせる
どうしても入力項目を絞り切れない場合は、必須項目を赤字にして目立たせてください。必須項目と任意項目を一目で区別できる状態になっていないと、ユーザーは入力内容が多いと感じて離脱する可能性が高まるからです。
赤字にしておくとフォームを開いた瞬間から必須項目がわかりやすく、途中離脱するリスクを減らせます。必須項目は赤字、任意項目は黒字のように違いがわかりやすい色を設定し、ユーザーが入力時に感じるストレスを軽減することがおすすめです。
3. 入力例を記載する
記載すべき内容がわかりやすいように、それぞれの項目に入力例を表示しておきましょう。書く内容がわからなかったり記入ミスがあって入力エラーが表示されたりすると、そのまま離脱するケースがあるからです。フォームに記載しておくと効果的な入力例は、以下のとおりです。
- 生年月日の欄にYYYY/MM/DDと表示する
- 電話番号の入力欄に090-XXXX-XXXXと記載する
- 郵便番号の欄に1234567と表示する
生年月日の形式に合わせて「YYYY/MM/DD」や「DD/MM/YYYYY」と表示しておくと、入力ミスを減らせます。また電話番号や郵便番号の欄に入力例を記載していると、ハイフンの有無がわかりやすくなります。入力例を見ながらだと手を止める時間が短くなってストレス軽減につながるため、各項目で表示されるように設定しておきましょう。
4. 入力状況(進捗)を明示する
ゴールが見えないとユーザーはストレスを感じやすいため、進捗状況を明示しておくことが大切です。「残り20%」や「80%回答済み」「残り3項目」のように入力状況をわかりやすく表示しておくことで、ユーザーのやる気につながって完了率を高めやすくなります。
フォーム入力の進捗を具体的に示すことで、ユーザーの「いつまで入力すれば良いのか」という不安を取り除くことが可能です。進捗状況を明示する際、進捗バーは目立つ位置にわかりやすい色で配置しましょう。
5. リアルタイムでエラー項目を表示する
ユーザーが入力した項目にミスがある場合は、リアルタイムでエラー表示が出るように設定してください。送信ボタンを押した後にエラーが表示されると、戻ることを面倒に感じてそのままフォームから離脱するケースがあるからです。
例えば、ハイフン不要の電話番号欄に「090-1234-5678」と入力した場合に「ハイフンは不要です」とリアルタイムで表示されれば、ユーザーはすぐに修正できます。そのほかにも数字の半角全角、郵便番号のハイフンの有無などが起こりやすい入力エラーです。
すぐにユーザーが間違いに気が付くように、エラーメッセージは入力直後に表示されるようにしておきましょう。
6. 安全性をアピールする
個人情報の入力に抵抗があるユーザーがいるため、フォームの安全性をアピールしましょう。安全性を証明するのに効果的な方法として、以下のようなものが挙げられます。
- 登録の際に取得する個人情報の利用方法を明記する
- プライバシーポリシーを記載する
- 個人情報を適切に管理していることを証明するPマークを掲載する
ユーザーが安心して利用できるように、セキュリティ対策に注力していることをアピールしましょう。
7. サポート機能を活用する
入力が簡単になるサポート機能を導入すると、ユーザーの手間が省けて離脱しにくくなります。ECサイトで活用できる代表的なサポート機能は、以下のとおりです。
- 郵便番号による住所自動入力
- メールアドレスのドメイン選択機能
- 名前の漢字入力でカナを表示
これらの機能によって入力作業をスムーズに進められるため、ユーザーにかかる負担を軽減できます。ストレスのかからないフォームを目指して、入力サポート機能を積極的に活用しましょう。
EFOツールの導入によって利用できる3つの機能
EFO対策をすべて実践することに頭を悩ませている方には、ツールの導入がおすすめです。EFOツールを活用すれば、入力フォーム最適化をスムーズに進められるようになります。ここでは、EFOツールに搭載されている3つの機能について詳しく説明します。
1. 入力支援
入力支援はEFOツールのメイン機能で、ユーザーにかかる負担を軽減する効果があります。先述した郵便番号による住所自動入力のほか、以下のサポート機能を利用可能です。
- 入力エラーがその場でわかるリアルタイムアラート
- 半角・全角を自動変換する置き換え入力
- 入力漏れやミスがあると完了ボタンをクリックできなくなるサブミットブロック
- 入力例や注意点を掲載するガイド支援
- GoogleやYahoo、LINEなどでログインすると登録が不要になるアカウント連携
ツールで発行したタグを設置するだけでこれらの入力支援機能を活用できるため、誰でも簡単にEFO対策に取り組めます。
2. 離脱防止
EFOツールを導入すると、入力フォームを途中で閉じるのを妨げる離脱防止機能も利用可能です。例えば入力フォームからユーザーが離脱しようとすると「本当に離れて大丈夫ですか?」と確認する内容のメッセージが表示されます。
誤って戻るボタンを押すと入力内容が消えてしまい、最初から入力し直しとなるとユーザーには大きなストレスがかかります。確認のメッセージが表示されることにより、操作ミスによる途中離脱のリスクを軽減可能です。
また入力状況をリアルタイム表示するプログレスバー機能も搭載しており、残り項目数や進捗状況が明確になります。ユーザーのモチベーションをキープし、入力フォームからの途中離脱を防ぐ効果が期待できます。
3. 分析・レポート
分析・レポートは、入力フォームへのアクセス数や離脱率といった情報をチェックできる機能です。EFO対策によってどのように数値が変化したかを確認しながら、入力フォームを改善できるメリットがあります。
項目ごとの離脱率もわかるため、離れるユーザーが多い場所を重点的に改善することも可能です。EFOツールによってはABテスト機能も搭載されており、より効果的な対策方法を見つけやすくなっています。ABテストとは用意した複数の入力フォームをランダムに表示し、CVRや離脱率などの数値を確認できる検証方法です。
ただしデータから最適化した入力フォームでも、時間が経過するにつれてパフォーマンスが低下する恐れがあります。低い離脱率をキープできるように、定期的にデータを確認してフォームの内容を見直すようにしましょう。
EFOツールを活用した成功事例を2つ紹介
EFOツールを導入したものの、自社のECサイトにおける活用方法をイメージできていない方は多いです。そこで自社のECサイトで活用するイメージを持てるように、EFOツールによってCVRが向上した成功事例を紹介します。
1. Nestle(ネスレ)日本株式会社
Nestle(ネスレ)日本株式会社は、世界最大の食品飲料会社であるNestle(ネスレ)の日本法人です。EFOツールを導入する前は、会員登録やコーヒーマシン申込の入力フォームの項目が多くてCVRの低さが課題でした。
しかし明確な原因を把握できていないため、改善すべきポイントがわからなくて困っている状態です。そこで転機になったのが、離脱率や入力完了率などのデータを分析可能なEFOツールの導入です。
離脱率が高い項目を確認できるようになったことから取り組むべき施策が明確になり、入力フォームの最適化に成功して課題のCVRは改善しています。
2. 株式会社カインズ
株式会社カインズは、ホームセンターのCAINZを運営している企業です。オンラインショップの立ち上げ当初からカゴ落ちを課題として抱えていましたが、分析手段がなくて何から着手すべきかが不明確な状態でした。
しかし分析手段を求めてEFOツールの活用を開始すると、導入1週間でCVRは約10%も向上しています。その後もABテストを駆使しながら分析と改善を続けた結果、株式会社カインズでは前月比34.1%のコンバージョン率の改善を実現しています。
ユーザーのストレスを軽減するEFO対策を行うならFORCE-R
ECサイトはユーザーが情報を入力する機会が多く、ストレス軽減を目的としたEFO対策は必須です。しかし具体的な対策方法を知らないため、入力フォームの離脱率の高さに頭を悩ませている方がいるのではないでしょうか。
FORCE-Rでは、ECに詳しい専門コンサルタントがEFO対策の具体的な方法をアドバイスいたします。「情報を入力する画面で離脱するユーザーが多い」とお悩みの方は、FORCE-Rへご相談ください。またEFO対策以外にもさまざまなマーケティング手法を活用し、ECサイトの売上アップに貢献いたします。
まとめ|EFO対策に取り組んで売上アップを目指そう
EFO対策を実践すると、入力完了率の向上やカゴ落ちの防止といったメリットがあります。しかし入力項目の選定や必須項目の明確化、入力例の記載のように取り組むべき施策が多く、手間と時間がかかるのが難点です。
また、対策結果から得たデータを分析して改善を繰り返す必要があるため、効果を得るためには専門的な知識や経験が求められます。FORCE-Rでは、売上アップの貢献に向けてEFO対策に関するアドバイスを提供しています。入力フォームの離脱率の高さで悩んでいる方は、まずはお気軽にFORCE-Rへお問い合わせください。