「ECサイトへのアクセスは増えてきたがなかなか売上が良くならない」
「EFO対策を実践してユーザーの途中離脱を防ぎたい」
「成功事例を確認してEFO施策のイメージを掴みたい」
ECサイトを運営していて「EFO」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。EFOとは購入フォームや会員登録フォームを改良して、顧客の入力完了率を高める施策です。EFOにはさまざまな対策方法があるため、具体的な方法を把握してECサイト運営に取り入れられるようにしておくことが大切です。
本記事ではEFOの概要や具体的な対策方法、成功事例を解説します。ユーザーの途中離脱を防ぐためにEFO対策に注力したい方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
EFOとは?ECサイトでの効果も解説

EFOはEntry Form Optimizationの頭文字を取ったもので、日本語では「入力フォーム最適化」と訳される用語です。会員登録時や購入時に情報を入力する機会が多いECサイトでは、EFO対策が売上に大きな影響を与えています。
ここでは、EFOの概要やECサイト運営に活用することで得られる効果を見ていきましょう。
1. EFOとは
EFOとは、入力フォームを改善して離脱を防ぐ施策を指します。商品購入やサービス契約の際に、ユーザーが入力する手間を省いて完了率を高めることが狙いです。
- 項目が多くて面倒くさい
- 完了ボタンをタップしたら何度もエラー表示が出てうんざりしている
- 具体例がないので何を記載すべきかわからない
上記のように感じ、入力を途中で止めてしまうユーザーは多いです。そのため入力フォームを最適化して、ユーザーがストレスを感じないように工夫する必要があります。
EFOの語源と、なぜ今EFOが重要視されているのか
EFOは「Entry Form Optimization」を略した用語で、日本でも2010年前後からWebマーケティング領域で使われ始めました。もともとはCVR改善の一手法として紹介されていましたが、近年はスマートフォン経由での購入・会員登録が主流となり、小さな画面での入力体験がCV成否を左右する時代に入ったことで、EFOの重要性は急速に高まっています。
広告費をかけて獲得したユーザーが、最後の入力段階で離脱してしまうのは、マーケティング投資の最大の無駄使いともいえます。集客施策に予算を投じる前に、まず入力フォームを改善して「既に来ているユーザーの取りこぼしをなくす」ことが、費用対効果の観点では圧倒的に有利です。
EFOと関連施策(LPO・UI/UX改善・CRO)との違い
EFOはしばしば「LPO」「UI/UX改善」「CRO」などの用語と混同されます。それぞれの守備範囲が異なるため、整理しておきましょう。
| 用語 | 対象範囲 | 目的 |
|---|---|---|
| EFO(Entry Form Optimization) | 入力フォーム | フォーム離脱を防ぎ、入力完了率を高める |
| LPO(Landing Page Optimization) | ランディングページ | ページ離脱を防ぎ、CTAクリック率を高める |
| UI/UX改善 | サイト全体の操作性・体験 | 使いやすさ・満足度の向上 |
| CRO(Conversion Rate Optimization) | サイト全体のCVRに関わる全施策 | コンバージョン率の総合的向上 |
EFOはCROに含まれる一部であり、フォームという最終段階にフォーカスした施策です。LPOで集客力を上げても、EFOで受け皿を整えなければCVにつながりません。両者をセットで設計するのが実務の基本となります。
2. ECサイト運営における効果
ECサイトでは商品購入時や会員登録時に個人情報を入力するため、売上アップに向けてEFO対策は非常に重要です。項目が多かったり質問内容が難しかったりする場合、ユーザーが途中で入力を止めてしまう可能性が高いからです。
Baymard Institute社の調査では、ショッピングカートに商品を入れてからECサイトを離脱するユーザーの割合を表す「カゴ落ち率は約70%」だと公表されています。ECサイトから離れたユーザーの18%は、長いもしくは複雑な購入プロセスを離脱理由として挙げています。
カゴ落ちについては関連記事の「カゴ落ちとはカートに入れた商品を購入せず離脱されること!サイトを離れる理由と対策を紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
カゴ落ちを防ぐことにより、商品購入や会員登録などの行動をした人の割合を示す数値であるCVR(コンバージョン率)を高められます。また購入プロセスが簡潔なことでユーザビリティが向上し、リピートする可能性が高くなります。
リピート率については関連記事の「リピート率とは?業界別ECサイトの平均値と向上させる施策を解説」にて詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
フォーム離脱率の業界別ベンチマークと測り方
EFO対策に取り組む前に、まず自社フォームの離脱率を把握し、業界平均と比較することが重要です。平均値から大きく外れている場合は、特定の要因で異常な離脱が起きている可能性が高く、改善の余地も大きいと言えます。
入力フォーム離脱率の一般的な水準
各種調査データやFORCE-Rの支援実績によると、入力フォーム離脱率はおおむね以下の水準で推移します。
| フォーム種別 | 離脱率の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| EC購入フォーム | 50〜70% | カゴ落ち含む広い範囲。高額商品ほど離脱率が高い傾向 |
| 会員登録フォーム(必須項目5件以下) | 30〜50% | シンプルな構成で離脱率は低め |
| 会員登録フォーム(必須項目10件以上) | 60〜80% | 項目数が多いほど離脱率は急上昇 |
| 資料請求フォーム(BtoB) | 40〜60% | 電話番号など情報負担の重い項目で離脱発生 |
| 問い合わせフォーム | 30〜50% | 内容入力の手間でやや高めの離脱率 |
| 予約・申込フォーム | 40〜60% | 決済画面・確認画面での離脱も含む |
自社の数値がこれらの目安を大きく上回っている場合は、EFO対策によって大きな改善が見込めます。まずは現状を正確に把握することから始めましょう。
フォーム離脱率の正しい測り方
離脱率を正確に測るには、GA4(Googleアナリティクス4)などのアクセス解析ツールで「フォームページの到達数」と「サンキューページの到達数」を比較するのが基本です。計算式は「離脱数÷フォーム到達数×100」で、ここから離脱率が算出できます。
より踏み込んで分析する場合は、「どの項目で離脱が発生しているか」を特定するため、項目別の入力完了イベントを計測する設定が必要です。EFOツールを導入すれば、こうした項目単位の分析が自動で行えます。
離脱率が異常に高いフォームの共通特徴
離脱率が業界平均を大きく上回るフォームには、いくつかの共通特徴があります。第一に、ファーストビューで入力完了までの道のりが見えないことです。ユーザーは「どれくらい時間がかかるか」が分からないとストレスを感じます。第二に、エラーメッセージが送信後に一括表示される設計です。一度に複数の訂正を求められると、強い不満が生まれます。第三に、スマートフォンでの入力配慮が不足していることも多く見られます。
これらは「設計の古さ」に起因することが多く、数年前に作ったまま放置されているフォームに共通する特徴です。自社フォームが該当していないか、定期的な点検を行いましょう。
フォーム離脱を引き起こす5つの代表的な原因
離脱率を改善するには、まずユーザーがなぜ離脱するのかを理解する必要があります。ここでは、FORCE-Rのコンサルティング現場で頻出する、フォーム離脱の5大原因を整理します。
原因1. 入力項目数が多すぎる
最も多い離脱原因は、単純に項目数が多すぎることです。調査データでは、必須項目が5項目を超えると離脱率が顕著に上昇し始めます。10項目を超えると離脱率は50%以上に達することも珍しくありません。
ビジネス側は「もっと情報が欲しい」と考えがちですが、ユーザー視点では「入力の面倒さ」が購入意欲を上回ってしまいます。本当に必要な項目だけに絞り込む覚悟が、EFO成功の第一歩となります。
原因2. エラーメッセージが分かりにくい
「何が間違っているのか分からない」「修正しても同じエラーが出る」といった状況は、ユーザーの離脱を招く典型パターンです。特に、送信ボタンを押した後にまとめてエラーが表示される設計では、ユーザーが複数の訂正箇所を一度に求められ、強いストレスを感じます。
エラーは発生した箇所に、発生した瞬間に、具体的に表示されるのが理想です。「正しく入力してください」ではなく「半角数字で入力してください」のように、何をすべきかまで明示することが重要です。
原因3. スマホでの入力体験が悪い
スマートフォン経由のアクセスが主流となった現在、スマホ最適化されていないフォームは致命的です。入力欄が小さすぎる、タップしづらい、キーボードが最適なタイプで起動しない、自動入力が効かないなどの問題があると、離脱率は大幅に上昇します。
特にinputタグのtype属性を適切に設定しているかは基本中の基本です。数字入力欄なら`type=”tel”`や`type=”number”`、メールアドレス欄なら`type=”email”`を指定することで、スマホで最適なキーボードが自動表示されます。
原因4. 入力中の不安を解消する要素がない
個人情報を入力する際、ユーザーは「この情報は安全に扱われるのか」「本当に登録していいのか」といった不安を抱きます。プライバシーポリシーへのリンク、SSL化の明示、Pマークの掲載など、安心感を与える要素が不足しているフォームでは、最後の送信段階での離脱が起きやすくなります。
また、完了までのステップが分からないことも不安の原因です。「あと何項目」「残り何ステップ」といった進捗表示があるだけで、離脱率は数ポイント改善することが知られています。
原因5. ページ読み込みが遅い
見落とされがちな原因が、フォームページの読み込み速度です。3秒以上の読み込み時間がかかると、ユーザーの半数以上が離脱するとも言われています。JavaScriptが重い、画像が最適化されていない、サーバー応答が遅いなどの技術的要因を放置すると、フォームにたどり着く前に離脱されているケースもあります。
PageSpeed InsightsやLighthouseで定期的にフォームページの速度を計測し、90点以上を目標にチューニングを行うことが推奨されます。
ECサイトで実践できる7つのEFO対策

ユーザーが入力中にストレスを感じるポイントはいくつもあるため、ECサイトで実践できるEFO対策は多いです。ここでは全部で7つの対策方法を紹介しているので、取り組めるものから順番に実践してください。
1. 入力項目を必要最小限にする
項目が多いとユーザーは面倒に感じて離脱する可能性が高いため、入力フォームの内容は必要最小限にしましょう。入力フォームの内容は、名前や住所のような購入に必要な情報だけに絞ることがおすすめです。
最初に収集したい情報をリスト化してその中で優先順位を付けていくと、本当に必要な項目が明確になります。データを集めるために項目を増やしたくなる気持ちもわかりますが、入力完了率が下がってしまっては元も子もありません。ユーザーにストレスがかからないように、入力項目はなるべく絞っておきましょう。
2. 必須項目を目立たせる
どうしても入力項目を絞り切れない場合は、必須項目を赤字にして目立たせてください。必須項目と任意項目を一目で区別できる状態になっていないと、ユーザーは入力内容が多いと感じて離脱する可能性が高まるからです。
赤字にしておくとフォームを開いた瞬間から必須項目がわかりやすく、途中離脱するリスクを減らせます。必須項目は赤字、任意項目は黒字のように違いがわかりやすい色を設定し、ユーザーが入力時に感じるストレスを軽減することがおすすめです。
3. 入力例を記載する
記載すべき内容がわかりやすいように、それぞれの項目に入力例を表示しておきましょう。書く内容がわからなかったり記入ミスがあって入力エラーが表示されたりすると、そのまま離脱するケースがあるからです。フォームに記載しておくと効果的な入力例は、以下のとおりです。
- 生年月日の欄にYYYY/MM/DDと表示する
- 電話番号の入力欄に090-XXXX-XXXXと記載する
- 郵便番号の欄に1234567と表示する
生年月日の形式に合わせて「YYYY/MM/DD」や「DD/MM/YYYY」と表示しておくと、入力ミスを減らせます。また電話番号や郵便番号の欄に入力例を記載していると、ハイフンの有無がわかりやすくなります。入力例を見ながらだと手を止める時間が短くなってストレス軽減につながるため、各項目で表示されるように設定しておきましょう。
4. 入力状況(進捗)を明示する
ゴールが見えないとユーザーはストレスを感じやすいため、進捗状況を明示しておくことが大切です。「残り20%」や「80%回答済み」「残り3項目」のように入力状況をわかりやすく表示しておくことで、ユーザーのやる気につながって完了率を高めやすくなります。
フォーム入力の進捗を具体的に示すことで、ユーザーの「いつまで入力すれば良いのか」という不安を取り除くことが可能です。進捗状況を明示する際、進捗バーは目立つ位置にわかりやすい色で配置しましょう。
5. リアルタイムでエラー項目を表示する
ユーザーが入力した項目にミスがある場合は、リアルタイムでエラー表示が出るように設定してください。送信ボタンを押した後にエラーが表示されると、戻ることを面倒に感じてそのままフォームから離脱するケースがあるからです。
例えば、ハイフン不要の電話番号欄に「090-1234-5678」と入力した場合に「ハイフンは不要です」とリアルタイムで表示されれば、ユーザーはすぐに修正できます。そのほかにも数字の半角全角、郵便番号のハイフンの有無などが起こりやすい入力エラーです。
すぐにユーザーが間違いに気が付くように、エラーメッセージは入力直後に表示されるようにしておきましょう。
6. 安全性をアピールする
個人情報の入力に抵抗があるユーザーがいるため、フォームの安全性をアピールしましょう。安全性を証明するのに効果的な方法として、以下のようなものが挙げられます。
- 登録の際に取得する個人情報の利用方法を明記する
- プライバシーポリシーを記載する
- 個人情報を適切に管理していることを証明するPマークを掲載する
ユーザーが安心して利用できるように、セキュリティ対策に注力していることをアピールしましょう。
7. サポート機能を活用する
入力が簡単になるサポート機能を導入すると、ユーザーの手間が省けて離脱しにくくなります。ECサイトで活用できる代表的なサポート機能は、以下のとおりです。
- 郵便番号による住所自動入力
- メールアドレスのドメイン選択機能
- 名前の漢字入力でカナを表示
これらの機能によって入力作業をスムーズに進められるため、ユーザーにかかる負担を軽減できます。ストレスのかからないフォームを目指して、入力サポート機能を積極的に活用しましょう。
7つの対策の優先順位|即効性 × 実装難易度マトリクス
7つの対策をすべて一度に実施するのは現実的ではありません。即効性と実装難易度を整理し、優先的に着手すべき施策から取り組むのが効率的です。
| 施策 | 即効性 | 実装難易度 | 推奨着手順 |
|---|---|---|---|
| 1. 入力項目を必要最小限にする | 高 | 低 | ①最優先 |
| 2. 必須項目を目立たせる | 中 | 低 | ②最優先 |
| 3. 入力例を記載する | 中 | 低 | ③早期着手 |
| 4. 入力状況(進捗)を明示する | 中 | 中 | ④中期 |
| 5. リアルタイムでエラー項目を表示する | 高 | 中〜高 | ⑤中期 |
| 6. 安全性をアピールする | 低〜中 | 低 | ⑥早期着手 |
| 7. サポート機能を活用する | 高 | 中〜高 | ⑦中期〜後期 |
最優先は「1. 入力項目の削減」と「2. 必須項目の明示」です。どちらも実装難易度が低く即効性も高いため、1〜2週間で目に見える効果が得られます。続いて3〜6の早期着手グループに取り組み、技術的な実装が必要な5・7は中期タスクとして計画的に進めるのが王道パターンです。
スマートフォン/PC別のEFO対策ポイント
現在のECサイトでは、スマートフォン経由のアクセスが全体の70〜80%を占めます。しかしフォーム設計は依然としてPC基準で作られているケースが多く、スマホ最適化の遅れが離脱率を押し上げる要因となっています。
スマートフォン特有の最適化ポイント
スマートフォンでのEFO対策で最も重要なのは、入力欄のtype属性を適切に設定することです。type属性を変えるだけで、ユーザーの画面に表示されるキーボードが自動で切り替わります。電話番号欄には`tel`、メールアドレス欄には`email`、郵便番号欄には数字キーボードが出る`tel`または`number`を指定しましょう。これだけで、ユーザーの入力負担は大幅に下がります。
次に重要なのが、タップターゲットのサイズです。入力欄やボタンは最低44ピクセル以上の高さを確保し、タップしやすい大きさにします。隣接する要素との間隔も8ピクセル以上空けることで、誤タップを防げます。
また、スマホでは文字入力そのものが面倒なため、自動入力(オートコンプリート)の活用が効果を発揮します。`autocomplete`属性を適切に指定すれば、OSやブラウザが保存している情報を自動で候補表示してくれます。name・address・email・tel・postal-codeなど、標準化された値を正しく設定しましょう。
PC環境で配慮すべきポイント
PC環境では、タブキーによる項目間移動のスムーズさが離脱率に影響します。キーボードのみでフォーム入力を完了できるよう、tabindexの順序を論理的に設計しましょう。また、Enterキーで意図せず送信されないよう、`type=”submit”`の扱いにも注意が必要です。
入力欄の幅は、想定される入力文字数に合わせて調整します。郵便番号のように短い入力に対して広すぎる入力欄は「もっと多く入力すべき」という誤解を生みます。逆に住所欄のように長文入力する場所は、十分な幅を確保することが重要です。
レスポンシブ設計で両立する方法
近年のWebサイトはレスポンシブデザインが標準ですが、フォームに関してはモバイルファーストの発想で設計するのが推奨されます。まずスマホでの使いやすさを最適化し、それをPC向けに拡張していくアプローチです。
具体的には、1画面1項目の単純構造から始め、PC画面では2カラムレイアウトに展開するなど、デバイスごとの特性を活かした設計を行います。CSSのメディアクエリを活用して、デバイスごとに最適な見た目と操作性を提供しましょう。
会員登録フォーム改善に特化した追加ポイント
会員登録フォームは、購入フォームとは異なる特性を持つため、追加の配慮が必要です。「今すぐ買いたい」という購入フォームと比べ、会員登録は「後でも良い」という心理が働くため、少しの障害でも簡単に離脱されてしまいます。
会員登録フォームで離脱を招く3つの要因
会員登録フォームに特有の離脱要因として、第一に「登録するメリットが分からない」ことが挙げられます。「なぜ登録する必要があるのか」「登録すると何が得られるのか」が明示されていないフォームでは、ユーザーは労力に見合う価値を感じられません。
第二に、「メールマガジン購読の事前チェック」もしばしば離脱を招きます。デフォルトで購読チェックが入っている設計は、ユーザーに不信感を与えます。メルマガ購読はデフォルトオフにし、メリットを明示した上で選択してもらう設計が望ましいです。
第三に、パスワード設定の複雑なルールも離脱要因となります。「8文字以上・英大文字・英小文字・数字・記号すべて必須」のような厳しい要件は、ユーザーのストレスを高めます。セキュリティ要件を満たしつつも、無理のない範囲に緩和することが重要です。
ソーシャルログインの活用
会員登録の離脱を劇的に減らす打ち手が、ソーシャルログイン(Google・LINE・Apple・Facebookなど)の導入です。既存アカウントと連携させることで、入力項目をゼロまたは最小限に圧縮できます。
FORCE-Rが支援するEC事業者の中には、ソーシャルログイン導入により会員登録のCVRが2倍以上に向上した事例もあります。会員登録の敷居を下げることは、長期的なLTV向上に直結するため、優先度の高い施策といえます。
段階的登録(プログレッシブ・プロファイリング)
一度にすべての情報を取得するのではなく、段階的に情報を収集していく「プログレッシブ・プロファイリング」も有効です。初回はメールアドレスとパスワードのみで登録させ、次回ログイン時や購入時に追加情報を入力してもらう設計です。
初期ハードルが下がるため会員登録率は向上し、継続的な接点の中でユーザーとの信頼関係を築いた後で詳細情報を収集できるため、情報の質も高まります。
EFOツールの導入によって利用できる3つの機能

EFO対策をすべて実践することに頭を悩ませている方には、ツールの導入がおすすめです。EFOツールを活用すれば、入力フォーム最適化をスムーズに進められるようになります。ここでは、EFOツールに搭載されている3つの機能について詳しく説明します。
1. 入力支援
入力支援はEFOツールのメイン機能で、ユーザーにかかる負担を軽減する効果があります。先述した郵便番号による住所自動入力のほか、以下のサポート機能を利用可能です。
- 入力エラーがその場でわかるリアルタイムアラート
- 半角・全角を自動変換する置き換え入力
- 入力漏れやミスがあると完了ボタンをクリックできなくなるサブミットブロック
- 入力例や注意点を掲載するガイド支援
- GoogleやYahoo、LINEなどでログインすると登録が不要になるアカウント連携
ツールで発行したタグを設置するだけでこれらの入力支援機能を活用できるため、誰でも簡単にEFO対策に取り組めます。
2. 離脱防止
EFOツールを導入すると、入力フォームを途中で閉じるのを妨げる離脱防止機能も利用可能です。例えば入力フォームからユーザーが離脱しようとすると「本当に離れて大丈夫ですか?」と確認する内容のメッセージが表示されます。
誤って戻るボタンを押すと入力内容が消えてしまい、最初から入力し直しとなるとユーザーには大きなストレスがかかります。確認のメッセージが表示されることにより、操作ミスによる途中離脱のリスクを軽減可能です。
また入力状況をリアルタイム表示するプログレスバー機能も搭載しており、残り項目数や進捗状況が明確になります。ユーザーのモチベーションをキープし、入力フォームからの途中離脱を防ぐ効果が期待できます。
3. 分析・レポート
分析・レポートは、入力フォームへのアクセス数や離脱率といった情報をチェックできる機能です。EFO対策によってどのように数値が変化したかを確認しながら、入力フォームを改善できるメリットがあります。
項目ごとの離脱率もわかるため、離れるユーザーが多い場所を重点的に改善することも可能です。EFOツールによってはABテスト機能も搭載されており、より効果的な対策方法を見つけやすくなっています。ABテストとは用意した複数の入力フォームをランダムに表示し、CVRや離脱率などの数値を確認できる検証方法です。
ただしデータから最適化した入力フォームでも、時間が経過するにつれてパフォーマンスが低下する恐れがあります。低い離脱率をキープできるように、定期的にデータを確認してフォームの内容を見直すようにしましょう。
代表的なEFOツールと選び方のポイント
EFOツールは国内外含め多数のサービスが提供されており、機能・費用・対応フォームの種類がそれぞれ異なります。自社の課題と予算に合わせて選ぶことが重要です。
| ツールタイプ | 特徴 | 費用感 | 向いている事業者 |
|---|---|---|---|
| 国内大手EFO専用ツール | 入力支援・離脱防止・分析の3機能が充実。日本語フォーム特化 | 月額数万円〜 | 月間PV数万〜の中堅EC |
| 海外発のCROプラットフォーム | フォーム以外のヒートマップ・ABテストも統合 | 月額数万円〜十数万円 | データドリブンに運営したい事業者 |
| カートシステム付属機能 | Shopify・EC-CUBE等に標準搭載された簡易機能 | カートに含まれる | 小規模EC・スタートアップ |
| 無料のフォームビルダー | 基本的な入力支援機能のみ | 無料〜低額 | テスト段階・予算制約大 |
ツール選定の際は、「入力支援機能の充実度」「項目別離脱率の分析可否」「ABテスト機能の有無」「導入・運用の工数」の4点を軸に比較するのが実務的です。無料トライアル期間が設定されているツールも多いため、複数比較してから決定するのが失敗しないポイントです。
EFOツールを活用した成功事例を2つ紹介

EFOツールを導入したものの、自社のECサイトにおける活用方法をイメージできていない方は多いです。そこで自社のECサイトで活用するイメージを持てるように、EFOツールによってCVRが向上した成功事例を紹介します。
1. Nestle(ネスレ)日本株式会社
Nestle(ネスレ)日本株式会社は、世界最大の食品飲料会社であるNestle(ネスレ)の日本法人です。EFOツールを導入する前は、会員登録やコーヒーマシン申込の入力フォームの項目が多くてCVRの低さが課題でした。
しかし明確な原因を把握できていないため、改善すべきポイントがわからなくて困っている状態です。そこで転機になったのが、離脱率や入力完了率などのデータを分析可能なEFOツールの導入です。
離脱率が高い項目を確認できるようになったことから取り組むべき施策が明確になり、入力フォームの最適化に成功して課題のCVRは改善しています。
2. 株式会社カインズ
株式会社カインズは、ホームセンターのCAINZを運営している企業です。オンラインショップの立ち上げ当初からカゴ落ちを課題として抱えていましたが、分析手段がなくて何から着手すべきかが不明確な状態でした。
しかし分析手段を求めてEFOツールの活用を開始すると、導入1週間でCVRは約10%も向上しています。その後もABテストを駆使しながら分析と改善を続けた結果、株式会社カインズでは前月比34.1%のコンバージョン率の改善を実現しています。
関連記事:ECサイトのレコメンド活用事例!セット購入率や顧客満足度UPのコツ
業界別のEFO改善パターンと成果傾向
EFOの効果は業界や商材によって出方が異なります。ここでは、代表的な業界ごとの改善パターンを整理しました。自社の業界特性に近いパターンを参考にしてください。
EC(アパレル・日用品)
EC業界では、購入フォームの項目削減と住所自動入力の導入が特に効果的です。配送先・請求先を「同上」ボタン1つで済ませられる設計や、ゲスト購入を許可する設計は、カゴ落ち率を大幅に下げる効果があります。FORCE-Rの支援事例では、入力項目を18項目から9項目に削減したことで、購入完了率が1.4倍に向上したケースもあります。
BtoB・資料請求
BtoB領域では、「電話番号」「部署名」「役職」などの項目が離脱の主因となります。これらを任意化するか、後日の商談時にヒアリングする運用に切り替えることで、資料請求率が2倍近く改善する事例は珍しくありません。一方でリード品質の維持も重要なため、必要最小限の企業情報は確保する設計バランスが求められます。
金融・保険
金融・保険業界は法的要件で入力項目が多くなりがちな一方、ユーザーは慎重で離脱しやすい傾向があります。進捗バーの明示、ステップごとの情報分割、各ステップごとに中間保存機能を設けることで、長大なフォームでも完了率を維持できます。
人材・求人
求人応募フォームでは、履歴書アップロード機能とフォーム入力の使い分けが鍵です。「履歴書をアップロードすれば詳細項目は任意」という設計により、応募の心理的ハードルを下げられます。SNSアカウント連携(LinkedIn等)によるプロフィール自動流用も有効な打ち手となります。
EFO効果測定のKPIと改善サイクル
EFO対策は一度実施して終わりではなく、データを元に継続的に改善していく取り組みです。ここでは、効果測定に使うべきKPIと、改善サイクルの回し方を解説します。
EFOで追うべき主要KPI
EFOの効果測定では、以下のKPIを段階的に追うことが重要です。
| KPI | 計測内容 | 改善の目安 |
|---|---|---|
| フォーム到達率 | サイト訪問者のうちフォームページに到達した割合 | EFOよりLPO領域の指標 |
| 入力開始率 | フォーム到達者のうち1項目でも入力した割合 | 70%以上が目標 |
| 入力完了率 | 入力を開始した人のうち最後まで入力した割合 | 50%以上が目標 |
| 送信成功率 | 入力完了者のうちエラーなく送信できた割合 | 95%以上が目標 |
| 項目別離脱率 | どの項目でユーザーが離脱したか | 特定項目に偏りがあれば要改善 |
| 入力所要時間 | 入力開始から完了までの平均時間 | 3分以内が理想 |
もっとも重要なのは「項目別離脱率」です。どの項目で離脱が集中しているかが分かれば、ピンポイントで改善に取り組めます。項目別の数値はEFOツールを導入することで自動計測できるため、本格的な改善を目指すなら早期の導入を推奨します。
改善サイクル(PDCA)の回し方
EFO改善は、PDCAサイクルを短期間で回すことが成果につながります。まず現状KPIを測定(Plan)、優先度の高い対策を実施(Do)、1〜2週間後に数値を確認(Check)、結果をもとに次の打ち手を決定(Action)という流れです。
一度に複数の変更を加えると、どの施策が効いたのか判別できません。1施策ずつ実施し、ABテストで検証してから本採用する「小さく試して、効いたものだけ残す」アプローチが、再現性のある成果につながります。
ABテストの設計ポイント
ABテストを実施する際は、テスト期間中の条件を一定に保つことが重要です。キャンペーン時期や広告出稿が重なると、EFO以外の要因で数値が変動してしまいます。
また、統計的な有意性を確保するには、最低でも1パターンあたり数百〜数千件のデータが必要です。アクセス数が少ないフォームでは、1〜2週間では有意差が出ないこともあります。事前にサンプルサイズを計算し、テスト期間を適切に設定しましょう。
ユーザーのストレスを軽減するEFO対策を行うならFORCE-R

ECサイトはユーザーが情報を入力する機会が多く、ストレス軽減を目的としたEFO対策は必須です。しかし具体的な対策方法を知らないため、入力フォームの離脱率の高さに頭を悩ませている方がいるのではないでしょうか。
FORCE-Rでは、ECに詳しい専門コンサルタントがEFO対策の具体的な方法をアドバイスいたします。「情報を入力する画面で離脱するユーザーが多い」とお悩みの方は、FORCE-Rへご相談ください。またEFO対策以外にもさまざまなマーケティング手法を活用し、ECサイトの売上アップに貢献いたします。
まとめ|EFO対策に取り組んで売上アップを目指そう

EFO対策を実践すると、入力完了率の向上やカゴ落ちの防止といったメリットがあります。しかし入力項目の選定や必須項目の明確化、入力例の記載のように取り組むべき施策が多く、手間と時間がかかるのが難点です。
また、対策結果から得たデータを分析して改善を繰り返す必要があるため、効果を得るためには専門的な知識や経験が求められます。FORCE-Rでは、売上アップの貢献に向けてEFO対策に関するアドバイスを提供しています。入力フォームの離脱率の高さで悩んでいる方は、まずはお気軽にFORCE-Rへお問い合わせください。
EFOに関するよくある質問(FAQ)
最後に、EFO対策に関して実務担当者からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. EFOとは何の略称ですか?
A. EFOは「Entry Form Optimization」の略称で、日本語では「入力フォーム最適化」と訳されます。Webサイトの購入フォームや会員登録フォーム、問い合わせフォームなどを改善し、ユーザーの入力完了率を高める施策全般を指します。
Q2. EFO対策はどこから始めれば良いですか?
A. 最初に取り組むべきは「入力項目数の削減」と「必須項目の明示」です。どちらも実装難易度が低く即効性も高いため、1〜2週間で効果が見えてきます。その後、入力例の記載・エラーメッセージの改善・進捗バーの設置と段階的に取り組むのが王道です。
Q3. フォーム離脱率はどれくらいが平均ですか?
A. フォームの種類や業界により異なりますが、EC購入フォームは50〜70%、会員登録フォーム(項目5件以下)は30〜50%が一般的な水準です。自社の数値がこれらを大きく上回っている場合、EFOによる改善余地が大きいと判断できます。
Q4. 入力項目は何項目まで削減すべきですか?
A. 明確な上限はありませんが、必須項目は5項目以下が理想です。6項目を超えると離脱率が顕著に上昇する傾向があります。本当に必要な情報だけを必須とし、残りは任意項目にするか、後日の取得に回す設計が望ましいです。
Q5. EFOツールの導入費用はどれくらいですか?
A. 国内の代表的なEFO専用ツールは月額数万円〜が相場です。海外の統合型CROプラットフォームは月額十数万円になることもあります。小規模ECの場合、カートシステム付属の簡易機能や無料のフォームビルダーから始めるのも選択肢の一つです。
Q6. スマホとPCでEFO対策は変わりますか?
A. 大きく異なります。スマホでは入力欄のtype属性設定、タップターゲットの大きさ、自動入力の活用が特に重要です。PCではタブ移動のスムーズさや入力欄の適切な幅が効いてきます。モバイルファーストで設計し、PC向けに拡張していくアプローチが推奨されます。
Q7. ABテストはどのくらいの期間実施すべきですか?
A. フォームへのアクセス数によりますが、統計的に有意な差を確認するには1パターンあたり最低数百〜数千件のデータが必要です。アクセスが多いフォームなら1〜2週間、少ないフォームでは1か月以上かかることもあります。事前にサンプルサイズを計算して期間を設定しましょう。
Q8. EFO対策でどれくらいCVRは改善できますか?
A. 改善幅は現状のフォームの状態によって大きく異なります。離脱率が異常に高いフォームなら2倍以上のCVR改善も珍しくなく、すでに最適化が進んでいるフォームでも数ポイントの改善は見込めます。本記事で紹介したカインズの事例では、導入1週間で約10%、最終的に前月比34.1%の改善を実現しています。