ECサイト運営の課題のひとつに「カゴ落ち」があります。カゴ落ちとは、ユーザーが商品をカートに入れたあと、購入することなくサイトを離脱することです。
コンバージョン率に影響することから、カゴ落ちはECサイトの売上アップのために対策すべきポイントとされています。世界平均のカゴ落ち率は約70.22%(米Baymard Institute 2025年調査)、日本でも約64.7%(株式会社イー・エージェンシー調査)と、訪問者の3人に2人が購入直前で離脱しているのが実情です。
FORCE-Rでは、EC利用者にアンケートを実施し、カートに入れたものの購入しなかった理由を回答してもらいました。本記事では、独自アンケートから見えた「購入者の本音」をベースに、カゴ落ちの主な原因10選、すぐ実践できる改善策15選、定番ツール5種、よくある質問まで、ECサイト運営者が今日から使える完全ガイドとしてまとめました。
関連記事:カゴ落ちとはカートに入れた商品を購入せず離脱されること!サイトを離れる理由と対策を紹介
Contents
カゴ落ちとは?平均カゴ落ち率と計算方法
カゴ落ちとは、ECサイトに訪問したユーザーがカートに商品を入れたまま、決済を完了せずに離脱してしまう現象を指します。「カート放棄」「カート離脱」とも呼ばれ、英語では「Cart Abandonment」と表現されます。
ECサイト運営において、カゴ落ち率の改善は売上向上に直結する最重要テーマのひとつです。まずは現状把握のために、カゴ落ち率の平均値と算出方法を理解しておきましょう。
世界平均は約70%、日本平均は約65%
カゴ落ち率の平均は、調査機関ごとに数字は異なりますが、世界平均でおおむね約70%、日本平均でおおむね約65%と報告されています。
- 世界平均:約70.22%(米Baymard Institute「50 Cart Abandonment Rate Statistics 2025」)
- 日本平均:約64.7%(株式会社イー・エージェンシー調査)
つまり、ECサイトに訪問した10人のうち6〜7人は、カートに商品を入れた後でサイトを離脱している計算です。さらに、カゴ落ちによる機会損失額は売上の約2.0〜2.5倍にのぼるとも言われており、対策を講じる経済的インパクトは決して小さくありません。
カゴ落ち率の計算式と機会損失の試算方法
自社のカゴ落ち率は、以下の計算式で算出できます。
カゴ落ち率(%)=(カートに入れたユーザー数 − 購入を完了したユーザー数)÷ カートに入れたユーザー数 × 100
たとえば、月間1,000人のユーザーがカートに商品を入れて、そのうち300人が購入を完了した場合、カゴ落ち率は70%となります。仮に月間カート投入総額が1,000万円の場合、カゴ落ち率70%なら売上は300万円にとどまり、残り700万円が機会損失となる計算です。
自社のカゴ落ち率を上記の業界平均と比較し、平均値を上回っている場合は、本記事の対策を優先的に検討することをおすすめします。
カゴ落ちが発生する10の主な原因
カゴ落ちには複数の要因が複雑に絡み合っています。ここでは、各種調査やECサイト運営の現場知見をもとに、特にインパクトの大きい10の原因を整理します。自社サイトに当てはまる項目がないかをチェックしてみてください。
①想定外の追加費用(送料・手数料)が発生する
カゴ落ちの最大原因として多くの調査で1位に挙げられるのが「想定外の追加費用」です。商品ページでは見えていなかった送料・手数料・消費税が決済画面で初めて表示されると、ユーザーは強い心理的反発を感じて離脱します。
②会員登録が必須で手間がかかる
「ゲスト購入」ができず、会員登録を強制されるとユーザーは大きく離脱します。特に初回購入のユーザーは「メルマガが届くのが嫌」「個人情報を登録したくない」という心理が働きやすい傾向にあります。
③決済手段が少ない
クレジットカードしか使えない、または希望の決済手段(PayPay、Amazon Pay、コンビニ決済、後払いなど)がない場合、ユーザーは別サイトに流れてしまいます。特にスマホユーザーはキャッシュレス決済への期待値が高くなっています。
④購入フォームが長く、入力項目が多い
住所・氏名・電話番号・メールアドレスなど入力項目が多すぎたり、複数ページにわたるフォームは離脱の温床です。特にスマホでは入力作業のストレスが大きく、フォーム離脱率が高くなります。
⑤サイトの表示速度が遅い・エラーが発生する
ページの読み込みが3秒を超えると離脱率は急上昇するというデータもあります。決済画面でのシステムエラーやタイムアウトも、ユーザーの購買意欲を一気に失わせる要因です。
⑥ECサイトのセキュリティに不安を感じる
SSL証明書がない、運営会社情報が不明、デザインが古臭いといった要素は「クレジットカード情報を入力して大丈夫か?」という不安を生み、決済直前での離脱につながります。
⑦配送スピードや配送オプションが希望と合わない
配送日時指定ができない、配送が遅い、置き配対応がない、といった配送条件のミスマッチも離脱原因です。Amazonに慣れたユーザーほど配送スピードへの期待値が高い傾向にあります。
⑧クーポン・キャンペーンの適用方法がわかりにくい
「クーポンをどこで入力するか分からない」「適用したら金額が変わらない」といったUI上の課題は、購入直前のユーザーに不信感を抱かせます。
⑨レビューを読んで購入意欲が下がる
FORCE-Rの独自アンケートでも明らかになりましたが、カートに入れた後でレビューを再確認し、低評価レビューを見て離脱するケースは非常に多く存在します。後述する事例集で詳しく解説します。
⑩そもそも購入を確定する意思がない(キープ目的)
カートを「お気に入りリスト」として活用し、比較検討のためだけに使うユーザーも一定数存在します。これは事業者側だけでなく、ユーザー行動の本質に関わる現象です。後述のアンケート結果を参考にしてください。
アンケート調査から見えた3つの主なカゴ落ちの理由

EC利用者へのアンケートでは、ECサイトでのお買い物時にカゴ落ちさせたことがある方を対象に、以下の内容を質問しました。
- カゴ落ちさせたのはどのECサイトで、どのような商品か
- その商品をカートに入れたものの、最終的に購入しなかった理由
アンケート結果からわかった「商品をカートに入れたあとの行動パターン」を3点紹介します。
①カートに入れたあとで他の商品やショップを回遊している
消費者が実際に商品を購入するまでには「認知」「検索」「比較」「購買」のステップがあるといわれています。
アンケートを見ていると、商品をカートに入れたあと、すぐに購入ページへ移っていないことから「商品をカートに入れた=購買のステップに入った」ではなく、「比較」の段階でカートに入れていることがわかります。
つまり、カートをキープリストやお気に入りリストのように活用しているだけで、カートに商品を入れたあとも、他の商品やショップを回遊し、購入候補を引き続き探している層が存在しているのです。
②カートに入れたあとでレビューをチェックしている
アンケートでは、カートに商品を入れたあとでレビューを読み、カゴ落ちさせている事例が多く出てきました。(アンケート内容は後程詳しく紹介します。)
カートに入れるところまではスムーズであることから、商品ページや売り方自体は購買意欲をそそるものだったと考えられます。
購入したユーザーが実際に利用したレビューは、比較から購入へ移行するための「最後のひと押し」となる部分です。
そのため、レビューの内容によっては、購入を引き留めるトリガーとなってしまいます。
③カートに入れたあとで安く買える手段を調べている
商品をカートに入れたあとで、セール待ちなどの「安く買える手段」を調べる行動も見られました。
このケースでは、気になった商品をカートに入れてキープしたあとで、セール情報を調べたり、もっと安く購入できる手段がないかを比較・検討したりしています。
安く買えるタイミングまで待つため、季節性や緊急性が低いカテゴリで見られたパターンです。
また、高価な商品を買う場合にも、安く買えるタイミングを待ちながら、じっくりと検討する傾向があります。
衣類・ファッションアイテムのカゴ落ち理由

衣類やファッションアイテムは、季節やシーンごとの使い分けがあるほか、価格帯も幅広いため、選択肢が多いカテゴリです。
また、ある程度制限なく持てるアイテムであり、似ているデザインをすでに持っていても、気に入ったものがあれば購入される可能性があるでしょう。
一方で、良いものがなければ購入を見送ることができます。
そのため、カートに入れたあとで、本当に必要か、条件に合うかを検討する傾向が出やすいです。
条件に合う商品を選びきれなかった
ZOZOTOWN/サングラス(女性)
サングラスをかけているモデルの写真を参考に選んでいましたが、写真を見て自分自身がかけている姿をイメージするのが難しく、他の商品と見比べるためにカートに入れておきました。
また、値段も安いものから少し高めのものまであり迷っていたことと、UVカットのサングラスがほしかったことから、条件を絞って探すのに時間がかかってしまい、カゴ落ちになりました。
/ CHECK /
・他の商品と見比べるために、カートに入れた
・カートに入れたあと、他の商品と比較した
・検討に時間がかかりカゴ落ちした
この事例では、ユーザーは購入をまだ決めていない段階で、商品をカートに入れています。
また、ユーザー自身のニーズが固まり切っていないため、カートに入れたあとも複数の商品を比較・検討しながら、ほしい商品の理想像を模索していたようです。
このことから、カートに入れた段階での購買意欲はそれほど高くなく、購入を検討している候補を一時的にいれておくキープリストとして、カートを活用していることがわかります。
時間を置いて商品を見直したら好みに合わない箇所が見つかった
ZOZOTOWN/黒系ワンピース(女性/30代)
仕事の人間関係でストレスがたまっていた金曜日の夜、お酒を飲みながらECサイトを見ていたら無性にワンピースがほしくなり、見た目の素敵さでカートに入れました。
途中でお酒の酔いが回ってしまい、実際に購入する前に寝落ち。
一晩たって酔いがさめた状態であらためて商品を見ると、ワンピースの丈が好みでないことに気づいたため、カゴ落ちさせました。
/ CHECK /
・見た目が気に入ったためカートに入れた
・時間をおいて商品を見直した
・自分の好みに合わないことに気づいた
先ほどのサングラスのカゴ落ち事例と同様、気になる商品をカートに入れたあと、再度検討して購入を見送っています。
十分な検討をしていない段階でカートに入れている点に注目しましょう。
カートに入れた段階では購入の意思があったようですが、冷静に自分のニーズと照らし合わせて好みではないことを確認し、カゴ落ちとなっています。
勢いで商品をカートに入れたとしても、購入手続きへ移行する直前に、自分のニーズに合うかどうかを最終確認していることがわかります。
内容を再検討したら代替え案が見つかった
Amazon/ニット帽(男性/30代)
寒さ対策としてニット帽を買いたいと思い、Amazonでワード検索。検索結果の上位に出てきた商品のデザインが気に入り、タイムセール中で価格も安かったためカートに入れました。
しかし、関連商品として表示されたほぼ同じデザインの商品のほうが若干安く、購入者のレビューを見たところ、使用感などもカートに入れた商品と遜色なさそうだったため、こちらを購入することにしてカゴ落ちさせました。
/ CHECK /
・購入しようと思いカートに入れた
・関連商品として表示された商品と比較した
・最終的に価格が安い方をほう選んだ
このケースでは、サングラスのカゴ落ち事例と同様、カートに入れたあとで他の商品と比較し、最終的に購入候補から外しました。
購入を検討してカートに入れたにもかかわらず、関連商品に流れたことがポイントです。
購入の意思はほぼ固まっていましたが、類似商品を提案されてチェックしています。
デザインや品質が変わらない場合は「価格」が商品をカゴ落ちさせる原因となることがわかる事例です。
レビューを見て自分には合わないと感じた
楽天市場/肌着(女性30代)
夏場の汗対策に着る肌着が急に必要となり、実店舗に行くのは面倒に感じたため、楽天市場で購入しようと考えました。
いくつか同じような商品を比較し、良さそうな商品をカートに入れました。
購入前に口コミなどを再度確認し、サイズ感や素材の強度の面で自分には合っていないと感じた商品はカートから削除しました。
/ CHECK /
・気に入った商品をカートに入れた
・レビューを見て購入を控えた
・サイズ感や素材が合わないと感じた
ニット帽のケースと同様に、購入しようとしてカートに入れていますが、その後再度検討を行いカゴ落ちしています。
カートに入れたあとで再検討するトリガーとなった要素は「レビュー」です。
商品詳細ページを見て「良さそう」と感じたにもかかわらず、商品ページに記載されていない不安要素をレビューで見つけ、購入候補から外しています。
購入手続きに移行する前の確認ステップとして、レビューのチェックが組み込まれているようです。
関連記事:Amazonせどりの在庫管理はこれで完璧!無料ツールからFBA連携まで解説
PC・スマホ・ガジェットのカゴ落ち理由

PC・スマホ・ガジェットは、複数購入してシーンごとに使い分けるのではなく、ひとつあれば十分な場合が多いでしょう。
また、今使っているものが手元にある状態で、高機能なものや使い勝手が良いものへ買い替える人が多く、良いものがなければ購入を見送ります。
緊急性が低く、カートに入れたあとでじっくりと検討されることが多いようです。
レビューを見て使い勝手が悪いとわかった
Amazon/キーボード(男性/40代)
パソコンやスマホに接続し、テンキーとマウスパッドを切り替えできるBluetoothキーボードを購入しようとカゴに入れました。
しかし、マウスの使い勝手が悪いというレビューが多かったことと、タイムセールなどで値引きがあるかもしれないと思い、購入を控えました。
大幅に値引きされることがあれば、購入するかもしれません。
/ CHECK /
・商品を購入しようとカゴに入れた
・使い勝手が悪いというレビューを見て購入を控えた
・値引きのタイミングを待つことにした
衣類ジャンルでも出ていたように、ネガティブなレビューがトリガーとなり購入を控えています。
「大幅な値引きがあれば購入を再検討する」とあることから、代替品を購入するわけでもなく、急ぎで購入する必要はなかったようです。
カートに入れるまでは購買意欲が高かったものの、レビューに記載されていた使い勝手の悪さが原因で、購入の優先順位が大きく引き下げられたことがわかります。
高額商品のためもっと安く購入できるショップを探した
楽天市場/スマートフォン(男性)
楽天市場で前から探していたスマートフォンが比較的安く販売されており、カートに入れました。
安くなっているとはいえ、自分のなかでは高額だったため、購入するのをためらい、他のサイトでも探すことに。
楽天市場よりも安く出ているところが見つかったため、カゴから削除して、そのサイトで購入することにしました。
/ CHECK /
・比較的安く出ていたためカートに入れた
・もともと高額な商品だったため、他のサイトでも探した
・もっと安いところが見つかった
高価な商品の購入を検討している場合、少しでも損をせずに購入したいという心理が働くため、価格に納得できるまで時間をかけて比較することが多いです。
このケースでも、高額な商品だったため購入をためらい、カートに入れたあと、さらに安く購入できるところを探してサイトを離脱しています。
ただし、カゴ落ちを防ぐために最安値で出品するのはあまり良い対策ではないため、売り方に工夫が必要です。
ポイント付与率の調整や保証の充実、オマケや試供品を付けるなど、本体の販売価格以外の部分で差別化を図ってみましょう。
関連記事:Amazonの悪いレビュー・評価を削除依頼する方法【規約違反に注意】
本・CD・DVDのカゴ落ち理由

本やCD・DVDのカテゴリは、話題性や必要性、個人の嗜好が大きく影響するため、「類似商品や機能との比較」という理由でカゴ落ちすることはあまりありません。
その分、閲覧・再生するための手段が幅広く、ユーザーがどのような手段を取り入れるかが購入に大きく影響します。
購入の直前に手段を検討した結果、カゴ落ちにつながったケースを見ていきましょう。
閲覧用のアプリを増やしたくなかった
Amazon/電子書籍(男性)
プログラミングに関する電子書籍をAmazonで購入しようと思い、一旦カートに入れました。
しかし、購入手続きをする前に他のサイトも調べてみたところ、eBookJapanというECサイトでバーコード決済すると、曜日によって40%オフになることを知りました。
電子書籍を利用するのであれば今後もビューワーが必要ですが、電子書籍用のビューワーの種類は増やしたくありません。
eBookJapanが一度きりの使用であればAmazonで購入したかもしれませんが、ビューワーのことを踏まえると、かなり安くなるうえ、本の種類も豊富で継続的に使えそうだったため、eBookJapanでの購入を決めました。
/ CHECK /
・電子書籍を購入しようと思いカートに入れた
・電子書籍の閲覧アプリをひとつに絞りたいという条件で再検討
・今後も安く購入できるアプリのほうで購入した
このケースでは、ユーザーは一度カートに入れたあと、AmazonとeBookJapanの電子書籍について調べ、eBookJapanを導入しています。
電子書籍の専用アプリを利用するため、今回の購入だけではなく、今後の電子書籍の購入も踏まえて判断したことがポイントです。
カゴ落ちした理由は「eBookJapanのほうが、今後もずっと安く買えるから」というものでした。
アプリを絡めた販売の場合、商品の内容や品質ではない部分が影響し、一度のカゴ落ちが永続的に購入機会を損失するリスクもあります。
セール待ちしている間に代替案が見つかった
楽天市場/初回限定盤CD+DVD(女性/40代)
アーティストのデビュー日に購入しようと思い、商品をカートに入れました。
しかし、SNSの投稿で、翌日になれば楽天市場のセールでポイントが多くもらえることを思い出し、当日中の購入をやめました。
楽天市場のセールの日に購入しようとまたカートに入れましたが、楽曲はYouTubeでもフルで聴けるほか、付属のDVDは買う価値があるのか疑問に思ったため、最終的には購入しませんでした。
/ CHECK /
・購入しようと思ってカートに入れた
・翌日がセールだと知り、セール待ちへ切り替えた
・再生手段の代替案が見つかった
このケースでは、セール待ちをきっかけにカゴ落ちしていますが、比較検討の対象が最終的に「無料サービス」へと広がっています。
再生する手段が多様化したことで、代替品や代替案が多く、幅広い手段から選択できるのがこのカテゴリ最大の特徴です。
そのため、CD・DVDを買う必要性や動機が弱ければ、代替案で満足でき、カゴ落ちにつながる可能性が高いでしょう。
その他の商品のカゴ落ち理由

最後に、対照的な商品2つのカゴ落ち事例を紹介します。
- 日常的に長く使う高単価商品
- 必要な時だけ利用する低単価商品
商品を購入する店舗や手段にも大きな差があるため、どのような視点でチェックされ、カゴ落ちにつながっているかを参考にしてみてください。
レビューを見て耐久性の低さが心配になった
楽天市場/リビングダイニング用の椅子(男性30代)
セールになっている商品を見つけ、デザインも良さそうだったためカートに入れました。
しかし、購入時の最終確認の際、レビューで耐久性に関する悪い口コミが多いことに気がつき、保証期間も短かったため不安になりました。
いくら安くなっているとはいえ、すぐ壊れそうだったことと、買い替えるのも面倒に感じたことが、購入に至らなかった理由です。
/ CHECK /
・セールで安く、デザインも気に入りカゴに入れた
・レビューを見て購入を控えた
・耐久性の低さが心配で、保証期間も短かった
レビューをきっかけに購入を見送る事例はいくつか出ていますが、ここでも購入時の最終確認にレビューが活用されていました。
長く利用したい商品にもかかわらず耐久性に不安があり、その不安を払拭するだけの保証がなかったことが、カゴ落ちの原因です。
また「買い替えるのも面倒」とあるように、かさばる商品を買う場合、捨てることに大きな労力がかかることも、安さ・耐久性の低さと釣り合わないと判断される要因となっています。
実店舗と比較したら実店舗のほうが安かった
Amazon/殺虫剤(男性/40代)
実店舗の商品と比較してから買おうと思い、とりあえずカートに入れました。
結局ドラッグストアやディスカウントストアで同じ殺虫剤や類似商品を安く購入できたため、Amazonのカートに入れてたほうはカゴ落ちとなりました。
すべての商品が安かったわけではありませんが、トータルで見ると実店舗のほうが安価に購入できたことが一番の理由です。
/ CHECK /
・カートに入れてキープした
・実店舗と比較した
・トータルで見ると実店舗のほうが安かった
この事例では、カートに入れた時点で「あとで比較する」と決めている点に注目しましょう。
ドラッグストアに置いてある低単価な商品は、実店舗のほうが安い場合もあるため、安く買える他の手段と比較することを想定し、キープリストとしてカートを活用しています。
実店舗で選ぶほうが、ECサイトでチェックしていた商品以外に、価格の安い類似商品も含めて比較でき、ニーズに当てはまるものを見つけやすいメリットがあります。
実店舗の幅広い選択肢と、ECサイトの単品商品で比較される形となるため、実店舗のほうが優勢になりやすいでしょう。
【カゴ落ち対策15選】今日から実践できる改善策
ここまでの「カゴ落ち原因」と「アンケート事例」を踏まえ、ECサイト運営者が実践すべき対策を15個に整理します。コスト・難易度・効果が幅広く異なるため、自社サイトの状況に応じて優先順位をつけて取り組んでください。
フォーム・決済まわりの改善(基本対策)
①送料・手数料を商品ページで明示する
「決済画面まで送料がわからない」状態を解消し、商品ページや一覧ページの段階で送料を表示します。「○○円以上で送料無料」の閾値を分かりやすく示すのも有効です。
②ゲスト購入(非会員購入)への導線を強化する
会員登録を必須にせず、ゲスト購入を「会員登録」と同等以上に目立つ位置に配置します。会員登録のメリット(クーポン・ポイント等)は購入完了後に提示する流れに変えると、初回購入のハードルが大きく下がります。
③決済手段を増やす(クレカ・PayPay・後払い・コンビニ等)
特にBtoCではPayPay、楽天ペイ、Amazon Pay、クロネコ後払い、コンビニ決済など、ターゲット層が日常的に使う決済手段を3つ以上揃えるとカゴ落ち率は大きく改善します。
④入力フォームを最適化する(EFO)
入力項目を最小限に絞る、住所自動入力、リアルタイムエラー表示、半角/全角の自動変換など、フォーム入力ストレスを徹底的に減らします。スマホでの入力負荷削減が最重要です。
サイト基盤の改善(土台対策)
⑤ページの表示速度を改善する
画像の圧縮、不要なJavaScriptの削減、CDN導入などで表示速度を3秒以内に抑えます。Google PageSpeed Insightsなど無料ツールでスコアを定期的に確認しましょう。
⑥セキュリティ・運営者情報を分かりやすく表示
SSL証明書の表示、特商法表記、運営会社情報、第三者認証マーク(プライバシーマーク等)をフッターやチェックアウトページに明示し、安心感を醸成します。
⑦モバイルUI(スマホ表示)を最適化する
ECの主戦場はスマホです。タップエリアの大きさ、フォントサイズ、入力フォームの操作性をスマホファーストで設計し直します。
商品ページ・コンテンツの改善
⑧商品画像・動画を充実させる
複数アングルの画像、サイズ感がわかる比較画像、動画レビューなど、購入後のイメージギャップを最小化します。
⑨レビューを表示・改善する
FORCE-Rのアンケートでも明らかなように、レビューはカゴ落ち最大級のトリガーです。低評価の原因を商品改善で潰す、ネガティブな点は商品ページで先に開示する、といった姿勢が重要です。
⑩返品・交換ポリシーを明確に記載する
「サイズが合わなかったら?」「イメージと違ったら?」という不安を払拭するため、返品・交換の条件を商品ページとFAQで分かりやすく表示します。
カゴ落ちユーザーへのリカバリー施策
⑪カゴ落ちリマインドメールを自動配信する
離脱から1〜24時間以内に「カートに商品が残っています」というリマインドメールを自動配信。クーポン付きで配信すると復帰率はさらに上昇します。
⑫リターゲティング広告でカゴ落ちユーザーに再訴求
Google広告・Facebook広告・LINE広告などで、カゴ落ちユーザーにのみピンポイントで広告配信。比較検討中のユーザーに「やっぱり買おう」のきっかけを与えます。
⑬LINE公式アカウントやSMSでフォローアップする
メールが埋もれがちな現代では、LINE公式アカウントやSMSでのフォローのほうが開封率が高いケースもあります。タイムセールやクーポン期限などの緊急性訴求と相性が良い手法です。
購入の後押し施策
⑭限定性・希少性を訴求する(残り在庫・タイムセール)
「残り3点」「タイムセールあと2時間」など、希少性・緊急性を可視化することで、検討中ユーザーの「いつか買おう」を「今買おう」に変える効果があります。
⑮カート内に推奨商品・関連商品を表示する
「あと○○円で送料無料」「この商品と一緒によく買われています」といった追加購入導線をカート内に配置。客単価アップとカゴ落ち防止を同時に狙えます。
カゴ落ち対策が必要な場面と意識すべきポイント

カゴ落ちが発生するまでの流れを見てみると、ユーザーはカートに商品を入れたあとでサイトを離脱し、回遊・比較・情報収集していることがわかります。
そのため、カゴ落ち対策は、以下2つの視点から行っていくことが重要です。
- 自社の商品ページからユーザーを離脱させない
- 商品ページから離脱しても自社サイト内に滞留させる
カゴ落ちにつながっている環境を改善する
まずは、カゴ落ちにつながる環境的な障害を取り除くことが大切です。
購入までの導線の整理や商品の配送スピード、決済方法の選択肢などを改善し、購入しやすい流れを整えましょう。
カゴ落ちを防ぐための具体的な環境改善については「カゴ落ちとはカートに入れた商品を購入せず離脱されること!サイトを離れる理由と対策を紹介」の記事で特集していますので、参考にしてみてください。
レビューに記載されている内容を改善または開示する
今回のアンケートでは、レビューがカゴ落ちのトリガーとなるケースが目立ちました。
ECサイトでは、商品を実際に使用したとき、商品ページとのギャップを強く感じ、ユーザーが落胆した部分がレビューに反映される傾向があります。
商品の品質が悪いというレビューがあった場合、品質を改善することで、良いレビューを増やしていけるでしょう。
また、低価格であれば低品質でも許容するユーザーはいるため、品質にあわせて価格を改善することもひとつの方法です。
使い勝手の悪さについては、商品ページ内に記載があれば「それを納得したうえで買う」ユーザーも一定数います。
品質改善も値下げも難しい場合は、商品ページ内でデメリットを開示し、レビューよりも先に閲覧者へ伝えるようにしましょう。
「カゴ落ち」の先にある「回遊率」を意識する
ユーザーは、比較段階でカートに商品を入れ、そこから購入する商品を選別するため、カゴ落ちを0件にすることは不可能です。
カゴ落ち対策を一通りしたのであれば、次は「回遊率」を意識し、ユーザーの購買体験を向上させる対策へ切り替えましょう。
満足度の高い購買体験の提供には、ユーザーがさまざまな商品を比較し、納得したうえで購入できるようにすることが重要です。
ユーザーが商品をカゴに入れたあとも、サイト内を回遊しやすいように導線を整備することで「他の商品も見てみたい」というユーザーの欲求を満たせます。
カートに入れた商品を購入してもらえなかったとしても、最終的に自社サイト内で購入されるように仕掛けていきましょう。
カゴ落ち対策におすすめのツール5選
カゴ落ち対策をシステム的に効率化したい場合は、専用ツールの導入が効果的です。ここでは2026年現在、ECサイト運営の現場で実績のあるツールを目的別に5つ紹介します。
①CART RECOVERY(カートリカバリー)
カゴ落ちメールとリマーケティング広告の両方を自動配信できる、カゴ落ち対策特化型のMAツール。タグを貼るだけで最短3日で運用開始可能。500サイト以上の導入実績があり、平均60〜70%のカゴ落ち率を10%以上改善する事例も。月額39,000円〜。
②KARTE(カルテ)
ユーザー1人ひとりの行動を可視化し、最適なタイミングでクーポンやポップアップを表示するWeb接客プラットフォーム。カゴ落ち対策のほか、CVR改善・LTV向上施策まで幅広く対応。
③Flipdesk(フリップデスク)
タグを設置するだけで利用可能なWeb接客ツール。カゴ落ち対策のポップアップ、A/Bテスト、クーポン配信などをノーコードで実装。導入企業800社・1,250サイト以上の実績。
④Sprocket(スプロケット)
離脱行動を検知して適切なタイミングでポップアップを表示するCXプラットフォーム。外部サービス連携も豊富で、データ分析・施策実行を一気通貫でサポート。
⑤Shopify/ecforce 標準機能
ECプラットフォーム自体にカゴ落ちメール機能が標準搭載されているケースも増えています。Shopifyの「Abandoned checkouts」、ecforceの標準カゴ落ちメール機能を活用すれば、追加ツール導入なしで基本対策を始められます。
ツール選定時は「自社のECプラットフォームと連携できるか」「サポート体制が充実しているか」「初期費用と月額費用のバランス」を必ず確認しましょう。多くのツールが無料トライアル期間を設けているため、まずは試用して効果を測定することをおすすめします。
カゴ落ち対策に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、カゴ落ち対策を進めるうえでEC運営者から特に多く寄せられる質問にお答えします。施策検討の参考にしてください。
Q1. カゴ落ち率の目安はどのくらいですか?
世界平均で約70%、日本平均で約65%です。自社サイトのカゴ落ち率がこの平均値を大幅に上回っている場合(例:80%以上)は、フォーム最適化や決済手段拡充など基本対策の見直しを優先すべきです。逆に平均を下回っている場合でも、5〜10%の改善で売上は大幅に伸びる余地があります。
Q2. カゴ落ち率はどうやって測定すればよいですか?
Googleアナリティクス(GA4)の「コンバージョン経路」「目標到達プロセス」レポートを使えば、無料で測定可能です。より詳細な分析やリカバリー施策まで実行したい場合は、CART RECOVERYやKARTEなどの専用ツール導入を検討しましょう。多くは無料トライアルで自社サイトのカゴ落ち状況を可視化できます。
Q3. カゴ落ちメールの最適な配信タイミングは?
一般的には離脱から1時間以内・24時間以内・72時間以内の3段階配信が効果的とされています。1通目はリマインド、2通目はクーポン付与、3通目は最終案内、というように内容を変えてアプローチすると復帰率が高まります。
Q4. カゴ落ち対策に最も効果のある施策は何ですか?
一概には言えませんが、多くの調査で効果が高いとされるのは「①送料の事前明示」「②ゲスト購入の導線強化」「③決済手段の拡充」の3つです。これらは比較的低コストで実装でき、効果も即座に出やすいため、最初に取り組むべき施策と言えます。
Q5. カゴ落ちは0%にできますか?
できません。FORCE-Rのアンケートでも明らかなように、ユーザーはカートを「お気に入りリスト」として活用するケースが多く、もともと購入意思のないカートインも一定数存在します。カゴ落ち率を0にするのではなく、業界平均より低い水準を目指しつつ、「サイト全体のCVR改善」「リピート率向上」など複合的な視点で売上最大化を図ることが現実的です。
Q6. 中小規模のECでも対策ツールは導入すべきですか?
月商100万円程度までであれば、Googleアナリティクスでの分析と、カートシステム標準のカゴ落ちメール機能の活用から始めるのがおすすめです。月商500万円を超えてきた段階で、CART RECOVERYなど専用ツールを導入すると費用対効果が出やすくなります。
まとめ|「買う意思が固まったからカートに入れる」わけではない

ユーザーは、商品をカートに入れた段階で、購入すると決めているわけではありません。
気になる商品をカートにキープし、他の商品と比較するケースも多いため、カゴ落ち率だけではなく、自社サイト内全体での購入率に意識を向けましょう。
ECサイトの運営では、ひとつのページではなくサイト全体の指数をチェックしながら、優先順位を付けてカゴ落ち対策・回遊率を改善していくことが重要です。
本記事で紹介した「10の原因」「15の対策」「5つのツール」を踏まえ、自社サイトの課題に合わせた対策を一つずつ実装することで、カゴ落ち率の改善は十分に可能です。FORCE-Rでは、ECサイトの改善点を適切にアドバイスし、ビジネスを最短距離で成長させるサポートを提供しています。
最小限のリソースで適切なカゴ落ち対策を行い、確実に売上を伸ばしていきたい方は、ぜひFORCE-Rへご相談ください。