EC市場は拡大を続けており、経済産業省の調査によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は前年比5.1%増の26.1兆円に達しました(参照:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」)。EC化率も9.8%まで上昇しており、オンライン販売への参入は多くの企業にとって不可欠な成長戦略となっています。
しかし、ECサイトの構築を外部に依頼しようとすると、制作会社の数が多すぎて「どこに頼めばいいのかわからない」と悩む事業者は少なくありません。制作会社ごとに得意なプラットフォームや対応規模が異なるうえ、見積もり金額にも大きな差が出るため、自社に合った制作パートナーを見極める判断基準を持つことが重要です。
本記事では、ECサイト制作会社の選び方から費用相場、構築方法の比較、依頼の流れ、失敗を防ぐための注意点まで、事業者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
| 制作会社に依頼するメリットは? | 専門知識と設備投資が不要になる | EC構築の技術やノウハウを持つプロに任せることで、高品質なサイトを短期間で構築できます。 |
| 構築方法にはどんな種類がある? | ASP・パッケージ・オープンソース・フルスクラッチの4種 | 規模・予算・カスタマイズ性に応じて最適な構築手法を選ぶことが、制作会社選びの前提になります。 |
| 費用相場はどのくらい? | 10万〜500万円以上と幅が広い | ASP型なら10万〜50万円、パッケージ型で100万〜500万円、フルスクラッチなら500万円以上が目安です。 |
| 制作会社の選び方は? | 実績・対応範囲・サポート体制を確認 | 同業界の実績があるか、構築後の運用支援まで対応しているか、費用の透明性はあるかを確認しましょう。 |
| 依頼の流れは? | 要件定義→設計→開発→テスト→公開 | まず自社の目的を整理し、複数社に見積もりを依頼。要件定義→設計→開発→テスト→公開の順に進行します。 |
| 失敗しないための注意点は? | 「作って終わり」にしない運用設計が鍵 | 制作だけでなく、集客・運用・改善まで見据えたパートナー選びが成功のポイントです。 |
| 制作後の運用はどうする? | SEO・広告・SNSで集客し、PDCAを回す | ECサイトは公開後がスタート。集客施策と売上分析を継続的に行うことで成果につなげましょう。 |
| 自社ECとモール出店どちらがいい? | 目的に応じて使い分けるのが理想 | ブランディング重視なら自社EC、集客力を活かすならモール出店。両方を併用する企業も増えています。 |
<この記事でわかること>
・ECサイト制作を外注するメリット・デメリットと、自社で構築する場合との比較
・ASP・パッケージ・オープンソース・フルスクラッチの4つの構築方法の違い
・構築方法別のECサイト制作費用の相場と、費用を左右する変動要因
・失敗しないECサイト制作会社の選び方と、確認すべき5つのチェックポイント
・制作依頼の流れと、公開後の運用・集客で押さえるべきポイント
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Contents
ECサイト制作を外注するメリット・デメリット
制作会社に依頼する4つのメリット
ECサイトの構築を制作会社に依頼する最大のメリットは、専門的な技術やノウハウを持つプロに任せることで、高品質なサイトを効率的に構築できる点です。ECサイトは通常のWebサイトとは異なり、商品管理、在庫管理、決済機能、セキュリティ対策など、EC特有の専門知識が求められます。これらを自社だけで対応しようとすると、膨大な学習コストと開発期間が必要になります。
2つ目のメリットは、構築後のサポートを受けられることです。実績のある制作会社であれば、サイト公開後のトラブル対応やシステムアップデート、機能追加などの保守運用を継続的にサポートしてくれます。ECサイトは公開して終わりではなく、継続的な改善が不可欠なため、運用フェーズまで伴走してくれるパートナーがいることは大きな安心材料です。
3つ目は、デザインやUI/UXの質を担保できることです。ECサイトでは、商品の魅力を伝えるビジュアルや、ユーザーが迷わず購入できる導線設計がCVR(コンバージョン率)に直結します。制作会社のデザイナーやUI/UX設計者が関わることで、自社だけでは実現しにくいプロフェッショナルな仕上がりが期待できます。
4つ目は、集客やマーケティングまで一貫した支援を受けられるケースがある点です。制作だけでなく、SEO対策やSNS運用、広告運用、CRM施策まで提案・実行できる制作会社を選べば、「サイトを作ったけれど売上が伸びない」という事態を防げます。
制作会社に依頼するデメリットと対策
一方で、制作会社への外注にはデメリットもあります。1つ目はコストがかかる点です。自社でShopifyやBASEなどのASPを使って構築する場合と比較すると、外注費用は数十万〜数百万円と高額になります。ただし、費用を「投資」として捉え、売上への貢献度で費用対効果を判断する視点が重要です。
2つ目は、制作会社選びを誤ると「作ったけれど売れない」という失敗が起きるリスクがある点です。見た目のデザインは良くても、集客や購買導線の設計が甘いと売上にはつながりません。対策としては、デザインだけでなく「売上につながる仕組みを作れるか」を基準に制作会社を選ぶことが大切です。
3つ目は、社内にノウハウが蓄積されにくい点です。制作を丸投げしてしまうと、社内にEC運営のナレッジが残りません。制作会社との打ち合わせや運用フェーズで積極的に関与し、将来的な内製化を視野に入れた体制を構築しておくことが重要です。
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ECサイトの4つの構築方法とその特徴
ASP(SaaS)型:低コストで手軽にスタート
ASP型は、Shopify・BASE・STORES・MakeShopなどのクラウドサービスを利用してECサイトを構築する方法です。月額数千円〜数万円で利用でき、プログラミング知識がなくても管理画面から簡単に商品登録やページ作成ができます。初期費用を抑えてECをスタートしたい小規模事業者やD2Cブランドに適しています。
メリットは、導入のスピードとコストの低さです。テンプレートが用意されているため、デザインの自由度には制限がありますが、最短で数日〜数週間でサイトを公開できます。デメリットは、カスタマイズ性に限界がある点です。独自の業務フローや基幹システムとの連携が必要になると、ASP型では対応しきれないケースが出てきます。
パッケージ型・オープンソース型・フルスクラッチ型
パッケージ型は、ECサイト構築用のソフトウェアパッケージ(ecbeing、EC-Orangeなど)を導入する方法です。EC運営に必要な機能が標準装備されており、カスタマイズも柔軟に対応できるため、中堅〜大規模EC事業者に適しています。初期費用は100万〜500万円程度が一般的です。
オープンソース型は、EC-CUBEやMagentoなどのオープンソースソフトウェアを使って構築する方法です。ソフトウェア自体は無料で利用でき、プラグインや独自機能の追加がしやすい点が特徴です。ただし、セキュリティ対策やサーバー管理は自社または制作会社で行う必要があり、運用コストが発生します。
フルスクラッチ型は、ゼロからシステムを開発する方法です。完全にオーダーメイドのECサイトを構築できるため、独自の業務フローや大規模なデータ処理に対応可能ですが、開発期間は半年〜1年以上、費用は500万〜数千万円規模になります。大手EC事業者や特殊な要件を持つ企業向けの選択肢です。
▶ 関連記事:ECサイトの運営と集客で他社と差をつける方法!差別化につながる6つのポイントを紹介
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ECサイト制作の費用相場と費用を左右する要因
構築方法別の費用相場
ECサイト制作の費用は、構築方法によって大きく異なります。以下が一般的な費用目安です。
ASP型(Shopify・BASEなど)を使った構築は、テンプレートを活用する場合で10万〜50万円程度です。デザインカスタマイズや機能追加を依頼する場合は50万〜150万円程度になるケースもあります。パッケージ型やオープンソース型(EC-CUBEなど)は100万〜500万円が相場で、機能要件や連携するシステムの数によって変動します。フルスクラッチ型は500万〜数千万円以上が目安で、大規模サイトや独自機能の開発が必要な場合に選択されます。
費用を左右する3つの変動要因
ECサイト制作の見積もりが制作会社によって大きく異なるのは、「デザインの自由度」「機能の複雑さ」「外部システムとの連携」の3つの要因が影響しているためです。
1つ目の「デザインの自由度」では、既存テンプレートを使う場合はコストを抑えられますが、ブランドの世界観を表現するフルオーダーデザインの場合は費用が上がります。2つ目の「機能の複雑さ」では、定期購入(サブスクリプション)、会員ランク制度、ポイントシステム、レコメンド機能など、追加する機能が増えるほど開発工数と費用が増加します。
3つ目の「外部システムとの連携」では、在庫管理システム(WMS)、顧客管理システム(CRM)、会計ソフトなどとのAPI連携が必要な場合、連携開発の工数分だけ費用が上乗せされます。見積もりを比較する際は、単純な金額だけでなく「含まれている項目」を必ず確認しましょう。
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失敗しないECサイト制作会社の選び方
制作会社選定で確認すべき5つのポイント
ECサイト制作会社の選定は、EC事業の成否を左右する重要な判断です。以下の5つのポイントを基準に比較検討しましょう。
1つ目は「同業界・同規模の制作実績があるか」です。自社と近い業界や規模の制作実績を持つ会社は、業界特有のユーザー行動や販売動線を理解しているため、スムーズな導入が期待できます。公式サイトの事例ページやポートフォリオを確認し、デザインの質やコンセプトが自社のイメージに合っているかをチェックしましょう。
2つ目は「構築後の運用サポートがあるか」です。ECサイトは公開がゴールではなく、公開後の運用・改善こそが売上を左右します。SEO対策、広告運用、アクセス解析、CVR改善提案、商品登録代行など、制作後のサポート範囲を事前に確認しましょう。
3つ目は「対応可能な構築手法とプラットフォーム」です。制作会社によって得意とするプラットフォーム(Shopify、EC-CUBE、ecbeingなど)が異なります。自社の規模や要件に合った構築手法を提案してくれるかを確認しましょう。
4つ目は、「見積もりの透明性と費用対効果」です。初期費用が安く見えても、運用保守やデザイン更新に追加費用がかかるケースは珍しくありません。見積もりの段階で、含まれている項目と含まれていない項目を明確にしてもらいましょう。
5つ目は「コミュニケーションの質と対応スピード」です。見積もり依頼や質問への回答が遅い会社は、制作中や運用中にもトラブルが起きやすい傾向があります。初回のやり取りの段階で、レスポンスの速さや提案の的確さを判断材料にしましょう。
相見積もりの取り方と比較のポイント
制作会社への見積もり依頼は、最低でも3社、理想的には5社程度に出すことをおすすめします。見積もりを依頼する際は、サイトの目的、取扱商品数、必要な機能、希望のデザインイメージ、予算感、公開希望日を明確に伝えましょう。条件をそろえることで、各社の提案や価格を正確に比較できます。
比較する際は、金額だけでなく「何にいくらかかっているか」の内訳を確認してください。デザイン費、開発費、テスト費、保守運用費がそれぞれどの程度含まれているかを把握することで、表面上の安さに惑わされずに実質的なコストを比較できます。また、制作後のランニングコスト(月額保守費用、システム利用料など)も忘れずに確認しておきましょう。
▶ 関連記事:ECサイトにLPを取り入れる5つのメリット!CV率を高める運用方法も解説
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ECサイト制作を依頼する際の流れ
依頼前に自社で準備すべきこと
制作会社に依頼する前に、自社のECサイトに求める目的や要件を整理しておくことが成功の鍵です。具体的には、以下の項目を社内で合意を取っておきましょう。
まず「ECサイトの目的」です。売上拡大なのか、ブランド認知の向上なのか、業務効率化なのかによって、必要な機能や設計思想が異なります。次に「ターゲット」です。BtoCなのかBtoBなのか、年齢層やライフスタイルなど、想定する顧客像を明確にしましょう。
さらに「取扱商品数と更新頻度」「必要な機能(決済方法、会員管理、ポイント、定期購入など)」「予算と公開希望時期」「参考にしたいECサイトのURL」なども整理しておくと、制作会社とのヒアリングがスムーズに進みます。
制作の進行ステップ
ECサイト制作の一般的な流れは、以下の6ステップです。
第1ステップは「ヒアリング・要件定義」です。制作会社と打ち合わせを行い、サイトの目的、機能要件、デザインの方向性、予算、スケジュールを確定させます。この段階での認識のすり合わせが、後のトラブルを防ぐうえで最も重要です。
第2ステップは「設計・ワイヤーフレーム作成」です。サイトの構造(ページ構成)や購入までの導線を設計します。第3ステップは「デザイン制作」で、トップページや商品ページのビジュアルデザインを作成します。ブランドの世界観やターゲット層に合ったデザインになっているかを丁寧に確認しましょう。
第4ステップは「開発・実装」です。デザインをもとにHTML/CSSコーディングやシステム開発を行います。第5ステップは「テスト・検証」で、決済機能の動作確認、スマートフォン表示の確認、表示速度のチェックなどを行います。第6ステップが「公開・運用開始」です。商品登録を完了させ、テスト運用を経てサイトを公開します。
制作期間は、ASP型で1〜3ヶ月、パッケージ型・オープンソース型で3〜6ヶ月、フルスクラッチ型で6ヶ月〜1年以上が一般的な目安です。
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ECサイト制作で失敗しないための注意点
「作って終わり」にしない運用設計の重要性
ECサイト制作でもっとも多い失敗パターンが、「サイトを作ったけれど売上が上がらない」というケースです。原因の多くは、制作段階で集客や運用の設計が十分に行われていないことにあります。
ECサイトは公開してからがスタートです。どれだけデザインが優れていても、ユーザーがサイトにたどり着かなければ売上にはつながりません。制作と同時並行で、SEO対策やWeb広告、SNSマーケティングなどの集客施策を計画しておく必要があります。
また、公開後のアクセス解析やCVR改善、商品ページの最適化といった運用改善の体制を整えておくことも重要です。制作会社を選ぶ際には、サイト構築だけでなく「構築後の運用・集客までサポートしてくれるか」を判断基準に加えることで、失敗のリスクを大幅に減らせます。
見積もり・契約時に確認すべきチェックリスト
見積もりや契約の段階で確認しておくべき項目を整理します。まず「見積もりに含まれる範囲」を明確にしましょう。デザイン、開発、テスト、商品登録、保守運用がそれぞれどこまで含まれているかを確認します。
次に「追加費用が発生する条件」です。機能追加やデザイン修正、ページ追加の際に追加費用がかかるかどうかを事前に把握しておきましょう。「納品後の修正回数」や「著作権・所有権の帰属」も確認が必要です。制作したデザインやソースコードの所有権が自社にあるのか、制作会社に帰属するのかは、将来的なリニューアルや制作会社の変更に関わる重要なポイントです。
最後に「解約条件と引き継ぎ」です。契約期間中の解約条件や、解約時のデータ引き継ぎ方法を確認しておくことで、万が一のトラブルに備えられます。
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ECサイト公開後の運用・集客で押さえるべきポイント
自社ECサイトの集客施策
自社ECサイトは、ECモールと異なり自力で集客しなければなりません。主な集客手段はSEO対策、Web広告(リスティング・ディスプレイ・SNS広告)、SNS運用、コンテンツマーケティングの4つです。
SEO対策は中長期的に安定した集客を実現する施策で、商品ページやカテゴリページの最適化、ブログコンテンツの作成などが含まれます。Web広告は即効性のある集客手段で、予算に応じてアクセス数をコントロールできます。SNS運用はブランドのファンを育成し、リピート購入を促すのに効果的です。
これらの施策を「どの優先順位で、どの程度の予算を投じるか」を事前に計画しておくことが重要です。制作会社に依頼する際は、集客戦略の提案や実行支援まで対応可能かどうかも確認しておきましょう。
自社ECとモール出店の使い分け
ECサイトの販売チャネルとしては、自社ECサイトとECモール(楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなど)の2つがあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自社の目的に応じて使い分けるのが理想的です。
自社ECサイトは、ブランドの世界観を自由に表現でき、顧客データを自社で保有できる点がメリットです。一方で集客を自力で行う必要があるため、初期段階ではアクセスが少なく売上が立ちにくい傾向があります。ECモールは、モール自体に集客力があるため短期間で売上を立てやすい反面、出店手数料がかかりブランディングの自由度が限られます。
近年では、自社ECとECモールの両方に出店する「多チャネル戦略」を取る企業が増えています。モールで認知を獲得し、自社ECでリピート購入を促すという使い分けが、EC事業の成長を加速させる効果的なアプローチです。
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まとめ
ECサイト制作会社の選び方は、EC事業の成功を左右する重要な判断です。構築方法の違い(ASP・パッケージ・オープンソース・フルスクラッチ)を理解し、自社の規模・予算・目標に合った手法を選ぶことが前提となります。
制作会社の選定では、同業界の実績、運用サポート体制、費用の透明性、コミュニケーションの質を基準に比較検討しましょう。そして何より重要なのは、「サイトを作るだけ」ではなく「作った後に売上を伸ばす」ところまで見据えたパートナー選びです。
ECサイトの制作や運営改善、売上拡大にお悩みの方は、FORCE-Rまでご相談ください。ECモール運営からECサイト制作、売上改善まで一貫した支援が可能です。
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