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ECにおける転換率とはアクセスに対する注文の割合!算出方法と向上させる施策を解説

「自社ECへの集客はできているのに売上が伸び悩んでいる」
「転換率とF2転換率の違いは?」
「転換率を向上させるために有効な施策が知りたい」

上記のようにお悩みではありませんか。「転換率」はサイトにアクセスしたユーザーが、成約に向けたアクションを行った割合を示す指標です。広告やSEO対策に力を入れて十分な集客を得られていても、転換率が低ければ売上につながりません。ユーザーの離脱ポイントを調査して、改善策を実行する必要があります。

本記事では、転換率の概要からECにおける平均値、向上に向けた施策まで詳しく解説していきます。混同されやすい「F2転換率」との違いにも触れますので、ぜひ参考にしてください。

転換率とは?算出方法も解説

ECを運営する上で「転換率」は、とても重要な数値となります。ECサイトの売上に大きく影響を与えるため、転換率が低い場合は施策の方向性を確認・修正しなければなりません。ここでは、転換率の意味と算出方法をしっかりと理解しておきましょう。

1. 転換率とは

転換率とは「自社サイトへアクセスしたユーザーのうち何割が商品購入や資料請求へ向けてアクションを起こしたか」を示す数値です。ECサイトの売上は「集客数」「転換率」「客単価」の3つで形成されているため、それぞれの数値を向上させることで売上アップが見込めます。また、転換率は以下のように表現される場合があります。

  • コンバージョンレート(CVR)
  • 購入率
  • 成約率

企業によっては、異なる呼び方をされる場合があるため、取引先などによって使い分けましょう。ECにおける用語については、関連記事の「EC運営で使われる用語を「基本」「システム」「マーケティング関連」に分けて徹底解説」で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。

2. 転換率(CVR)の算出方法

転換率は以下の式で算出可能です。

「受注件数÷アクセス数×100=転換率(CVR)」

仮に10,000件のアクセス数があり、そのうち500件の受注があれば「500件÷10,000回×100」で転換率は5%となります。なお、連動させておく設定が必要ですが、アクセス数と受注件数は「Googleアナリティクス」で確認可能です。

転換率の平均値は、業界やサイトへの流入方法によって異なります。自社ECサイトの転換率が業界の平均と比較して低い値になっていないか、把握しておくことが重要です。

転換率とF2転換率の違い

転換率と混同されがちな指標が「F2転換率」です。企業によってはF2転換率を「転換率」と呼ぶケースがあります。ただし、F2転換率とは「新規顧客が2回目の購入に至った割合を示す数値」です。あくまで2回目の購入を行った顧客の割合を示す数値であるため、初回購入者は含まれません。

一般的に使用される「転換率」は「サイトへのアクセス数のうち何割が成約したか」の意味で使用され、初回購入者を含みます。そのため「集計する対象者の違い」が、転換率とF2転換率の異なる点です。

なお、F2転換率は対象期間を区切った場合に「リピート率」とも表されるケースがあります。リピート率については関連記事の「リピート率とは?業界別ECサイトの平均値と向上させる施策を解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ECにおける平均的な転換率(CVR)の目安

ECにおける転換率の平均値は約1〜3%となっています。自社ECの転換率が低い場合でも「サイトへの流入方法」や「ECの種類」によってCVRは異なります。

具体的には、広告を使い幅広いユーザーへ向けてアプローチしている場合は、転換率が低くなることが多いです。一方で、コンテンツマーケティングにより有益な情報を消費者へ届けることができれば、購買意欲の高いユーザーへアプローチできるため転換率が向上しやすい傾向にあります。

コンテンツマーケティングについては、関連記事の「コンテンツマーケティングって何?まず何から始めれば良いのか基礎部分を解説!」で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。

転換率を向上させる8つの施策

転換率はECサイトの売上を構築する重要な数値であり、低い場合は「見込み顧客を囲い込めずビジネスチャンスを逃してる」ことがわかります。そこで、ここでは効率的に転換率を向上させる施策を8つ紹介します。自社サイトの転換率を向上させて、売上を伸ばしていきましょう。

1. ユーザー属性の把握

転換率を向上させるには、サイトへ訪れるユーザーの把握から始めましょう。具体的には、アクセスしてくるユーザーについて、以下のような情報を分析します。

  • 年齢層
  • 性別
  • 年収

近年のライフスタイルの多様化により消費者ニーズが複雑化しているため、想定していたユーザー像と実際のユーザーの属性が異なるケースが多いです。その場合は、消費者のニーズに応えられておらず施策が空回りしてしまう恐れがあるため、再度調査・分析することが求められます。

ユーザー属性を把握するには、商品購入時にアンケートを実施するか、分析ツールを使用しましょう。「Googleアナリティクス」を利用しての分析も可能です。

2. 他社サイトとの差別化

多くの同業他社がいる中で、自社の商品を選んでもらうには差別化が重要です。商品価格を他社よりも安く設定することはもちろん、幅広い商品を取りそろえることや、反対に特定のジャンルに特化することも有効です。

そのほかには、独自のアフター保証や特典とのセット販売などを実施して、自社サイトで購入してもらうための理由を作りましょう。

3. 期間限定キャンペーンの実施

期間限定のキャンペーンを実施することも、転換率を向上させるために有効です。限定の割引や特典をつけることで「いま買わなければ損をする」という感情を引き出し、購買意欲を高めます。

ECモールへ出店している場合は、全体で展開されている「楽天スーパーセール」や「ブラックフライデー」などのキャンペーンやセールに参加しましょう。購買意欲の高いユーザーを確実に取り込むことで、転換率をアップできます。

ただし、キャンペーンやセールを頻繁に行うことは避けましょう。「いつ買っても同じ」という印象を与えてしまいますので、しっかりと使い分けることが重要です。

4. 商品ページやサイトデザインの変更

転換率が上がらないときは、サイトデザインや商品ページの見直しも有効です。トップページから商品ページまでの導線や購入完了までをスムーズに行える仕組みを整えることで、消費者のストレスを軽減できます。
また「商品ページに必要な情報が記載されているか」もチェックしましょう。とくに以下の情報を記載しておくと、消費者は安心感を覚えます。

  • 商品画像
  • 利用シーン
  • 細かなサイズ感
  • 付属品の詳細
  • 送料
  • 配送方法
  • レビュー
  • アフターフォロー

さらに、閲覧・購入履歴から関連商品をレコメンドして「欲しい商品が見つかるサイト」と認識してもらいましょう。

転換率を上げるデザインについては、関連記事の「売上が伸びる商品ページのデザインにおける7つの共通点!参考になるサイトも紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

5. 集客方法の改善

転換率が低い場合は、集客方法が適切ではない可能性があります。「自社ECへどのような経路をたどり流入しているか」調査しましょう。配信している広告やコンテンツの内容を確認して、ユーザーニーズに最適な形へ修正が必要です。

たとえば、自社ブランドの財布を販売したい場合に「メンズ 財布」や「財布」といったキーワードで集客するより「〇〇(ブランド名)財布」で対策したコンテンツ配信を行ったほうが、購買意欲の高いユーザーへアプローチ可能です。

ただし、自社ブランドの認知度が低ければ十分な集客が見込めません。認知度が低い場合は「広告配信」や「コンテンツマーケティング」を強化して、アクセスを集めるところから始めてください。

また、ユーザーが気軽に情報を得られるSNSの運用や、情報収集から購入までシームレスに行える「ソーシャルコマース」の実施も検討しましょう。

ECサイトへの集客方法については、関連記事の「【徹底解説】ECサイトの集客に効果的な手法5選!成功事例も紹介」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

6. カゴ落ち対策

転換率が低い場合は、購入手前で離脱されている可能性があります。ユーザーが商品をショッピングカートへ入れるも購入直前で離脱されてしまう「カゴ落ち」の対策を行いましょう。

購入完了までの手順が多いことや、送料・手数料がユーザーの想定よりも高いことがカゴ落ちの主な原因です。購入完了までの手続きを簡略化するとともに、追加でかかる料金の事前提示や配送サービスの見直しを実施しましょう。

カゴ落ち対策については、関連記事の「カゴ落ちとはカートに入れた商品を購入せず離脱されること!サイトを離れる理由と対策を紹介」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

7. 自社ECの信頼感アップ

自社ECへの信頼感が低い場合は、転換率も比例して低くなってしまいます。ECサイトでの商品購入は実店舗と異なり、店員による接客や手にとって商品を確認できないことによる不安があります。

安心して購入してもらうには、実際の利用者によるレビューやこれまでの販売実績、受賞歴などを提示しましょう。また、アフターフォローやカスタマーサービスを充実させることでも、ユーザーへ安心感を与えられます。

また自社ECにLPを取り入れることにより、信頼感を保ちつつ購入の促進が可能です。ECにおけるLPの活用方法については、関連記事の「ECサイトにLPを取り入れる5つのメリット!CV率を高める運用方法も解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

8. サイト内の回遊率を上げる

サイト内の回遊率を上げることで、転換率のアップが可能です。サイトからの離脱を防ぎ何度も商品やサービスに触れてもらうことで「好感度」や「関心性」を高め、購買意欲を高められます。

この現象をマーケティングでは「ザイオンス効果」と呼びます。サイト内の階層構造を見直し、ユーザーのストレスとなる部分を排除して離脱を防ぎましょう。

施策を実施しても転換率が改善しない場合、商品のコンセプト自体に原因があるケースがあります。商品のコンセプトを見直して転換率を向上させる方法については、関連記事の「売れない商品と売れる商品の4つの違い!ECならではの販売戦略についても解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

FORCE-Rのコンサルティングによる転換率の改善事例

株式会社WATOSA GLOBAL様よりいただいた「売上拡大」のご要望に対して、転換率の改善などの施策を行い前年比318%と大幅な売上アップを達成しています。

ご依頼の背景としては、元々ほかのコンサルティング会社様に依頼していたとのことですが、費用やクオリティに満足できていない状況でした。そこで弊社では、ヒアリングを重ねてブランドイメージやクライアントの状況を把握した上で「転換率対策」「SEO対策」「広告運用」などを提案させていただきました。結果的に売上の大幅なアップに加え、売上高広告比率を半減させることにも成功しています。

ECサイトの転換率にお悩みならFORCE-R

転換率にお悩みの企業さまは、ぜひFORCE-Rへご相談ください。弊社では、経験豊富な専門コンサルタントが、クライアントの状況に合わせた戦略設計を提案いたします。

また、転換率が低い原因を特定できていない場合には、20万人以上のモニターを活用した「定性×定量」の分析を行い消費者目線での課題発掘が可能です。

さらに弊社では、ノウハウやデータのすべてをクライアントに提供しているため、最終的には内製化を目指していただくこともできます。転換率を高めて売上を伸ばしたい企業さまは、ぜひ以下のリンクからお問い合わせください。

まとめ|転換率の改善はECの売上アップにつながる

転換率とは「自社サイトへアクセスしたユーザーのうち何割が商品購入や資料請求へのアクションを起こしたか」を指す、ECの売上を構成する重要な指標の1つです。

他社サイトとの差別化や自社ECのデザイン変更など、改善施策を行うことで転換率を上げることにより売上アップが可能です。効率的に転換率を高めて売上につなげたい企業さまは、ぜひFORCE-Rへご相談ください。

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ:本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。 その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。 楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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