UGCとは一般ユーザーが生成したコンテンツ!ECサイトで活用する目的や方法を解説

「UGCをECサイト運営に役立てたい」

「広告が顧客に刺さっていない気がする」

「UGCを効果的に活用するためのアドバイスが欲しい」

ECサイトの運営を始めてから「UGC」という言葉を初めて聞いたという人は多いのではないでしょうか。UGCとはSNS投稿やブログのレビュー記事といった「商品を購入した顧客が作成したコンテンツ」です。

本記事ではUGCの概要やECサイト運営に活用する目的、注意点を解説します。ECサイト運営にUGCを活用して売上アップを目指したい方は、ぜひ参考にしてください

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UGCとは?注目される背景やCGMとの違いを解説

UGCはUser Generated Contentの略で、商品を購入したユーザーが生成したコンテンツを指します。インターネットの発展によって誰でも発信者になれる現代において、UGCへの注目が集まっています。

ここでは、UGCの意味やマーケティングで注目される背景を見ていきましょう。また、UGCと混同されやすいCGMとの違いも解説します。

1. UGC(User Generated Content)の意味

UGC(User Generated Content)はユーザー生成コンテンツのことで、企業ではなく消費者が発信している商品に関する情報です。UGCの例は以下のとおりです。

  • InstagramやX(旧Twitter)への投稿
  • 食べログやAmazonのレビュー
  • トリップアドバイザーやRETRIPの投稿
  • ブログやYouTubeの商品レビュー

企業のHPやSNS投稿は、商品のアピールポイントがメインでデメリットがわかりにくいです。そのため、自身の立場に近いユーザーの意見を知るためにUGCを確認している人がいます。

2. マーケティングでUGCが注目される背景

IT化やSNSの普及によってユーザーは、今まで以上にたくさんの情報を見聞きしています。しかし情報が多過ぎて「どの商品が自分に合っているかわからない」「メリットばかりでデメリットがわからない」となかなか購入できなくて悩んでいる方は多いです。

個人に合わせた内容が表示されるパーソナライズド広告が発展しているものの、まだ一人ひとりに最適化されているとは言えません。そのため広告の情報だけでなく、商品を購入した顧客のリアルな意見を聞けるUGCを頼りにする方が増えています。

YOTOP社が1,000人を対象に実施した「UGC・ソーシャルメディアに関する調査データ」では、77%の人がプロよりもユーザーが撮影した写真を好むことが明らかになりました。商品を購入したユーザーの情報を信頼する方が増えていることで、マーケティングにおけるUGCが注目されています。

3. CGM(Consumer Generated Media)との違い

CGM(Consumer Generated Media)は、一般ユーザーが作成するコンテンツによって成り立っているメディアです。CGMの具体例は以下のとおりです。

  • 食べログ
  • Yahoo!知恵袋
  • Instagram
  • YouTube

一般ユーザーが生成するコンテンツを指すのがUGCなのに対して、CGMはそれらによって「構成されているメディア」という違いがあります。

ECサイト運営にUGCを活用する3つの目的

商品を購入した顧客のリアルな意見を知れるUGCには、さまざまなメリットがあります。ここではECサイト運営に活用する目的を解説していますので、自社への導入効果をイメージしながら読み進めてください。

1. 顧客から信頼してもらえる

UGCには多くの企業が積極的に公開していない「商品のマイナス面」も記載されているため、顧客から信頼してもらいやすいです。購入検討時の判断材料として使用されており、実際に購入した顧客の「リアルな意見」をユーザーは確認しています。

UGCは自社で作成したコンテンツよりも信頼してもらえる傾向にあるため、ECサイトのホームページやLPに掲載することで売上アップにつながる可能性があります。

2. コンテンツ制作にかかるコストを抑えられる

ECサイトに寄せられた口コミを「お客様の声」としてLPに掲載したり、顧客が書いたレビュー記事のリンクをECサイトに掲載したりすることで、コンテンツ制作にかかるコストを削減可能です。結果的に商品をアピールするために欠かせない画像や動画、文章を作成する手間や時間を削減できます。

コンテンツ制作にかけていた時間を削減できれば、マーケティング施策の立案や顧客管理といったほかの業務に集中できます。なお、コンテンツ制作を外部に依頼している場合は外注費も削れます。

UGCを集めるための施策立案や実施にあたって初期のコストはかかりますが、長い目で見ると効率的に自社商品をアピールするコンテンツを作成可能です。

3. 顧客の評価を聞いて商品の強みや改善点を把握できる

UGCにはネガティブな意見も含まれており、実際に商品を購入したユーザーの率直な意見を聞けます。そのためUGCを確認することで、商品の魅力だけでなく改善点も把握可能です。

またブログやYouTubeから、企業が想定していなかった意外な活用アイデアを得られることもあります。たとえば「柔軟剤の成分を不織布に染みこませた柔軟剤シートをルームフレグランスとして使用することによって、きつい匂いが苦手な人でも部屋の香りを変えられる」という事例が考えられます。

ECサイト運営にUGCを活用する手順

商品を買う前に購入した人の意見をチェックするユーザーが増えているため、UGCを使いこなすことでECサイトの売上増加を狙えます。ここでは、ECサイト運営にUGCを活用する手順を見ていきましょう。

1. UGCが生まれる施策を実施する

UGCは企業が作るものではないため、生まれやすい仕組みづくりや顧客への働きかけが欠かせません。UGCを生み出す施策は、以下のとおりです。

  • X(旧Twitter)のリポストを条件にしたプレゼントキャンペーンを開催する
  • ハッシュタグを付けて投稿したら次回使える割引券をプレゼントする
  • 公式アカウントで一般ユーザーのコンテンツを取り上げる
  • インフルエンサーにタイアップ広告を依頼する

一定のコストがかかって一時的に利益が減る可能性はありますが、効果的に活用できれば有益なお金の使い方です。商品購入前のユーザーが信頼できる情報を増やすために、UGCが生まれやすい状況を作りましょう。

2. 収集して掲載許可を取る

仕組みづくりができたら、ECサイトに関するキーワードやキャンペーンで設定したハッシュタグで検索し、UGCを収集します。Google・Yahoo!の検索エンジン、Instagram・X(旧Twitter)・TikTokといったSNSをチェックしましょう。

またUGCの活用目的を整理しておくことで、利用する顧客が多いメディアやターゲットが明確になって、効率的に投稿を収集できます。たとえば商品の活用方法に関するUGCを集めたい場合は、個人のブログやYouTubeを検索するのが有効です。

なお、SNS投稿やブログ記事にも著作権があるため、ECサイトのホームページやLPに掲載する場合は必ず許可を取りましょう。

3. ECサイトやSNSに掲載する

収集したUGCの掲載許可が取れたら、以下のような方法で活用しましょう。

  • ECサイトのトップページや商品ページに掲載する
  • LP(ランディングページ)に掲載する
  • Instagramのストーリーズでメンションする
  • X(旧Twitter)でリポストする

HPやLPだけではなく、より多くの人に見てもらいやすいSNSにも掲載するのがおすすめです。「顧客の投稿をストーリーズに掲載してメンション」「商品に関する投稿をリポスト」によって、顧客と交流して関係性を深めながらSNS運用のネタ切れも防げます。

ECサイト運営にUGCを活用する際の注意点

売上アップやコスト削減のメリットがあるUGCですが、いくつか気をつけるべきポイントがあります。理解しないまま活用し始めると、顧客からの信頼を失って売上が低下するリスクがあるため、この章で紹介する注意点を押さえておきましょう。

1. ネガティブな意見が売上にマイナスの影響を及ぼすリスクがある

顧客は率直な意見を書いているため、UGCにはネガティブな意見も掲載されます。買う前のユーザーが見ると、商品に悪い印象を抱いて購入を避けてしまうかもしれません。もしネガティブな評価が拡散されて悪いイメージが広がれば、売上にマイナスの影響を及ぼすリスクがあります。

ただしネガティブな意見でも、対応次第では売上ダウンにつながらない可能性があります。商品の初期不良や故障といったトラブルに真摯に向き合う姿勢を見せれば、顧客からの信頼を取り戻せるケースがあるからです。ネガティブな評価から目を背けるのではなく、問題解決に努めて信頼を回復できるように行動しましょう。

2. 情報の正確性やクオリティの担保が難しい

一般ユーザーが作成するUGCは、必ずしも情報が正確とは限らないうえに、クオリティに差が生まれやすいです。勘違いや悪意によって不確かな情報が記載されている可能性があるため、利用する際は事前のチェックが欠かせません。

また、掲載許可や権利関係の確認を怠ると他者の権利を侵害するリスクがある点にも注意しましょう。たとえば、投稿者から許可を得ずにUGCを使用すれば著作権の侵害です。そしてキャラクターや芸能人、他社商品のロゴが写り込んでいる場合は、商標権や肖像権を侵害している恐れもあります。

3. ステルスマーケティングをしない

ステルスマーケティングとは、インフルエンサーやモニターに商品や報酬を提供して紹介してもらう際に、PRであることを明示せずに投稿することです。景品表示法が改正された2023年10月1日以降、ステルスマーケティングへの刑事罰が定められました。

ステルスマーケティング規制に違反した場合、行為の撤回および再発防止を命じる措置命令が下されます。そして措置命令に従わなければ、2年以下の懲役または300万円以下の罰金のいずれか、悪質なケースでは両方が科されます。

インフルエンサーやモニターにUGCの案件をお願いする際は「PR」「広告」「タイアップ投稿」のように、ECサイトの依頼を受けていることがわかるように投稿してもらいましょう。

ステルスマーケティングについては関連記事の「ステマ規制の対象となる3つのケース!罰則と違反を防ぐ4つの対策も紹介」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

4. 薬機法に違反しない

医薬品や医薬部外品、化粧品のマーケティングを行う場合は、投稿者の属性を問わず薬機法の対象になります。薬機法とは医薬品や医療機器に関する広告において、誇大広告や誤解を招くような表示が禁止されている法律です。

「化粧品で美白効果をアピール」「サプリメントで病気が良くなった」などの表現は薬機法に抵触するため、LPやSNSへの掲載は控えましょう。

UGCをECサイト運営に活用するならFORCE-R

ECサイト運営にUGCを活用することで、コストを抑えながら顧客からの信頼度が高いコンテンツを制作できます。しかしネガティブな意見への対応や著作権・薬機法など、企業の信頼を損なわないために気を付けるべきポイントがたくさんあります。

「UGCが集まりやすい仕組みを作って売上アップにつなげたい」と考えている方は、ぜひFORCE-Rへご相談ください。ECサイト運営に詳しいコンサルタントが、UGCの集め方から効果測定までをトータルでサポートいたします。

まとめ|ECサイト運営にUGCを活用して売上を伸ばそう

商品を購入したユーザーのリアルな意見を参考にする人が増えたことによって、マーケティングにおいてUGCが注目されています。そしてECサイト運営にも役立つUGCを集めるためには、一般ユーザーが自社商品について投稿したくなる施策を実施することが大事です。

ただし、UGCの活用に失敗するとブランドイメージを損なう上に、売上にマイナスの影響を及ぼすリスクがあります。ブランドイメージを守りながらUGCを活用して売上アップを目指したい方は、ECサイト運営専門のコンサルタントに相談しましょう。

記事を書いた人

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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