アパレルECの市場規模と3つのトレンド!業界が抱える課題も解説

「自社サイトでアパレルを販売しているが、なかなか売上が伸びない…」
「アパレルのEC市場が伸びているって聞いたけど本当?」
「今後は市場のトレンドを取り入れていきたい」

自社ECサイトでアパレル用品を販売しており、上記のように悩んでいる方がいるのではないでしょうか。アパレルはEC化が進んでいる業界として注目を集めています。コロナ禍を経てネットショップで衣服を購入するユーザーが増えているため、アパレル業界ではECへの取り組みがさらに欠かせないものとなるでしょう。

本記事では、アパレル業界の市場規模とEC化率や課題、トレンドについて解説します。自社ECサイトにおけるアパレル販売を強化したい方は、ぜひ参考にしてください。

自社ECサイトの運営で必須な7つのチェックリスト

無料で資料を受け取る

アパレル業界におけるECの市場規模とEC化率は伸びている

経済産業省の調査によると、2022年におけるアパレル業界のEC市場規模は2兆5,499億円と、前年度比5.02%増という結果でした。EC化率も毎年伸び続けており、2022年は21.56%と2016年から6年間で約2倍になっています。このことから、ECサイトが衣類を購入する手段として、多くの方に浸透していることが分かります。

特にここ数年でEC化が大きく進んでいますが、最大の要因は新型コロナウイルスの影響です。ステイホームが推奨されたことで、衣類にかける支出自体は減少しています。その一方で、インターネットで衣服を買う習慣が定着していきました。ECサイトの利用が当たり前の時代になってきており、今後は実店舗とオンラインの併用がより一般化すると予想されています。

参照:経済産業省|令和4年度電子商取引に関する市場調査

アパレル業界はEC分野で5つの展開方法がある

アパレル業界におけるECの展開方法は主に5つあります。それぞれの特徴について詳しく解説しますので、自社に合った方法を判断するためにしっかりチェックしましょう。

1. ブランド・メーカー直販型

実店舗を持つメーカーや、ブランドが運営しているECサイトを指します。自社商品のみを取り扱うので、ブランドイメージを前面に出したECサイトを構築できます。またオンライン限定アイテムの販売や割引クーポン、送料無料キャンペーンなどの付加価値を付けることで、ユーザーのファン化や実店舗との差別化を図れる点もメリットです。

最近は店舗やECサイト、SNSなど複数のチャネルを連携させてユーザーにアプローチする「オムニチャネル」を実施している企業が増えています。ユーザーとの接点を増やして商品を購入したいと思ったタイミングで買えるようにすることで、売上アップを狙えます。

ただし集客は自社で一から行わなければならず、軌道に乗るまで時間がかかる点がデメリットです。

なお、オムニチャネルについて詳しく知りたい方は関連記事の「オムニチャネル戦略の5つの効果と実行方法を5ステップで解説【成功事例も紹介】」にて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2. モール型

モール型とは、さまざまなブランドが1つのサイトに集まったショッピングモールのようなECを指します。代表的なアパレル分野のモール型ECは、ZOZOTOWNです。ZOZOTOWNはアパレルに特化していますが、楽天やAmazonのように多種多様なジャンルを取り扱っている総合型のモールもあります。

大手ECモールは知名度が高く多くのユーザーに利用されるため、自社商品の露出を増やすことが期待できます。またECモールでは、ユーザーはカテゴリーやサイズなどの希望条件や検索キーワードを元に商品を探すことが多いです。そのためブランドの認知度が低くても、ユーザーのニーズに合う商品を販売できれば購入される可能性があります。

一方でテナント料や手数料などのランニングコストが発生し、一定以上の売上をあげないと利益が得られないことがあるため注意が必要です。

3. 個人経営型

個人や中小企業が独自にECサイトを運営しているケースもあります。近年はBASEなどのような低価格で簡単にネットショップを開設できるサービスが登場し、従来より初期コストを少なく始められるようになりました。

個人経営型では、大手のECサイトでは取り扱わないようなニッチな商品を展開できます。独自ルートで顧客開拓するケースも多く、セレクトショップのような立ち位置で他社との差別化を図れます。

一方で仕入から販売、顧客対応などさまざまな業務に対応しなければならず、運営の負担が大きくなる可能性があるでしょう。

4. フリマアプリ・ネットオークション型

オンライン上で消費者同士が取引をするプラットフォームとして、フリマアプリやネットオークションがあります。代表的なサービスはフリマアプリのメルカリや楽天ラクマ、ネットオークションのヤフオクなどです。

すでにプラットフォームが用意されているため、販売者は登録するだけですぐにサービスを始められます。商品の売買が成立する度に販売価格の10%前後の手数料を支払わなければなりませんが、初心者でも売上を作りやすいため自社ECサイトやモールよりも参入ハードルが低いです。

5. サブスクリプション型

月額料金を支払うことで、衣服やアクセサリーをレンタルできるサブスクリプションサービスの利用者が増えています。代表例として、メチャカリやairClosetなどがあります。

サブスクリプションは継続型の課金ビジネスのため、ユーザーを獲得できれば安定した利益を得られます。また初期費用を低く設定することで「お試しで使ってみよう」と考える人が多くなり、新規顧客を獲得しやすいです。

ただし、サブスクリプションはユーザー数の増加と継続的な利用によって売上が拡大するため、利用者数が少ないうちはなかなか利益が増えません。また解約を防ぐためにもサービスの改善や、ユーザーに魅力を感じてもらえるような新規コンテンツの追加などを続けていくことが求められます。

アパレル業界においてECが抱える4つの課題

アパレル業界のEC市場規模は拡大していますが、EC化率は約20%なのでまだまだ実店舗のニーズが高いことが分かります。ここでは、ECが発展するにあたって直面する課題について解説します。

1. アパレル市場自体の売上減少

アパレルのEC分野は成長を続けているものの、業界そのものの市場規模は1991年のピークを機に減少傾向です。低価格ブランドの普及や、少子高齢化が進み商品のターゲット層としている年代の人口減少などが重なり、国内市場で戦うには厳しい状況です。

そのため、国内だけでなく海外の需要を取り込んでいくことがカギとなります。新型コロナウイルスが落ち着いたことで外国人観光客が増加しており、インバウンド需要が回復傾向です。インバウンド対策の強化や越境ECの展開などにチャレンジすることで、活路を見出していくことが求められます。

参照:経済産業省|2030年に向けた繊維産業の展望

2. 実店舗の利便性が高い

全国にはアパレルの実店舗があり、アクセスも良いためまだまだ需要があります。経済産業省の報告書によると、アパレル店における1店舗あたりの人口は日本が904人であるのに対しアメリカは2,274人、イギリスは1,624人となっています。

つまり自宅の近くに百貨店やショッピングモールがあるため、わざわざECサイトで衣類を購入する必要性を感じられない方もいるということです。また実際に商品を確かめてから購入したいというニーズもあることから、実店舗で購入する方が多い状況でした。

しかしコロナ禍でECサイトの需要が伸び、販売方法が変化しつつあります。そこでECサイト上での満足度の高い顧客体験の提供や、実店舗とのシームレスな連携といった工夫により売上を伸ばすことが重要になっています。

参照:経済産業省|令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業

ECサイトの利便性向上に役立つEFOについては関連記事の「EFOとは入力フォームを改善して離脱を防ぐ施策|7つの手法と成功事例を紹介 」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3. 試着ができない

実店舗とは違って試着ができないため、素材の質感や着用のイメージが分かりづらい点もECサイトの課題です。特にサイズは衣服によって多少変わってくるので、選ぶハードルが高くなり購入をためらう方も多いです。

しかし、ここ数年でこのような問題をオンライン上で解決するためのサービスが増えており、ユーザーの不安を解消しつつあります。例えば、簡単な質問に応えることでユーザーに適したサイズを提案してくれるサービスを導入する企業が増えています。

他にも、店舗スタッフやモデルが商品を着用した写真をECサイトに掲載するなど、購入しやすい環境を作ることが重要です。

また商品の魅力やサイズ感を正確に伝えるためには「ささげ」の業務が重要になります。ささげに関しては関連記事の「ECサイトのささげとは「撮影・採寸・原稿」を指す用語!重要性とアウトソーシングのメリットを解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

4. 在庫管理が難しい

アパレル用品を自社ECサイトとモールで展開していく場合、在庫管理が難しくなってしまいます。例えばZOZOTOWNに出店する場合、モールで販売する商品はすべて専用の倉庫に納入する必要があります。

自社ECサイトの在庫と別々に管理しなければならず、一元管理ができません。このような場合、自社ECサイトで品切れの商品がモールでは販売されているなどの機会損失が発生する可能性が高いです。

そのため複数の販売チャネルを持つ場合は、物流業務のアウトソーシングや専用の在庫管理システムの導入などの対策が必要です。

アパレル業界のECにおける3つのトレンド

ECのアパレル販売で成功するためには、トレンドを押さえて素早く対応することが大切です。トレンドを押さえておくことで、市場の動向も把握しやすくなります。

ここでは、アパレル業界のECにおけるトレンドを3つ紹介します。

1. サステナブルファッション

サステナブルファッションとは、衣服の生産から廃棄までのサイクルが将来にわたって持続可能であることを目指し、地球環境や人間、社会に配慮した取り組みを指します。衣服の生産には二酸化炭素の排出や資源の消費といった「環境への負担」が生じるため、大量生産や大量消費、大量廃棄を改める意識が高まりを見せています。

実際に受注生産やリサイクル素材の使用など、大手アパレル企業を中心にサステナブルファッションの取り組みが進行中です。このように、アパレル業界においてサステナブルファッションは無視できないものとなっています。

2. オンライン接客

新型コロナウイルスの影響で在宅時間が長くなり、ネットショッピングを利用するユーザーが増えました。この動きに合わせて、アパレル業界ではECサイトのオンライン接客を強化する動きがみられています。

スタッフが商品を着用したコーディネート写真の掲載やバーチャル試着、チャット相談機能など実店舗に負けない顧客体験を提供する企業が多いです。このようにユーザーにとって使いやすいECサイトにすることで、ストレスなく購入に進んでもらえる可能性が高くなります。

3. ライブコマース

最近はSNSを活用して、ライブコマースに取り組む企業が増えています。ライブコマースとはSNSやECサイトで生配信をして自社商品を紹介し、ユーザーの購買意欲を高める手法です。

ライブ配信ではユーザーがリアルタイムで質問できるので、不安をその場で払しょくできるだけでなく、双方向のコミュニケーションを楽しめる点が魅力です。またスタッフが商品を着ながらライブ配信を行うことで雰囲気や素材感が伝わるので、ユーザーは自分の着用姿をイメージしやすくなり購入につながる可能性が高まります。

このようにライブコマースでは、ECサイト上で伝えきれない商品の魅力を発信できるため売上アップに効果的です。

ECでアパレルの売上をアップさせるならFORCE-R

ECでアパレル用品の売上を伸ばす施策を知りたい方は、ぜひFORCE-Rへご相談ください。実店舗のニーズが強いアパレル業界で売上を伸ばすには、さまざまなマーケティング施策を実施することが大切です。

FORCE-Rでは、アパレル業界に特化したコンサルタントが自社ECサイトの成功に導きます。戦略の提案はもちろん、トレンドのオンライン接客やライブコマースのノウハウもあるので、市場の動きに合わせて素早い対応が可能です。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>

まとめ|ECのアパレル販売で成功するには戦略が重要

ここ数年でアパレル業界のEC市場規模は急速に拡大し、参入企業も増えています。しかし世界と比べると日本は実店舗が多く、まだまだ需要が高いことが分かっています。このような状況の中で成功するためには、満足度の高い顧客体験の提供やトレンドを取り入れていく動きが重要です。

FORCE-Rでは、企業の状況に合わせたECの展開方法やトレンドの取り入れ方などを提案しながら、運用面でもサポートさせていただきます。ECサイトでアパレル用品の売上が伸びなくて悩んでいる方は、まずはお気軽にFORCE-Rへお問い合わせください。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>


記事を書いた人

アバター画像

執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

記事カテゴリー

Amazon
EC
SEO
Web広告
Yahoo!ショッピング
セミナー
楽天市場

人気記事ランキング

TOP