「バスケット分析を行うことで得られる効用は?」
「客単価アップにつながる施策を検討したい」
「バスケット分析をECサイト運用に活用する方法が知りたい」
このような疑問や要望をお持ちではありませんか。バスケット分析は顧客が同時に購入している商品を分析することで、売れ行きの良い組み合わせを分析する方法です。購買データがあれば手軽に分析可能です。
本記事では、バスケット分析の特徴や手順を詳しく解説していきます。あわせて活用目的や注意点も紹介しますので、商品同士の組み合わせを詳しく分析したい担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。
| 重要項目 | 概要 | 施策内容 |
| バスケット分析は「同時購入データ」から購買傾向を把握する手法 | 顧客が一緒に購入している商品を分析することで、単品分析では見えない購買背景や相関関係を把握できる | POSデータや購買履歴をもとに、支持度・信頼度・期待信頼度・リフト値を算出して分析する |
| 客単価アップや顧客満足度向上に活用できる | よく一緒に買われる商品をもとに、陳列改善やレコメンド、セット販売などの施策を実行できる | クロスセル施策、同時購入キャンペーン、導線改善、関連商品のおすすめ表示を行う |
| 数値だけで判断せず、仮説立てと施策設計まで行うことが重要 | リフト値が高くても、そのまま施策化すると違和感のある組み合わせになる可能性がある | 売れ筋商品の除外、顧客視点で自然な組み合わせの確認、分析結果から購買背景を仮説化して施策へつなげる |
| <本記事から分かるポイント> ・バスケット分析は、同時購入された商品の組み合わせから顧客の購買傾向を把握する手法である ・支持度・信頼度・期待信頼度・リフト値を用いることで、関連性の高い商品同士を見つけられる ・分析結果を活用すると、レコメンドやセット販売、陳列改善などで客単価アップを狙える ・単に売れ筋商品を見るだけでは分からない、顧客の利用シーンや購買背景を読み解ける ・分析結果は数値だけで終わらせず、仮説を立てて販売施策に反映することが重要である |
Contents
バスケット分析とは?4つの指標も解説

バスケット分析は、顧客が購入した商品の組み合わせを分析することで、顧客満足度の向上や単価のアップを実現する分析手法です。商品単体で分析していた際には、見つけられなかった気づきが得られます。
購入単価の低さやセット販売している商品の売れ行きの悪さに悩んでいる場合は、積極的にバスケット分析を行ってみましょう。
1. バスケット分析とは
バスケット分析は、顧客が同時に購入している商品の組み合わせを分析する手法です。レジに持っていくバスケットの中身を調べていたことから、バスケット分析と呼ばれるようになりました。近年では、購入する際にレジで読み取った「POSデータ」をもとにして分析を行います。
データの中から相関関係を見つけ出すアソシエーション分析の1種で、マーケットバスケット分析と呼ばれることもあります。
このことにより、多くの母親が「買い物時にかさばるおむつを仕事終わりの父親に依頼して買ってもらっているのではないか」と仮説が立てられました。分析結果をもとに、陳列方法を工夫することで売上アップに寄与できた事例です。
バスケット分析を行うことで、それぞれの商品のターゲットを考えているだけでは気付けない、人物像や背景が理解できるようになります。
2. 分析に用いる4つの指標

バスケット分析を行う際には、以下の4つの指標を用います。ここでは商品AとBの相関を見る分析とします。
| 指標 | 計算式 |
| 支持度 | 同時に購入した顧客数/購入者全体 |
| 信頼度 | 商品A・Bの同時購入者数/商品Aの購入者数 |
| 期待信頼度 | 商品Bの購入者数/購入者全体 |
| リフト値 | 信頼度/期待信頼度 |
バスケット分析において、最終指標はリフト値です。他の3つの指標はリフト値を求めるために活用します。リフト値が1を超える場合、商品Bは商品Aと一緒に購入される確率が高いと判断できます。
関連記事:デシル分析は累積購入金額で顧客をランク分けする手法!実践方法も4ステップで解説
バスケット分析で見えてくること|単なる“併売確認”ではない理由
バスケット分析は、商品同士の組み合わせを把握するだけの手法ではありません。購買データをもとに顧客の行動や意思決定の背景まで読み取れる点に価値があります。ここでは、具体的にどのような発見が得られるのかを詳しく見ていきましょう。
購入の組み合わせから顧客の行動背景を読み解ける
バスケット分析の本質は、商品の同時購入から顧客の行動理由を推測できる点にあります。単に売れている商品を把握するだけでは、なぜ選ばれているのかまでは分かりません。一方で、複数商品の組み合わせを確認すると、利用シーンや目的が浮かび上がります。
たとえば、特定の食品と調味料が一緒に購入されていれば、調理用途が想定できます。こうした傾向を読み解くことで、売場づくりや訴求内容の精度が高まります。数字の裏側にある顧客の意図を考えることで、より納得感のある施策設計につなげることが可能です。
売れ筋商品だけを見ていては気づけない発見がある
単品ごとの売上分析では、人気商品の動きは把握できても、商品同士の関係性までは見えてきません。バスケット分析を活用すると、販売数が目立たない商品であっても、特定の商品と組み合わさることで価値が生まれているケースに気づけます。
売上ランキングだけでは埋もれてしまう商品にも役割が存在している可能性があります。こうした視点を持つことで、商品配置やセット提案の幅が広がるでしょう。売れている理由を深く理解するためには、単品ではなく組み合わせで考えることが重要です。
まず押さえたい、数値の見方で迷わないための考え方
指標の計算方法を理解しただけでは、分析結果を正しく活用することはできません。数値の意味をどのように解釈するかが重要です。ここでは、判断を誤らないために意識したいポイントを解説します。
リフト値だけで判断しないほうがよいケース
リフト値は商品同士の関連性を示す便利な指標ですが、単独で判断材料とするのは注意が必要です。数値が高くても、対象となる購買件数が極端に少ない場合、実務に活かしにくい可能性があります。
また、特定の期間や条件に偏ったデータで算出された場合、再現性に欠けることも考えられます。判断の精度を高めるためには、支持度や信頼度とあわせて確認することが重要です。複数の指標を組み合わせて評価することで、実際の施策に適した組み合わせを見極めやすくなります。
購入件数の多さと関連性の強さは同じではない
購入数が多い組み合わせが必ずしも強い関係性を持つとは限りません。販売数が多い商品は、多くの組み合わせに含まれやすいため、関連性が高いように見える場合があります。
しかし実際には、単純に購入者数が多いだけというケースも存在します。関連性を正しく判断するためには、全体に占める割合や比較指標を用いる必要があります。数字の大きさだけに注目せず、比率や背景まで考慮することで、より精度の高い分析が実現できます。
バスケット分析の手順3ステップ

バスケット分析を行う際、最後に求める指標は「リフト値」です。リフト値を求めるために、購買データをもとにして3つの指標を順に計算します。
Excelやスプレッドシートを用いることで、専門知識やスキルがなくとも簡単に計算可能です。ここで詳しく解説していきますので、ぜひ実践してみましょう。
1. 支持度を計算して分析対象を決める
まず、分析したい期間の購買データを用意しましょう。分母となるデータが多いほど、信頼度の高い結果となるため、できる限り長期間で分析を行います。
データが準備できたら、どのような商品同士の組み合わせで購入されているかを調べるため、支持度を求めていきます。
支持度はExcelやスプレッドシートを用いて、以下の表のように購入を1、未購入を0と割り振りましょう。
| 商品1 | 商品2 | 商品3 | 商品4 | ・・・ | |
| Aさん | 1 | 1 | 0 | 0 | |
| Bさん | 1 | 1 | 0 | 1 | |
| Cさん | 0 | 1 | 0 | 0 | |
| ・・・ |
表が完成したら、COUNTIFS関数を用いることで同時購入されている商品を探します。COUNTIFS関数は複数の条件に合致するセル数を数えるための関数です。商品A、商品Bがともに1である場合は、同時購入されていることがわかります。
すべての商品の同時購入数を求めたあと、それぞれの支持度を計算しましょう。支持度は「同時に購入した顧客数/購入者全体」で求められます。
その中でも特に支持度の高い商品が、バスケット分析の対象です。なお、この後の分析は、商品Aを購入した人が商品Bも購入するかどうかを計算していきます。
2. 信頼度・期待信頼度を求める
続いて、信頼度と期待信頼度を順に計算していきましょう。信頼度は商品Aが買われた場合に、どのくらいの確率で商品Bも購入されているかを表す数値です。以下の式で計算します。
信頼度=商品A・Bの同時購入者数/商品Aの購入者数
信頼度が計算できたら、商品B自体がどのくらいの方に購入されているかを調べます。商品B自体がほとんど買われていない場合や単独で購入されている確率が高い場合もあるため、商品Aとの関連度を調べる際に活用します。以下の式で計算しましょう。
期待信頼度=商品Bの購入者数/購入者全体
信頼度・期待信頼度の両方が算出できたら、リフト値を求めます。
3. リフト値を求めて施策に活かす
リフト値は、全ての商品の中でBが購入されている割合のうち、AとBが同時に購入されている割合を調べたものです。つまり、2つの商品が同時に買われている確率がどのくらいあるかを示します。計算式は以下のとおりです。
リフト値=信頼度/期待信頼度
リフト値が1を超える場合には、2つの商品が同時購入される場合が多いことを示します。逆に1を切っている場合は、同時購入も多いが「どちらかの商品が単独で買われることも多い」ため、関連性が高いとは言い切れないと分析できます。
同時に購入されやすい商品がわかったあとは、陳列方法の工夫やキャンペーンの実施など、顧客に適切に商品を届けるための施策を検討していきましょう。
バスケット分析を行う2つの目的

バスケット分析を行うことで、同時に購入される商品の組み合わせが明らかになります。データをもとに購買行動の仮説を立てることで、顧客により良い購買体験を提供できるようになります。
ここではバスケット分析を行う2つのメリットを解説するため、顧客満足度や顧客単価にお悩みの担当者は、ぜひ参考にしてください。
1. 顧客満足度の向上
よく一緒に買われる商品が分かれば、手に取りやすいように2つの商品を近くに配置することや、同時購入時の割引キャンペーンの施策が打ち出せます。
配置や導線の工夫により、探す手間や買い忘れ防止につながり、顧客の購買体験は高まります。また従来一緒に購入している商品であれば、安価で購入できることをメリットに感じてもらえるでしょう。
このように、顧客のニーズにあった購買体験を提供することで、よりスムーズにお得な買い物ができるようになり、顧客満足度の向上が期待できます。
2. 顧客単価アップ
配置変更やキャンペーンの実施により、今までは同時に購入していなかった層にも、購入のきっかけを提供することが可能です。「近くにあったから」「ちょっと安かったから」とついでに購入してくれる顧客が増えることで、顧客単価のアップが期待できます。
ECサイト内でも、同時購入されやすい商品をおすすめするクロスセル施策を行うことで、顧客1人当たりの購入単価のアップが狙えます。
なお、スニーカー購入者に消臭スプレーをおすすめするような、関連商品を紹介することで単価アップを狙うクロスセルについては、関連記事「アップセルとクロスセルの違いとは?売上向上につながる3つのポイントや成功事例も紹介」で詳しく解説しています。
バスケット分析を行う際の3つの注意点

バスケット分析を行い、リフト値の高い商品があったとしても、必ずしも関連性が高いとは言い切れません。結果をそのまま受け止めて販売施策を立案する前に、一度立ち止まるようにしましょう。
ここでは気をつけたい3つの注意点を解説していくため、分析を行う前に確認してください。
1. 元々売れ行きの良い商品は分析に含めない
日頃から売れ行きの良い商品は、分析対象から除外しましょう。販売数の多い商品を含めてしまうと、組み合わせの傾向が読み取りづらくなるリスクがあります。例えば、コーヒーやお茶などの飲料類が例としてあげられます。
世代や性別、シーズンを問わず購入数が高い商品は、分析対象から外すようにしてください。
2. 顧客の反応が良くなる組み合わせを考える
実際に商品を配置する際や同時購入キャンペーンを打ち出すときには、顧客の反応が上がりそうな組み合わせであるか分析前に想像してみましょう。
分析結果が相関性のあるデータだとしても、実際に隣に並べた際に顧客が違和感を覚える組み合わせであれば、売り上げが上がりにくいと予想できます。
例えば、制汗スプレーとお米やジュースとリュックが隣に並べられていたら、少し違和感を覚えてしまいます。代表事例である「おむつとビール」は新しい発見として注目されましたが、異なるジャンルやカテゴリを分析する際には、実際に隣に並べた際に自然であるかを確認しておきましょう。
異なるジャンルやカテゴリの場合には「同じ通路沿いに並べる」「ジャンルごとの合わせ買いセールを行う」といった、分析した商品に合わせた施策を打ち出していく工夫も重要です。
3. 結果をもとに仮説を立てる
分析結果が出た後は、なぜその結果になったか仮説を立てるようにしてみましょう。例えば、オレンジジュースと風邪薬の相関性が強かった場合「初期症状で早く治したいと思っている方が薬と一緒にビタミンを取ろうとしている」という仮説が立てられます。
仮説を立てることで、配置や訴求文を考える際の参考になります。また、ビタミンのサプリを一緒におくという、新しい組み合わせに気付ける可能性もあるため、仮説立案は丁寧に行いましょう。
関連記事:アシストコンバージョンの意味とECサイト運営の分析において必要となる理由を解説
バスケット分析を実施するならFORCE-R

バスケット分析は、よく一緒に買われる商品の組み合わせを見つけることで、マーケティング施策に活用することが目的です。適切に分析を行えば、顧客満足度の向上や顧客単価のアップにつながります。
顧客がどのような背景から商品を選んでいるかを考えることで、新しい販売戦略につなげる機会も得られます。
結果をもとにした仮説立てやどんな施策を打ち出すか考えることが、バスケット分析の中で最も重要です。自社内で知見がない場合は、プロに頼ることで効率的・効果的な分析を行えます。
FORCE-Rでは、専門スタッフがバスケット分析の実施支援はもちろん、仮説立てや改善案の立案まで、一気通貫でサポート可能です。さらに、将来的に自社で運用できるような支援も同時に行いますので、お気軽にご相談ください。
まとめ|バスケット分析を用いて顧客単価アップを狙おう

バスケット分析は、購買データがあればExcelやスプレッドシートで簡単に分析可能です。ただし分析結果をもとに仮説や施策を考えることが最も重要であり、難易度の高いプロセスです。分析を販売・マーケティング戦略に適切に反映させるためには、知見のある専門家に相談しましょう。
FORCE-Rでは、顧客単価アップや満足度向上などの目的に合わせた分析の設計から、実際に施策に移すまでをすべて専門スタッフがサポートします。バスケット分析を実施する上で、少しでも不安な点がある方は、お気軽にご相談ください。