「Web集客におけるアシストコンバージョンの意味を理解したい」
「アシストコンバージョン分析はなぜ必要?」
「獲得効率を意識すると購入件数が下がるため施策が頭打ちになっている」
アシストコンバージョンに関連して、上記のような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。集客施策を分析しているなかで、獲得効率を意識したところ購入件数が下がってしまうのは良くあるケースです。この場合、アシストコンバージョンが獲得できている施策をやめてしまったことが、原因として考えられます。
そこで本記事では、SEOや広告といった流入施策の分析時に、アシストコンバージョンが重要な理由を解説します。広告経由での費用対効果について、より詳しく分析できるようになりたい方はぜひ参考にしてください。
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Contents
アシストコンバージョンとは間接効果を測る指標のこと
アシストコンバージョンとは、成約などの「目標」に対して間接的に貢献した数値を指します。最初にサイトを訪れた時点ではコンバージョンしなかったものの、経由した広告や媒体が購入意欲を高めており、その後の申込や成約に貢献しているケースです。そのほかの呼び方として、間接コンバージョンとも言われます。
分析ツールでアシストコンバージョンが計測できる主な経路やチャネルは、以下のとおりです。
- 自然検索
- リスティング広告
- SNS(広告含む)
- メルマガ
- LINE
アシストコンバージョンは、流入経路ごとに計測されやすさが変わります。例えばブランド名などで検索される自然検索やリスティング広告では、すでに商品を認知しているケースが多いためアシストコンバージョンはあまり計測されません。
アシストコンバージョンの具体例を紹介
ここではアパレル業種の事例を参考に、アシストコンバージョンが発生するケースを解説します。「レディース 春物」で検索した際に、以下の6つの段階を経て購入に至った事例を見ていきましょう。
- 「レディース 春物」で検索
- リスティング広告をクリックしてアパレルサイトAを閲覧
- 興味はあるが他の商品も探したいためサイトを離脱
- 後日アパレルサイトAのバナー広告を見て必要性を感じてクリック
- 購入前に口コミを調べたいため離脱
- アパレルサイトAで検索して公式サイトで購入
上記の場合、自然検索によるコンバージョンの数値として計測されます。一方でリスティング広告によって商品やブランドを知り、バナー広告で購入意欲が高まっていると考えられるため、この2つの要素がなければコンバージョンにいたっていません。そのためリスティング広告とバナー広告も商品購入に関与していると考えられ、アシストコンバージョンとして計測できます。
アシストコンバージョンと関連する用語との違い
分析ツールで数値を集計する際に、アシストコンバージョンと混在しやすい用語が2つあります。分析時に混乱しないよう、言葉の意味をきちんと理解しておきましょう。
1. 直接コンバージョン
直接コンバージョンは、購入する直前の流入経路に対する指標です。複数の流入経路を経由してコンバージョンした場合は、終点となる媒体やチャネルで計測されます。
検索ニーズをもって行動している自然検索やリスティング広告、ブックマーク流入などで数値が計測されやすくなります。Web広告では、直接コンバージョンで見た際の件数や獲得単価で数値を判断するのが一般的です。
一方でアシストコンバージョンは、終点以外で購入までに貢献した経路のすべてが対象です。そのため複数の媒体やチャネルを経由した場合、直接コンバージョン以外はアシストコンバージョンの扱いになります。
2. ビュースルーコンバージョン
ビュースルーコンバージョンは、広告が表示されてクリックされなかったものの、ユーザーが別の経路でコンバージョンした場合に計上される指標です。この場合は広告を見たことで商品やブランドの存在を知り、ユーザーの行動に影響を与えたと考えます。
アシストコンバージョンとビュースルーコンバージョンの違いは、広告をクリックしてサイトに流入させているかです。アシストコンバージョンはクリックしなければ計測されず、ビュースルーコンバージョンは広告の表示のみで集計対象になります。ビュースルーコンバージョンは、バナー広告やSNS広告で集計されることが多い指標です。
アシストコンバージョンの分析が重要な2つの理由
アシストコンバージョンの数値を分析することが重要な理由が、大きくわけて2つあります。それぞれ理解しておかないと数値を分析する際に、商品購入に影響を与えているにもかかわらず施策を停止してしまうなど、ミスリードを招くため注意が必要です。
1. 分析精度が高まる
流入施策の成果を判断する際に、アシストコンバージョンを取り入れることで分析精度が高まります。直接コンバージョンだけの数値では、施策の効果を判断するのは難しいです。例えばブランド名で検索して最終的に購入したユーザーの場合、どのような流れでサイトに訪れたのかは、直接コンバージョンの数値だけではわかりません。
ディスプレイ広告のような新規ユーザーへのアプローチが多い施策は、間接的に購入や申込へ関与していても直接コンバージョンとしては計測されにくくなります。アシストコンバージョンを計測することで施策の分析精度が高まり、成果を正しく判断できるようになるため、売上アップにつなげられます。
ディスプレイ広告については、関連記事の「ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違い、費用やメリットを解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
2. 成果の出やすい広告予算の配分ができる
アシストコンバージョンを考慮せずに分析を行うと、広告のCPAは改善するものの、獲得件数が減少してしまう状況に陥る可能性があります。CPAとは「Cost Per Action」の略で顧客獲得単価のことを指し、Web広告の良し悪しを判断する指標として利用されています。
直接コンバージョンだけで広告の費用対効果を判断すると、CPAが安いリスティング広告へ予算を配分してしまいやすくなるからです。
リスティング広告については、関連記事の「リスティング広告はキーワードが命!6ステップの選定方法を解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
アシストコンバージョンをGA4で確認する方法
GA4におけるアシストコンバージョンの測定方法は、以下の手順です。
- 「広告」を選ぶ
- 「アトリビューション」内の「コンバージョン経路」を選んで確認する
アシストコンバージョンを測定するには、GA4のタグがサンクスページに埋められており、数値を計測できる状態にしておく必要があります。また広告のURLにGA計測用のパラメータを付与している場合は、GA4で「参照元」や「メディア」の項目にて、個別で数値を確認できます。
アシストコンバージョンを分析する際は適切な評価モデルを選択し、各広告のCVへの貢献度を判定することが重要です。評価モデルについては、関連記事の「アトリビューション分析は広告の効果検証に重要!5つの評価モデルと分析手順を解説」にて詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
アシストコンバージョンが活用できる3つの施策
アシストコンバージョンの数値を分析しても、施策に活用できなければ意味がありません。購入につながっている施策を誤って停止してしまわないよう、活用方法についても理解しておきましょう。
1. SEO対策
自然検索の流入が減少した際に、アシストコンバージョンの件数と連動している場合があります。検索順位に変動があった場合は、アクセス数だけでなくアシストコンバージョンも下がっていないか確認しましょう。
化粧品ECであれば購入件数が減少した際に、自然検索で「肌荒れ 治す」などの潜在層ワードで流入が下がり、購入件数の減少につながっている可能性があります。「肌荒れ 治す」で自社サイトを知る機会がなくなり、ブランド名や商品名ワードでの購入件数が減少していると考えられるからです。
そのため直接コンバージョンだけの分析では、獲得件数の減少要因に気づけない場合があります。自然検索による流入数が低下した際に、購入件数も減少している場合は、アシストコンバージョンの数値も合わせて確認するようにしましょう。
SEO対策については、関連記事の「【必見】ECサイトにSEO対策が有効な2つの理由!対策方法についても解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
2. Google広告
Google広告では間接的に購入へ関与したキーワードを、成果として反映させる手法があります。Google広告におけるコンバージョン計測は、DDA(データドリブンアトリビューション)での計測が可能です。
DDAとは、コンバージョンするまでに接触したすべての広告に対して、Google側で自動的に貢献度を割り当てる仕組みです。一般的なラストクリック(直接コンバージョン)での計測だと、直前の購入につながったキーワードしかコンバージョンはつきません。一方でDDAは、初期や中間地点など役割に合わせて数値を割り振ります。
DDAの仕組みを取り入れることで「どのキーワードがコンバージョンに関与しているか」といった、より詳細な分析が可能です。
3. SNS広告
SNS広告の費用対効果を測るうえで、アシストコンバージョンは大きな役割を果たします。SNS広告は基本的に新規ユーザーへのアプローチが多いため、直接コンバージョンによるCPAだと費用対効果が悪く見えやすいからです。
SNS広告の場合はサイトを訪れてその後離脱したあとに、ブランド名で検索して購入するケースがあります。そのためSNS広告から直接コンバージョンしなくても、ブランド指名での流入に寄与しているケースが考えられます。SNS広告の成果を正しく判断するために、間接効果も考慮したうえで判断しましょう。
SNS広告については、関連記事の「SNS広告とは?費用・メリット・効果・成功事例をわかりやすく解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
アシストコンバージョン分析における2つの注意点
施策の分析精度を高められるアシストコンバージョンですが、取り入れる際に注意点があります。理解しておかないと正しい数値を導き出せないケースがあるため、1つずつ見ていきましょう。
1. 計測に時間がかかる
アシストコンバージョン計測の注意点は、集計期間が短いと正しく数値を取得できないケースがある点です。とくに単価が高くて検討期間が長い商品などは、広告をクリックして日がたってから計上されます。
取り扱っている商品によっては、広告をクリックしてから1日以内に購入するケースもあれば、30日以上経過してから数値が計測される場合もあります。購入までの検討期間が長い場合は、計測に時間がかかることを理解しておきましょう。
2. 設定によって集計方法が変わる
広告に設定する計測パラメータのつけかた次第では、数値の集計方法が変わります。例えばSNS広告は、設定方法次第ではGA4内で「Display」や「Direct」に分かれる場合があるため、社内でパラメータの定義を確認しておきましょう。
またパラメータの定義は、広告の運用者や管理者が変わるタイミングで、混在しやすくなるため注意が必要です。担当者が変わっても正しく管理できるように、Excelやスプレッドシートを活用して整理しておきましょう。
ECサイトにおける数値分析に不安があるならFORCE-Rへ相談
ECサイトにおける数値は、獲得件数以外にもさまざまな指標があります。施策の実施に時間が取られてしまい、分析までリソースをまわせていないというケースは多いです。アシストコンバージョンを含む数値分析に不安がある場合は、FORCE-Rへご相談ください。
FORCE-RであればEC領域の改善実績が豊富であり、分析方法はもちろん数値をもとに施策へ落とし込むノウハウがあります。またFORCE-Rはコンサルティングサービスを行っているため、数値分析のサポートや施策立案など、リソースが不足している部分のみの対応も可能です。
まとめ|アシストコンバージョンの数値を集計して施策の分析精度を高めよう
アシストコンバージョンは、その時に直接購入や申込はしなかったものの、間接的にコンバージョンに影響を与えた訪問を指します。施策の分析精度を高めるためには、直接コンバージョン以外の間接効果にも目を向けましょう。
ECサイトでは、アシストコンバージョン以外にも多くの指標があります。数値の分析に課題を感じている場合は、FORCE-Rへお気軽にご相談ください。アシストコンバージョンの数値分析はもちろんのこと、Web広告の運用から商品ページの改善など、ECサイト運営に関連する幅広い領域で施策の提案が可能です。専任のコンサルタントが、ご要望に合わせて全力でサポートいたします。