「ECサイトにレスポンシブデザインを適用するとどんな効果がある?」
「レスポンシブデザインで制作するときの注意点は?」
「レスポンシブデザインのECサイトを作る方法が知りたい」
ECサイトのレスポンシブ化について、上記のような疑問を抱えていないでしょうか。レスポンシブデザインで制作されたECサイトでは、ユーザーが離脱しにくいだけでなく管理にかかる工数の削減が可能です。
本記事では、ECサイトにレスポンシブデザインを適用する具体的なメリットや実装方法を解説します。レスポンシブデザインを適用し、管理のコストを軽減したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
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Contents
レスポンシブデザインとは?必要な理由を解説
レスポンシブデザインとは、閲覧するデバイスの画面サイズに応じて見やすいレイアウトで表示させる手法を指します。現代のインターネットの閲覧方法はパソコンよりスマホが主流であり、デバイスに合わせたレイアウトの最適化が重要です。
総務省の調査によると、世帯ごとのデバイス保有状況についてはパソコンが69.0%と横ばいの一方、スマホは増加傾向にあり90.1%の家庭で使用されています。個人のインターネット利用方法は、パソコンの48.5%をスマホの71.2%が大きく上回っている状況です。
また2018年3月、Googleは「モバイルファースト インデックス」の開始を正式に発表しました。モバイル版のサイトをSEOの評価基準と定める内容で、スマホからページを閲覧するユーザーが重視されていることが分かります。スマホから閲覧するユーザーを顧客として取り込むために、レスポンシブデザインの適用を検討しましょう。
参照:総務省|令和4年通信利用動向調査の結果
Google|モバイル ファースト インデックスの展開
ECサイトをレスポンシブデザインにする5つのメリット
ECサイトをレスポンシブデザインで制作する際は、利点を活かせるような初期設計や運用が大切です。ここでは、レスポンシブデザインの具体的なメリットを5つ紹介します。自社のECサイトで有効活用できるよう、レスポンシブデザインについての理解を深めましょう。
1. ユーザーの離脱を防止できる
パソコン版のページをそのままスマホで表示させると、レイアウトが崩れて読みにくくなり、ECサイトを訪れたユーザーは離脱しやすくなります。そこでレスポンシブデザインを適用すれば、各デバイスから読みやすいレイアウトになり、ユーザーの離脱防止が可能です。
レスポンシブデザイン以外でレイアウトを崩さない方法として、デバイスごとのページを用意し、パソコン版からスマホ版へとリダイレクトさせる仕様があります。ただし、リダイレクトさせる場合はECサイトの表示に時間がかかり、ユーザーがストレスを感じやすいため注意が必要です。
レスポンシブデザインのECサイトでは、リダイレクトするよりページの表示速度が早いため、ユーザーの離脱を防ぐ効果が期待できます。
2. 管理工数を削減できる
レスポンシブデザインを適用すると、ECサイトの更新や修正を一括で行えるため、管理の工数を削減できます。レスポンシブデザインは、1つのHTMLファイルでページを制作し、各デバイスの画面幅に合わせて表示サイズを変更する仕様です。
パソコン版とスマホ版で別々にページを制作した場合、商品情報やデザインなどを更新する際にそれぞれのHTMLファイルを編集する必要があります。一方でレスポンシブデザインで制作すれば、編集するのは1つのHTMLファイルのみです。
そしてレスポンシブデザインでは、編集の必要な箇所自体が減るため修正漏れのリスクを減らせます。ECサイトの管理にかかる工数を抑えたい方は、レスポンシブデザインの適用を検討しましょう。
3. SEO対策に有効
SEO対策の観点では、アクセス数を集めているサイトの方が検索エンジンから高く評価されるという特徴があります。デバイスごとに別々のページを制作した場合、それぞれに異なるURLが設定され、サイトへの評価が分散しやすいため注意が必要です。
レスポンシブデザインを適用すればURLを統一でき、アクセスを集約できるため正しく評価されます。またURLが1つであれば、メルマガでの誘導先やSNSで共有するリンクの統一が可能です。被リンクを集中させられ、検索エンジンからの評価を高めやすくなります。
ただしレスポンシブデザインで制作する際に、パソコン版で表示していたコンテンツをスマホ版ページで大きく削ってしまうと、SEOに悪影響となるため注意が必要です。
ECサイトにおけるSEO対策については関連記事の「【必見】ECサイトにSEO対策が有効な2つの理由!対策方法についても解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
4. アクセス解析がしやすくなる
ECサイトの売上を伸ばすには、定期的にアクセス解析を行い、ページ内の課題を把握し改善していくことが重要です。デバイスごとに複数のページを用意した場合、アクセス解析はそれぞれURLごとに行わなければならず手間がかかります。
レスポンシブデザインで制作すればURLを統一できるため、一括でアクセス解析が可能です。アクセス解析にかかる工数を削減したい方は、レスポンシブデザインの適用を検討しましょう。
5. 制作コストを抑えられる
デバイスごとに別々のページを用意するより、レスポンシブデザインで制作する方がコストを抑えられる場合があります。別々のページを用意するにはデバイスの数だけファイルの制作が必要ですが、レスポンシブデザインでは1セットの作成のみです。
Web制作会社にレスポンシブデザインの新規ページ制作を依頼する場合は、パソコン版とスマホ版の2種類を用意するときの50〜100%の費用に抑えられます。また既存ページをレスポンシブデザインに対応する場合の費用相場は、1ページあたり1〜3.5万円です。
使用する画像の数や、表示させるページの切り替え値である「ブレイクポイント」を増やすと制作コストが高くなる場合があるため、予算と見積もりを照らし合わせて検討しましょう。
ECサイトをレスポンシブデザインにする際の4つの注意点
ECサイトをレスポンシブデザインで制作するにあたり、4つの注意点と対策方法を解説します。ポイントを押さえていないとユーザーの離脱につながるだけでなく、SEOに悪影響を及ぼす可能性があるため事前に確認しておきしましょう。
1. 設計や制作に時間がかかる
レスポンシブデザインでは制作後の仕様変更や機能追加が難しいため、設計段階で詳細まで決めておく必要があります。ECサイトの階層構造や導線によっては、ユーザーがストレスを感じてCVRの低下につながるため、使いやすさを考慮した設計が大切です。
またレスポンシブデザインではデバイスに合わせてコーディングが必要で、CSSが複雑化しやすいため制作に時間がかかります。設計や制作にかかる時間を短縮するには、テンプレートを活用するかWeb制作会社に依頼するのがおすすめです。
2. スマホでの表示速度が遅くなる場合がある
レスポンシブデザインのECサイトをスマホで表示させる際、パソコン版のコードも読み込むことでページの表示速度が遅くなるリスクには注意が必要です。
リダイレクトを省いていても、大きなサイズの画像ファイルやパソコン版のCSSを読み込む設定にしていると、ページの表示速度が落ちる場合があります。レスポンシブデザインを適用する際は、ページの表示速度を落とさない設定が必要です。
ページの表示速度を落とさない設定としては、以下のような方法が挙げられます。
- 画像ファイルはリサイズして使用
- CSSのコードを圧縮
- Webフォントではなくシステムフォントを使用
レスポンシブデザインを適用する際には、ページの表示速度を落とさないよう意識して制作しましょう。
3. デザインの自由度が低い
デバイスごとのページを制作する場合に比べ、レスポンシブデザインでは制約される点が多くあります。例えばレスポンシブデザインでは、表示するレイアウトをデバイスごとで大きくは変えられません。
またスマホの表示速度を優先させる場合、好みのフォントの使用や動画を掲載しづらいことに注意しましょう。結果的に他サイトと似たようなシンプルなデザインになり、自社の独自性を出しづらくなります。
制作する際は「デザインに制約の多いスマホ版ページから作る」「CVを重視するLPはデバイス特化で用意する」など、作成方法を工夫するのがおすすめです。
独自性の高いECサイトにする方法については関連記事の「ECサイトの運営と集客で他社と差をつける方法!差別化につながる6つのポイントを紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
4. テキスト量の調整が必要
レスポンシブデザインを適用する際は、デバイスに合わせてテキスト量の調整が必要な点に注意しましょう。パソコン版ではSEOの観点から、ある程度のテキスト量が必要とされています。正確な情報を網羅的に掲載しているサイトの方が、検索エンジンから高く評価され上位表示されやすくなるためです。
一方でスマホは画面が小さいため、テキスト量が多いとユーザーは読みづらく感じ、離脱しやすくなります。スマホから閲覧するユーザーは直感的でイメージしやすいECサイトを好むため、テキスト量を抑えて画像を多く取り入れるのがおすすめです。
ただしスマホ版でテキスト量を減らし過ぎると、必要な情報が得られずユーザーがストレスを感じ離脱する恐れがあるため、文字数と画像のバランスに注意しましょう。
ECサイトをレスポンシブデザインにする手順
ここでは、ECサイトをレスポンシブデザインで制作する手順を解説します。新しいECサイトを自社で制作したい方や、現在のページにレスポンシブデザインを適用したい担当者さまは、ぜひ参考にしてください。
1. ブレイクポイントの決定
「ブレイクポイント」とは、表示させるページのCSSの切り替えを行う画面幅の値です。ブレイクポイントは、デバイスそのものの画面サイズより閲覧時のサイズを意識して設定します。
「StatCounter」の統計データから、日本で使用されているデバイスの一般的な画面サイズと、ブレイクポイントの目安は以下の表のとおりです。
一般的な画面サイズ | ブレイクポイントの目安(画面幅) | |
---|---|---|
スマホ | 390×844px | 390〜428px |
タブレット | 768×1024px | 768〜1280px |
パソコン | 1920×1080px | 960〜1280px |
ユーザーがパソコンから閲覧するときは、全画面表示だけでなくウィンドウを縮小させた状態で見る人もいるため、ブレイクポイントは若干小さい値に設定しましょう。
2. meta viewportタグの設置
「meta viewportタグ」とは、ユーザーが閲覧している画面サイズを判定するコードです。meta viewportタグを設置すると、デバイスの画面幅に応じて表示を自動で切り替えられます。HTMLならheadタグ内に、WordPressなら「header.php」に以下のコードを記載してください。
「<meta name=”viewport” content=”width=device-width,initial-scale=1.0″>」
記述にミスがあると自動切り替えが適用されないため、コピーして貼り付けるのがおすすめです。
3. メディアクエリを使いCSSを設定
「メディアクエリ」とは、設定条件に応じて画面を表示させるCSSの仕様です。メディアクエリの記述は、各デバイスにおけるブレイクポイントを以下のようにCSSへ書きます。
- スマホ:@media screen and (max-width: 428px){ }
- タブレット:@media screen and (min-width: 768px) and (max-width: 960px){ }
- パソコン:@media screen and (min-width: 960px){ }
widthにはブレイクポイントとして決めた画面幅の値を、{ }内には各デバイスで対応させるCSSを記述しましょう。
レスポンシブデザインのECサイト制作ならFORCE-R
ECサイトでレスポンシブデザインを適用する際は、売上を伸ばすような導線設計を行った上で運用していく必要があります。自社にクリエイティブ事業部を持つFORCE-Rでは、レスポンシブデザインのECサイト制作はもちろん、設計から運用までトータルサポートが可能です。
実際に化粧品事業のコンサルにおいて、ECサイトのデザイン改修や出店先のモールに即した広告戦略により、売上を前年比318%拡大した実績があります。レスポンシブデザインのECサイト制作や運用方法にお悩みの方は、お気軽にFORCE-Rへご相談ください。
ECサイトをレスポンシブデザインにする際は事前の設計が重要
レスポンシブデザインはECサイトの管理を楽にするうえ、スマホユーザーの取り込みに欠かせない要素です。ただしレスポンシブデザインでは制作後の仕様変更や機能追加が難しいため、サイト設計を入念に行う必要があります。
FORCE-Rでは、ユーザーが商品を購入しやすい導線設計や、サイト内の回遊を促し売上アップにつなげるページデザインの提案が可能です。経験豊富な専門コンサルタントがクライアント様と密に連携を取り、併走してサポートいたします。