「ECサイトの維持や運営に必要なランニングコストはいくらかかる?」
「ECサイトのランニングコストを抑えるにはどうしたらいい?」
「ランニングコストを抑えつつ事業を拡大したい」
ECサイトの運用に必要なランニングコストについて、上記のような疑問や課題を抱えていないでしょうか。ECサイトにかかるランニングコストは、サイト自体の維持費だけでなく運営に関わる各種経費が含まれます。
本記事では、ECサイトのランニングコストの詳細を維持費と運営費に分けて解説します。費用を抑える方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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Contents
ECサイトの維持に必要な5つのランニングコスト
ECサイトを維持するためには、セキュリティ対策やシステムの利用に費用がかかります。ここでは、ECサイトの維持に必要な各種ランニングコストを解説します。ECサイト開設時の設定や構築方法によって必要な費用は異なるため、自社の規模や用途に合った仕様を選びましょう。
1. ドメイン代
ECサイトを開設するためには、ドメインの取得が必要です。ドメインとはサイトのアドレスであり、オンライン上の住所を示す「表札」のような役割を持っています。
具体的には「〇〇.com」や「〇〇.co.jp」などの文字列がドメインです。ドメインの維持にかかるランニングコストは、登録を行う会社や取得するアドレスの種類によって異なり、年間500〜6,000円かかります。
知名度の高い「.com」や「.jp」などはユーザーへ信頼性をアピールできますが、他のドメインに比べてランニングコストは高めです。日本国内の法人のみが取得できる「co.jp」は最も信頼性が高いドメインであり、ランニングコストは年間4,000〜8,000円かかります。
ドメインは後から変更できないため、ランニングコストを加味して慎重に検討しましょう。モールやASPカートシステムを利用してECサイトを構築する場合は、既に共通のドメインが定められているため追加の費用は不要です。
2. サーバー維持費
サーバーとはサイトのデータの格納や提供を行うコンピュータで、オンライン上の「土地」のような役割を担っています。ECサイトを開設する際は、レンタルサーバーを使用するのが一般的です。
レンタルサーバーは、大きく分けて「専用サーバー」と「共有サーバー」の2種類があります。専用サーバーは独占して使用できる一方でランニングコストが高く、共有サーバーは複数の利用者でシェアするため費用は安価です。
大規模なECサイトでなければ共有サーバーを用いる場合が多く、ランニングコストは年間1500〜12,000円かかります。契約するデータ容量やセキュリティの高さにより費用は異なるため、ECサイトのページ数やウイルス対策機能などを考慮して選びましょう。
ECサイトの保守や管理を制作会社に依頼した場合は、サーバーの維持費が外注費用に含まれている場合があります。一方でモールやASPカートシステムを利用する場合は、サーバーの維持費は不要です。
3. 独自のSSLサーバ証明書
SSLサーバ証明書とは、ブラウザとサーバーとの間で通信されるデータを暗号化し、安全に送受信するための技術です。入力された個人情報を保護する役割を持つことに加え、サイト運営者の実在の証明になりユーザーからの信頼性が高まります。
ECサイトでは住所やクレジットカード情報などの個人情報を多く扱うため、セキュリティの観点からSSLサーバ証明書の取得は必要です。認証方法やサポート体制によって費用は異なり、年間10,000〜90,000円のランニングコストがかかります。
4. 決済システム契約・手数料
ECサイトでの商品購入時にクレジットカード決済が利用できるようにするには、決済システムの導入が必要です。SBペイメントサービス株式会社の調査によると、ECサイトにおける決済手段はクレジットカードが最も多く、物販での利用割合は65.7%と報告されています。
クレジットカード決済ができないECサイトでは、商品の購入を検討していたユーザーが離脱する場合があるため、決済システムの導入は重要です。決済システムを導入するには、決済代行サービスに依頼するかクレジットカード会社と直接契約しましょう。
決済システムのランニングコストとして、契約料に加えて決済手数料がかかります。契約料は年間で42,000〜96,000円、決済手数料は売上の3〜5%が相場です。ASPカートを利用する場合は基本機能としてクレジットカード決済を利用できるケースがありますが、決済手数料は別途かかります。
ECサイトに導入する決済方法の選び方については、関連記事の「ネットショップで導入したい7つの決済方法を徹底比較!選ぶ際のポイントも解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
参考:SBペイメントサービス株式会社|【2022年度版】ECサイトにおける決済手段の利用実態調査結果
5. システム利用料
ECサイトを構築する手段によっては、利用する機能に対してシステム利用料が発生します。代表的な機能の例は、オンライン上の注文を処理する「カートシステム」やサイト内の商品を検索する「サイト内検索エンジン」などです。ECサイト構築手段ごとのシステム利用料は、以下の表を参考にしてください。
構築手段 | 特徴 | 代表例 | システム利用料(月額) |
---|---|---|---|
モール | 既存のECモールへ出店する | 楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング | 0〜10万円(販売手数料が別途必要) |
ASPカート | システムを提供しているプラットフォームを利用して構築する | カラーミーショップ、Shopify、BASE | 3,000円〜10万円 |
オープンソース | 公開されているソースコードをもとに構築する | EC-CUBE、Magento、WelCart(WordPress) | 0〜10万円 |
ECパッケージ | 開発会社が各種機能をパッケージ化したソフトウェアを購入して構築する | SI Web Shopping、ecbeing | 10〜100万円 |
フルスクラッチ | ゼロから独自のシステムを構築する | – | 50〜100万円(保守・管理費用) |
低コストで独自のECサイトを構築するなら、ASPカートの有料プランを利用するのがおすすめです。ASPカートの中には費用のかからないコースがありますが、利用できる機能が限られているため、ECサイトで必要なサービスが使える有料プランを選びましょう。
ECサイトの構築手段の選び方については、関連記事の「カート機能とは?ECカートシステムを選ぶ際のポイントや有料版と無料版の機能の違いも解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトの運営に必要な4つのランニングコスト
ECサイトの運営にかかるランニングコストは、業績や事業規模により変動しやすい費用です。ここでは、ECサイトの運営に必要な各種ランニングコストを解説します。将来的な事業の拡大を見越し、ECサイト運営にかかるランニングコストを見積もりましょう。
1. 配送料
一般的には運送業者に発送を依頼する場合が多く、配送料は1回あたり300〜2,000円です。配送料は以下のような条件によって異なり、クール便であれば追加料金として300〜700円かかります。
- 大きさ
- 重さ
- 配送エリア
- 配送方法
単価が安く大きい商品を扱う場合は、売上に対する配送料の割合が高く利益を上げづらくなるため注意が必要です。さらに段ボールや緩衝材などの梱包材が必要で、費用は1つにつき100〜500円かかります。
また株式会社ネオマーケティングの報告によると、配送料の安さを重視するユーザーは62.2%と半数以上です。配送料を購入者負担にするとCVを妨げるリスクがあるため「配送料無料は一定額以上を購入した場合に限る」「商品価格は配送料を考慮して設定する」などの対策を行いましょう。
参考:株式会社ネオマーケティング|送料設定や画像、ユーザーが求めるECとは(2022)
2. 人件費
人件費は給与や雇用に関わる費用を含めて、1人あたり月30万円ほどかかります。ECサイトの運営業務は以下のように多岐に渡るため、ある程度規模が大きいショップならば対応するスタッフが必要です。
- 商品登録
- 発送業務
- 在庫管理
- 問い合わせ対応
- サイト更新
業務内容によっては、自社で雇用するより外注した方がランニングコストを抑えられる場合があります。例えば、問い合わせ対応のために自社内にコールセンターを設置する場合は、人員の確保や通信機器の導入などまとまった費用が必要です。
そのためコールセンターに委託するケースが多く、外注の場合は電話1件あたり300〜1000円の費用で依頼できます。問い合わせの件数や内容を考慮し、自社での対応が難しい場合は委託を検討しましょう。
3. コンテンツ作成・更新費用
ECサイトの売上を伸ばすには、市場やユーザーの動向をもとに商品ページやコンテンツを作成し更新することが求められます。実際の商品を手に取れないECサイトにおいて、魅力的な商品画像は購入を後押しする重要な要素の1つです。
そのため、商品画像の撮影や編集はカメラマンに外注することをおすすめします。カメラマンのレベルによって外注費用は異なり、相場は以下のとおりです。
- プロ:1カット1,000〜10,000円
- アマチュア:1カット500円〜
カメラマンのレベルだけでなく、撮影方法や所要時間によっても外注費用が異なります。
- スタジオ撮影:1商品2,000〜10,000円、1時間8,000〜20,000円
- 商品郵送撮影:1商品1,000〜5,000円
- 出張撮影:1時間10,000〜30,000円
自社で撮影する場合は、機材や背景の用意などの初期投資が必要です。ECサイトのデザインや商品の紹介文など、クリエイティブの更新を外注する場合のランニングコストも考慮しましょう。
4. 広告・マーケティング費用
ECサイトへ集客するためには、広告出稿や検索上位に表示させるためのSEO対策が重要です。自社でECサイトを構築した場合は、リスティング広告やディスプレイ広告などを利用して集客を行います。ECサイトにおける広告費用の平均値は、売上の20%前後です。
広告運用には専門知識が必要のため、自社での実施が難しい場合はマーケティング会社へ外注しましょう。広告運用の外注費用相場は定額型で「5万円〜」、成果報酬型は出稿する広告費の10〜25%です。
モールへ出店している場合はプラットフォーム自体が集客を行っていますが、カテゴリーによっては競争が激しく、モール内で広告出稿を行う場合があります。モール内での広告費用の相場は「1クリック5円〜」「月額5,000円〜」です。
ECサイトの集客方法については、関連記事の「【徹底解説】ECサイトの集客に効果的な手法5選!成功事例も紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトのランニングコストを抑える3つの方法
ここでは、ECサイトのランニングコストを抑える具体的な方法を解説します。余分なランニングコストを省きECサイトを運用する費用を確保したい担当者様は、ぜひ参考にしてください。
1. 必要な機能に絞って構築する
ECサイトを構築する際には、必要な機能を精査して制作しましょう。多くの機能を導入すると、不必要なシステムまで契約することになり維持費が高くなります。目的に合った機能に絞られているシステムや保守費用がかからない構築手段を選定すれば、余分なランニングコストの削減が可能です。
ASPカートの中には、費用のかからないコースでもある程度機能が充実しているシステムがあります。そのためランニングコストを抑えたい場合は、無料プランを検討するケースが多いです。ただし必要な機能がカバーできていないと担当者の工数が増えるケースがあるため、必要に応じてシステムの追加・更新を行いましょう。
2. 補助金制度を利用する
国や自治体が実施している補助金制度を利用すれば、ECサイトの運用にかかるランニングコストの一部をカバーできます。ECサイトの運用を行う企業が利用できる主な補助金制度は、以下の3つです。
補助金の申請には、従業員数や事業内容など一定の条件を満たす必要があります。公募要項や募集期間を確認し、利用できる制度があれば申請しましょう。
3. ECサイト運営の一部を外注する
ECサイト運用をすべて自社で対応しようとすると、複数のスタッフが必要になり膨大な人件費がかかります。業務内容によっては外注した方がランニングコストを抑えられる場合があるため、事業の拡大に伴って委託を検討しましょう。
マンパワーが必要な発送作業やコールセンターは、外注によりランニングコストを削減しやすい業務です。広告運用やサイト保守に対して自社の知見が浅い場合は、外注すると効率的に事業を進めやすくなります。
運営の一部を外注する場合は、委託が必要な業務範囲を明確にしてから依頼すれば、余分な出費を抑えることが可能です。
ECサイトのランニングコストを抑えて利益率を高める方法については、関連記事の「ECにおける利益率は20%が目安!収益性を改善する7つの施策を解説」にて詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトの運用代行ならFORCE-R
ECサイトを立ち上げて間もない場合、販売戦略の立案段階からサポートを受けられる外注先を選べば将来的な事業の拡大を図れます。FORCE-Rでは広告運用やECサイトの運営に精通した専門コンサルタントがおり、立ち上げから併走してサポートが可能です。
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まとめ|ECサイトのランニングコストを抑えるなら外注を検討しよう
ECサイトの運営の一部を外注すれば、全体的なランニングコストを抑えられる場合があります。ECサイトのランニングコストを抑えて売上を伸ばすには、広告運用を外注して費用対効果を高めることがおすすめです。ただし広告運用は自己流で行うと効果が出づらく、結果的に無駄な出費になるケースがあるため注意しましょう。
FORCE-Rでは、ECサイトの広告運用を一貫して代行可能です。また将来的に社内のリソースを確保できた場合を見越し、自社で運用できるようにノウハウを提供いたします。