「自社ブランドのファンを増やして他社への流出を止めたい」
「既存顧客の購入頻度や単価を上げて売上を伸ばしたい」
「広告費の負担が大きいのでリピーターを増やしたい」
このようなお悩みや要望をお持ちではありませんか。自社ブランドのファンであるロイヤルカスタマーを増やせれば、広告費を抑えながら売上を伸ばせます。
本記事では、ロイヤルカスタマーを増やす施策であるロイヤルティプログラムの手法やポイントを詳しく解説します。自社ブランドのファンを増やしていきたい担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。
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Contents
ロイヤルティプログラムは優良顧客の育成・囲い込みを行う施策
ロイヤルティプログラムは、顧客に自社やブランドに愛着を持ってもらうためのマーケティング施策です。既存顧客をファンにしてロイヤルカスタマーとして囲い込むことで、生涯顧客価値の上昇を目指します。生涯顧客価値とはLTVとも呼ばれ、ユーザーが今後どのくらい自社商品を購入してくれるかを表した指標です。
新規顧客獲得よりも既存顧客の売上向上の方が必要な広告コストを抑えられるため、ロイヤルティプログラムは売上・利益向上には重要な施策です。
「ロイヤルカスタマー」とよく混同される言葉に「優良顧客」があります。優良顧客は自社商品を継続的に購入している、売上貢献度の高いユーザーです。ただしブランドのファンではないため「安い」「新しい」または「ニーズにあった」商品が他社から発売されると、別の商品に流れてしまいます。
一方でロイヤルカスタマーは企業やブランドのファンであるため、価格や目新しさで判断せず、継続した購入が見込めます。さらに口コミや知人への紹介を通じて、認知度の向上にも寄与してくれる点も特徴です。
そのため、売上成長を続けるためには「優良顧客」をいかに「ロイヤルカスタマー」にできるかが重要です。
ロイヤルティプログラムの6つの手法
ロイヤルカスタマーを増やす施策であるロイヤルティプログラムは、目的や商品の特徴に応じてさまざまな手法が存在します。ここでは、多くの企業で実施されている手法を6つに分類します。
自社で取り入れやすい手法を探しながら、実施する際の参考にしてください。
1. 価値共創型
価値共創型とは、企業やブランドが顧客と共に、社会に対して価値を生み出すことを目的とする手法です。社会に与える価値の例として「CO2削減のような環境負荷の低減」や「NPO法人への寄付のような社会課題解決」があげられます。
身近な例としては、パタゴニアが売上の1%を自然保護や回復のために寄付しています。商品やサービスの利用を通じて、自分の価値観や思いを社会に還元している感覚を持つことで、さらにブランドに対する愛着が湧く点が特徴です。
2. パーパス拡張型
企業の価値観や想いを顧客に伝えることで共感を得て、商品購入やサービス利用を通じて企業のパーパスが実現・体現できる状態を目指します。
購入や来店回数だけでなく、パーパス実現に向けた行動を行うことで会員ランクが上がる仕組みです。例えば「メルマガ・LINE登録」や「アンケートの回答」のようなブランド体験や「歴史やこだわりを知る動画」や「限定コミュニティ」のような価値観を伝えるコンテンツがあげられます。ブランドの世界観を楽しみながら伝えていける点が特徴です。
3. パーソナライゼーション型
顧客の好みや興味関心に合わせた特典配布や購買体験の提供を通じて、満足度を高める手法です。ECサイトやアプリの購入・行動履歴データをもとに、おすすめ商品の表示や限定クーポンの配布を行うような施策があります。
分析を行うためのデータ収集が必要なため、手間や時間はかかります。しかし、一度学習すれば他社に真似されにくく、差別化しやすい点がポイントです。
例えばアウトドアメーカーの「THE NORTH FACE」では、アンケートや閲覧履歴をもとに顧客の好みやニーズを予測し、分析結果に合わせた新商品の先行案内やギフトのプレゼントを実施しています。
顧客自身の価値観に合わせているため、快適な購買体験や特別感を感じてもらえる点が特徴です。
4. ノーティア・ノーポイント/ シンプルティア型
会員ランクやポイント付与をなくし、全会員一律に同様の特典を与える手法を「ノーティア・ノーポイント型」もしくは「シンプルティア型」と呼びます。「ティア」は会員の構造を指します。
運用面が簡素化され、幅広い顧客が恩恵を受けられることで接点を広げられる点が特徴です。例えば、ニッポンレンタカーでは年3回の利用があれば、ポイント還元率の高いゴールド会員へ上がれる仕組みを用いています。
他にも会員登録するだけで「割引が受けられる」「限定セールの案内が届く」ような特典も、この手法に当てはまります。ただしノーティア・ノーポイント型だけでは、顧客が特別感や優越感を覚えづらく、ロイヤルカスタマーを育てることは難しいです。
まずはノーティア・ノーポイント型を活用して、多くの方に使ってもらいましょう。優良顧客が増えてきたら「自社理念への共感を増やす」「データを活用し、購買行動に合わせたクーポンの配布」のような、他手法と組み合わせることでさらなる効果を発揮します。
5. 経済圏拡張型
商品の購入だけでなく、口コミ投稿や紹介などあらゆる行動に対して特典を付与することで、自社との接点頻度を増やしていく手法です。例えば、セブン&アイではアプリ内でガチャやアンケート回答によるポイント付与を行っています。
他にもミニゲームやクイズを行うことで、クーポンを配布するような事例もあります。日常のさまざまな場面で行うアクションで、ポイント獲得やランクアップにつながるような仕組みを用いることで、次回購入の際にも想起されやすくなる点が特徴です。
6. 経済圏連携型
複数の企業やブランドが提携し、互いの商品購入やサービス利用を促進し合う手法を「経済圏連携型」と呼びます。既存顧客の利便性アップによる満足度向上や、提携先ブランドから来る新規顧客の獲得が目的です。
ポイントがたまった際に提携企業のギフトカードに交換できるような施策や、商品購入時に他社ポイントがためられるような施策が例としてあげられます。ブランド同士の相乗効果で売上アップが期待でき、顧客側にとっても新しいブランドの発見につながる点がメリットです。
ロイヤルティプログラムを実施する2つのメリット
ロイヤルティプログラムを行うことで、自社ブランドのファンであるロイヤルカスタマーを増やせます。ここでは、ロイヤルカスタマーが増えることで得られる2つのメリットを解説します。マーケティング施策を検討する際には、ぜひ参考にしてください。
1. LTVの向上
ロイヤルティプログラムでは、商品やサービスの利用を通じて「ポイントがたまる」「会員ランクが上がる」ような特典を用意します。カスタマーは複数回使うことで特典が得られるため、リピート率の向上が見込める点がメリットです。
特典やコンテンツを通じて自社理解を深めてもらうことで、ブランドへの愛着や好感度アップによる継続購入も期待できます。リピート率が高まることは、顧客が「生涯で自社商品をいくら購入してくれるか」を表した指標であるLTVの向上にもつながります。
またファンになってもらうことで、価格や目新しさといった要因で他社商品に流出するリスクを減らすことが可能です。自社商品の中から選択してもらえるようになり、高額商品でも購入してもらいやすくなれば、顧客単価の向上にもつながります。
リピート率を上げる施策をもっと詳しく知りたい方は、関連記事「リピート率とは?業界別ECサイトの平均値と向上させる施策を解説」もぜひ参考にしてください。
2. 集客コストの低下
新規顧客を獲得するためには、新しい層へリーチする必要があるため、ターゲット分析の見直しや新たな広告の配信のように手間や費用が多くかかります。その点、既存顧客は一度接点を持っているため、新たな広告の追加や施策全体の設計を変更する人的コストを抑えながら、さらなる購入につなげられる点が特徴です。
そのためロイヤルカスタマーを増やすことは、集客コストを下げることにつながります。さらに口コミを書いてもらったり知り合いを紹介をしてもらったりすることで、低コストで新規顧客の獲得が見込める点もメリットです。
商品やサービスの口コミを書いてもらう方法は、関連記事「口コミを書いてもらう方法を6つ紹介!得られる効果や注意点も解説」にて詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。
ロイヤルティプログラムを成功させる3つのポイント
ロイヤルティプログラムを始める際に「特典があれば良い」「他の企業の施策をまねすれば良い」といった考えでは、なかなか成功しません。施策を行う際には明確な目標を持って、ニーズに合わせた適切な方法を選ぶことが重要です。
ロイヤルティプログラムを始めたいと考えている担当者の方は、失敗リスクを下げるためにも、ここで紹介するポイントをぜひ参考にしてください。
1. 顧客視点に立った特典の設計
特典を用意する際には、顧客のニーズに合わせた内容にしましょう。「アプリ内の行動履歴」「比較されているポイント」のようなデータ分析やインタビューやアンケートを通じて「自社を選ぶ理由」や「共感している点」のような生の声を拾うことで、顧客心理を詳しく把握します。
ビジョンに共感している方が多ければ、社会貢献活動や寄付のような仕組みを作ります。よりお得に買い物することを求めている顧客が多ければ、クーポンや割引の実施を検討してみましょう。自社の顧客ニーズを正しく理解することで、喜んでもらえる特典を用意してください。
2. 手軽に参加できる仕組みづくり
いくら魅力的な特典があっても、それを得るために手間がかかってしまうと参加率が落ちます。そのため従来の購買体験や、日常生活で普段行っている行動を意識して動線を設計しましょう。
例えば「会員証はアプリ上で手軽に表示できる」「会員登録はすべてのサービスで共通である」のような工夫が考えられます。また特典は、オンラインとオフラインの両方を準備しておきましょう。オフラインしか特典がない場合、近くに店舗がない顧客を取り込むことは難しくなってしまうためです。
ルールを明確にしてハードルを下げることで、多くの顧客に参加してもらえるプログラムを作りましょう。
3. 定量で振り返りを行う
施策を実施した後には定量分析を行い、施策の改善や継続判断を行いましょう。分析の際によく用いられる指標に「LTV」と「NPS」があります。
LTVとは生涯顧客価値を指し、1人の顧客が生涯でいくら利益をもたらしてくれるかを数値化したものです。NPSはネットプロモータースコアの略で、商品やサービスをどのくらい他者へ勧めたいかを定量で表した指標です。
施策の前後で「数値がどの程度変化したか」を検討しながら、適宜改善を繰り返していくことでより良いプログラムとなっていきます。
ロイヤルティプログラムを導入する際はFORCE-Rへ相談
ロイヤルティプログラムにはさまざまな手法があり、自社の商品やサービスの特徴と顧客ニーズの理解を掛け合わせた上で、ベストな施策を選ぶ必要があります。そのため、ロイヤルティプログラムの設計や運用を行うためには、専門知識を持った人材が必要です。
また、常に分析や改善案の検討を行う必要があるため、専門部署を立ち上げることもおすすめです。自社内に専門知識を持った人材がいない場合や人員的な余裕がない場合には、専門家に頼りましょう。
FORCE-Rには専門スタッフがおり、ロイヤルティプログラムの構築から運用まで幅広いサポートを行います。またスタッフの育成も同時に行えるため、将来的には内製化しながら進めることも可能です。ロイヤルティプログラムを始めたい企業担当者の方は、ぜひお問い合わせください。
まとめ|ロイヤルティプログラムを活用してLTVの向上を目指そう
ロイヤルティプログラムを通じて、ロイヤルカスタマーを増やすことでリピート率の向上や顧客単価のアップが見込めます。それにより、顧客一人当たりが生涯にもたらす利益の指標であるLTVの向上が期待できます。
既存顧客の流出や顧客単価の低下に課題がある場合にも、顧客満足度を高める施策であるロイヤルティプログラムの実施は効果的です。ロイヤルティプログラムを用いて、売上向上を目指したい場合には、専門知識や経験のあるコンサルを頼ることがおすすめです。
FORCE-Rでは短期間で成果を出すためのノウハウや経験があります。今お悩みの解題がある担当者の方は、まずはお気軽に以下の問い合わせフォームからご相談ください。