SWOT分析をECサイト運営に活用する手順3ステップ!施策例や注意点も紹介

「SWOT分析を行うことで得られる効用は?」

「競合との差別化を図って売上アップを目指したい」

「SWOT分析をECサイト運営に活用する方法を知りたい」

上記のような疑問や要望をお持ちではありませんか。SWOT分析は内部要因と外部要因を客観的に把握することによって、施策の考案に役立つフレームワークです。

本記事では、SWOT分析の概要やECサイトへの活用手順に加えて注意点も解説します。売上アップや経営資源の効率化に向けて、ECサイト運営にSWOT分析を導入したい方は、ぜひ最後までお読みください。

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SWOT分析とは?4つの要素も解説

SWOT分析は4つの要素を検討することで、自社への理解を深めてマーケティング施策を考案する手法です。ここではSWOT分析の概要や、各要素の内容を紹介します。

1. SWOT分析とは

SWOT分析は強みと弱みの内部要因、機会と脅威の外部要因を客観的に把握して、マーケティング施策の立案に役立てるフレームワークです。

自社でコントロールできる部分を内部要因、コントロールできない部分を外部要因としています。内部要因と外部要因の具体例は以下のとおりです。

内部要因商品ラインアップ・クオリティ・コストパフォーマンス・ブランド認知度・配送システム・データ分析能力
外部要因市場トレンド・消費者の購買力・競合他社の商品ラインアップ・価格競争・景気・税制・自然災害・環境規制

商品のクオリティや価格、配送システムなどは自社でコントロールできるため、内部要因に振り分けられます。一方、自社でコントロールできない市場や顧客の行動は外部要因に分類されます。

2. SWOT分析の4つの要素

SWOT分析は、2つの内部要因と2つの外部要因によって構成されています。内部要因は以下の2つです。

  • Strength(強み):自社や自社商品の長所や得意
  • Weakness(弱み):自社や自社商品の短所や苦手

一方で外部要因は以下のとおりです。

  • Opportunity(機会):自社や自社商品に有利に働く社会や市場の変化
  • Threat(脅威):自社や自社商品に悪影響を及ぼす可能性のある社会や市場の変化

それぞれの頭文字を取って、SWOT分析と呼ばれています。

ECサイト運営にSWOT分析を導入する目的

ECサイト運営にSWOT分析を導入するのは、自社の強みと弱みを把握して外部環境の機会と脅威を評価することで、効果的な戦略を立案して競争力を強化するためです。

4つの要素を整理し、他社ECとの違いや業界動向を明確にすれば「口コミ投稿したユーザーへのクーポン配布・ポイント還元」「SNS運用に注力」といった売上アップに効果的な施策を立案しやすくなります。

そして自社ECへの理解を深めることで競争優位性を把握できるため、強みの活かし方がわかって他社と差別化しながら売上拡大を目指せます。またSWOT分析によって注力すべき点が明らかになるため、経営資源の効率化も可能です。内部要因と外部要因を整理することで、自社を取り巻く環境をさまざまな視点から評価できます。

ECサイト運営におけるSWOT分析の活用手順

「SWOT分析の要素はわかったけどECサイト運営への活かし方がわからない」「どのような手順で進めるべきなのか教えてほしい」という方もいらっしゃいます。ここでは、ECサイト運営におけるSWOT分析の活用手順を解説します。

3ステップに分類しているので、順番に取り組んで分析の精度を高めてください。

1. 先に外部要因を洗い出す

強みや弱みの内部要因は外部要因の影響を受けて形成されるケースがあるため、まずはほかの要素から影響を受ける可能性が低い、機会や脅威といった外部要因から整理しましょう。機会や脅威の具体例は、以下のとおりです。

機会(O)市場規模が大きい・強い競合がいない・景気が良い・消費者の購買意欲が高い・商品が世間で話題になっている・ネットショッピングをする人が増えている・海外から注目が集まっている
脅威(T)競合他社が多くて価格競争が激化している・競合に大手企業がいる・流行が終わった・代替品が登場した・天候や災害によって商品の廃棄が発生する

市場の規模・成長性、競合の状況、政治・経済の状況などに焦点を当てると、抜け漏れなく外部環境の分析が行えます。

2. 内部要因を整理する

次に、自社でコントロール可能な内部要因を整理しましょう。強みや弱みの具体例は、以下のとおりです。

強み(S)コストパフォーマンスに優れている・検索順位が高い・商品ページが見やすい・品質が高い・品揃えが豊富・配送料が無料・ギフトにも対応している・SNSのフォロワーが多い
弱み(W)他社の商品よりも高い・商品ラインアップが少ない・利益率が小さい・生産コストが高い・商品ページが見にくい

ブランド認知度や商品の質・価格、インフラなどを他社と比較して整理することで、内部環境を抜け漏れなく洗い出しやすくなります。

3. クロスSWOT分析によって事業戦略を立案する

クロスSWOT分析は、4つの要素を掛け合わせて現状を把握したうえで、マーケティング施策を考案するフレームワークです。

Opportunity(機会)Threat(脅威)
Strength(強み)自社の強みを活かせる事業機会を探る強みによって脅威を回避できないか考える
Weakness(弱み)弱みが原因でチャンスを逃さないか確認する最悪のケースへの対処法を用意する

「機会×強み」は自社の長所・得意を発揮して売上を伸ばせるチャンスなので、クロスSWOT分析で最も大切です。EC事業の成長を目指すなら、まずはここから考えましょう。そして「脅威×強み」からは、ECサイトの逆風に対して長所・得意で対抗するための施策を考えられます。

また「機会×弱み」では、短所・苦手が原因でチャンスを逃さないために必要な戦略を考えてください。最後に「脅威×弱み」はECサイトにとって最も弱い部分なので、運営に悪影響を及ぼさないような施策を考案しましょう。

クロスSWOT分析によるマーケティング施策の具体例

クロスSWOT分析からどのような施策を考案できるかイメージしやすいように、要素ごとに具体例を紹介します。

「機会×強み」の場合

機会口コミを確認して購入するユーザーの増加
強み商品のクオリティが高い
効果的な施策口コミ投稿したユーザーへのクーポン配布・ポイント還元
施策の目的顧客からの良い評価が集まってほかのユーザーの購入を促進するため

「脅威×強み」の場合

脅威競合が増えて価格競争に発展しつつある
強みリピート率が高いこと
効果的な施策購入回数に応じた会員ランクの設定や購入後のクーポン配布
施策の目的リピート率を向上させて競合に勝つため

「機会×弱み」の場合

機会SNSで商品検索するユーザーの増加
弱みSNSのフォロワーが少ない
効果的な施策InstagramやTikTok運用に注力
施策の目的SNSから商品を購入してもらえるようにするため

「脅威×弱み」の場合

脅威消費者の購買意欲が低下している
弱み他社ECよりも価格が高い
効果的な施策クーポンやポイント制度を用意・生産コストを下げるためにサプライヤーと交渉
施策の目的高い価格を原因とする顧客離れを防ぐため

それぞれの組み合わせから自社ECサイトの「強化したい部分」や「カバーすべき部分」を見極めて、適切な施策を行っていきましょう。

ECサイト運営にSWOT分析を活用する際の注意点

さまざまな視点からマーケティング施策の立案に役立つSWOT分析ですが、もちろん注意点もあります。ここではSWOT分析の課題を紹介しているので、ECサイト運営に活用する際のイメージを持って読み進めてください。

1. 主観的な判断が加わりやすい

SWOT分析を行う際、偏見や期待といった主観的な判断が加わりやすいです。しかし4要素の評価に偏りが出ると、現状を正確に把握するのが難しくなります。そのため、SWOT分析は複数のメンバーで取り組むことが重要です。

ただし、同じ部署のメンバー同士は視点が似ている傾向にあり、複数人で取り組んでも情報に抜け漏れが生じる可能性があります。経営層や商品開発、SNS運用などに分かれてECサイトを運営している場合は、偏りが生じないように複数の部署からメンバーを集めてSWOT分析を行いましょう。

2. 他のフレームワークも併用する

SWOT分析では具体的な外部環境や競争状況、内部資源の詳細な評価が難しいです。マーケティング施策の精度を高めるためには、SWOT分析以外のフレームワークと併用しましょう。SWOT分析と相性が良いおすすめのフレームワークは、以下のとおりです。

  • PEST分析
  • ファイブフォース分析
  • 4C分析
  • 3C分析

複数のフレームワークを組み合わせることで分析の精度が高まるため、より効果的なマーケティング施策を考案しやすくなります。

4C分析や3C分析については関連記事の「4C分析と3C分析の特徴と違いを解説!それぞれの構成要素と実施する手順も紹介」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3. 強みと機会を混同しない

SWOT分析を行う際、内部要因である強みと外部要因である機会を混同して情報を整理するケースが見られます。特に多いのが、市場の成長を自社の強みと捉えてしまうことです。

しかし、市場の成長は自社でコントロールできるものではなく外部要因です。混同することによって、強みが十分であると誤解して内部改善を怠る恐れがあります。

そのため要素を整理する際は「自社でコントロールできるか」を判断基準にして、内部要因と外部要因を混同しないようにしましょう。

SWOT分析によってECサイトの売上アップを目指すならFORCE-R

現状を把握することで適切な戦略立案が可能になるSWOT分析ですが、自社ECへの活用法で悩んでいる方が多いです。要素を整理するだけで満足して具体的な施策に落とし込まなければ、ECサイトの売上アップや運営資源の効率化につながりません。

FORCE-Rでは、4つの要素の分析からクロスSWOT分析を活用した施策の立案までをトータルでサポート可能です。「SWOT分析をECサイトに活用する方法がわからない」「現状を把握しただけで施策が思い付かない」とお悩みの方は、ぜひFORCE-Rへご相談ください。

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まとめ|SWOT分析をECサイトに導入して持続的な成長を目指そう

SWOT分析で「強み・弱み・機会・脅威」の4つの要素を明確にすることで、ECサイトの運営状況を明確にできます。自社ECの状況が明確になることで、強みの最大化や弱みの克服、チャンスの発見などのメリットがあります。

一方で偏見や思い込みによって主観的な判断になりやすいという側面もあるため、客観的な視点から評価できる専門家への相談がおすすめです。FORCE-RではECサイトの分析やマーケティングに詳しいスタッフが、施策実施までをサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

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記事を書いた人

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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