Column

ECサイトに導入するべき7つのKPI!設定方法やKGIとの違いも紹介

「ECサイト運営においてKPIは重要なの?」
「どのようにKPIを設定すれば良いか分からない…」
「ECの売上アップにつながるKPIを設定したい」

KPIを設定した方が良いとは思っているものの、やり方が分からずに悩んでいる方がいるのではないでしょうか。KPIとは企業の目標到達までの各プロセスにおける達成度合いを示す指標であり、自社ECサイトの売上を伸ばすためには適切な設定が必要です。

本記事では、ECサイトに導入するべきKPIや設定方法・KGIとの違いについて解説します。自社ECサイトの売上を上げたい方にとって参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

KPIとは?KGIとの違いを解説

ECサイトの売上を伸ばすためには、KPIやKGIの設定が効果的です。そこで、まずはKPIとKGIの意味や役割について解説していきます。適切な目標を設定できるように、それぞれの違いをしっかり理解しましょう。

1. KPIとは

KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」という意味で、最終目標までの各プロセスにおける達成度合いや評価を示す指標です。つまり、ゴールへ向かうまでの道のりに設定された「中間目標」という役割です。

例えば、ECサイトにおいて「1年後までに売上を30%増やす」という目標がある場合「半年後までに顧客単価を2倍にする」「3ヶ月でリピート率を10%上げる」といったKPIを設定します。

KPIを設定することで達成度合いを数値で把握できるため、状況に合わせた戦略の立案・変更が可能です。

2. KGIとの違い

KPIと似ている言葉にKGIがあります。KGI(Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標」という意味で、ビジネスにおける最終目標の達成度合いを示す指標です。つまり、ゴールであるKGIの下に中間目標のKPIがあるイメージです。

例えば、ECサイトにおけるKGIには「1年後までに売上を月2,000万円にする」「半年で利益率を30%に改善する」などがあります。このようなKGIを達成するために、中間目標にあたるKPIを設定します。

ECサイトにおいてKPIが重要な理由

KGIとKPIは互いに連動しているため、中間目標を1つずつ達成していくことで最終ゴールに到達するような関係性でなければなりません。最終目標となるKGIだけを設定しがちですが、KPIを置いていないと適切な戦略策定や進捗の把握が難しくなります。

そのため、KGIに沿ったKPIの設定が必要です。KPIを置くと目標を定量的に把握でき、担当者レベルで取るべき行動が明確化されます。施策が上手くいかなかった時でも、改善点を見つけられれば途中で軌道修正することも可能です。

またKPIがあることで社員が共通認識を持って行動できるので「足並みを揃える」という観点からも重要です。

ECサイトで設定するべき7つのKPI

ここでは、ECサイト運営で設定するべきKPIを7つ紹介します。自社に適切なKPIを設定できるように、まずはECサイトにおける重要な項目をチェックしましょう。

1. 訪問者数

訪問者数とはECサイトに訪れるユーザー数を指し「PV数」や「セッション数」「UU(ユニークユーザー)数」と表されることもあります。

ECサイトへの訪問者数が少なければ、販売機会を作り出せないため売上につながりません。そのため自社ECサイトを運営していくにあたり、訪問者数は重要なKPIとなります。訪問者数を改善するためには、以下のような施策があります。

  • SEO対策
  • SNS運用
  • Web広告
  • コンテンツ制作

広告掲載だけでなくSNSでのブランディング強化やSEO施策による自然流入など、複数の施策を掛け合わせて訪問者数を増やすことが重要です。

なお、ECサイトの訪問者数を増やしたい方は関連記事の「【徹底解説】ECサイトの集客に効果的な手法5選!成功事例も紹介」にて詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

ユニークユーザーとアクティブユーザーの違いに関しては「ユニークユーザーとアクティブユーザーの違いは「実際に利用しているか」それぞれの目安と改善施策も解説」の関連記事で詳しく解説しています。

2. 回遊率

回遊率とは、ECサイトに訪問したユーザーがどれだけページを閲覧したのかを表す指標です。回遊率は「PV数÷訪問数」で導き出せます。

訪問数が増えているのに回遊率が下がっている場合、ユーザーがサイトのコンテンツに満足していない可能性が高いです。回遊率には利便性やコンテンツの質などが影響するので、ECサイトのクオリティを確認するためにKPIとして設定されます。ただし、訪問数が増えると分母が大きくなるため、回遊率などのエンゲージメントは下がる傾向にあることは押さえておきましょう。

回遊率が上がればユーザーと接触する機会が増えるため、商品の購入や問い合わせなどのCV(コンバージョン)につながります。

3. CVR(購入割合)

CVR(Conversion Rate)とは「購入割合」を意味し、ECサイトに訪問したユーザーのうち商品を購入した割合を指します。CVRは「購入件数÷訪問者数」で計算可能です。

CVRを改善することで、ECサイトの売上アップが期待できます。例えば、ECサイトへの訪問者数が1,000人でCVRが1%(売上件数:10件)の場合、アクセス数を2,000人まで増やすと20件になります。そこでCVRを5%に改善できた場合、売上件数は50件です。このように、CVRを改善できれば流入数は同じであっても売上が上がるため、重要度の高いKPIです。

4. 顧客単価

顧客単価とは、1人のユーザーが1回の買い物で購入する金額を指します。顧客単価が上がることでユーザー数が同じでも売上がアップするため、KPIに設定している企業は多いです。例えば1万円の商品を10人に売るよりも、50万円の商品を1人に販売した方が売上が40万円も大きくなります。

顧客単価を上げる施策として、まとめ買いの促進や特典の用意などがあります。顧客単価を改善できれば、効率的にECサイトの売上アップが可能になるでしょう。

5. リピート率

リピート率とは、ECサイトで商品を購入した新規顧客のうち再び買い物をしてくれた人の割合です。リピート率は「リピート数÷新規顧客」で求められます。

新規顧客を得るためには、リピーター獲得の5倍のコストがかかると言われています。そのため、新規ユーザーだけでECサイトの売上を伸ばすのは難しいです。リピーターを育てるには、既存顧客に割引クーポンの発行やメルマガ配信などの施策が有効です。新規顧客の獲得に比べると広告費用がかからず、コストパフォーマンスが良くなります。

このようにリピート率の向上は、顧客獲得コストの削減につながる重要なKPIです。なお、リピート率を上げる方法は関連記事の「リピート率とは?業界別ECサイトの平均値と向上させる施策を解説」にて詳しく解説しています。こちらも併せて参考にしてください。

6. LTV

LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」を意味し、1人のユーザーが生涯を通じて自社ECサイトにもたらす利益を測る指標です。

近年は人口減少や競争激化により新規顧客の獲得が難しく、既存顧客を大切にする企業が増えています。さらにサブスクリプションなど継続して商品を購入してもらうビジネスモデルが流行していることから、LTVが注目されています。

顧客ロイヤリティを高めることでLTVも向上するので、KPIを設定して改善を目指しましょう。LTVは「平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間」で算出可能です。

なお、LTVを改善したい方は関連記事の「ECでLTVが重要視される3つの理由!計算方法と数値改善のためにできる5つの施策」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

7. CPA(顧客獲得単価)

CPA(Cost Per Acquisition)とは「顧客獲得単価」を意味し、1件の商品購入を獲得するためにかかった広告費用を指します。

CPAが低いほど、効率的にCVを獲得できているということになります。反対にCPAが高いと、それだけ多くのコストがかかっていると判断できるため、広告の効果検証を行う上で重要なKPIです。CPAは「広告費÷CV数」で計算できます。

CPAを抑えることは重要ですが、優先しすぎると広告の配信量が減りCV数が下がってしまうことがあるため、自社に合わせた適切なKPIを設定しましょう。

CPAと似た指標である、ROIやROASを測定することも有効的です。関連記事「ROIとROASの特徴や違いを解説!それぞれの指標を用いるメリットや改善方法も紹介」にて詳しく解説しているので、参考にしてください。

ECのKPIを適切に設定・運用するための手順

ここでは、ECサイトにおけるKPIの適切な設定方法や運用手順について解説します。自社に合ったKPIを設定するためにも、しっかり理解しましょう。

1. KGIを設定する

まずは、自社ECサイトにおけるKGIを設定します。KGIとKPIは連動している必要があるため、最終目標は現実的かつ明確な指標にしましょう。

KGIを設定する際は、以下の「SMARTの法則」を活用するのがおすすめです。

  • Specific(明確性):具体的で分かりやすい
  • Measurable(計量性):数値を測れる
  • Achievable(現実性):現実的に達成できる
  • Relevant(関連性):企業と個人の利益やKPIなどに関連性をもたせる
  • Time-bound(期限):期限を定める

例えば、SMARTの法則に基づいて「1年後までに売上を20%アップする」というKGIを設定できます。SMARTの法則を活用することで明確な目標を立てられるので、業務効率化や社員のモチベーションアップに役立ちます。

2. KGI達成に向けた仮説を立てる

KGIを設定したら、達成に向けてユーザーシナリオに沿った仮説を立てましょう。ユーザーシナリオとは、顧客が自社商品やサービスと出会い購入するまでの一連の流れを可視化したものです。

ユーザーシナリオを作成することで、ゴールまでの流れを明らかにできるだけでなく、ユーザーの潜在ニーズを掘り起こせます。

例えば、化粧品のECサイトでリピート率を上げるKPIを設置したとします。20代女性をターゲット層とした場合「SNSでの情報発信を強化する」「乾燥が気になる季節なので、保湿力のある化粧品のサンプルを特典にする」などの施策が考えられるでしょう。

3. KPIに設定する項目や目標値を決める

仮説を立てたら、KPIに設定する項目や目標値を決めていきます。KPIを1つずつクリアした先にKGIの達成があるように、具体的な指標に落とし込んでいくことが重要です。

例えば「1年後までに売上を30%増やす」というKGIを達成させるために「顧客単価を1.5倍にする」「半年でリピート率を20%上げる」などといった具体的な数値目標を設定します。そこからさらにKPIを細分化することで、各担当者のやるべきことが明確になります。

4. PDCAを回す

KPIは設定したら終わりではありません。PDCAを回していきながら一定期間ごとにKPIの進捗状況を確認し、自社に適した戦略を探ることが重要です。

例えば「SNSの更新頻度を増やして若い世代の流入を狙ったが、訪問数が増えない」といった場合は、コンテンツの内容や投稿時間などを確認し改善していきます。発信内容を変えたことで若者の訪問数が増えたのであれば、改善が上手くいったと判断できるでしょう。

このようにPDCAを回していくことで、自社ECサイトに適した施策を実施できるようになります。

ECサイトにおけるKPIの設定に悩んでいるならFORCE-R

「自社ECサイトの売上を上げるためのKPIを設定したい」という方は、FORCE-Rへご相談ください。ECサイトで成功するためには、自社に適したKGIやKPIを設定しPDCAを回していくことが重要です。

社員が一丸となって目標に向かっていくためには、KPIを細分化して一人ひとりのやるべきことを明確にする必要があります。しかし、KPIの設定方法が分からず細かく落とし込めないこともあるでしょう。

FORCE-Rであれば、クライアントの状況に合わせて最適なKPIを設定できるようなアドバイスを行います。また実際に進捗状況を確認しながら、戦略策定やECサイトの運営などトータルサポートが可能です。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>

まとめ|ECサイトの売上目標を達成するために適切なKPIを設定しよう

ECサイトの売上を伸ばすためには、自社に合わせたKPIを設定することが有効です。まずはKGIを明確にし、KPIの要素をチームや担当者レベルまで細分化した上でPDCAを回していきましょう。またKPIを社内でしっかりシェアすることで、共通認識を持って行動できるようになります。

FORCE-Rはクライアントの状況に合わせて効果的なKPIを設定するだけでなく、PDCAを回す際もサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>

アバター画像

執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ:本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。 その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。 楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

Pickup
注目記事