「フリーミアムの概要やサブスクとの違いが知りたい」
「フリーミアムはどのような仕組みで収益が得られるの?」
「有料サービスを利用してもらうコツを教えて欲しい」
このようなお悩みをお持ちではありませんか。フリーミアムを導入することで、サービスを利用するハードルを下げられ、競合の中から自社を選んでもらう確率が上がります。
本記事では、フリーミアムの概要や収益モデルについて詳しく解説していきます。また、施策を成功させるポイントについても説明しているため、フリーミアムの導入や運用にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
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Contents
フリーミアムとは?サブスクリプションとの違いも解説
フリーミアムは基本プランが無料で利用でき、追加でサービスや高度な機能を利用する場合に料金が発生するビジネスモデルです。顧客は無料で使い始められるため、利用するハードルを下げられる点が特徴です。
また、フリーミアムとよく混同されるサブスクリプションとの違いについてもあわせて解説しているので、導入する際の参考にしてください。
1. フリーミアムとは
フリーミアムは、無料を表す「フリー」と高価・割増を表す「プレミアム」を組み合わせた用語です。基本的な機能やサービスが無料で使えて、課金を行うことでさらに高度な機能が利用できるビジネスモデルです。
サービスを使ってもらうことを目的とする「フリートライアル」では、使える機能は変わらずに「利用できる期間」に制限をかけていました。一方でフリーミアムは、利用期間の縛りを設けず「使える機能」に制限をかけることで利用者の増加を狙う施策です。
オンラインゲームや音楽配信サイトでよく見られていましたが、近年はSaaSサービスやメモのような実用的なアプリでも、フリーミアムが用いられるようになっています。
2. サブスクリプションとの違い
サブスクリプションは、サービスや商品そのものではなく利用できる期間に対してお金を払います。例えば、動画サイトに月単位でお金を払うことで、配信されている映画やドラマを見る権利を購入しています。
そのため、サブスクリプションでは基本的に顧客全員が有料でサービスを利用している状態です。一方で、フリーミアムは基本機能が無料で使えるため、無課金と課金のユーザーが混在します。
追加の機能を利用する場合のみ有料となり、買い切りの場合とサブスクリプションと同様に期間に応じて代金を支払う場合があります。
フリーミアムの4つの収益モデル
フリーミアムは基本機能が無料で、追加の機能やサービスを受けるタイミングで課金を行うビジネスモデルです。課金の方法や機能制限の違いによって、4つのビジネスモデルがあります。
提供するサービスによって向き不向きがあるため、この章で解説する特徴をもとに、どのモデルが良いかを検討してください。
1. 機能制限型
フリーミアムの中で最もベーシックなモデルです。基本機能は無料で利用でき、より高機能なサービスを利用する際に料金が発生します。
有料プランでは使える機能が増えるだけでなく、サービスの自由度が高まる機能も存在しています。例えば、動画サイトの広告スキップや音楽アプリのバックグラウンド再生などです。
有料プランに移行してもらうためには、基本機能の満足度を上げつつ、追加機能の魅力や利便性を訴求することが重要です。
2. 容量追加型
課金を行うことで利用できる容量を増やせるモデルです。GoogleやiCloudなどクラウドサービスのストレージが代表例としてあげられます。無料の場合は5GBまでしか使えないが「課金することで50GBまで保存できる」といったサービスです。
無料で利用できる容量では足りなくなった場合に、追加で課金を行います。追加できる容量に応じて、複数のプランが用意されているケースが多いです。
3. 会員限定型
有料会員になることで、限定や追加の特典を受けられるモデルです。例えば、会員だけが見られるコンテンツの配信や早期予約、限定クーポンの配布などがあります。
ツアーの優先抽選や限定販売が行われる有名人のファンクラブも、会員限定型モデルの一例です。一般的に、月会費または年会費を支払うことで会員となれます。そのため、支払った料金よりもお得に感じられるプランや特典を用意することが、有料会員を増やすポイントです。
4. 都度課金型
基本的なサービスは全て無料で利用し、必要な製品や機能だけを都度購入していくモデルです。オンラインゲームのガチャや、LINEスタンプが例としてあげられます。また遊園地で入園料は無料だが、アトラクションに乗る場合には都度料金が発生するケースもこのビジネスモデルです。
都度購入のため定期収入がなく、収益の見立てが立てづらいモデルです。収益の安定化を図るためには、例えば1つ購入すると300円だけど900円で使い放題など、他のモデルと組み合わせると良いです。
フリーミアムを導入する3つの目的
フリーミアムの導入によって、ユーザーは気軽にサービスを使い始めるようになります。商品やサービスの改善に重要な顧客の声を増やすためにも、利用者数を増やすことが効果的です。また、事前に基本機能を使っているため、課金する際の心理的ハードルを下げることにもつながります。
新規ユーザーの獲得や課金化への遷移率に課題を感じている方は、フリーミアムの導入を検討しましょう。
1. 新規ユーザーの獲得
無料で利用できてユーザーは気軽に始められるため、新規顧客の獲得に有効的です。「まずは使ってみよう」と、お試しで始めるユーザーが増やせます。
ただし、新規ユーザーが増えても無料プランのままでは売上は伸びません。無料プランで満足度を高めつつ、有料プランへ誘導していくことがサービスを拡大させるためのポイントです。
2. 口コミやフィードバックの収集
商品やサービスを購入する際に、利用者の口コミを参考にする方が増えています。口コミを増加させるためには、利用者数の分母を上げていくことが大切です。
無料で利用してもらった後に口コミやレビューを積極的に促していくことで、SNSやレビューサイトなどからの流入が期待できます。
また実際に使ってもらうことで顧客からの意見を収集できます。良い点はPRに活用し、悪い点は商品改善の参考にすることで、サービスを磨き続けられる点もメリットです。
口コミを増やしていくための施策については関連記事の「口コミを書いてもらう方法を6つ紹介!得られる効果や注意点も解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
3. 購入ハードルを下げる
初めて使うサービスや聞きなじみのない商品に対して、いきなりお金を払うことは抵抗感を持たれやすく、顧客は慎重になります。しかし、フリーミアムであれば無料で使用できるため、実際の操作感や便利さが分かった上で購入に移れることにより、課金のハードルが下げられます。
また実際にサービスを使った上で課金となるため、期待と現実のギャップが起きづらく、リピート率の増加や長期顧客になってもらいやすい点も特徴です。
フリーミアムを成功させる4つのポイント
フリーミアムを成功させるためには、集客数を増やすだけでなく、有料プランへの移行率を高めていく必要があります。そのためには各プランの違いを明確化し、課金してもらいやすい導線を作りましょう。
フリーミアムを成功させたい方は、紹介する4つのポイントを導入時の参考にしてください。
1. 無料と有料の違いを明確にする
無料で使える機能が少なすぎると、満足度が高まらず早期に離脱されてしまいます。一方で基本プランが充実しすぎていると、有料プランへ移行する理由がなくなり、課金するユーザーが増えていきません。
フリーミアムを行う際には、無料と有料の境界が重要です。無料プランは、使い始めるきっかけや満足度を高めるための機能にとどめ、ユーザーをファンにすることを目的としましょう。
有料プランはユーザーがサービスに価値を感じて、もっと使いたいと思ってもらえる内容を考えてください。例として無料で音楽が聴ける配信サイトで、ユーザーが移動中でも快適に聞けるようにバックグラウンド再生の機能を解放する施策があげられます。
2. 有料プランのトライアル期間の設計
無料プランと有料プランで使える機能が大きく変わる場合、新たに利用できるサービスに課金するメリットがあるか悩んでしまう顧客も多いです。そこで、課金のハードルを下げるためにトライアル期間を設定しましょう。
無料プランで基本的なサービスについて知り、気になった方が「トライアル期間で有料プランを実際に試す」という設計にしておきます。心理的ハードルが下がるため、有料化への誘導がスムーズです。
一度試してからお金を払っているため満足度の高い顧客が集まりやすく、離脱率が低くなる効果も期待できます。
3. 短期的な売上を求めない
フリーミアムは無料で利用する顧客が増えてから、少し時間をおいて有料プランへ移行することで売上が上がります。仕入れコストの回収に時間がかかるため、短期的な売上が必要な事業には向いていません。
リリース初期は広告投資を行い、まずは無料ユーザーを集めていきます。そのため、課金化された顧客が増えるまでの期間が赤字だとしても、許容できる資金計画が大切です。なおフリーミアムでは、5%のユーザーが課金すれば利益が出るような料金設定を目安としてください。
4. 有料プランへの導線設計
有料プランへ移行しようと思った際、顧客情報入力や支払い方法の設定に手間がかかってしまうと離脱されてしまう可能性があります。そのため、課金化への手続きがスムーズに行えるよう導線を整えましょう。
入力項目を減らす工夫やApple Pay・Amazon PAYなど、すでに設定されている支払い方法が利用できるようにすると効果的です。
また、移行方法に困った際や不安点がある場合に問い合わせが可能な窓口や、チャットボットを設置しておくこともスムーズな移行には重要です。
チャットコマースを導入して有料プランへの導線を増やす方法は、関連記事の「チャットコマースの市場規模は132億円!導入手順やメリット・活用事例を解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
フリーミアム導入のご相談ならFORCE-R
フリーミアムを上手に活用することで、新規顧客の獲得や売上増加につながります。効果的な施策とするためには、無料である基本プランと有料プランの切り分けを工夫することが重要です。
フリープランを充実させすぎると無料ユーザーだけが増加し、有料プランへの移行を強く訴求すると満足度を損なってしまう可能性があります。フリーミアムを成功させるためには、無料ユーザーの集客と有料プランへスムーズに移行してもらう施策の両方を同時に行うことが必要です。
自社に知見がない場合には、専門家に頼ることでスムーズな導入が実現します。FORCE-Rであればフリーミアム導入のサポートはもちろん、将来的に自社の人材で継続していくための支援も実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ|フリーミアムを活用して集客力と売上を伸ばそう
フリーミアムは基本プランが無料で使え、さらに高度なサービスや機能を使いたい場合に課金してもらうビジネスモデルです。元々、オンラインゲームのガチャや音楽や動画配信サイトの広告を消す機能などに見られていた施策でした。
フリーミアムは新規ユーザーが集めやすく、顧客がサービスを実際に試した後で課金を行うため、顧客満足度が維持しやすい点が特徴です。集客力や売上の向上を目指す企業には、フリーミアムの活用がおすすめです。
初めてフリーミアムを導入する際は、有効なプラン設計や課金化の流れを作るために専門のコンサルタントの力を借りることをおすすめします。FORCE-Rでは、強みである専門知識と組織体制により手厚いサポートをお約束します。