「サブスクと定期購入はどの観点で使い分ければ良い?」
「サブスクや定期購入を導入するメリットは?」
「ECサイトでサブスクや定期購入を成功させるコツが知りたい」
このような疑問や要望をお持ちではありませんか。サブスクや定期購入を活用すれば、継続して利用してもらうことによる安定した売上が見込めます。また、データから今後の収支予測も立てやすくなれば、新しい投資も行いやすくなる点もメリットです。
本記事では、サブスクと定期購入について「利用者」「事業者」それぞれのメリットや成功させるポイントを解説します。導入を考えている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
自社ECサイトの運営で必須な7つのチェックリスト
無料で資料を受け取る
Contents
サブスク・定期購入・頒布会について概要を解説
サブスクや定期購入、頒布会は似たようなビジネスモデルです。しかし、提供方法や内容が異なるため、概要を理解しておきましょう。ここでは、それぞれの特徴や代表例を紹介します。
自社商品やサービスには、どの手法が合っているか確認しながらご覧ください。
1. サブスクの特徴
サブスクは「サブスクリプション」の略称で、1ヶ月や1年間といった一定期間のサイクルで料金を支払う形態です。サービスや商品そのものではなく「サービスの使用権」や「商品の利用権」を購入する点が特徴です。
Netflixのような動画配信サイトや、Spotifyのような音楽配信サイトが代表例としてあげられます。利用権を購入しているため、どちらも契約期間内であれば使い放題ですが、期間を過ぎれば視聴できません。
デジタルコンテンツが主流でしたが、近年は洋服や家電のように、さまざまな種類の商品・サービスのサブスクが展開されています。
2. 定期購入の特徴
定期購入は「毎月」や「隔週」のように決まったサイクルで、同一商品を自動購入・配送されるサービスです。日用品で使われることが多く、飲料水やトイレットペーパー、お米のような大きくて重たい商品を定期購入にすると便利です。
また、プロテインやサプリメントのようになくなる時期がわかっている商品にも、買い忘れ防止を目的に用いられます。Amazonの定期おトク便が代表例です。都度購入と比較して、割引を受けられることが多い点も特徴です。
3. 頒布会の特徴
頒布会とはECサイトが普及する前から行われている手法で、会員に毎回異なる商品を定期的に届けるサービスのことです。会費を払うことで、契約期間中にさまざまな商品を受け取れます。
地方の特産物や果物のような季節で旬が変わる商品や、お酒のような嗜好品が対象となるケースが多いです。郵便局で実施している「ふるさと会」が代表例です。
サブスク・定期購入・頒布会の違い
サブスクや定期購入、頒布会はどれも決まった期間の契約を行い、定期的な収益を得られる点が特徴です。しかし、サービスや商品の提供方法や内容に違いがあります。
どのやり方にもメリット・デメリットは存在するため、導入時の参考にしてください。
1. 利用者側の違い
サブスクと定期購入、頒布会の違いを利用者目線でまとめた内容は以下の表のとおりです。
商品の種類 | 契約形態 | |
サブスク | 無形商品が多い | 使い放題または決められた回数まで 商品やサービスの利用権を得る |
定期購入 | 有形商品 | 同一商品を一定期間ごとに購入 |
頒布会 | 有形商品 | 異なる商品を一定期間ごとに購入 |
サブスクでは契約で決められた期間内において、商品やサービスの利用権を購入します。NetflixやSpotifyのようなデジタルコンテンツの場合には使い放題であることが多く、洋服やコーヒーのような商品は回数の制限があることがほとんどです。
一方で定期購入では決められた期間ごとに、同一商品を購入する仕組みです。頒布会も定期購入と似ていますが、一定期間ごとに別の商品を購入する点が異なります。定期購入は食料品や消耗品のような日常使いする商品が多く、頒布会ではスイーツや果物、お酒のような嗜好品が対象となります。
サブスクは商品やサービスの利用権を購入し、定期購入と頒布会では商品自体に料金を支払う点が違いです。またサブスクでは初期費用や解約手数料は発生しないため気軽に利用しやすい点が特徴です。一方で定期購入や頒布会では、解約期間の縛りや手数料があることが多い点も「違い」としてあげられます。
2. 事業者側の違い
サブスクと定期購入、頒布会の違いをサービスや商品を提供する「事業者目線」でまとめると、以下の表の通りです。
初期コスト | 集客難易度 | |
サブスク | 低 | 低〜中 |
定期購入 | 高 | 高 |
頒布会 | 高 | 高 |
サブスクや定期購入、頒布会に共通する特徴は毎月の収益が見立てやすいことです。会員数や過去の解約率をもとにすれば、毎月の収支計画が長期的に見通せます。収益が見通せることで、新商品の開発や設備投資のような事業投資の判断がしやすくなる点がメリットです。
一方で一定数の集客が集まるまでは利益が安定しないため、商品やサービスの磨き込みや開発が必要な点も類似しています。サブスクはデジタルコンテンツも多いため、初期コストが少なくても始められます。
またフリーミアムを上手に活用することで、入り口のハードルを下げやすく、お試しのユーザーも獲得しやすい点が特徴です。フリーミアムについてもっと詳しく知りたい方は、関連記事「フリーミアムとは無料提供から課金を促すシステム!サブスクとの違いや収益モデルを解説」を参考にしてください。
定期購入は主に日用品が対象となります。消耗品の場合は価格競争になりやすいため、常に市場動向を調査しながら、差別化し続けることが重要です。
頒布会では異なる商品を送るため、組み合わせの工夫によって在庫ロスが起こりにくくなります。また複数事業者と組むことで、お互いの顧客を送客し合えるため、新たな顧客層の開拓がしやすい点も特徴です。
ECでサブスク・定期購入を成功させる6つのポイント
ECサイトでサブスクや定期購入を成功させるためには、事前の準備と開始後の分析が重要です。ここでは、売上を伸ばすためのポイントを具体的に解説します。
サブスクや定期購入を始める前に読んでおけば、成功確率が上がります。担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
1. ニーズのある事業を選ぶ
サブスクや定期購入を始める際は、ニーズのある事業を選ぶことが重要です。本や漫画をたくさん読みたいけど費用を抑えたい方には「読み放題のサービス」が需要があります。毎回お米や飲料水を買いに行く手間を減らしたい方には、定期購入がぴったりです。
このように、顧客のどの課題に対してアプローチするかを丁寧に決めましょう。顧客課題はインターネットのような情報だけでなく、リアルな声を聞きに行くことも大切にしてください。
2. お得感を感じる価格設計
消費者のニーズと、それを解決するための方法が決まったら「提供価格」を設計します。価格設計を行う際には、競合サービスの比較と市場調査の2つを実施しましょう。市場調査では、モニター募集も行いながら「いくらまでなら払ってもらえるか」という価値を探りに行きます。
「初月無料」や「解約手数料不要」のような、入り口のハードルを下げることで手に取ってもらいやすくなる工夫を心がけましょう。また、都度払いよりも長期プランの方が安くなる価格にすることで、長く続けてもらえる仕組み作りも大切です。
3. 使いやすいシステムを利用する
次に提供方法を決めます。提供方法は以下のようにさまざまな選択肢があります。
- アプリかWebサイトのいずれを用いるか
- Webサイトの場合にはプラットフォームを利用するか
- 自社で構築するか
最初のうちは集客面の強さやサイトのエラーリスクを減らすためにも、既存で販売されているシステムやプラットフォームを用いるのがおすすめです。手数料や機能を比較しながら、検討してみましょう。
システムを選ぶ際には、同時に請求方法も決める必要があります。決済機能もセットになっているサービスを使うことで手間やコストが抑えられるため、合わせて確認してください。
4. マーケティング戦略を実行する
サブスク・定期購入の両方に共通する点は、顧客集客が大事なことです。会員数が増えないと利益は伸びていきません。そのため、どのように販路を拡大していくかについて、マーケティング戦略を練る必要があります。長らく主流であった「SEO」だけでなく「SNS」の対策も欠かせません。
SEOやSNSの対策方法については、関連記事「【必見】ECサイトにSEO対策が有効な2つの理由!対策方法についても解説」や「ECサイトの集客に効果的な5つのSNS運用方法!具体的なメリットと注意点も解説」を参考にしてください。
また一度戦略を考えたら終わりではなく、トレンドや競合、市場の変化に合わせて常にチューニングすることも重要です。さらに新規獲得だけでなく、既存顧客の継続利用率を高めるための施策も同時に行いましょう。
5. データ分析と改善案の検討
サブスク・定期購入の売上は、会員数と平均単価の掛け算です。会員数は新規顧客獲得と既存顧客の継続に分解できます。分析を行う際には、それぞれの観点から改善案を検討していきましょう。
新規顧客獲得であれば既存顧客の属性や流入先を分析し、広告の打ち出し方や出稿する場所を改善していきます。既存顧客の継続率を高めるためには、解約時にアンケートを取って不満足な点について探していきましょう。
アンケートの回答から、顧客の要望度が高い「追加すべき機能や改善ニーズ」がわかります。結果を参考にし、機能やプランの見直しを行いながら、解約率を下げるための施策を行いましょう。また長期で契約している重要顧客には、ロイヤルティ向上施策を行うこともおすすめです。
解約率を下げるための工夫は関連記事「【EC事業者向け】定期解約理由となる3つのケース!利用者のニーズに合わせた対策を解説」で、ロイヤルティ施策を行う方法は関連記事「ロイヤルティプログラムは優良顧客を育成する施策!6つの手法と成功のポイントを解説」で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
6. 初回購入のハードルを下げる
新しいターゲットにもリーチしていくためには、初回購入のハードルを下げることが重要です。そのために以下のような工夫を行うことで、まずは使ってもらうことを目指していきましょう。
- 初回無料や割引
- 返金保証
- 解約手数料不要
- 解約までの期間縛りの撤廃
初月や解約手数料分の売上がなくなり、一時的には利益が落ちる可能性はあります。しかし、過去の解約率をもとに半年後や1年後に増えている会員数を計算することで、どの程度の割引であれば将来的な収支が最大化できるかがわかります。短期的な売上ではなく、事業を中長期的に大きくするための施策を心がけてください。
サブスクや定期購入の導入や運用にお悩みの方はFORCE-Rへ相談
サブスクや定期購入を導入することは、毎月の収益を安定させるメリットがあります。そのためには「新規顧客の獲得」と「既存顧客の継続率向上」に取り組んで、会員数を増やすことが求められます。
新規顧客獲得では、ターゲット選定や分析、広告運用のようなスキルが大切です。また既存顧客の継続率向上のためには、解約理由の分析を行い原因を正しく把握し、新しい施策や機能改善を行う必要があります。自社内の人材で対応しきれない場合には、スキルを持ったコンサルタントへの依頼がおすすめです。
FORCE-Rではサブスクや定期購入の導入支援だけでなく、運用も合わせてサポート可能です。また、自社で進めていくための仕組み作りや育成支援も行っているため、導入を検討している担当者はお気軽にご相談ください。
まとめ|サブスクと定期購入の違いを理解し適切な手法で売上を伸ばそう
サブスクと定期購入や頒布会には提供方法に違いがあります。サブスクでは利用権を販売することが多く、定期購入や頒布会では一定期間ごとに商品自体をお届け、購入してもらいます。双方の違いや特徴を理解することで、自社商品やサービスにはどちらが合っているかを選びましょう。
ただし一からビジネスモデルを構築するためには、マーケティングやシステム・データ分析のように、さまざまなスキルが必要です。適切な人材の確保が難しい場合には、専門のコンサルタントへ依頼することをおすすめします。
FORCE-Rでは経験・スキルのあるスタッフが専属で、立ち上げから軌道に乗るまでサポート可能です。サブスクや定期購入を通じて収益を伸ばしていきたい担当者は、ぜひお気軽にお問い合わせください。