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ギフトに特化したECサイトに必要な5つの機能!市場規模と構築方法を解説

「ギフトECって需要あるの?将来性があるならぜひ参入したい」

「一般的なECサイトでもギフトECに必要な機能が備わっているの?」

「コストを抑えながらギフトに特化したECサイトを構築する方法を知りたい」

EC事業を始めるにあたって、ギフトに特化したサイトの構築を検討している方がいらっしゃるのではないでしょうか。ギフトECとは、誕生日プレゼントやお中元などをインターネットで購入できるサイトです。

本記事ではギフトECの特徴や必要な機能に加え、成功へのポイントも解説します。ギフトECの将来性に期待して参入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

ギフトECの特徴を解説

ギフトECとは、贈り物をインターネットで購入できるサイトです。取り扱っているギフトには、以下のようなものがあります。

  • お中元・お歳暮
  • 誕生日プレゼント
  • 父の日や母の日のプレゼント

ギフトECにはプレゼント用の商品が豊富に取り揃えられている上に、贈り物に欠かせないラッピングや熨斗(のし)などのサービスが充実しています。

また、近年ではSNSやメールでプレゼントできるソーシャルギフト(eギフト)の利用者も増えています。届け先の住所を知らなくても贈ることができるため、遠距離の友人とのコミュニケーションや感謝の気持ちを伝える際に利用されることが多いです。

ギフトECの市場規模は拡大傾向にある

株式会社矢野経済研究所のギフト市場に関する調査によると、2023年のギフト市場規模は10兆8,190億円で、新型コロナウイルス感染症の流行前を超えて過去最高水準に到達しました。前年比102.7%と市場規模は拡大しており、2024年は前年比101.7%の11兆20億円で推移すると予測されています。

またオンラインギフト総研のギフト購入実態によると、2022年にギフトを購入した場所は51.1%の方が回答した総合ECサイトが1位です。さらにギフト特化型のECサイトで購入したユーザーも26.1%と、4人に1人は利用していたことがわかります。

ギフト市場の中でもECサイトでプレゼントを購入するユーザーが増加していることから、市場規模が拡大傾向にあることがわかります。

ギフトに特化したECサイトに必要な5つの機能

プレゼントを取り扱うギフトECには、通常のサイトよりも多くの機能が必要です。顧客が購入をやめるリスクもあるため、どのような機能が必要なのか確認しながら読み進めてください。

1. アドレス帳

お歳暮やお中元は同じ相手に贈ることが多いため、名前や住所を登録できるアドレス帳機能があるとユーザーにとって非常に便利です。もしアドレス帳機能がなければ、贈り物をする度に住所を入力する手間がかかります。

また商品購入画面ですぐに住所を確認できない場合、調べるためにサイトから離れて戻ってこなくなるリスクもあります。カゴ落ちを防ぐためにも、アドレス帳の機能は大切です。

カゴ落ちについては関連記事の「カゴ落ちとはカートに入れた商品を購入せず離脱されること!サイトを離れる理由と対策を紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

なお、アドレス帳に住所が登録されていると次回以降に入力する手間が省けて便利になるため、リピート購入にもつながります。

リピート率を上げるそのほかの施策については、関連記事の「リピート率とは?業界別ECサイトの平均値と向上させる施策を解説」にて詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。

2. ラッピング指定

プレゼントにはラッピングをするのが一般的なので、包装紙の柄や色を選択できる機能が必要です。もし商品が魅力的でもラッピング機能がなければ、ギフト用としては利用してもらえない可能性があります。ユーザーのニーズに応えられるように、ラッピングを指定できる機能を用意しましょう。

またプレゼント相手に合わせて包装を変更したいユーザーもいるため、ラッピングのバリエーションを豊富にすることで売上アップが期待できます。なおラッピング指定機能を搭載した場合は、有料ラッピングを選択した際に購入金額に加算される機能とイメージ画像を確認できる機能も追加しましょう。

3. メッセージカードの同梱設定

プレゼントと一緒に言葉を添えて感謝やお祝いの気持ちを伝えたい方が多いため、メッセージカードを同梱できる機能もギフトECには欠かせません。

同梱機能を用意できたら、メッセージカードやフォントの種類の多様化を検討しましょう。贈り主の選択肢が増えることによって、ほかのECサイトと差別化を図れるためです。

またメッセージカードの追加オプションとして、生け花やお菓子を用意するのもおすすめです。ユーザーが選びたくなる有料オプションが充実していることにより、購入単価が上がって売上アップにつながります。

4. 熨斗(のし)の選択

熨斗(のし)とは、贈り物を包む掛け紙に添える飾りです。お歳暮やお中元に付けるため、ギフトECでは熨斗を選択できる機能を備えておく必要があります。

熨斗を取り扱う際は、一般的な「外熨斗」とお祝いのお返しである内祝いに使用する「内熨斗」から選択できるようにしましょう。また有料オプションを用意する場合は、熨斗の代金が購入金額に加算される機能も必要です。

5. 名入れ

名入れ機能とは、ギフトに相手の名前を入れられるサービスです。タオルやTシャツ、スイーツなどに名前を入れることで、特別感のあるプレゼントになります。また文字の大きさや色、フォントを選べるようにしておけば、豊富な選択肢から相手に合わせたギフトを贈れます。

名入れ機能を用意する際は「完成イメージ図」が表示されるようにして、ユーザーが安心して購入できる仕組みを整えましょう。

他サイトと差別化してギフトECを成功へと導くポイント

市場規模とともに参入企業の増加が見込まれるギフトEC市場で成功するためには、他サイトとの差別化が欠かせません。ここで紹介する競合との差別化ポイントを把握して、ECサイト運営に役立ててください。

1. プレゼント需要の大きい商品を充実させる

需要のある商品を豊富に取り揃えておくことで、ECサイトに訪問したユーザーの購入確率を高められます。プレゼント需要の大きい主な商品は、以下のとおりです。

  • スイーツ
  • グルメ
  • お酒
  • 財布や名刺入れのファッション小物
  • 食器

またプレゼントに名前や日付、メッセージなどの特別な加工をできるパーソナライズドギフトの需要が高まっています。そのため「相手の顔をプリントしたデコレーションケーキ」や「名前が印字されたタンブラー」など、一点物の商品をプレゼントできるパーソナライズドギフトに対応することで売上アップが期待できます。

2. ラッピングのバリエーションを豊かにする

梱包や包装はプレゼントのプレミアム感を演出できるため、ラッピングを充実させることは顧客獲得において重要です。

誕生日・母の日・婚約祝いなど、さまざまなイベントに対応したラッピングを用意しましょう。多種多様なシチュエーションに適したラッピングを用意していれば、ユーザーの離脱を防げて売上アップにつながるためです。

渡す際のイメージが湧きやすいように、ECサイト内で実際に商品をラッピングした際の画像も見られるようにしましょう。

3. ソーシャルギフトに対応する

新型コロナウイルス感染症の流行によって人と接する機会が少なくなったため、SNSやメールで受取用のURLを送信するソーシャルギフトの利用者が増加しています。オンラインギフト総研のアフターコロナギフト動向調査によると、ソーシャルギフトの利用者割合はコロナ前後で10%増加しました。

他社ECサイトとの差別化を図って売上アップを目指すなら、ソーシャルギフトへの対応は非常におすすめです。住所を知らなくても贈れる手軽さから若い世代を中心に人気を集めているので、ギフトECでも対応しましょう。

ギフトに特化した自社ECを構築する4つの方法

ギフトECの構築方法は複数あるため、予算や運用目的に合わせたものを選択する必要があります。ここではギフトECを構築する4つの方法を解説しているので、それぞれの特徴を把握してサイト運営を始めましょう。

1. ASP

ASP(Application Service Provider)は、カートや決済システム、ソーシャルギフト対応などギフトECに必要な機能が備わっているシステムです。簡単かつ低コストで導入できるうえに、ASP側でアップデートが行われて定期的に新機能が追加されます。メンテナンスもASPが行うため、ギフトEC運営にかかる手間と時間を削減可能です。

しかし、ASPには熨斗やラッピングの完成イメージ機能、複雑な名入れ機能などが備わっていないことが多いです。そのため、ギフトEC事業をこれから拡大したいと考えている場合は、機能不足だと言わざるを得ません。一方で少ないコストでリスクを抑えて、ギフトEC事業を始めたい企業にはASPがおすすめです。

ASPについては関連記事の「ASPカートとはECサイトの構築システムを提供するサービス!導入効果とおすすめを紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2. パッケージ

パッケージは、ECシステムの開発事業者が提供するシステムをサーバーにインストールして構築する方法です。カスタマイズ性が高く、分割配送先設定やラッピングなどギフトECに必要な機能が充実しています。

一方で初期開発費用に百万円以上、月額費用も数万〜数十万円程度が必要です。またアップデートが自動で行われないため、運営期間が長くなるにつれてシステムが陳腐化します。

5年程度でシステムのリニューアルが必要なので、長期的な視点で見ると非常に大きな手間とコストがかかります。ただしカスタマイズが自由にできるため、ユーザーが使いやすいデザインのECサイトを作りたい方にはおすすめです。

パッケージについては関連記事の「ECパッケージとはECサイトに必要な機能が揃ったシステム!選定時の比較ポイント3点も紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3. クラウド

クラウドは、ASPと同様にクラウド上のシステムを利用する構築方法です。ASPよりも拡張性が高く、さまざまな機能が備わったギフトECを構築できます。

利用するオプションサービスによって価格は変動しますが、初期費用数十万と月額費用数万円が相場です。またシステムは自動更新されるため、パッケージのように陳腐化する心配はありません。

4. フルスクラッチ

フルスクラッチは、システムをすべて自社で構築する方法です。ゼロからシステムを構築するため、思い通りにギフトECを作れます。

ただし、アップデートも自社で行う必要があるため、定期的に更新しないとシステムが陳腐化します。またフルスクラッチで構築するとなると、膨大な時間とお金が必要です。

パッケージやクラウドで機能が充実したギフトECを構築できるため、フルスクラッチを利用する企業は少なくなっています。一方で理想のECサイトを作れるフルスクラッチは、技術の優れたエンジニアがいる企業や、制作をすべて外部委託できる場合におすすめです。

ギフトに対応したECサイトの運営を始めるならFORCE-R

ASPを利用することでWebに関する知識・スキルがなくても、ECサイト運営を始められます。ただし、ASPではギフトECに欠かせないラッピングや熨斗のイメージ画像の出力、複雑な名入れには対応できない可能性が高いです。

「ギフトEC事業を立ち上げたいけど不安…」とお悩みの方は、FORCE-Rへご相談ください。経験豊富なコンサルタントが在籍しているため、ギフトECに必要な機能を備えたサイトを構築可能です。

またサイトを構築した後も、運営方法やマーケティング施策に関するアドバイスを提供して売上アップをサポートいたします。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>

まとめ|ギフト向けのECでは必要な機能を備えてサイト運営を行うことが重要

プレゼントに特化したギフトECは、今後も市場規模が拡大していくと見込まれています。そのため、ギフトEC市場への参入を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、ギフトECは一般的なECサイトよりも必要な機能が多く、構築する難易度が高いです。またサイトの規模や予算を考慮しつつ、複数ある構築方法から適切な手段を選ぶ必要があります。

FORCE-Rのコンサルティングでは、予算に応じて企業ごとに最適な構築方法を提案可能です。ギフトECで良いスタートを切れるよう、専門知識を持ったコンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか。

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ:本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。 その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。 楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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