フルフィルメントとは注文した商品が手元に届くまでの流れ!9つの手順を解説

「フルフィルメントって具体的にどんな業務?」
「フルフィルメントに自社で対応する体制が整っていない」
「代行サービスを依頼する際はどのようなことに気をつければ良いの?」

このようなお悩みをお持ちではありませんか。フルフィルメントは商品の入荷・受注から発送までの工程を指します。発送までの期間や梱包の仕方は、顧客の満足度にも関わります。また商品を置く場所や人件費を節約するため、代行業者へ依頼することも多いです。

本記事ではフルフィルメントの基本的な概念や流れだけでなく、外部委託するメリットや注意点についても詳しく解説します。今後ECサイトを始める方やフルフィルメント業務でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

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フルフィルメントとは?基本概念を解説

フルフィルメントは、通信販売やECサイトにおいて、商品の受注から配送までのバックヤードで行われる一連のプロセスを指すマーケティング用語です。具体的な業務内容は会社や業種によって異なり、顧客からの問い合わせや撮影・採寸など受注前のプロセスまで含まれます。

フルフィルメント業務は、顧客満足度に密接な関係があります。例えば、発送スピードの差や梱包のきれいさが満足度につながることはイメージしやすいでしょう。

サイト運営者や販売者自身が行っていた業務を代行するサービスを「フルフィルメントサービス」と呼びます。例えば、Amazonで月額+販売手数料で提供していている、FBA(Fulfillment By Amazon)というサービスが代表例です。商品を倉庫に預けておけば、保管や配送業務をAmazonが代行してくれます。

フルフィルメントサービスと似た用語に3PL(3rd Party Logistics)があります。3PLは物流業務のみを委託できるサービスです。そのため、受注・決済業務や顧客対応など購入者とやりとりが発生する業務は3PLでは委託できません。そのためフルフィルメントサービスと3PLは、依頼したい業務内容に合わせて使い分けます。

AmazonのFBAのメリットや特徴についてもっと詳しく知りたい方は関連記事の「AmazonのFBAとは?メリット・デメリットや手数料を解説」にて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

フルフィルメントの流れ9ステップ

入荷や注文受付から発送までを指すフルフィルメントの代表的な業務内容を、9つの手順で解説します。ただし、会社や業界によってどの業務内容をフルフィルメントと呼ぶかが異なる場合もあるため注意してください。

フルフィルメント業務を通して、顧客に早くきれいな状態で商品を届けることは満足度に直結します。生産性を高めながらも、丁寧に行うよう心がけてください。

1. 入荷・検品

卸会社や販売メーカーより、商品が倉庫や保管場所へ届くことを入荷、数量や種類が間違っていないかを確認する業務を検品と呼びます。毎日多くの商品が入荷されるため、スピードと正確性の双方が求められる業務です。

検品の際には、ハンディターミナルを用いてバーコードを読み取るなど、ITを用いることで業務効率化やミスの削減の工夫を行います。なお、よく似た用語である入庫は「入荷した商品を保管場所まで運ぶ業務」を指します。

2. 保管

入庫された商品は、ラックやパレットなど適した保管方法を用いて棚に収納されます。食品や医薬品の場合は、温度や湿度管理だけでなく消費期限や使用期限の管理も同時に行います。

また、先に入れた商品がどんどん奥になってしまい取り出しづらくならないよう、保管時は古い商品が先に出せるような配置にするよう工夫が必要です。

3. 受注処理

顧客より商品の注文を受ける業務を「受注処理」と呼びます。販売者によって、受注方法は電話やメール、FAXなどさまざまです。注文内容や在庫の確認を行った後、顧客へ商品を届けるための出荷準備に移ります。

なお、近年ではWMSと呼ばれる管理システムを用いて、受注や在庫管理を一元化することで効率の良い業務遂行が可能です。また発送の際に利用する、注文された商品の詳細や個人情報が書かれた伝票も作成します。

4. 決済

注文を受け付けた後、受注処理と同時に購入者が選択した決済方法で支払いが実施されているかを確認します。

支払い方法はさまざまあり、以下のような例があげられます。

  • クレジットカード
  • 銀行振込
  • 電子マネー
  • キャリア決済
  • コンビニ振込
  • 代金引換

支払い方法の種類を増やすと顧客の利便性が上がりますが、手続きの手間や手数料が増える可能性があるため慎重に決めてください。支払いの確認が取れたら、顧客に決済完了のメールやアプリ通知を送ることも決済業務に含まれます。

ECサイトで決済方法を選ぶ方法については関連記事の「ネットショップで導入したい7つの決済方法を徹底比較!選ぶ際のポイントも解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

5. ピッキング

ピッキングとは、受注処理が完了した後、出荷指示書や伝票を元に倉庫内から発送する商品を探す業務です。商品が軽い場合には従業員が指示された商品を集めていき、重い場合には台車やフォークリフトを利用することもあります。

また近年はデジタル化が進んでおり、ITツールを用いて自動でピッキングを行えるようになりました。商品によっては、箱詰めやラベルを貼る「流通加工」という業務を同時に行います。

6. 検品

ピッキングした商品は、梱包前に再度検品を行います。検品を行う際は、以下のような項目を確認します。

  • 数量
  • 種類や色
  • 賞味期限・使用期限
  • 破損や傷の有無
  • 異物混入はないか

顧客に商品を発送する前の最終チェックを行う工程です。商品の間違いや異常があった場合、このプロセスで発見しなければクレームや顧客満足度の低下につながるため、慎重に行いましょう。

7. 梱包

検品が終わり次第、商品を段ボールや封筒の資材に詰めていきます。配送中に破損や傷がつかないよう、緩衝材を一緒に入れましょう。また、商品に合わせて天地無用や割れ物注意などのシールも貼ります。

壊れずに配送できるよう、丁寧さが求められる業務です。商品が届いた際に顧客が最初に見る状態であるため、良い印象を与えられるよう、きれいで開けやすい梱包を意識してください。

またDMやチラシ、手紙を合わせて封入することで感謝を伝え、リピートにつながるきっかけを作る方法もあります。

8. 発送

梱包した商品を配送業者に引き渡し、顧客へ発送を行います。受注処理の際に伝票を作成しているので、商品と一緒に渡すだけで作業は完了です。

配送先は自宅だけでなく、オフィスや近くのコンビニなどさまざまな場所が想定されるため、配送業者が対応可能か事前に確認をしておきましょう。商品が発送されたら、顧客へメールやアプリで通知を送りましょう。

9. 顧客対応(返品)

届いた商品に不具合や誤りがあった場合には、顧客より返品や交換のお問い合わせが来ることがあります。事実確認の上で、以下の対応を行いましょう。

  • 謝罪
  • 今後の対応について相談(返金か交換か)
  • 返品商品の検品(再販可能か確認)
  • 返金・交換処理

1つのクレームが会社やブランドの信用をき損する可能性もあります。商品を購入した顧客の信用を失わないよう、素早く丁寧な対応を行いましょう。

フルフィルメントを外部委託する3つのメリット

フルフィルメントは顧客満足度につながる大切な業務ですが、自社ですべて行う場合には時間や人手が必要です。フルフィルメント業務を代行業者へ委託すれば、人件費や保管場所にかかるコスト削減につながります。

外部委託することで本来やるべき業務に集中できて売上が伸び、さらに効率化ができることによる顧客満足度の向上も実現します。フルフィルメント業務を自社で行うか、外部委託するか、メリットを比較しながら検討してください。

1. 売上につながる業務に集中できる

ECサイトを運営する際、力を入れるべきは商品開発やマーケティングなど、売上や事業成長に直接つながる業務です。フルフィルメントは重要な業務ですが、商品開発やマーケティングと比較すると単純作業にあたります。

しかし、業務が多岐にわたることから時間を取られてしまっているケースも多いです。フルフィルメントサービスを利用することで、単純作業に割いていた従業員のリソースを、事業成長につながる重要な業務へあてられます。さらに、代行業者のノウハウを活用することで、今まで以上に効率化が期待できる点もメリットです。

2. サービスの幅が広がる

自社でフルフィルメント業務を行っていた際には対応が難しかった、以下のようなサービスも外部委託することで実現可能です。

  • 決済方法の増加
  • 配送方法の増加
  • 配送オプション(ギフトラッピングや梱包の指定など)

サービスの幅が広がることで、顧客のニーズに合わせた購買体験が提供できるようになります。また、他社との差別化につながり、顧客満足度のアップが見込めます。

3. リードタイムが短縮できる

フルフィルメントサービスへ委託することで、安定した品質を保ったまま、早く顧客へ商品を届けられるようになります。一連の業務をまとめて依頼することで、顧客の注文を受けてから対応するまでの受注リードタイムや、出荷作業を行うまでの時間が削減できるためです。

注文から配送までの期間を短くすることは、顧客満足度を高めてリピーターを増やすことにもつながります。

フルフィルメントを委託する際の3つのポイント

フルフィルメント業務を外部委託することで、コスト削減や顧客満足度の向上へつながります。ただし、商品の受注や発送などの重要な業務であるため、依頼する際は慎重に行いましょう。

外部委託する際には、この章で解説する3つのポイントを参考にしてください。

1. 導入目的の明確化

まずフルフィルメントサービスへ依頼することで、解決したい課題を明確化しましょう。例えば、以下のような目的が考えられます。

  • 売上につながる業務に専念したい
  • 人手不足を解消したい
  • お届けまでのリードタイムを短くしたい
  • 安定した出荷業務を行いたい
  • 保管倉庫のコストを削減したい

フルフィルメントサービスを導入する目的に応じて、かけるべき予算や任せるべき業務内容が変わります。人手不足を補いたい場合には、人件費と導入コストを比較する必要があります。一方で、リードタイムを短くする場合には、受注処理から発送までの業務を依頼するだけで十分かもしれません。

目的を明確にすることで「予算がいくら」で「何を任せたいか」がはっきりするため、委託すべき会社も絞られていきます。

2. サービス内容と料金

フルフィルメント業務は、業界や会社によって内容や種類が異なる場合があります。会社ごとに対応できる業務が違うため、依頼する際には自社が求めるサービスを提供しているか確認しましょう。

まずは目的に合ったサービスがあるか確認し、その上で細かな業務内容や料金を比較していきましょう。料金を比較する際にも「1件あたり」か「1ヶ月あたり」なのか単位に気をつけて見積もりを確認してください。

3. 信頼性

料金だけでなく口コミや過去実績など、会社やサービスの信頼性も確認してください。破損や誤配送は、売上毀損や顧客からの信頼を失うことにつながります。

また、商品を預ける場合には保管状況も合わせて確認しておきましょう。時間があれば、実際に倉庫を見に行くことで実情を把握できます。トラブルや問い合わせ時に窓口となる担当者が信頼できるかどうかもチェックしておくと、なお安心です。

フルフィルメントの導入にお悩みならFORCE-Rへ相談

フルフィルメント業務は顧客満足度にも密接な関係がある重要なプロセスです。ただし単純作業も多く、商品開発やマーケティングのコア業務により多くの時間を使うほうが事業成長にとっては有効です。

そこで生産性を高めるために、業務プロセスを見直すだけでなく代行サービスを依頼することで、負担を減らしていく方法もあります。

業務プロセスの見直しや代行サービスへ依頼を検討する際には、まず現状の整理と課題点の洗い出しを行いましょう。その際にプロへ相談して課題点の発見や行うべき施策を検討すると、新しい気づきを得られます。

FORCE-Rであれば、フルフィルメント導入に向けた支援だけでなく、現在実施しているプロセスの見直しや代行すべきかの判断を専門のスタッフがサポートします。フルフィルメント業務にお悩みの企業担当者は、お気軽にFORCE-Rまでお問い合わせください。

まとめ|フルフィルメントを見直して業務を効率化しよう

フルフィルメントは、ECサイト運営の中で時間がかかる業務です。そのため、売上を上げていくためには業務を効率化し、生産性を高めていく必要があります。

現在行っているプロセスや内容を一度見直し、削れる工程やITで代替できる業務を探していくことが効率化の第一歩です。また、フルフィルメントサービスを活用していくことも有効な手段です。

何から行うべきか悩んだ際には、ぜひプロの力を借りてください。FORCE-Rでは強みである専門知識と組織体制により、手厚いサポートをお約束します。フルフィルメントの導入や見直しを検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

記事を書いた人

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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