ECサイトのレコメンド機能の活用で期待できる5つの効果!仕組みや注意点についても解説

「自社ECサイトにレコメンド機能を導入するとどのような効果が期待できるの?」
「レコメンド機能の仕組みを利用してECサイトの売上が伸ばせるようになりたい」
「ECサイトでレコメンドを活用する際の注意点があれば知りたい」

ECサイトのレコメンド機能に関連して、上記のような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。レコメンド機能を効果的に活用できれば、自社サイトの購入率や客単価アップが期待できます。一方で取り入れる機能によって改善できる指標が異なるため、導入する理由が明確になっていなければ、期待しているほどの効果を得られません。

そこで本記事では、ECサイトで導入できるレコメンド機能について、得られる効果や注意点を解説します。レコメンド機能を活用して自社ECサイトの売上を伸ばしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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ECサイトのレコメンド機能とはおすすめ商品を紹介する仕組み

ECサイトにおけるレコメンド機能とは、サイトを訪れたユーザーに対しておすすめの商品を紹介する仕組みのことです。ユーザー目線では、欲しいと思っていた商品の提案を受けられるため、新しい商品の発見につながることがメリットです。

一定のルールに基づいて、ユーザーに適した商品を表示させるシステムはレコメンドエンジンと呼ばれます。レコメンドエンジンの活用方法は幅広く「新商品の露出を増やす」「売れ筋商品の拡販を図る」といった用途があります。

企業側でコントロールするだけでなく、ユーザーの行動履歴に合わせて訴求する商品を変えて、売上アップにつなげる手法も効果的です。企業ごとにレコメンド機能を取り入れる理由は異なるため、事前に課題を整理しておきましょう。

ECサイトでレコメンドを活用することで期待できる5つの効果

ECサイトでのレコメンドを活用することにより、期待できる効果は大きくわけて5つあります。事前に確認しておくことで、自社の課題に合わせた適切な利用方法がわかるはずです。

1. 商品の購入率が高まる

ECサイトであれば、レコメンド機能を取り入れることで商品が購入されやすくなります。ユーザーが自分で探さなくても欲しい商品の情報が得られることで、購入率の向上が期待できるからです。

ユーザーはWeb上で多くの情報に接するため、以前見た商品の画像は覚えているが商品名までは思い出せず、販売ページにたどり着けないケースがあります。レコメンド機能を取り入れることで、ユーザーが閲覧した商品をおすすめすることが可能です。

2. 客単価が上がる

レコメンド機能の使い方次第では、客単価アップにつながります。例えばユーザーが選んだ商品より、内容量が大きい商品を提案することでアップセル施策になります。

またカートへ入れた商品と組み合わせて効果を発揮する品物の提案などにより、あわせ買いを促すクロスセル施策としても効果的です。自社の課題が客単価にある場合は、それぞれ取り入れたい施策の1つです。

アップセルやクロスセルについては関連記事の「アップセルとクロスセルの違いとは?売上向上につながる3つのポイントや成功事例も紹介」にて詳しく解説しています。用語の意味や具体例を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

3. サイトの滞在時間が伸びる

ユーザーが興味のあるジャンルに関連した商品を提案することで、サイトの滞在時間が伸びやすくなります。興味があるジャンルの商品であれば、ページを回遊してもらえる可能性が高いからです。

さまざまな商品ページに遷移することで購買意欲が高まり、結果的に商品購入につながりやすくなります。例えばユーザーが閲覧した商品の色違いや、同じブランドの新商品を訴求すると効果的です。

4. リピート購入につながる

レコメンド機能を取り入れれば、リピート購入の促進に役立ちます。なぜならレコメンド機能はWeb広告にも取り入れられており、集客施策としても活用できるからです。

購入履歴があるユーザーに対して、リターゲティング広告で新商品や同じブランドの商品を訴求することで、サイトへのリピート訪問を促せます。一方で、掲載するにあたって必要なデータを用意するのに専門的な知識が必要なため、近年では実施の難易度が上がっています。レコメンド機能を活用したWeb広告の出稿は、広告代理店やWeb集客に強い企業へ運用を委託するのが有効です。

レコメンド機能を活用したWeb広告については関連記事の「ダイナミックリターゲティング広告とは?利用できる媒体や仕組みを解説」にて詳しく解説しています。用語の意味や具体例を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

5. サイトへの信頼度が高まる

レコメンド機能を効果的に活用できれば、ユーザーからサイトの信頼が得られます。レコメンド機能を活用してユーザーの関心に沿った商品の提案ができれば、自分の興味を理解してもらえていると感じるようになるからです。

ECサイトでは、実店舗のように対面接客ができません。レコメンド機能は、Web上で販売スタッフに変わって商品の提案を行います。ユーザーの興味関心や必要としているニーズに合わせて、最適な接客ができるようにレコメンド機能の設計を行いましょう。

ECサイトに活用されるレコメンドエンジンの5つの機能

ECサイトに活用されるレコメンドエンジンには、大きくわけて5つの仕組みがあります。自社の課題に対して、最適なレコメンドエンジンを活用できるように、事前に仕組みを把握しておきましょう。

1. ルールベース

ルールベースとは、サイト運営者側で設定したルールに沿って商品を提案する機能のことです。期間限定商品を訴求する際など、自社の都合でPRしたい商品を訴求するのに効果的な仕組みです。

ルールベースの場合は自社で訴求したい商品をおすすめするため、行動履歴などのデータが少なくても機能させられます。ECサイト内でプロモーションに合わせて訴求するなど、自社で露出する商品をコントロールしたいと考えている場合におすすめです。

2. コンテンツベースフィルタリング

コンテンツベースフィルタリングとは、ユーザーの行動履歴に合わせて事前にグループ分けした関連商品を提案する機能です。レコメンドの精度が高くなりやすい一方で、各商品の特徴に合わせて設定を行う必要があります。

使い方としてはユーザーが閲覧した商品と、同じブランドの商品を訴求するなどの設定が可能です。特定のブランドに興味があるユーザー層に対して、アップセル・クロスセル対策として活用できます。

3. 協調フィルタリング

協調フィルタリングとは、ユーザーの購入履歴に合わせておすすめの商品を自動で提案する機能です。仕組みとしては、アイテムベースとユーザーベースの2つがあります。

アイテムベースの場合は、ユーザーの購入した商品と一緒に買われることが多い商品の提案が可能です。一方でユーザーベースの場合は、行動履歴の似ているユーザーが購入した商品を提案できます。それぞれクロスセル対策としての役割を担えるため、客単価アップにつなげられます。

4. パーソナライズドレコメンド

パーソナライズドレコメンドとは、ユーザーの行動履歴に合わせておすすめの商品を提案する機能です。すでにユーザーの行動履歴がデータとして蓄積されている場合は、より提案の精度が高くなります。

他の機能とパーソナライズドレコメンドを比較した際の違いは、他ユーザーの情報を考慮しない点です。あくまでパーソナライズドレコメンドは対象ユーザーの好みをベースに分析するため、顧客データが蓄積されていない場合は効果的に活用できません。ある程度ユーザーの行動履歴が蓄積されるまでは、別の機能を利用しましょう。

ECにおけるパーソナライズに関しては関連記事の「ECサイトをパーソナライズする4つのメリット!実行時の注意点と具体的な施策も紹介」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

5. ハイブリッド・レコメンデーション・システム

ハイブリッド・レコメンデーション・システムとは、複数の機能を組み合わせたうえで、ユーザーに商品の提案を行う仕組みです。2つ以上のロジックを活用している場合は、すべてのケースがハイブリッド・レコメンデーション・システムに該当します。

レコメンド機能はそれぞれ得意・不得意な分野があるため、短所を補う形で組み合わせることにより効果的に活用できます。一方でそれぞれの機能を組み合わせて設計するため、実装までの準備や管理に工数がかかる点はデメリットです。

ECサイトで導入できる2種類のレコメンドエンジン

ここではECサイトで導入できる、2種類のレコメンドエンジンについて紹介します。自社のリソースやコスト面を踏まえて、どちらのレコメンドエンジンを取り入れるべきか検討しましょう。

1. オープンソース型

オープンソース型とは自社でサーバーを用意して、システム環境に合わせた開発を行うことで活用できるレコメンドエンジンです。自由度が高く、自社の方針に合わせてカスタマイズしやすい点がメリットであり、導入後の詳細なサイト分析も可能です。

一方で開発工数が必要になり、コストがかかるだけでなく運用難易度も高い点には注意が必要です。日本製のレコメンドエンジンは種類が少なく、自社でカスタマイズを行うためにはある程度の知識やスキルが求められます。

2. ASP型

ASP型とはアプリケーション・サービス・プロバイダのことで、自社でサーバーを用意する必要がなく、すでに用意されている機能を利用するレコメンドエンジンです。高い技術力が不要であり、クラウド上で利用できるサービスが数多くあります。コストを抑えやすく、導入するための難易度が比較的低いレコメンドエンジンです。

一方でオープンソース型と比較して、自社の都合に合わせたカスタマイズができません。ある程度導入できる体制や技術力が整っている場合は、オープンソース型の方が適しています。

ECサイトでのレコメンド活用における3つの注意点

ECサイトでレコメンド機能を活用する際に、押さえておきたい3つの注意点を紹介します。レコメンド機能の導入や活用をスムーズにすすめられるように、事前に把握しておきましょう。

1. 利用目的が曖昧になりやすい

レコメンド機能を活用する際は、利用する目的を明確にしましょう。なぜならレコメンド機能にはさまざまな種類があるため、どの指標を改善するために導入するかが明確になっていないと、期待しているような効果が得られないからです。

例えば購入率を高めたい場合、自社で売りたい商品を訴求するだけでは数値の改善が期待できません。ユーザーの行動履歴に合わせて興味のある商品を提案することで、レコメンド機能を効果的に活用できます。

2. コールドスタートを考慮する必要がある

コールドスタートは、レコメンド機能を導入する際に押さえておきたい事象の1つです。コールドスタートとは、導入直後でデータがたまっておらず、レコメンド機能の精度が低くなる事象です。主に協調フィルタリングなど、行動履歴を活用する際に起きやすくなります。

導入直後はコールドスタートを考慮して、ルールベースで設定するなどの必要があります。行動履歴を活用した機能は、データが蓄積されてから運用するようにしましょう。

3. 少カバー率問題の対策が必要になる

少カバー率問題はレコメンド機能を導入する際に陥りやすいため、事前に対策が必要です。少カバー率問題とは、少数のユーザーにしか購入されない商品などでユーザーに関するデータが少なく、レコメンド機能が働かない事象を指します。

レコメンド機能を活用する際は、導入する仕組みに合わせて必要なデータが蓄積されやすい環境であるかチェックしておきましょう。商品の取り扱い数が少なく、データの蓄積が難しい場合はルールベースで設定するなどの対応が必要です。

ECサイトでレコメンドを効果的に活用するならFORCE-R

レコメンド機能にはいくつかの種類や仕組みがあるため、自社で導入する際はどのように活用したら良いか判断できないケースは多いです。自社ECサイトにレコメンド機能を導入するにあたって、サポートが必要だと感じた場合はFORCE-Rへご相談ください。

FORCE-Rならレコメンド機能を自社ECサイトで導入する際に、どのように取り入れていけば良いかなどの提案やサポートが可能です。またEC業界での売上改善実績が豊富であるため、レコメンド機能の効果的な活用方法にとどまらず、ECサイト全体への施策立案も行えます。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>

まとめ|ECサイトにレコメンド機能を取り入れて売上をアップさせよう

ECサイトにおけるレコメンドとは、サイトを訪れたユーザーに対しておすすめの商品を紹介する機能のことであり、購入率や客単価向上が期待できる仕組みです。レコメンド機能にはさまざまな種類があるため、導入することで「どのような数値を改善させたいか」明確にしておきましょう。

レコメンド機能を導入するにあたって、課題を感じている場合はぜひFORCE-Rへご相談ください。EC業界に強い貴社専任のコンサルタントが、レコメンド機能の導入から効果的な活用方法まで、現状の課題を踏まえながら全力でサポートいたします。

FORCE-R お問い合わせはこちら >>

記事を書いた人

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ

本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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