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D2C事業者はAmazonに出品すべき?メリット・デメリットや活用方法を解説

  • D2C事業者はAmazonに出品したほうがいい?
  • D2C事業者がAmazonに出品するメリット・デメリットは?
  • AmazonでD2Cブランドの売上を伸ばす効果的な方法は?

上記のようにお悩みではないでしょうか。

最大級のECモールであるAmazonは、D2C事業者にとって強力な販売チャネルのひとつです。実際にAmazonを活用して売上を立てているD2C事業者も少なくありません。

本記事ではD2C事業者向けのAmazon活用方法やAmazonに出品するメリット・デメリット、売上最大化のコツなどを解説します。「D2Cブランドの商品をAmazonに出品するか迷っている」という方はぜひ参考にしてください。

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AmazonはD2C立ち上げ初期から活用できる

D2Cブランド立ち上げ初期のテストマーケや軌道に乗ってからのチャネル拡大など、さまざまな状況でAmazonを活用できます

Amazonは3大ECモール(Amazon/楽天市場/Yahoo!ショッピング)のなかでも出品しやすい点が特徴です。後述する販売コストの低さや集客力の高さを考慮すると、D2Cブランドの立ち上げ段階で需要の大きさや商品力を測る際に最も活用できるでしょう。

ブランドの世界観を表現しづらいことがAmazonの弱みでしたが、近年は新機能によって解消されつつあります。自社サイトで立ち上げを行なったD2Cブランドの販路拡大にもAmazonは有用です。

Amazonの特性を理解したうえで、自社ブランドの状況に適したやり方でAmazonを活用しましょう。

D2C事業者がAmazonに出品する7つのメリット

D2C事業者がAmazonに出品するメリットを7つ紹介します。

1. 低コストで販売開始できる

D2C事業者がAmazonに出品するメリットの1つ目は、低コストで販売開始できることです。

自社ECサイトを構築する場合、ShopifyのようなASPカートを利用しても数十万円の費用がかかります。一方でAmazonであれば7枚〜9枚程度の商品画像を用意するだけでよく、数万円で対応できるでしょう。

Amazon内施策やSNSマーケティングによって集客することで、広告費も削減できます。コストを抑えたいD2Cブランド立ち上げ初期には特に大きなメリットです。

2. Amazonの集客力を利用できる

Amazonに出品することでMAU4,729万人の集客力を利用できます。

引用:eccLab

自社ECサイトで商品を販売する場合、広告やSNS、Webメディアなどを活用して自力で集客しなくてはなりません。Amazonにもライバル出品者は多いためAmazon SEOのような施策は必要ですが、ゼロから集客するよりも効率的です。

慣れ親しんだ利便性から「何かを購入したいときはまずAmazonで検索する」というユーザーも多く、Amazonに出品しないとリーチできない層も存在します。立ち上げ初期の集客に苦心しやすい段階だけではなく、D2Cブランドの売上をさらに伸ばしたい段階でもAmazonの集客力は強みです。

3. ポイントや会員などの仕組みで購買促進できる

D2C事業者から見たAmazonのメリットの3つ目は巨大な会員基盤を活用できることです。

Amazonには、お買い物で利用できるポイントや配送特典を受けられるプライム会員などの仕組みが存在します。自社ブランドにとっての新規顧客でも「ポイントで安くなるから買ってみよう」という気持ちから購入のハードルを下げられるのです。

ただし自社で顧客リストを集めることも、ブランドの持続的な成長には欠かせません。Amazonの会員基盤を活用しながら自社ECサイト・メディアでのリスト獲得も行いましょう。

4. 決済や物流を簡単に整えられる

Amazonで商品を販売する際は、自社ECサイトと比較して決済や物流の整備が簡単です。

Amazonでは下記の決済方法が用意されています。

  • クレジットカード
  • コンビニ・ATM・ネットバンキング・電子マネー払い
  • 代金引換
  • Amazonギフト券
  • あと払い
  • PayPay
  • 携帯決済

参考:amazon.co.jp

販売実績がないと利用できないものもありますが、どの決済方法もセラーセントラルからワンクリックで有効化が可能です。決済代行会社と契約したりECサイトに決済機能を実装したりなどの手間・コストがかかりません

また物流については、FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用することでほとんどAmazonに丸投げできます。決済や物流を簡略化し、商品改善や集客などのD2Cにおけるコア業務に集中できることがAmazonの利点です。

5. レビューの購買促進効果を期待できる

D2C事業者がAmazonに出品するメリットの5つ目は、レビューによる購買促進効果です。

Amazonでは検索結果ページや商品ページで商品レビューが目立つように表示され、ユーザーはレビュー評価を判断基準のひとつとしています。

いい商品を販売していれば、商品が売れるほどレビューが増えてさらに売れやすくなるサイクルに入れるでしょう。

レビューの収集/表示は自社ECサイトでも可能ですが、レビューに対する信頼感がAmazonの特徴です。低評価レビューを参考に商品改善を進めることもできるため、レビュー投稿/反映の簡単さもメリットと言えます。

6. 黒字化が早い

単月もしくはトータルでの黒字化までが早いこともAmazonのメリットの1つです。Amazon以外の代表的な販路には、下記のデメリットが存在します。

販路特徴
自社ECサイト・集客が大変で広告費が膨らむ
・サイト構築やカートシステムなどの初期費用/固定費が高い
楽天市場・固定費が高い
・値引きイベントが多く利益率が悪化しやすい
Yahoo!ショッピング・ランニングコストが高い
・売上規模が小さい

一方Amazonであれば初期費用はほとんどかからず、固定費も大口プラン月間登録料の4,900円のみです。Amazonの集客力を利用できるため広告費も抑えられます。

安定的かつスピーディーに単月・累計での黒字化を現実的に狙えます。

7. 転売を排除しやすい

Amazonに出品するメリットの7つ目は、転売事業者への見込み顧客の流出を防ぎ売上を確保しやすいことです。

特に単品リピート通販事業者は転売の標的になりやすい面があります。転売事業者への売上流出を防ぐには、同じプラットフォームでユーザーを奪い返さなくてはなりません。

楽天市場やYahoo!ショッピングなど「出店型」のECモールでは、転売事業者のショップに対して明確な差別化を図ることが求められます。しかし複数の出品者が1つの商品ページを共有する「出品型」のAmazonでは、カートの獲得さえできれば転売事業者への売上流出を防ぐことが可能です。

公式ショップかどうかに関係なく、Amazonや楽天市場など特定のECモールでしか買い物しないユーザーも存在します。Amazonに出品しなければ、転売事業者に売上を奪われたままになるのです。Amazonに出品して転売による機会損失を回避しましょう。

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単品リピート通販事業者がAmazonに出品すべき理由と独自対策とは?

D2C事業者がAmazonに出品する3つのデメリット

D2C事業者がAmazonに出品するデメリットを3つ紹介します。

Amazonと自社サイトやほかのECモール(楽天市場やYahoo!ショッピング)はどれも一長一短であり、常にベストな選択肢はありません。Amazonのデメリットも把握したうえで出品を検討してください。

1. 手数料が発生する

Amazonで商品を販売するデメリットの1つ目は手数料が発生することです。

主な手数料項目 手数料金額
出品プラン手数料 ・大口プラン:月額4,900円
・小口プラン:1件販売につき100円
販売手数料 販売金額の8%〜15%ほど
※カテゴリーによって変動

たとえば「大口プラン/販売手数料8%のカテゴリー/月間売上200万円」の場合、1ヶ月あたり164,900円の手数料がかかります。FBAを利用している場合はさらに手数料が上乗せされる仕組みです。

ただしAmazonでは初期費用を抑えられること、ほかの販売チャネルでもランニングコストが発生することを考慮すると、必ずしも大きなデメリットではありません。優先順位をつけて判断したいポイントです。

▼関連記事
【高い?】Amazon出品の手数料一覧|計算方法や具体例も解説

2. 世界観やブランドイメージを作りづらい

Amazonでは、D2Cブランドにとって重要な世界観やブランドイメージを構築しづらい面があります。

自社ECサイトだけではなく、ほかのECモールと比較してもAmazonの販売ページは固定化されており自由度が高くありません。販売ページでビジュアル面を訴求して、世界観やブランドイメージを伝えることが難しい点がAmazonのデメリットです。

ただし最近では、商品紹介コンテンツやストアページなどの機能追加によって表現の幅が広がっています。

デメリットであった世界観やブランドイメージの伝えづらさを克服しつつある点も、D2C事業者にAmazonでの出品をおすすめできる理由のひとつです。

3. 価格競争に陥りやすい

Amazonのデメリットの3つ目は価格競争に陥りやすいことです。

商品名や商品画像に細かな要件があり検索結果ページでの表示が似てしまうため、ユーザー視点で優劣の判断が難しい面があります。したがってわかりやすい差別化ポイントである価格に目が行きやすく、ユーザーに選ばれることを目指すあまり価格を下げる出品者が少なくありません

ただし価格を下げて利益が少なくなれば、ブランドの成長は難しくなります。またブランドイメージを守る意味でも、極端な安売りは避けたいところです

コンセプトやレビュー評価、商品バリエーションなど価格以外のポイントで差別化を図りましょう。

Amazonでの売上最大化のために意識したい3つのポイント

実際にD2C事業者がAmazonに参入する際、売上最大化のために意識したいポイントを3つ紹介します。

1. FBAを活用する

Amazonでの売上最大化に重要な1つ目のポイントはFBAの活用です。

FBAはフルフィルメント by Amazonの略で、Amazonが倉庫管理や配送などの物流作業を代行してくれるサービスのこと。特に少人数で運営しているD2Cブランドにとって、物流周りの省力化は大きなメリットでしょう。

ほかにもFBAには下記のような利点があります。

どれも売上に直結するポイントであり、Amazonで売上を伸ばすためにFBAの利用は欠かせません。手数料を加味しても、FBAを利用することで利益が大きくなるケースのほうが多いでしょう。

2. Amazon内広告を配信する

Amazonで売上を伸ばすにはAmazon内広告の配信も効果的です。

Amazon内広告を配信することで、検索結果ページの最上部に商品を表示できます

検索上位に表示できるほど多くのユーザーに閲覧されるため、Amazonの集客力を最大限に利用することが可能です。またスポンサープロダクト広告はオーガニック掲載商品と同じフォーマットであり、広告感が薄く購入につながりやすくなっています

Amazonの検索アルゴリズム(A9,A10)では、直近の販売件数が多い商品ほど優遇されます。広告を配信して販売件数を伸ばし、オーガニック検索でも上位表示を狙いましょう。

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【2023最新】Amazon広告とは?種類・特徴や成功させるコツを解説

3. Amazonブランド登録を行う

D2C事業者がAmazonでの売上最大化のために意識したいポイントの3つ目は、ブランド登録を行うことです。

ブランド登録とは、Amazonにブランド所有者として認めてもらうための仕組みのこと。ブランド登録によって下記のような機能が開放されます。

ブランド登録で開放される機能 機能によってできること
ストアページ ブランドの世界観や商品をアピールする専用ページを作成できる
ブランドアナリティクス 商品ページのアクセス解析や指標の分析ができる
カスタマーレビュー 低評価レビューの解消を目的としてユーザーに連絡できる

Amazonブランド登録には商標が必要ですが、D2C事業者であればすでに取得している/取得する予定がある場合も多いでしょう。ブランド登録はD2C事業者にとってメリットが多いため、活用をおすすめします。

Amazonに出品する際の2つの注意点

D2C事業者がAmazonに出品する際、注意したい点が2つあります。大幅な赤字やアカウント停止などのリスクを避けるために、必ず事前に確認しておきましょう。

1. サブスク型での成功は難しい

Amazonに出品する際の1つ目の注意点は、サブスク型での成功が難しいことです。

Amazonユーザーの多くは単発購入を前提としています定期おトク便の仕組みもありますが、食品や消耗品などがほとんどです。単品リピート通販のように「新規顧客の獲得に1万円前後の広告費をかけ、LTVを高めて回収するモデル」はAmazonとの相性がよくありません

自社ECサイトでは単品リピート通販モデルを採用しているD2Cブランドでも、Amazonでは単発購入を前提に立ち回りましょう。

2. レビュー施策は慎重に実行する

Amazonでのレビュー施策は慎重に行いましょう。

商品レビューは売上を大きく左右するポイントですが、Amazonではレビューに関連する規約が厳しく定められています。Amazonレビュー施策におけるNG行為の代表例が下記です。

  • 身内にレビューを依頼する
  • 高評価レビューを依頼する
  • レビューと引き換えに金銭などを付与する

規約に違反するとアカウント停止や売上金没収などのペナルティがあります。Amazonでのレビュー施策を行う際は、規約を確認したうえで慎重に実施しましょう。

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Amazonレビューを増やす施策4選|依頼のコツや注意点も解説

AmazonにおけるD2Cブランドの成功事例2選

最後に、Amazonでの商品販売に成功したD2Cブランドの事例を2つ紹介します。自社でAmazonに出品する際の参考にしてください。

1. Anker (アンカー)

引用:amazon.co.jp

Ankerはパソコン・スマホの充電器やイヤホンなどのガジェットを中心に販売しているD2Cブランドです。

レビューを参考にした商品改善を重視する方針を立てたことで、品質による差別化・ブランド確立に成功しました。2022年12月期の売上は350億円を突破し、Amazonに展開するD2Cブランドの代表例と言えます。

参考:日本ネット経済新聞

2. BULK HOMME(バルクオム)

引用:amazon.co.jp

バルクオムは男性向け化粧品を販売しているコスメD2Cブランドです。

自社ECサイトでの定期購入を中心にブランドを展開しつつ、Amazonや楽天市場などのECモールにも出品/出店しています。自社サイトでの定期購入とECモールでの単品購入を組み合わせている好例です。

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まとめ|D2C事業者はAmazonを活用しよう

D2Cブランド立ち上げ初期のテストマーケから拡大期の売上伸長まで、さまざまなフェーズでAmazonを活用できます。Amazon出品のメリット・デメリットを把握したうえで、自社の状況に合わせて適切にAmazonを利用しましょう。

「Amazonに出品したいが、運営ノウハウがない」「D2Cブランドの売上拡大について相談したい」という方は、FORCE-Rへお問い合わせください。経験豊富なコンサルタントが、ブランドの売上最大化をサポートいたします。

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ:本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。 その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。 楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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