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Amazonブランド登録とは?条件や費用、5ステップのやり方を解説

  • Amazonブランド登録ってなに?
  • ブランド登録をするメリットは?
  • ブランド登録のやり方は?

上記のようにお悩みではないでしょうか。

Amazonでブランド登録を行えば、転売防止や新施策の実行によって売上を伸ばすことが可能です。しかし商標が必要なこともあり、ブランド登録はハードルが高いと感じる方もいます。

そこで本記事ではAmazonブランド登録のメリットや条件、やり方などを解説します。Amazonで自社商品を販売している方はぜひ参考にしてください。

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Contents

Amazonブランド登録とは

引用:Amazon Brand Registry

Amazonブランド登録とは、Amazonに商標権者として自社のブランドや出品者アカウントを認識してもらうための仕組みです。商標を取得したうえでAmazon内での申請が必要なため面倒に感じますが、自社商品を販売しているセラーにとってはメリットも少なくありません。

Amazonブランド登録の10のメリット

Amazonブランド登録を行うメリットは次の10個です。

  • 転売業者による商品ページへの相乗りを防げる
  • 商品ページの編集権限を強められる
  • スポンサーブランド広告・スポンサーディスプレイ広告を配信できる
  • Amazonストアを作れる
  • JANコードなしで出品しやすくなる
  • ブランド紹介コンテンツでショップ内の回遊率を高められる
  • ブランドアナリティクスを利用できる
  • ABテスト機能が利用できる
  • サブ画像部分に動画の掲載ができる
  • ★3以下の低評価レビューに対してメッセージ送信が可能

あらかじめメリットを確認し、影響を把握したうえでブランド登録の準備を進めましょう。下記で1つずつ解説します。

1. 転売業者による商品ページへの相乗りを防げる

Amazonブランド登録の1つ目のメリットは、転売業者による相乗り出品を防げることです。

Amazonでは、1つの商品につき1つの商品ページしか作成できません。自社ブランドを立ち上げて商品ページを作成しても、転売業者に相乗りされる可能性があります。

悪質な転売業者によって下記のような状況が発生したら、自社の売上が減少してしまいます。

  • 転売業者が利益率を下げて低価格で出品することで、カート獲得率が下がる
  • 転売業者の雑な保管・発送に対して、ユーザーが商品レビューで低評価をつける

Amazonでの相乗りに有効な対策は多くありません。しかしブランド登録を行っていれば、知的財産権の侵害を理由にBrand Registryから転売ショップの出品停止を依頼できます

結果はAmazonの審査次第となるため、必ず停止させられるわけではありませんが、相乗り防止のもっとも効果的な施策です。

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2. 商品ページの編集権限を強められる

商品ページの編集権限を強められることも、Amazonブランド登録のメリットです。

Amazonの商品ページは、複数の出品者による情報を統合して作られています。転売業者が安売りをイメージさせるような編集を行い反映されれば、ブランドの世界観が壊れたり正しくない情報が掲載されたりなどの可能性があります。

ブランド登録を行い自社の編集権限を強めることで、ブランドや商品のイメージを守り世界観を強めることが可能です

3. スポンサーブランド広告・スポンサーディスプレイ広告を配信できる

ブランド登録のメリットの3つ目は、スポンサーブランド広告・スポンサーディスプレイ広告を配信できるようになることです。

Amazonのスポンサー広告には3種類あり、ブランド登録をしていない状態ではスポンサープロダクト広告しか配信できません。スポンサーブランド広告・スポンサーディスプレイ広告を利用できれば、露出を強化してアクセスや売上を拡大できます

特にスポンサーブランド広告は、Amazonでユーザーが検索した際に1番上に表示されるため大きな効果を見込めます。ブランド登録後は優先的に活用しましょう。

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4. Amazonストアを作れる

Amazonストアを作れるようになることも、ブランド登録のメリットの1つです。

Amazonストアとは、ブランドやその商品を紹介してユーザーにブランドの魅力・世界観を伝えられるコンテンツのこと。LPのような形式でビジュアル面での訴求もできるため、ブランドとしての認知拡大・売上アップに役立つ機能です

スポンサーブランド広告では遷移先URLとしても活用でき、自社ブランドを持つセラーには欠かせない機能と言えます。

5. JANコードなしで出品しやすくなる

Amazonブランド登録を行うことで、JANコードがなくても出品しやすくなります。

※JANコードとは…
事業者および商品を特定するための識別コードのこと。主に13桁もしくは9桁の数字で構成される。

通常、Amazonで出品する際にはJANコードが必要です。しかし年商に応じて1万円〜の費用がかかるため「自社商品を作ったがJANコードを取得していない」というセラーもいます。

JANコードが無い場合には「製品コード免除申請」を行わなくてはなりません。そしてブランド登録済みであれば、製品コード免除申請が通りやすくなるのです。

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6. 商品紹介コンテンツでショップ内の回遊率を高められる

Amazonブランド登録の6つ目のメリットは、商品紹介コンテンツ(A+)でショップ内の回遊率を高められることです。

ブランド登録を行うことで、商品紹介コンテンツの「ブランドストーリー」タイプを利用できるようになります。ブランドストーリーとは、商品ページ内で、単一商品だけではなくブランドについて訴求できるコンテンツです。

Amazonでは、楽天のように「同じショップで◯円以上購入したら送料無料」といった施策を行えません。ショップ内の回遊率を上げるためには、ブランド登録をしたうえで商品紹介コンテンツを活用することが重要です。

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7. ブランドアナリティクスを利用できる

ブランドアナリティクスを利用できるようになることも、Amazonブランド登録のメリットの1つです。

ブランドアナリティクスとは、Amazonが公式に用意している分析ツールのこと。下記のような情報を把握できるため、Amazon運用を改善して売上をアップさせるために欠かせません

  • ユーザーが実際に検索している語句
  • 自社商品の代わりに購入された商品
  • リピート購入行動

特にユーザーが実際に検索している語句は、Amazon SEO対策を行ううえでなくてはならない情報です。ブランド登録を行ったら、必ずブランドアナリティクスを活用しましょう。

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8. ABテスト機能が利用できる

ブランド登録をすることで「比較テスト」が利用できるようになります。

「比較テスト」とはAmazon商品ページのABテストができる機能のこと。利用の流れは下記のとおりです。

  1. 商品名やメイン画像、A+を変更した商品ページを2パターン用意する
  2. Aパターン、Bパターンとして設定する
  3. ABテストを行う期間を設定する(4週間・6週間・8週間・10週間)
  4. 設定期間の間、パターンABの商品ページがランダムに表示される
  5. パターンごとのCVRの違いを比較し、優れた商品ページを特定する

「1月1日から1月31日まではパターンA、2月1日から2月28日まではパターンB」のような方法でABテストを行うと、時期による違いを考慮する必要があり厳密な比較ができません。「比較テスト」機能を用いることでフラットなテストができるようになれば、より効率的に商品ページを改善して売上をアップさせられます

9. サブ画像部分に動画の掲載ができる

Amazonブランド登録をするメリットの9つ目は、サブ画像に動画を追加できるようになることです。

動画では、テキストや画像と比べて圧倒的に多い情報量を伝えられます。Amazonの調査によると、商品ページに動画を追加することで売上が平均9.7%も上昇していました(参考:Amazon出品大学)。

サブ画像への動画の追加は、CVRおよび売上の後押しが期待できる大きなメリットです。ブランド登録後は、積極的にサブ画像へ動画を追加してテストしましょう。

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10. ★3以下の低評価レビューに対してメッセージ送信が可能

ブランド登録をすることで「カスタマーレビュー」という機能を利用して、★1〜★3の低評価レビューを投稿したユーザーにメッセージを送信できるようになります。

「カスタマーレビュー」では、ユーザーに直接連絡して返金やサポートといった対処を行い、低評価レビューの解消を目指すことが可能です。ただし「カスタマーレビュー」はあくまでユーザーの不満を解決することを目指す機能であり、直接的に低評価レビューの削除を依頼することはできません。

方法を問わず、ユーザーに低評価レビューの削除を依頼するとAmazon規約に抵触し出品停止・アカウント削除といったペナルティを受ける可能性があるため注意してください。

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Amazonブランド登録の2つの条件

Amazonブランド登録を行うには次の2つの条件が存在します。

  • 商標権を持っていること
  • 商品またはパッケージに登録商標が表示されていること

申請段階で条件を満たしていないことに気づくと、大きなタイムロスとなります。あらかじめ確認しておきましょう。

1. 商標権を持っていること

Amazonブランド登録を行うための1つ目の条件は、登録したいマーケットプレイスでの商標権を持っていることです。amazon.co.jpでブランド登録をしたい場合には、日本で登録された商標が必要となります。

商標の種類にも注意が必要です。日本の商標には、主に次の3種類が存在します。

商標の種類概要
文字商標文字のみで構成される商標(ブランド名など)
図形商標文字+画像で構成される商標(ブランドロゴなど)
画像商標画像のみで構成される商標(フィギュアなど)

上記のうち、Amazonブランド登録に利用できるのは文字商標および図形商標のみです。画像商標ではブランド登録できないため注意しましょう。

・テキストベースの商標: ワードマーク(文字商標)
・画像ベースの商標: 文字要素を含む図形商標、デザイン文字/結合商標

引用:Amazon Brand Registry

商標取得には、通常1年ほどの期間がかかります。ブランド登録をしたいと考えていて、かつ商標未取得の場合には、できるだけ早く準備を進めましょう(参考:特許庁)。

2. 商品またはパッケージに登録商標が表示されていること

Amazonブランド登録をする2つ目の条件は、商品もしくはパッケージに登録商標が表示されていることです。

ブランドの有効な登録商標が商品またはパッケージに表示されている必要があります。

引用:Amazon Brand Registry

商標を取得していてもブランド登録の審査を通過できない場合があるため注意しましょう

Amazonブランド登録にかかる費用

Amazonのブランド登録自体は無料です

ただし出品プランによる制限は明記されていないものの、小口出品では新規カタログを作成できません。実質的に大口出品に限定されているため、出品プランの利用料として4,900円/月がかかります。

また商標取得は有料であり、下記の合計29,200円〜+弁理士費用が必要です。

  • 出願料:12,000円
  • 登録料:17,200円
  • 郵送料や電子化手数料など:実費

弁理士費用は事務所によって幅が広く、5万円〜10万円が相場です。小さくない支出ですが、自分で登録申請すると時間がかかってしまうため、基本的には弁理士に依頼することをおすすめします。

Amazonブランド登録のやり方5ステップ

Amazonブランド登録のやり方は下記の5ステップです。

  1. Brand Registryに登録する
  2. 「新しいブランドを登録」>「ブランドを登録する」と進む
  3. 「ブランド情報」を入力する
  4. 「出品用アカウント情報」を入力する
  5. 「製造および販売情報」を入力して「送信」を選択する

あらかじめやり方を確認しておくことで、実際に登録する際もスムーズに進められます。

1. Brand Registryに登録する

まずはBrand Registryに登録しましょう。Amazon Brand Registryのページにアクセスして「Brand Registryの開始」をクリックします。

表示される説明を読みながら「開始する」「今すぐ登録する」をクリックしてページを進めてください。

ブランド登録を行う国を選択する画面になるので、商標を取得している国を選択しましょう。

2. 「新しいブランドを登録」>「ブランドを登録する」と進む

出品者用アカウントでBrand Registryに登録しブランド登録画面に遷移したら、「新しいブランドを登録」を選択します。

商標を取得済みもしくは申請中であることをあらためて確認して、「ブランドを登録する」をクリックしましょう。

3. 「ブランド情報」を入力する

引用:Amazon Brand Registry

次にブランド情報を登録します。具体的には下記のような項目です。

  • ブランド名(原則、商標と一致していること)
  • 登録商標期間(「日本」を選べばOK)
  • 商標の登録番号もしくは申請番号(出願番号)
  • 商品画像(ブランド名やロゴがはっきり表示されているもの)

登録内容に間違いがないことを確認し、「次へ」をクリックします。

4. 「出品用アカウント情報」を入力する

引用:Amazon Brand Registry

次に「出品用アカウント情報」として下記のような項目を登録します。

  • 出品者 or ベンダー
  • ブランドのカテゴリー
  • 上記で選択したカテゴリーで最も売れている自社商品のASIN
  • ブランドの公式サイトURL(任意)
  • Amazon以外のECサイトURL(任意)

公式サイトやAmazon以外のECサイトのURLは任意項目です。なければ空欄のままで問題ありません。

5. 「製造および販売情報」を入力して「送信」を選択する

引用:Amazon Brand Registry

最後に製造・販売に関する下記の情報を入力します。

  • 卸販売の有無
  • 販売されている国(任意)
  • ライセンス供与の有無

ほかの小売業者への卸販売を行っていない場合は、「流通情報」と「ライセンス情報」の両方で「いいえ」を選択しましょう。

入力内容を確認し、問題がなければ「送信」をクリックしてAmazonブランド登録の申請は完了です。承認通知などはメールで送られてくるため、見逃さないように注意してください。

Amazonブランド登録に関する3つのよくある質問

最後に、Amazonブランド登録に関するよくある3つの質問にお答えします。

1. 商標がなくてもAmazonブランド登録はできる?

商標がない・取得する予定がない場合、Amazonブランド登録はできません。Amazonブランド登録には、登録するマーケットプレイスがある国で有効な商標が必要です。

国外の新たなマーケットプレイスでブランド登録をしたい場合、その国や地域で商標を取得しなくてはならない点に注意しましょう。

2. 商標申請中でもAmazonブランド登録はできる?

商標申請中でもAmazonブランド登録は可能です。ブランド登録申請を行う際に、商標の登録番号に替えて申請番号を入力できます。

申請番号を入力する場合は先頭の「商願」という文字を除き、「数字4桁-(ハイフン)数字5,6桁」のフォーマットで入力してください。

3. Amazonブランド登録にかかる時間を短縮するには?

Amazonブランド登録の審査を早める方法はありません

しかし商標出願から行う場合、「商標早期審査・早期審理制度」を利用することで時間を短くできます。通常であれば商標の申請から権利取得に1年ほどかかるところ、2,3ヶ月程度まで短縮可能です。

「すでにブランド名やブランドロゴを利用していて、転売対策のためになるべく早くブランド登録したい」といった場合には早期審査制度を活用するといいでしょう。

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まとめ|Amazonブランド登録は売上アップ・相乗り対策に有効

本記事ではAmazonブランド登録の概要やメリット、申請方法などを解説しました。

Amazonブランド登録には、転売業者による相乗りを防いだり売上アップに役立つツールを利用できたりといったメリットがあります。商標取得にかかる費用以上の売上効果が見込める場合も多く、自社商品を扱うセラーは必ず活用したい仕組みです。

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執行役員 WEBコンサルティング事業部 ECグループ:本多 一成

EC事業会社にて、Amazon/楽天/Yahoo!ショッピングの運営、物流・CSなどに携わる。 その経験をもとに、各モールのコンサルタントとしてFORCE-Rに従事。 楽天市場が得意。担当案件では前年比200%の売上達成した実績も。

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